概要
「ポケモン」シリーズにおいて、ポケモンにひでん技(後述)を習得させる事を目的とした道具。
英語名はHidden Machineであり、略してHMと呼ばれる事が一般的。
Hiddenとは「隠された」・「秘密の」という意味があるが、読みが「ヒドゥン」なので、英語でも「ひでんマシン」に聞こえなくもない。
初代は形がハッキリしていなかったためマンガなどでは独自の解釈で描かれていたが、第3世代でディスクタイプの形状に統一化されてからはディスク状で統一された。
また第6世代では特別感を出すためか、道端に落ちている場合は黄色いモンスターボールアイコンで表示されるようになった。
初代から第4世代まではわざマシンと違って何度でも使えるという特徴があったが、第5世代以降わざマシンも同じ仕様になった。
ひでんマシンでもわざマシン同様職人が存在し、「なみのり」と「たきのぼり」のひでんマシン職人はサン・ムーンでビキニギャルズの2人がポニ島で登場している。彼女らの話によれば、2人の地元であるカロス地方では人間国宝として重宝されているらしい。
ひでん技とは
職人達の技術をマシンに収めた、フィールド上でも重要な役割を担う特別な技。
例えば「いあいぎり」は、サントアンヌ号の船長も務める居合の達人が編み出した技である。
第6世代まで、01~04まで同じ技が死守していた。
ひでんマシン01「いあいぎり(Cut)」 | ひでんマシン02「そらをとぶ(Fly)」 |
---|---|
目の前にある小さな木を切れる | 一度行った場所に移動出来る |
ひでんマシン03「なみのり(Surf)」 | ひでんマシン04「かいりき(Strength)」 |
水上を進める | 目の前にある岩を押してどかせられる |
05より後はシリーズによってバラバラであり、特に、滝を登ったり降りたり出来るフィールド効果を持つ「たきのぼり」は、番号がコロコロ変わりつつも、第二世代以降は皆勤賞を達成している。中には「いわくだき」のように、わざマシン降格とひでんマシン復帰を何度も繰り返している技も存在する。
ちなみに、特別な技という扱いから、ひでんマシンでしか覚えられないと思われがちであるが、ボーマンダのように自力でひでん技を覚えるポケモンもいる。
そもそも、ひでん技の一つである「たきのぼり」は元々アズマオウ系統の専用技である。
しかし、ひでん技はフィールド技としては便利だが、バトルでの性能はイマイチ。
以下に例を挙げると
…と、ポケモンを知れば知るほど、バトルでの存在意義を見失いかねない。この中では「そらをとぶ」がまだ比較的マシではあるが。
バトルでも長年好評価を得ている「なみのり」の方が例外的である。
こういったバトルでの使えなさには、ひでん技はフィールド移動で詰むことのないようなるべく多くのポケモンが覚えられる状態でなければならないことが影響しているとも考えられる。
少し極端な例になるが、例えば相手を交代できなくするという強い効果を持つアンカーショットやかげぬいは、その習得者を限定することによって壊れ技になることを防いでいる。
しかしひでん技の場合、「習得者を限定する」ことによって壊れ技を回避するという手段が元から断たれている。凶悪な効果をひでん技に持たせてしまったが最後、多くのポケモンが、そのポケモンが元々持っていた技や特性とコンボさせる形でその技をぶっ放してくる世紀末が到来するのだ。
こうした背景があるため、極端とも言える形で技の有用性を下げているのだと考えられる。
まあ、対戦で使えない程度であれば、そこまで大した問題ではない。
しかしひでん技にはもう1つ見過ごせない問題点が存在する。これらは通常の方法では忘れさせる事が不可能で、技を忘れさせてくれる専用のNPCに頼んで、忘れさせてもらうしか方法がないのである。
またこれに関連することだが、手持ちにいるひでん技を覚えたポケモンは交換に出す事が出来ないという仕様も面倒。この場合、一旦そのポケモンをボックスに預けるか、ひでん技を忘れさせてもらう必要がある。
ちなみに、指定のひでん技を覚えたポケモンが一匹しかいない場合、そのポケモンを逃がすと勝手に戻って来るつまり逃がすことができない。呪いの人形か何かか?
これらの仕様もまた、ひでん技を覚えたポケモンが居なくなることによるフィールド移動の詰みの発生を防ぐための措置であると考えられる。
ちなみに、上記の技を忘れさせるNPCは第二世代からの登場のため、初代では一度ひでん技を覚えさせてしまうと、二度と忘れる事ができなかった。
また登場後も、そもそも4つしかない技の枠を簡単には忘れられない技に割いていては必要な技の習得の支障になるし、使うたびにいちいちひでん技を覚えさせたり忘れさせるのは面倒でしかない。
そのため、主力のポケモンではなく、戦闘能力は二の次である適当なポケモンに複数のひでん技を覚えさせて連れていく方法(所謂「秘伝要員」)がプレイヤーにとっては一般的であった。
ひでんマシンの一覧
第1世代~第3世代
No. | 第1世代 | 第2世代 | 第3世代 |
---|---|---|---|
01 | いあいぎり | いあいぎり | いあいぎり |
02 | そらをとぶ | そらをとぶ | そらをとぶ |
03 | なみのり | なみのり | なみのり |
04 | かいりき | かいりき | かいりき |
05 | フラッシュ | フラッシュ | フラッシュ |
06 | うずしお | いわくだき | |
07 | たきのぼり | たきのぼり | |
08 | ダイビング(RSE) |
第4世代~第6世代
No. | 第4世代 | 第5世代 | 第6世代 |
---|---|---|---|
01 | いあいぎり | いあいぎり | いあいぎり |
02 | そらをとぶ | そらをとぶ | そらをとぶ |
03 | なみのり | なみのり | なみのり |
04 | かいりき | かいりき | かいりき |
05 |
| たきのぼり | たきのぼり |
06 | いわくだき | ダイビング | いわくだき(ORAS) |
07 | たきのぼり | ダイビング(ORAS) | |
08 | ロッククライム |
廃止
なお、サン・ムーンでは「アローラ地方ではひでん技による移動が禁止されている」都合上ポケモンライドにとって代わられ、ひでんマシン自体が廃止されてしまった。
これにより秘伝要員を取られて戦力を下げる必要がなくなった。以降のシリーズでは、ひでんマシンは登場していない。
伝統的なシステムの廃止を残念がるプレイヤーもいれば、いちいち秘伝要員を確保しなくて済むと喜ぶプレイヤーいる。
リメイクでは
『ファイアレッド・リーフグリーン』、『ハートゴールド・ソウルシルバー』、『オメガルビー・アルファサファイア』においては、該当世代において秘伝技が現役であったため、原作とほぼ同じ仕様で登場。
『Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』では、初めて秘伝技が廃止となった第7世代直後の作品であることもあってか、相棒ポケモンにしか出来ないヒジュツにとって代わられていた。
『ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』ではポケッチ内のアプリ「ひでんわざ」として登場。それによって第4世代当時の各種地形(ロッククライムで登れる山肌など)が維持されている。
今作では野生のポケモンに使ってもらうことができるため秘伝要員は居なくてよい仕様になっている。
復活したと思われがちだが、あくまでもひでんわざとしての登場であり、ひでんマシン自体は削除されていることには変わりはない。いわくだきなどのひでんマシンはわざマシンに変更されている。
一方、野生のポケモンに使ってもらうとは言っても「ひでんわざ」で呼び出せるポケモンは固定されており、中にはその場所では野生出現しないポケモンを使役することも可能となっている。
作中ではこの技術について説明は無いが好意的に見せている一方で強制的に野生のポケモンを洗脳して酷使させている(リンク先ネタバレ注意)ようにも見えてしまう。
外伝作品では
『ポケモン不思議のダンジョン』シリーズでは、メインストーリークリア後に登場することが多い。他のわざマシンと似ているが、色が金色であり、ダンジョン内で使用することはできない。
『赤・青の救助隊』ではクリア後の一部ダンジョンに入場するのに必要となる場合があるため、会話イベントで入手したり、ダンジョンに落ちているものを拾う必要がある。
『時・闇の探検隊』『空の探検隊』ではガラガラ道場の「さいごのま」に時々落ちていることがある。特にダンジョンの入場に必要があるわけではなく、複数入手することも可能。
『ポケモンGO』ではディアルガの「ときのほうこう」、パルキアの「あくうせつだん」がフィールド効果を持つ技として登場し、実質ひでんわざの概念が復帰。但し、原典と異なり忘れさせること及び交換はできるが、すごいわざマシンで覚えられない。