曖昧さ回避
- ゲーム・アニメ『ポケットモンスター』シリーズに登場する架空の医療施設。本記事で解説。
- 実在する同名のポケモングッズ専門販売店。→株式会社ポケモンセンターを参照。
概要
初代『赤・緑』から存在しており、ポケモントレーナーである主人公(プレイヤー)が最初から最後まで大変お世話になる施設。略称は「ポケセン」で『金・銀』のトレーナーがポケギアでの会話で既に使っていて公式用語と化していた。
簡単に言えば「ポケモンのための医療施設」であるが、他にも様々な設備でトレーナー達の冒険をサポートしている。
そのため、ほとんどの町にポケモンセンターが設置されているが、カロスのメイスイタウンなど例外も存在し、歴代の主人公の家がある町にはないのが通例(『BW2』は除く)。
一部洞窟などのダンジョンの手前にも設置されていることが多いが、剣盾ではあずかりシステムがどこでも起動できるようになったからか、全回復ポイントで代用されていた。
このような重要拠点であるためか、初代から専用のBGMが存在しており、『RSE』と『DPt』でのBGMはそれぞれ特殊なアレンジがされているが、リメイク版はリメイク元のBGMを踏襲している。
主な役割
「手持ちポケモンの回復」「あずかりシステムを利用するための設備がある」という2つの重要な役割を担う。
また、他にも「フレンドリィショップ」や、「ポケモンネットワークセンター」や、「ポケモンコミュニケーションセンター」という特殊な機能を兼ね備えたポケモンセンターもある。
逆に、第5世代まではあった通信対戦・交換のためのコーナーは第6世代以降(リメイク除く)では無くなっている。
ポケモンの回復
カウンターで受付の女性スタッフ(PCおねえさん)に話しかけることで、手持ちのポケモンを無料で全回復してくれる。
体力だけでなく状態異常やPP切れも全て回復する。
あずかりシステムの利用
ポケモンセンター内部に設置されたパソコンを使用することで、あずかりシステムに預けたポケモンを引き出すことができる。
あずかりシステム起動が外でできなかった第7世代まではこの施設を使わないとシステムに送ったポケモンを引き出せないという状態であった。
ちなみにシステムは「パソコン通信」の設定があり、第1世代の時点での現実世界での日本はインターネットはまだ黎明期にあたる為そのような名称は出ていない。
フレンドリィショップ(第5世代から)
最近の世代(リメイク除く)ではポケモンセンターの内部に「フレンドリィショップ」の併設が当たり前になりつつある。
ふしぎなおくりもので手に入れたポケモンやどうぐを受けとる時は専属の配達担当のスタッフが登場していたが、ピカブイ以降の世代からは廃止され登場しないようになった。
なお、専属の配達員についてだが作品ごとに服装の色やデザインが異なる。郵便配達員(NPC)の服装した男性が目印。
世代別の特徴
第1世代(赤・緑・青・ピカチュウ)
構造は1階建て。左側でポケモンの回復ができ、右側に通信コーナーがある。
この頃は回復してくれる職員は現在と違い、黒色の服を着たロングヘアーの女性である。
ピカチュウ版ではアニメに基づいてジョーイに見立てた職員とラッキーが登場する。
第2世代(金・銀・クリスタル)
この世代から構造は2階建てになった。ジョウトとカントーとでは表の看板のデザインが異なる。
1階では主にポケモンの回復を行う。受付の女性もこのシリーズから白衣を着た看護師風のデザインになっている。
このシリーズから通信コーナーは2階に移動し、通信するコーナーも分けられ、左からポケモンの交換、対戦ができ、1番右奥は「タイムカプセル」と呼ばれるコーナーがあり、前作との交換ができる。ただし第2世代から登場したポケモンや技を覚えているポケモンを手持ちから外さないと中には入れない。
『クリスタル』ではコガネシティのポケモンセンターは「ポケモンコミュニケーションセンター」となっている。モバイルシステムGBを携帯に連動して行うことでニュースやタマゴけんを入手することができた。現在は配信およびネットワークサービスは終了している。
第3世代(RSE・FRLG)
構造は前作と同じだが、『ルビー・サファイア』と後に登場した『FRLG』『エメラルド』とでは2階の構造や通信を行う役割がやや異なる。
このシリーズから屋根の色が赤色に変わる。ポケモンセンターのBGMが唯一異なっている。
1階は従来通りポケモンの回復。2階は左から通信対戦、交換、右奥はレコードコーナーが登場し、行うことで相手の秘密基地などが出現し、テレビで相手の情報の詳細の一部が把握でき、イベントも連動したりすることができる。
FRLG・エメラルド
構造はほぼ一緒だが2階にはユニオンルームが登場し、ワイヤレスアダプターをつけることで、複数のプレイヤーと交換や対戦(レベル制限あり)、チャットができる。
右側は従来の通信ができるが、ワイヤレスアダプターをつけることでエラー時にもリセットしたりせず、ワンボタンでプレイに戻ることができ、またきのみクラッシュで粉ができ、いろいろなきのみなどと交換できるようになる。
『FRLG』の1のしまには「ポケモンネットワークセンター」があり、他のポケモンセンターとほぼ変わらないが、あるアイテムを持ってくることで『ルビー・サファイア』と通信ができるようになる。
『エメラルド』でも構造ややり方は同じだが、『ルビー・サファイア』とのレコードを混ぜることができたりと集約できている。
本作と次の第4世代のみ、案内役として「アオナ」というネームドキャラが登場する。
第4世代(DPt・HGSS)
『DPt』のみBGMに新しいフレーズが追加され、朝と夜とでテンポが変わる。
構造が2階と地下1階になり、2階はユニオンルームと通信コーナーがあるが、バトルのハンデやレベルの固定が設定されるようになった。
地下1階はWi-Fiクラブが追加され、ともだちコードを交換した相手と遠距離通信、交換ができるようになった。ただし、GTSによる交換などはGTSに行かなければならない。
HGSS
ポケモンの回復や通信については『DPt』と同様。
構造は2階と地下1階だがやや異なり、1階の奥行き、パソコンの横から上に上がることでユニオンルームと通信コーナーが設置された。Wi-Fiは『プラチナ』と同様、地下1階にある。
キキョウシティとエンジュシティはモデルとなった現実の都市さながら、屋根の色が異なる。
第5世代(BW・BW2)
構造は2階立て。この世代からフレンドリィショップが全ポケモンセンターに統合されるようになった。
1階は従来のポケモンの回復。2階はクイック通信、およびローカル通信がCギアに搭載されたことで知り合い同士のポケモンセンター内での交換や対戦は廃止されたが、ユニオンルームや、Wi-Fi、GTSによるポケモンセンター内での交換や対戦は継続された。
GTSがポケモンセンターに付随されたことでグローバルターミナルにあった地球儀が設置された。
『BW2』では様々な条件達成によってメダルを授与してくれる「メダルおやじ」が登場する。
第6世代(XY、ORAS)
構造は第1世代以来1階建てに。フレンドリィショップが引き続きポケモンセンター内に置かれた。
ポケモンの交換や対戦、Wi-Fi機能での通信も全てPSSに統一されたことで通信コーナーは全て廃止された。その代わり室内が広くなり、着せ替え機能が登場したことに伴い主人公の衣装を変えられるフィッティングルームが設置された。
ソファーにも座れる他、テレビも置かれている。またDS内に自分の誕生日を設定しておけば、誕生日にプレイするとクラッカーやケーキが表示され祝ってもらえるという嬉しいサプライズがある。この時のBGMもアレンジされている。
ORAS
『ルビー・サファイア』のリメイクのため、フレンドリィショップが切り離された。
中の構造はXYと同様だが、着せ替え機能がないため着替えスペースがない。
第7世代(SM・USUM)
構造は1階建て。フレンドリィショップが再び右奥に設置された。
左奥にはカフェスペースがあり、モーモーミルクなどの飲み物を注文でき、ポケマメや状態異常回復アイテムを貰うことができる。これまでのシリーズと違い、街以外の道路にもポケモンセンターが多く設置された。
また、ストーリー中盤のイベントではとある街に廃墟化したポケモンセンターがあり、そこにいるスカル団に金を払っての回復を行う(料金は10円)。このイベント後、そこのポケモンセンターでの回復はできなくなる。
ふしぎなおくりものを入手するとNPCの配達員が立っているのはこの世代で最後の役割を終えることとなった。
本作ではクリア後でジョーイさんとも対戦できる。
バトルツリーにて登場するが、何十戦も勝ち抜かないと出現しないのでレアキャラとなっている。
ちなみにゲームでは登場していないが、『Pokémon Direct 2016.2.27』の特別映像では救急車の設定画が存在する事がわかっており、大まかな形状は一般的な救急車だが、後部のドアがモンスターボール型でパトランプが青いという点が現実世界とは異なる。
一方で同画面に映っていた黄色い消防車はマリエシティの消防署に駐車されているという形で登場した。
第8世代(ピカブイ、ソード・シールド、BDSP)
本世代以降はふしぎなおくりものをシリアルコードなどで入手しても前世代までは現れたはずの配達員のNPCは現れなくなっている。直接どうぐがプレイヤーの持ち物のバッグへ。ポケモンは手持ちかポケモンボックスに預けられる。よってふしぎなおくりものでの厳選は不可になった。
剣盾
構造は第7世代と同じく平屋建て。施設内の右側にフレンドリィショップが設置されている。
左側はカフェであるが、ここでは回復用アイテムは貰えず、ポケモンの思い出、技忘れ、技思い出しをしてくれるマスターがイエッサンと常駐している。
技忘れ・思い出しは無償で行っており、過去作のようにハートのウロコを用意する必要はない。これには本作にラブカスが未登場(未実装のまま)であるという事情も絡んでいると思われる。
パソコン上部にはナビゲーションの「ロトミ」が待機している。
前作とは異なり道路には設置されていない。
また、前作と違って椅子がない(カフェの前などには背の高いテーブルだけが置かれ、立ち飲みバーのような内装になっている)。
なお、剣盾においては回復ポイント(鉱山の入り口付近)には休暇中のジョーイさんがいる。
BDSP
『ダイヤモンド、パール』のリメイクなので、フレンドリィショップとは分離。
原作を忠実に再現しているため、DPt以来2階と地下1階の構造。2階はユニオンルーム、地下1階はグローバルルームでオンライン通信が行えたりと、第5世代以来通信スペースが復活した。なおYボタンを押せばポケモンセンター以外でも通信できる。
感心の配達員までも再現されているかと言うと…ふしぎなおくりものを受け取ってもオリジナル版にいたはずの配達員までは現れない。
第9世代(スカーレット・バイオレット)
パルデア地方ではついに屋外型の施設となった。これはオープンワールド制にしたためと考察される。アローラ地方同様に街以外にも設置されている。
一つのカウンター内に、コンパクトに機能が備わっており、中央にポケモンセンターのコーナー、隣にフレンドリィショップのコーナーがあり、それぞれ担当スタッフが立っている。また、逆隣にはわざマシンマシンが設置されており、「ポケモンのおとしもの」を使ったわざマシンの製造やLPへの交換を自由に使うことができる。また、屋外型ゆえに裏側も壁ではなくカウンターになっており、裏側からも話しかけることができる。今作はバイクっぽいポケモンで走り回ることもあり、施設の形状がガソリンスタンドみたいとプレイヤーからよく言われている。
たまに野生のポケモンが(主人公を追いかけて)ポケモンセンターの敷地に入り込んでしまうことがあるが、瞬く間に消滅(!)してしまう。また、中にいるスタッフが屋根程度では防げないはずの悪天候の影響を受けていない様子のため、何らかの特殊なフィールドで敷地内が保護されているものと推定される(ただし主人公はカウンターの前に立っていても悪天候の影響を受けているが…)。
ポケモンセンターコーナーでは、手持ちポケモンの回復の他にも、自分の誕生日を登録することができ、当日は記念品がもらえる(らしい)。また、オープンマップゆえに自分がどこへ向かえばいいか迷っている場合はオススメの場所を教えてくれる案内所の機能も有している。
脇の壁面にある黄色い掲示板では、ユニオンサークルを起動してマルチプレイを開始することができる。
ちなみに東3番エリアにはポケモンセンターのスタッフが単身出張しており、出張ポケモンセンターを開いている。パラソル付きのテーブルとイス2脚があるだけの簡素な休憩所だが、回復だけでなくファストトラベルにも対応しており、ピケタウン・ハッコウシティ・東3番ポケセンの全てから遠い位置にあるので地理的に便利である。
この休憩所のみカウンターがないのでスタッフと一緒にカメラ撮影しやすく、他のポケセンと違い野生のポケモンも入ってくることができる。出張ポケセンであることを示すセリフ吹き出しが常時出ているのが撮影上の難点か。
DLC碧の仮面で来訪できるキタカミの里では、公民館の入り口横にイベントテントが張られており、そこがポケモンセンターになっている。里で唯一のポケモンセンターにもかかわらずフレンドリィショップは存在しないが、すぐ近くに桃沢商店があるため不都合は生じないだろう。また担当スタッフがパルデアと異なり田舎のギャル風になっているが、業務はしっかりこなしてくれるので機能上の問題はない。
なお裏面にカウンターがないので、東3番エリアの休憩所と同じくスタッフのすぐ近くでカメラ撮影できる。カウンター越しでないと回復してくれない代わりに、こちらは吹き出しが出ない。
DLC藍の円盤で来訪できるテラリウムドームに至っては、学校内ということもあり有人のポケモンセンターが一つも置かれていない。セントラルスクエアにわざマシンマシンがあるため、そこが便宜上ポケモンセンター扱いされているだけである。
代わりにセルフで使用できる回復装置がドーム内各所に設置され、道具の購入も自動販売機で行える。パルデアのポケモンセンターがガソリンスタンドのイメージに近いことを考えると、さながらセルフ式のスタンドと言ったところか。ただし無人ゆえの問題としてアイテムの売却できず、換金には購買部など他施設を頼る必要がある。
アニメ版における扱い
アニポケでの設定
各地至る場所にあり、中では常時同じ姿でポケモンの回復を行うジョーイさんとアシスタントポケモンが対応している。
ゲームのように一瞬では回復できず、数時間から1日、場合によっては長期間かけて回復を現実的に行っている。また、人間の治療も承っている(※念のため補足すると、人間用の病院が無いという意味ではない)
街によってサイズに差があり、民家サイズからホールサイズまで色々なタイプが存在するため構造はやや異なるが、多くのポケモンセンターでは回復以外にモンスターボールの完備、テレビ電話機、図鑑を貰った博士や実家にポケモンの転送装置により手持ちの交換(ゲーム同様通信交換も対応)を行うほかに、宿泊施設や温泉、レストランがある。しかもこれらは全てタダで利用できる。
ポケモンリーグ参加の受付、つまりバッジを集める=ジムへの挑戦の登録もポケモンセンターで行っている。ポケモンリーグ期間中といった大きな大会がある時は臨時のポケモンセンターが設営される。
『サン&ムーン』ではサトシたちアローラスクール組が職業体験をさせてもらい、ポケモンのケアや宿泊施設内の個室清掃等を行った。
カフェやフレンドリィショップの店員たちとも少なからず交流を持っている。
余談だが、原作同様マサラタウンにはポケモンセンターが無いらしく、サトシは旅立つまで利用したことが無いどころか存在そのものを知らなかった。
その他のアニメ作品
基本的にはゲーム版基準だが、フレンドリィショップの部分をオミットして描写されることが多い。