きみには ともだちは いるかね?
ともだちと つうしんこうかんをすると
しんかするポケモンが いるそうだ。
グローバルトレードステーションとは…
自身のニンテンドーDS(ニンテンドー3DS、スマートフォン)をインターネットに接続し、専用サーバーと接続することで世界中のプレイヤーとポケモン交換を行える施設のこと。初出は『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』。
一般的には略称のGTS(Global Trade Station)で呼ばれる事が多い。
交換は自分が欲しいポケモンを設定し、ポケモンを預け、その条件に応じてくれるプレイヤーが現れれば、交換は成立するという仕組み。施設とは書いたが、第五世代からは全てのポケモンセンターから行くことができ、第六世代ではPSSの機能と一体化したことでついにどんな場所からでもアクセスが可能となった。
GTSで重宝されるポケモン
- 片方のバージョンでは出現しないポケモン
- ゴーリキー、ゴローン、ガントル、ドテッコツなどの通信交換で進化するポケモン
- お互いの通信交換が進化の鍵になっているカブルモとチョボマキ
- ヒンバスなどの入手のむずかしいレアポケモン
- ゴンベなどの入手が面倒くさいポケモン
- 博士やその助手などから最初にもらえるポケモン
- ガンテツボールやウルトラボールなどのレアボールに入ったポケモン
以上のポケモンを預けて、ルールを守って楽しくポケモン!
Wi-Fi通信導入当時の世相
第4世代当時はDSのWi-Fi通信が家庭に普及する前であった。また当時、オンライン通信にはWi-Fi用の別売り装置が必要であった上に、設定も自宅のPCの権限などの面で当時の子供には一苦労であった。当時ゲームへの理解が一般家庭でも薄かったため、親がDSのWi-Fi通信環境の開通への協力を拒否する場合もあった。そのため、商業施設などの無料Wi-FiからGTSを利用する層も多く、そういった場所が当時の子供が身近にインターネットを感じる場所であった。当時としては1ROMだけでは全種類手に入らないシンオウ御三家やバージョン限定ポケモン、通信進化ポケモン、ゴンベやミカルゲのレアポケモンが友達に頼らない通信交換で手に入るというだけで画期的であった。
GTSネゴシエーション
『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』及び『ブラック2・ホワイト2』に登場した通信交換でGTSの派生システム。いわゆるランダムマッチング方式の交換となる。交換成立後は、交換してくれた互いに感謝の意(ありがとう)を示すことができる。
その後のシリーズではその代替機能としてミラクル交換、マジカル交換がある。
GM Station(グローバルミラクルステーション)
『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャニイングパール』に登場する通信交換サービス。
『ダイヤモンド・パール』のグローバルトレードステーションがこれと入れ替わって建設されたポケモン交換・交流施設。名前は、ミラクル交換が由来とされる。
Pokémon HOME
「ミラクルボックス」という名前で、ミラクル交換の後継機能。課金しないと1匹まで、定期的に課金を継続していれば一度に最大3匹まで預けられる。
詳細は「ポケモンホーム」の記事を参照。
注意!
預けたポケモンを放置しないこと
長期間引き取り手のいないポケモンはサーバーから消滅してしまうので、なるべく早めに引き取ってあげよう。ただ、後のポケモンホームでは課金(年間)をしていれば保証らしい。
あずけられないポケモン
どんなポケモンでもトレードに出せるというわけではない。ミュウやアルセウス(『Pokémon LEGENDS アルセウス』との連動で『ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』にて入手できるソフトアイコン以外の個体など)などの幻のポケモンや「クラシックリボン」や「ウィッシュリボン」などの「ポケモンがだいすきである証」を身につけた特別なポケモンを預けることはできない。リボン以外にも、イベント配布の一部のポケモンは「プレシャスボール」に入っているので、すぐに見分けがつく。ただし、中にはプレシャスボール入りでも預けられるポケモンもいるので、見分けられない場合は事前に過去の情報(ふしぎなおくりもののイベント関連)をググれば送れるポケモンがわかります。
…というか、ポケモンがほんとうにだいすきであるキミなら、そんなことはぜったいにしないはずである。
『ポケットモンスター X・Y』から登場したメガストーンを持っているポケモンはGTSに預けることができない。どうしてもバージョン限定のメガストーンが欲しいトレーナーはローカル通信による通常の通信交換をするしかない。ちなみに現行作品(『ソード・シールド』以降)ではメガストーンは出てこず、残念ながらメガシンカは廃止されているのでニンテンドー3DS作品限定(『ウルトラサン・ウルトラムーン』まで)の話である。
一風変わった活用法
『ダイヤモンド・パール』では成立しそうにない条件をあえて要求した状態で通信進化させたいポケモンを預け、別のGTS交換を行ってから引き取ることでそのポケモンが進化する「一人通信進化」というバグ技にも用いられることがあった。
また『ブラック2・ホワイト2』ではジョインアベニュー発展のためにコイルを延々と交換し続けるコイループなるものも流行った。
問題点
しかし、このシステム、実はかなりの問題を抱えており、利用したがらない人も結構いたりする。
- 伝説希望厨
GTSで最も多いのがこれ。希望ポケモンにラティオスやアルセウスなど希少度の高い伝説のポケモンや幻のポケモンを要求し、あちらは御三家、ひどい場合はそこいらの雑魚ポケモンを預けるというもの。前述の通りアルセウスは幻のポケモンで交換に出せないので、こんな条件が成立するはずがない。
GTSでも欲しいポケモンを検索すると出てくるのは大半がこいつらであり、チゴラス⇔アマルスやウデッポウ⇔クズモーのようなイーブンな交換を望むプレイヤーの検索妨害と化してしまっている。GTSを利用したがらないプレイヤーが多い元凶はだいたいこれのせい。
また、基本正規での入手は不可能とされるLv10以下を希望する者も多い。
これは『ダイヤモンド・パール』でしか通用しない一人通信進化を引きずっている若年層が未だにいるからともいわれている。『X・Y』以降はこれらの特別なポケモンを要求するプレイヤーを検索から除外することが出来るようになったので、多少はマシになったが……
このような事情から幻のポケモンは『Pokémon HOME』のGTS機能においてはアップデートにより、問答無用で検索や要求ができないようになった。
そのため、検索ボックスの候補表示では、イベント等の公式配布→通常では入手できない全てのポケモンを限定的に排除されている。(エラーは「存在しません」)
- 改造
フェアな交換を望むプレイヤーに改造ポケモンを送りつける輩もGTSには多い。本来なら入手が不可能な種族の色違いや隠れ特性のポケモンを送りつけてくる。上述したLv10以下伝説を希望するプレイヤーは実は最初から改造ポケモンの取引に希望している可能性も考えられている。改造に対しては、ポケモンはどういうわけだか対策が甘い。
『ブラック・ホワイト』までは表示件数が限定的であったため、改造ポケモンを検索妨害案件のプレイヤーに押し付けるプレイヤーは寧ろ「迷惑案件を消化してくれて助かる」「検索妨害する方が悪い」と喜ばれることまであった。理不尽な取引を持ちかけて検索妨害する輩も大概とはいえ、人様に改造ポケモンを押し付けるのもそれはそれで言語道断である。要はどっちもどっち、人のことは言えまい。
かつては改造ツールで作った個体のデフォルト親名などで改造判定をするなど、ある程度自衛ができる面があったが、徐々に手口が巧妙化していったので油断ならなくなった。
最近は「PokeGen」などニンテンドー3DS向けの改造ツールもある為、その対策にも追われ、いたちごっこが続いている。
『ポケットモンスター サン・ムーン』に至っては第7世代展開終了後に悪質なユーザーの改造によって預けられているポケモンの一覧を閲覧中にフリーズしてしまい、交換自体まともにできない状態になっている。何とかシャークトレードの正規勢が多いウルトラビーストや人気御三家などのメジャーどころであればフリーズ案件を回避しながら交換できる余地もある程度であった。
- NN(ニックネーム)を使った誹謗中傷
『ダイヤモンド・パール』の頃、ポケモンだいすきクラブであったGTSを用いたキャンペーンが開催されていた時期によく見られた問題。GTSで特定の外国人ユーザーが預けたポケモン(過去に出されたのはヘラクロスやラルトスなど)が送られればプレゼントがもらえるという企画だったが、これに応じて「ハズレ」など、いわゆる福引き感覚で相手を故意に不快にさせるNNを意図的に使用しユーザーに送りつけるという妨害行為をする悪質ユーザーが大量発生した事で、この企画は短期ですぐに中止となった。
察するに、犯人はそれを愉快に楽しんでいたとすれば最悪な事態である。
『ブラック・ホワイト』以降、NNに規制がかかったのはこれが原因とも言われている。
そのため、Switchの各世代でもエラーが出て当該ワード入りのNNが付けられない。
- 6V詐欺・隠れ特性詐欺
ポケモンを交換する側は預けられたポケモンのステータスを見ることができない事を利用した悪質な詐欺。NNに「6V」や「ゆめ」などと付けてプレイヤーを釣るが、実際見てみたら個体値が低かったり通常特性だったりするというもの。特に悪質なのは6Vメタモンで、これは乱数調整を用いない限りはほぼ入手不可能な代物。ごくありふれた個体を努力値無振り6Vの数値に合わせて努力値で調整するなんて手の込んだ詐欺をする者さえもいる。当然一見正規に見えても改造産である可能性も捨てきれないので非常に厄介な問題である。
『ソード・シールド』以降
以上、問題点こそ多かったが、ぼっちには重宝されていた機能でもある。
しかし、『ポケットモンスター ソード・シールド』からはミラクル交換と統合された「マジカル交換」にとって代わられ、廃止された。
これにより任意のポケモンを探す事はできなくなった為、別バージョン限定ポケモンの入手はマジカル交換で運良く流れてくるのに期待するか、Switchでは別のニンテンドーアカウント(8人分)、バージョン違いの別データ(それと2台目登録をしていない別のSwitch本体)を購入するか、インターネット上で開かれている有志、公式の交換会に行くか、リアルのポケモンセンターなどに出向かなければならなくなった。
現在では『Pokémon HOME』が配信された事により、任意のポケモンを探す事が再び可能になった。
一度に交換預けられるポケモンの数をフリープランよりも倍の最大6000匹に増加(要プレミアムプラン加入)、預けられているポケモンの特性表示など過去作のGTSから改善されている部分もあるが、現在でもラブトロスや色違いのレジエレキ、レジドラゴ等のレアなポケモンを見せる為だけにメスのアカツキガチグマ等存在する筈もないポケモンを要求したりアローラロコンやヒスイビリリダマといった入手が簡単なリージョンフォームを要求していると思えばピカブイやBDSPといった連れて行けない作品に連れて行きたいを指定しているという迷惑なユーザーも少なくない(後者のケースに至っては最早上げて落とすのレベルである)。
『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』同士の場合、アプリ内の交換ランキングによれば、パラドックスポケモンのウネルミナモを始め、タケルライコやウガツホムラなどが多く出回っているようだ(ただし、それらは9割以上これなので正規の個体はまず手に入らないと考えた方がいい)。