概要
『ポケットモンスター』シリーズに登場する施設の一つ。
現実世界で言うところのサファリパークのようなところであり、様々なポケモンを捕まえることが出来る。中にはサファリゾーンでないと捕まえられないポケモンもいるため、図鑑を完成させるためにはいくのが必須の場所。
『赤・緑・青・ピカチュウ』のサファリゾーンのモデルはマザー牧場、『ダイヤモンド・パール・プラチナ』のノモセの大湿原は釧路湿原、『ハートゴールド・ソウルシルバー』のサファリゾーンは香川県丸亀市にあるレオマワールドが元ネタだとされている。
『赤・緑』とそのリメイクでのBGMは進化BGMの流用だが、『ルビー・サファイア・エメラルド』以降のサファリゾーンのBGMは新規のものになっている。
各世代のサファリゾーン
第一世代(赤・緑・青・ピカチュウ、第三世代のFRLGを含む)
セキチクシティに登場。特にサファリパークやサバンナを意識したような構図になっているのが特徴であり、生息ポケモンもサイホーン、ドードー、ガルーラといった動物園で見られる動物をモデルにしたポケモン、カイロスやストライクといった昆虫がモデルのポケモン、そして水辺ではミニリュウ系が生息しており、まさにサファリゾーンの看板に偽りなしである。特にミニリュウ系はレア中のレアな個体であった。
トレジャーハウスでひでんマシンの「なみのり」を、サファリゾーン園長の『きんのいれば』を園内で確保して園長に届け、ひでんマシンの「かいりき」を入手するなど、ストーリー上では避けては通れない。
そうでなくとも、わざマシンや換金アイテムが多数ドロップしており、ポケモンやひでんマシン目的でなくとも行く価値は十二分にある。
カントー地方のサファリゾーン園長は『ヤドン』と呼び慕われていて、トボけた感じがヤドンを連想させるとの事。
しかしながら、ポケモンの化石を有しているほどのポケモン好きで、作中のNPCからも博識な人物として認知されている(ヤドン園長の素性については後述)。
攻略上必須の施設なのだが、入場料が500円かかるのに対して第一世代では繰り返し対戦できるトレーナーが四天王とチャンピオン以外にいない。
そのため全てのトレーナーと戦い、売却可能なアイテムをすべて売った上で所持金を使い果たしている場合、青緑では野生のニャースにネコにこばんを使わせることで、対応できるのだが、赤版のみ野生のニャースがおらず、ネコにこばんが収録されたわざマシンもなみのりを使わなければ入手できないため詰んでしまう可能性がある。
ピカチュウ版では所持金が500円未満であっても、ボールを減らされた上で入場が可能になった。
なお、第1世代の歩数制限500歩は攻略情報を知らないプレイヤーには厳しかったためか、リメイク版のFRLGでは600歩に緩和されている。
第二世代(金・銀・クリスタル)
赤緑の3年後である本作では、上記のサファリゾーンの園長が海外旅行へ行っているため残念ながら閉園している。
…が、実は内部データには規模が小さい没マップが存在しており、構造的には後のパルパークに似ている。ちなみに没マップゆえに何も出現しない。
『金・銀』のリメイク版にあたる『ハートゴールド・ソウルシルバー』ではタンバシティ付近に移転する形で復活。バオバ(バオバブが元ネタ)という人物がオーナーを務めている。
詳しいシステムは後述するが、湿原やサバンナだけでなく、砂漠などの様々な環境のエリアを導入した事により、他の世代以上に捕獲できるポケモンのバリエーションに幅が出来た。それまでサファリゾーンに存在していた歩数制限も撤廃されている。
ここではラプラスやタツベイ、リオル、ビブラーバ、ダンバル、フカマルのようなレアリティの高いポケモンや高種族値のポケモンに進化するポケモンも地方を問わず出現するので全国図鑑完成の心強い味方になってくれる事だろう(しかも高個体値が出やすい)。また、ムウマなど本来の分布では最終盤に登場するポケモンもここで早めに入手できる。
なお、このバオバという園長は『ハートゴールド・ソウルシルバー』が初登場の人物ではない。何を隠そう、この人物こそ先ほど述べたサファリパークの園長その人である。リメイク前の「海外旅行に行っていた」という設定から、「3年の間に海外でいろいろ学び、その学んだ技術を新たなサファリゾーンに生かすため帰国した」という設定に変更された。
初見では見分けが付かないのも当然で、姿はジェントルマンの流用、初代では関西弁だった口調も標準語に改められているためである(ジョウト地方が舞台なんだから関西弁(コガネ弁)で話しても良いのではというツッコミはなしである)。
本作では主人公にオーナーとしての適性試験を与えてくる。
ちなみに、かつてサファリゾーンがあったセキチクシティにはパルパークが設立されており、園長はバオバの子息が務めている。その子息には娘もいるようでアサギシティ・ジムリーダーのミカンとも知己のようだ。
第三世代(ルビー・サファイア・エメラルド)
ホウエン地方のサファリゾーンでは、動物園系(ゴマゾウ/ドードー/キリンリキ)も確認できるが、カントー地方と比べると植物系、昆虫系の数が格段に増え、ジョウトゾーンという区画がある事からもわかるように、特にジョウト地方のポケモンが多く生息しており、海でもないのに水辺にはオクタンが定着している(おそらく、互換切れを考慮したもの)。
リメイク版の『オメガルビー・アルファサファイア』では生息しているポケモンの総数が少なくなった一方で、サイホーンやピジョン、コクーンのようなカントーにいたポケモンやミミロルといった第4世代以降のポケモンが生息するようになった(サイホーン以外はメガシンカを新たに獲得したという事情があるため)。また、リメイク前では進化前のみ出現していたドンファンもゲットできる。
歩数が制限時間扱いの場合はあるカラクリを知ると歩数を消費せず捕獲が可能である。
そのカラクリは「草むらで一歩も歩かずに主人公の向きを変える」という方法。そうすると歩かずともポケモンとエンカウントできるのである。
ダートじてんしゃでその場で跳ねることでも可能。
第四世代(ダイヤモンド・パール・プラチナ)
ノモセシティに「ノモセ大湿原」として登場。詳細はリンク先を参照。
システム
基本システム
サファリゾーンはポケモン勝負ではなく石(泥)とエサと専用のボールを駆使してポケモンを捕まえる。
- いし(どろ)を投げる/近づく…石(泥)を投げるとポケモンが怒り出す。『ルビー・サファイア・エメラルド』のみコマンドが近づくになっている。いずれも逃げやすくなるが捕まえやすくなる。『ファイアレッド・リーフグリーン』では石だったが、第四世代では泥になっている。
- エサ/ポロック…エサを投げるとポケモンが夢中になる。逃げにくくなるが捕まえにくくなる。『ルビー・サファイア・エメラルド』のみポロックになる。
- 専用ボール…サファリゾーンには専用ボール(サファリボール)があり、30個もらえる。ボールがすべて無くなると終了になる。
サファリゾーン内での行動は自由だが、歩数やボールが尽きることによって強制終了となる。
また、途中でリタイアをすることもできる。
ルビー・サファイア・エメラルド限定のシステム
草むらの真ん中にポロックを入れる箱があり、ここにポロックを入れるとそのポロックの味が好みの性格のポケモンが寄ってくる。またダートじてんしゃとマッハじてんしゃでしか行く事の出来ない草むらも存在する。
『ハートゴールド・ソウルシルバー』限定のシステム
『ハートゴールド・ソウルシルバー』では、フィールドやブロックを駆使して特定のポケモンが出やすくなるようにエリア調整が出来る。
これらを駆使すれば、みずタイプポケモンを捕まえるために水のエリアだらけにすることや、いわタイプやじめんタイプのポケモンを捕まえるためにさばくエリアだらけにするということもできる。
ブロック置き換えをするにも入場料を払うためか歩数の制限はなく、ボールがなくなり次第終了となる。
なお、エリア調整は人力なのだとか。
エリアの総数はいわばエリア、さばくエリア、そうげんエリア、はなばたけエリア、もりエリア、みずべのもりエリア、ぬまちエリア、やまエリア、みずべのいわばエリア、あれちエリア、サバンナエリア、しつげんエリアで12区画存在する。
ただし、すべての機能を解放するにはバオバから出される課題をクリアして、オーナーの後任として指名される必要があるので注意。
『ブラック・ホワイト』以降は…
『ブラック・ホワイト』以降は石(泥)とエサを駆使してポケモンを捕獲する施設は廃止されている。おそらく海外進出にあたって、ポケモン(動物)に石や泥を投げつける行為が動物虐待に捉えられてしまうからだと考えられる。
間接的な動物の売買行為に値するからと考えることもできないわけではないが、『ブラック・ホワイト』には間接的どころか直接的にコイキングを文字通り販売する人物がいるため、恐らく無関係だろう。
…あるいはもしかしたら、専用のシステムを組む労力を削っただけなのかもしれない。
『X・Y』の「フレンドサファリ」、『オメガルビー・アルファサファイア』の「サファリゾーン」は名前こそサファリだが、普通にポケモン同士を戦わせ、自前のボールで捕獲する一般的な野生バトルと同じ仕様になっている。入場料も無料で歩数制限もない。
後者はリメイク前は普通のサファリゾーンだったが、地元の人がボランティアで開放している特別保護区のような扱いとなっている。ちなみに『オメガルビー・アルファサファイア』のサファリゾーンも元々は『ルビー・サファイア・エメラルド』同様の有料施設だったが、こうなった理由は創設者が大盛況をいい事に入場料を値上げした結果一気に客足が減った事で赤字になり倒産寸前で夜逃げしたためである。後に地元の人たちが集ってボランティアでポケモンたちのケアをした事で無料の施設に生まれ変わったという経緯がある。
Nintendo Switchで展開された『Let's Go! ピカチュウ・イーブイ』では『ポケットモンスター ピカチュウ』がモデルであるにもかかわらず廃止され、『ポケモンGO』にいるポケモンを転送・捕獲できる「GOパーク」に置き換えられている。
ただし、『Let's Go! ピカチュウ・イーブイ』ではそもそも野生ポケモンと(一部例外を除いて)バトルできず、きのみで動きを鈍らせたり捕まえやすくした後ボールを投げるというサファリゾーンないし『ポケモンGO』に似たシステムが導入されているため、カントー地方全体がサファリゾーン化していると言ってもよい。
またGOパークのポケモンにもそのシステムは適用されるため、意外とGOパークのサファリゾーン感は強い。
そして『サン・ムーン』や『ウルトラサン・ウルトラムーン』、『ソード・シールド』にはサファリゾーンに相当する施設は無い(これに関してはワイルドエリアの存在も大きいか)。
ただし、元々のサファリゾーンの売り文句の1つが「珍しいポケモン取り放題」だったことを考えると「アローラ地方・ガラル地方に存在しないポケモンが多数出現する閉鎖空間」であるウルトラスペース及びヨロイじま・カンムリ雪原がサファリゾーンに似ていると強弁できないこともない。奇しくもヨロイ島にはラッキー、ケンタロス、ストライク、ガルーラという初代サファリゾーンでお馴染みの面々も揃っている。
『SM』『USUM』ではエーテルパラダイスにいる見学者が「セキチクシティのサファリゾーン は目的がまるっきり逆だね」とエーテルパラダイスの性質をサファリゾーンのそれと対比している。
『LEGENDSアルセウス』のポケモン捕獲ではどろだんごや餌を投げて隙を作ったり、近づいて背後からボールを当てると捕獲率が上がるなど過去作のサファリゾーンを踏襲したようなアイテム・システムがいくつか存在している。また、後のノモセ大湿原と考えられる場所にも行くことができる。
アニメ版での扱い
通称「サトシの旅シリーズ」では、管理人はウェスタン風の糸目の男性カイザー(CV:鈴木泰明)、漫画『ポケットモンスター全書』では原作同様にヤドン園長となっている(この漫画では顔が本当にヤドンに似ている)。
これらの媒体では過去にサファリゾーン内でトラブルが起こったとされ、前者ではミニリュウの乱獲、後者では設立を巡って自然を愛するジムリーダーのキョウの反対に遭った。
尤も、園長はセキチクシティの自然をサファリゾーンという形で守ろうとしたのであり、キョウにはその旨が上手く伝わっていなかった。ちなみに園長とキョウは幼馴染で、昔から物をよく隠されていたらしい。
また、カイザーの登場した第35話でサトシがケンタロスを大量に捕獲したというのは有名な話である。
ただ、この回はカイザーがサトシたちに拳銃を突きつけるシーンが海外ではシャレにならないために、欠番扱いとなっている。
YouTubeのポケモン公式チャンネル内で配信されているPOKÉTOONでは、近年のゲーム内での廃止状況にもかかわらず、サファリゾーンが舞台であるアニメが制作された。
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