基礎データ
全国図鑑 | No.0956 |
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パルデア図鑑 | No.264 |
ローマ字表記 | Cuespatra |
ぶんるい | ダチョウポケモン |
タイプ | エスパー |
たかさ | 1.9m |
おもさ | 90.0kg |
せいべつ | 50%♂・50%♀ |
とくせい | びんじょう/おみとおし/かそく(隠れ特性) |
タマゴグループ | ひこう |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | クエスパトラ | クレオパトラ+エスパー |
英語・スペイン語・イタリア語 | Espathra | ESP+telepath(テレパス)+Cleopatra(クレオパトラ) |
ドイツ語 | Psiopatra | Psi(超能力)+Kleopatra(クレオパトラ) |
フランス語 | Cléopsytra | Cleopatra(クレオパトラ)+psychique(精神の、心的な) |
韓国語 | 클레스퍼트라 | 日本語名の音写 |
中国語(簡体字) | 超能艳鸵 | 超能力(chāonénglì)+艳后(yànhòu、クレオパトラ)+鸵鸟(tuóniǎo、ダチョウ) |
中国語(繁体字) | 超能豔鴕 | 超能力(chāonénglì)+豔后(yànhòu、クレオパトラ)+鴕鳥(tuóniǎo、ダチョウ) |
進化
ヒラヒナ→クエスパトラ(Lv35)
概要
ヒラヒナが進化したダチョウのような姿のポケモン。尾羽にかけてのオレンジ色を主体とした大きなフリルが特徴。
頭部には名前の由来のクレオパトラの髪型を思わせる銀色の頭毛を備え、ホルスのようなキリッとした青い目をしている。そして嘴に見えるそれは実は鼻(?)であり、本当の口はその下に付いていると、さながら人面鳥のような様相を呈している。
可憐で気品のある姿とは裏腹に性格はとても荒く、青い目からサイコパワーを放出して敵を動けなくしてしまう。またフリルからサイコパワーを放出する事で時速200キロのスピードで疾走するのを可能としている。実際に野生の個体がこちらの存在に気がつくと、羽を広げて威嚇した直後に猛突進してくるので注意。
ダチョウモチーフは過去にドードリオが存在するが、こちらは現実世界のダチョウに基づいた姿と差別化されている。
また単エスパータイプなので、ひこうタイプなのに陸上特化のドードリオのようなややこしい事は起きない(鳥なのに虫が苦手と言う別の事例が発生しているが)。
あくまで鳥ポケモンであるため「ドリルくちばし」や「ブレイブバード」といったひこうタイプの技を覚える事は可能。
ギョロリとした大きな目は一見恐ろしくもあるが、実は進化前のつぶらな瞳は失われておらず、眠っている顔をよく見てみると丸い瞳の外側の部分はアイシャドウのような模様であることがわかる。
色違いは髪型以外の羽部分が茶色になり、モチーフのダチョウに近くなる。
名前の由来はおそらく「エスパー」+「クレオパトラ」だが、「クエー(鳥の鳴き声)」や、人面の聖獣スフィンクスの伝承になぞらえ「クエスチョン」を掛けている可能性もある。1文字違いのニュータイプの少女はおそらく関係無い。
ちなみに、エジプト神話にはダチョウの羽をシンボルに持つマアトという女神が登場する。
性能
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
95 | 60 | 60 | 101 | 60 | 105 | 481 |
一見すると特攻と素早さが高く、それ以外が微妙というよくある速攻系エスパータイプの配分。
HPもそれなりに高いものの防御と特防が低いため微妙に思えるが、このポケモンの強みと個性は特性と専用技にある。
新特性「びんじょう」は相手の能力アップに乗じて自身の能力値も上げるというもの。
上がる能力自体は相手依存なので能動的に活かせるかは怪しいが、「バトンタッチ」との併用も可能なので、積み技の牽制にはなる。性質上「てっぺき」と「ボディプレス」を組み合わせて戦うポケモンとの対面でとても強い。1度だけ発動するものまねハーブとは異なり、能力上昇した度に発動する。流石に無双する恐れが高かったためか、いばるは覚えない。
「おみとおし」は「トリック」との併用で狙った道具を奪いやすくなる。
トリック使いとしては高めの素早さなのも強み。
夢特性「かそく」の強さは言うまでもない。
同特性を持つ先輩たち同様に「バトンタッチ」で素早さを引き継がせることが可能なほか、「めいそう」も覚える。
自身の不安な耐久の対策や後続サポートのための「フェザーダンス」「リフレクター」「ひかりのかべ」なども使え、回復に「はねやすめ」もあり、耐久面に特化して補助技込みであれば意外とできることが多いのが強み。
相性のいいアシストパワーは、後述の専用技が凶悪なため必須とはならないが、型によっては採用されることもある。
専用技の「ルミナコリジョン」は通常火力と言って差し支えない威力80の攻撃技にして、確実に相手の特防を2段階下げる追加効果を兼ね備えた強力な技。
自身が撃ち合いで負けるとしても後続アタッカーの補助としても活用できる他、レイドでも有用なウェポンになり得る。
ちなみにRTAでもクエスパトラが候補に挙がる理由に直結しているが、技エフェクトが長いため優先順位が低くなりがち。
ただしともっこさまなどとの相性の関係で、『碧の仮面』の攻略を主軸としたRTAでは優先順位が高い。
「ルミナコリジョン」と「マジカルシャイン」を覚えさせれば攻撃技は大体完結する。そのため、余った技スペースに「さいみんじゅつ」を仕込みやすい。「さいみんじゅつ」は苦手対面への最後の手段として役立つ場合もある。
そのほかのサブウェポン候補としては「エナジーボール」、「シャドーボール」、「ラスターカノン」、「サイコショック」。物理アタッカー相手には「イカサマ」の採用もありか。
素の状態だとはがねタイプ相手に対抗できる技が「シャドーボール」と「イカサマ」くらいしかないが、複合タイプの関係でゴーストタイプが刺さるメジャーなはがねタイプは多いので「シャドーボール」を入れておくと隙がなくなる(あくタイプ複合には「マジカルシャイン」で対処可能)。
対戦面では「ルミナコリジョン」無効のあくタイプの積みアタッカーに対して「びんじょう」の発動機会が見込まれる。「ルミナコリジョン」が無効なので起点にできると高を括って積み技を放ったところに「びんじょう」が刺さるという寸法である。「ものまねハーブ」でさらにタダ乗りによる利益を増幅できれば言う事無し。
…ただし、あくタイプの積みポケモンは物理が多く「つるぎのまい」などを貰っても本人はあまり活かせない。相手が積むと読み切ったらそれに合わせて「みがわり」も出しつつ味方の物理ポケモンに「バトンタッチ」してやろう。
ミミッキュ対策としても優秀で、受け出しのミミッキュの「ばけのかわ」を剥がし、相手がそのまま居座るなら二の矢の「ラスターカノン」or「シャドーボール」で仕留められる。事前にミミッキュの一致が通りづらいテラスタルタイプに変わっておけば対面からでも勝てる。
テラスタイプは自身の弱点を補完できるノーマル、フェアリーが目ぼしいところ。特にフェアリーの場合、ドラパルトが「ドラゴンアロー」で露骨に「きあいのタスキ」を破りに掛かるのに対して対策ができる。
極論「ルミナコリジョン」であく以外のテラスタルを切った相手を崩せるクエスパトラと、「ルミナコリジョン」が無効のあくテラスタル以外(何ならエスパー半減以外のテラスタル全て)に対して「キノコのほうし」をぶつけることで打開できるキノガッサ(くさテラスタルを切られたらそれこそクエスパトラで崩せる)で、持ち物や特性、ポケモンたちの元のタイプなどを考慮せずテラスタル単体で考えた場合、全てのテラスタルに対応できる。
欠点としては頼りない火力を全面的に「ルミナコリジョン」に頼り切っている部分があり、全く通らないあくタイプには滅法弱い。バンギラスは天敵。「いかさまダイス」+「テラスタル」+「ロックブラスト」の組み合わせには、オーソドックスなCSベースの調整では手も足も出ない。
バンギラスへの打点がほぼほぼかくとうタイプの「テラバースト」しかなく、テラスタルしてもH252振りの個体が確定2発である。
「マジカルシャイン」があるならフェアリータイプでは駄目なのか?と思うかもしれないが、只でさえ高い特防に特性「すなおこし」によるいわタイプの特防1.5倍効果が加わった(更にとつげきチョッキを持っている場合もある)バンギラスの特殊耐久の前に生半可な抜群技などでは焼け石に水にもならない。しかもバンギラスは格闘4倍弱点消しと火力増強目的で岩テラスタルしている事が多いためそうなると上記のように格闘テラスしてからの「テラバースト」でも同じ事である。
そしてクエスパトラは基本的に「きあいのタスキ」前提なので、相当調整を工夫しない限り「きあいのタスキ」を捨てて火力アイテムを持たせるのは難しい。
幸いにもバンギラス自体が環境によって数を減らしているが、なによりも元々が相性不利なバンギラスを相手にわざわざクエスパトラで挑む必要などないので出てきたら大人しく引っ込めばいい話である。
「ルミナコリジョン」を考えるとダブルバトルのデバフ係としても期待できる。「かそく」で素早さ合戦に参加できるのも大きい。
シリーズ1環境では「てんねん」持ちに「ルミナコリジョン」が刺さるという事で独自の立場は築き上げている。「てんねん」はあくまで相手の能力ランクの変化を無視する効果であり、自分の能力ランクの変化は無視されないのである。
特にドラパルトとの並びで使われる場合が多い。ドラパルトは特殊型の場合600族としては非力な火力がネックとなるが、そこでクエスパトラの「ルミナコリジョン」によるデバフという訳である。ドラパルトで壁を貼ってからクエスパトラをエースとして展開する構築もある。
その後、ぎりぎりまで「めいそう」型と誤認させる運用となるひかえめCS「とつげきチョッキ」型A特化火力アイテム無しセグレイブのテラスタルなしの「きょけんとつげき」+「こおりのつぶて」を「オボンのみ」込みで確定耐えする調整の、Bに厚く振った型、「かそく」と「めいそう」で「アシストパワー」を活かす型が開発された。ドドゲザンやサザンドラに強い「テラバースト」かくとう型も確認されている。
特に味方の積み技からの「バトンタッチ」で降臨するクエスパトラは厄介だが、意外とクエスパトラに対してタイプ相性の悪いドヒドイデで対処可能。事前に「どくびし」を撒きつつクエスパトラが降臨するタイミングで「くろいきり」を放ち、後はハピナスなどの特殊高耐久にでも引けば簡単に処理できる。
ヤミラミやオーロンゲ等「いたずらごころ」を持つポケモンなら、クエスパトラがどれだけ「かそく」を積もうが変化技で確実に先制できるため「ちょうはつ」や「アンコール」等で「バトンタッチ」を封じてしまえば相手はクエスパトラを引っ込めるしかなくなってくる(さらにヤミラミ・オーロンゲはあくタイプなので「ルミナコリジョン」「アシストパワー」は無効。前述の「テラバースト」かくとうに関してもあく・ゴースト複合タイプのヤミラミとミカルゲは無効化出来るため、「マジカルシャイン」を持たないこれらの攻撃技だけの型のクエスパトラは完全に詰んでしまう)。
シリーズ2では「かそく」さえ積めばパラドックスポケモンとの素早さレースに勝てるポケモンとして環境に生き残った。ゴースト対策のノーマルテラスタル「リフレクター」型、「はねやすめ」で「かそく」の試行回数を増やして「アシストパワー」など、新たな型がさらに開拓された。
シリーズ3になるとタイプにあくを持つ四災が追加され、大幅弱体化。特にディンルーは標準装備で「ふきとばし」を覚えるため、「バトンタッチ」型は自然と対策されてしまう。テラバースト(かくとう)を持った型以外は厳しいだろう。
レギュレーションDの後半においては碧の仮面が配信され、「アッキのみ」が解禁された。それに伴い「めいそう」型に強化が入ることになった。
更には続くレギュレーションE開始時には、上述にある通り、四災の中でも特に天敵であったディンルーの使用率が下がった事により、再び動きやすくなった。
特にバトンタッチで同時期に解禁された特殊なガチグマに繋ぐのがシンプルながら非常に強い。
レギュレーションGでは「ルミナコリジョン」の一貫性が比較的高く、並居る禁止級伝説を「かそく」によるスピード増強を活かして「ルミナコリジョン」で薙ぎ倒せるため、使用率はそれほどではないがパーティを組む際の選択肢に入る場合がある。
レギュレーションHでは通常レギュレーションと比べると準伝説やパラドックスポケモンが使用できないため、デフレ環境だと高をくくった耐久型を「ルミナコリジョン」で粉砕し、レギュレーションGの超スピード環境から脱却したことで気が抜けて甘えた速攻型を「かそく」での超スピードで叩くクエスパトラが一定の活躍をしている。特にブリジュラスをエースに据えた「バトンタッチ」型がこのレギュレーションではメジャー。四災がレギュレーション上不在で、非常に動かしやすいのも大きい。
シーズン22では使用率32位と善戦した。
このレギュレーションではクエスパトラに加え、「エレクトロビーム」「パワフルハーブ」ブリジュラスや「ダウンロード」ポリゴン2を入れ、ひたすら「とつげきチョッキ」型や特殊受けに強くしたトリオが一定数使われている。
他、シーズン2の最中には海外のダブルバトルのオフラインコミュニティの中には、ローカルルールとして使用禁止するコミュニティも出現。あっという間に高威力の「アシストパワー」を使えるようになる点、あくタイプもテラバーストで処理できる点、テラスタイプ次第で相手の構築を容易に全壊させられる点、これらがその理由である。
性格は火力や速度を活かせるひかえめやおくびょうは当然の事、「バトンタッチ」型における出落ち防止のずぶといもメジャー。
テラレイドバトル
主力技の「ルミナコリジョン」により攻撃しながらみるみる相手の特防が下がるため、タイプ相性に気を付ければテラレイドバトルでも活躍できる。特殊耐久の低い相手やエスパータイプ弱点レイドなら適当に連打しているだけで簡単に倒せることも。
変化技は両壁だけでなく、こうげき低下の「フェザーダンス」、回復技の「はねやすめ」、厄介な特性を持つ相手への「スキルスワップ」も持つが、これだけでサポートしきれるほど高難易度のレイドは簡単ではないため、あくまでも基本はアタッカーである。
特性を「びんじょう」にしておけば、レイドで相手が積み技を出してきた際に、その恩恵にあずかる事も出来る。間違ってもこの特性を「スキルスワップ」しないように。
星7ピックアップレイドではエースバーン、ゲッコウガと得意タイプが続き、とくぼう下げ要員として活躍の場があったものの、攻略要員一番手とはならなかった。
なお、このときのとくぼう下げ要員としてのイメージが先行してサポーターとして見られているようだが、サポーターとしては耐久も火力デバフも少ないため、ドヒドイデ等他を当たるべきである。
使用トレーナー
ゲーム版
シナリオではオモダカが特性「びんじょう」のクエスパトラを先発で使用。安易に戦闘用アイテムで味方を強化するプレイヤーを痛い目に遭わせる門番として立ちはだかるといえよう。
アニメ版
アニポケ・第8シリーズ
- リップのクエスパトラ
46話~『テラスタルデビュー編』のOP「Will」で映っていた。
本編では55話『対決!パルデア四天王』終盤で登場し、テラスタル研修生・オニギリ(オニキス)のキョジオーンと共にチリのドオー・ダグトリオと対決していた模様。
- 第76話『ソーナノ? ソーダヨ!』
とあるサバンナに生息している野生の個体で、リキキリン達の縄張りであるオアシスに現れて激しく縄張り争いになり、エスパー技のぶつかり合いによって得体の知れない力場を起こす事態にまで発展する。
しかしロイのアチゲータがオアシスに落ちていた岩を破壊した事で土砂崩れか何かでせき止められ干上がっていた水が復活し、縄張り争いは収束した。
放課後のブレス
第4話『息をあわせて』でリップの手持ち個体が登場。
余談
- デザインはありがひとし氏。同じ「ポケモンSV」ではコジオ・ジオヅム・キョジオーン・ハバタクカミを担当している。また、ロックマンシリーズにはダチョーンとダチョーン・アマリザイコというダチョウ型ロボが出てくる。
- パルデア地方では、ヘアサロンのロゴにもなっている。
関連イラスト
関連タグ
0955.ヒラヒナ→0956.クエスパトラ→0957.カヌチャン