概要
ポケモンはストーリー上で海を渡ったり、かつて行った町へ戻ったりしなければならない。
単純にダンジョンを進むだけでも道を細い木が塞いでたり、洞窟の次の階層へ行く階段の前にでっかい岩が立ちはだかってたり……。
こういった時に手持ちポケモンのひでん技(フィールド技)を使う必要があるのだが、ひでん技は威力が微妙で実践的でないものだったり、一度覚えさせると特定の人物に頼まなければ忘れさせられない(初代に至っては二度と忘れられない)ものである。
必須といわれるひでん技も組み合わせによっては手持ちを圧迫しかねないので極力抑えたい、というのがトレーナー共通の本音だろう。
そういう時に便利なのがひでん技を複数覚えられるポケモンである。特に戦闘で使い道のない秘伝技を1匹に集中させておけばその分だけ移動効率もよくなり、無駄な手持ち入れ替えをする必要もなくなる。
中にはその場で必要なひでん技を覚えてくれるのがこいつばっかりだったから……という理由で知らないうちに技4つが全部ひでん技で埋まっていたなんて事もある。
いつしかユーザーの間ではそういったポケモンを秘伝要員と呼ぶようになった。
なお、第四世代以降のフラッシュやあなをほるのように、ひでん技ではないが使い道あるフィールド技が混じっていても秘伝要員と呼ばれることがある。
世代による変遷
第1世代~第6世代
秘伝要員が必要だった時代。
秘伝技ではないがフィールドで使用可能な技もいくつかあり、あなをほるなどはその代表。
フィールド移動に重要なひでん技はみずタイプに多い(大抵2個以上ある)が戦闘技としても優秀、そらをとぶは特に重要な移動技である、使う機会が少なく技としてもイマイチなフラッシュなど、実用性・使用頻度は秘伝技内でも格差がある。
ゴルダック・オオタチ・マッスグマ・ビーダル・ミルホッグなど、序盤ポケモンに4技全てを秘伝技で埋められる専門家が配置されるのも定番。
大抵の場合、なみのりorたきのぼり・そらをとぶの2技は戦闘要員が習得することになる(そらをとぶは外す場合も)ため、残りの6技+フィールド技を覚えるのが彼ら秘伝要員の仕事となる。
特に使用頻度が高く移動に必須のいあいぎり・いわくだき・かいりき・ロッククライムorダイビングの4技を覚えさせることが多い。秘伝ではないがあなをほる・あまいかおりも有用性が高い。
覚える技数が2体分8技より少し少ないため、そらをとぶやたきのぼりなど、実用圏内の技を秘伝要員に回し、戦闘員により強い技を習得させることも多い。
逆にフラッシュやきりばらいなど、使用頻度が極端に低い技は普段は手持ちに入れないことすらある。
第六世代まではバトルで相手を倒さないと経験値が貰えない仕様だった為、だいたい…というか殆どの場合、秘伝要員のみ極端にレベルが低いままであることが多かった。単にフィールド移動を円滑にするだけでなく、時には主力ポケに元気のかけらを使う隙を作るため、死に出しの肉壁として犠牲になるのも彼らの仕事であったためレベルが上がりにくさに拍車をかけていた。
最終的にシナリオのクライマックスである四天王・チャンピオン戦まで連れて行って貰える事が多く、戦闘で貢献しなくてもそのまま殿堂入りリボンを付けてもらえるのだが、どんな気持ちでリボンを受け取ったのかはわからない。
ただ、旅の過程での貢献度の高さから、彼らに相応しい勲章ではある
秘伝要員は育てたところで深刻な火力不足であるため、実質的な手持ちが4、5体になることから、過去作難易度がやや高い原因の1つと言われる。
ポケモンBWではアイリス/シャガ対策に加え、最初から秘伝要員として使ってもらう事を目的に普通のクマシュンがWi-Fi配信されたことがあった。
第7世代以降
ポケモンSM以降「手持ちのポケモンがひでん技を覚えなくてもフィールド上のギミックを突破できる」仕様に変化し、必然的に秘伝要員はリストラ。なみのり、たきのぼり以外の元秘伝技が使われる機会も激減することとなった。
即ち、手持ち要員としての秘伝要員は役割を終えたのである。DptのリメイクであるBDSPですら秘伝技は廃止であったことから、今後も復活の見込みはまずないと考えられている。学習装置の仕様変更も相まって、手持ちの隅で哀愁漂わせる低レベルポケモンを見る機会も、今後はないであろう。
代替手段はポケモンライド、「ヒジュツ」、ミライドン/コライドンなど。
ライドギアに登録されたポケモンを呼び出してポケモンライドする。
ちなみにひでん技の使用はアローラの法律で禁止されているらしい。
最初に選んだ1匹(6Vで種族値も高めに設定されている)に「ヒジュツ」を教えてくれる人が各地に存在する。
タウンマップから「そらとぶタクシー」で任意の場所に飛べたり、ロトム自転車の「アクアモード」で川や湖を渡れるようになる。
ポケッチアプリに「ひでんわざ」が追加。
これまで貰えた秘伝マシンは技マシンに変更されているが、手持ちのポケモンに覚えさせる必要はなく、Aボタンで調べたり、ポケッチアプリから選択すると野生のポケモンが現れて手助けしてくれる仕様になった。
ヒスイ地方の各地にいる特別なポケモンに認められることで、「カミナギの笛」で呼び出してポケモンライドできる。
パッケージを飾っている伝説のポケモンであるコライドンまたはミライドンと序盤で出会い、弱っている彼らを保護すると、背中に乗せてくれるようになる。
パルデア地方では元々ライドポケモンとして彼らによく似たモトトカゲが普及しているため、主人公はモトトカゲの代わりにコライドン/ミライドンを自分のライドポケモンとし冒険に乗り出していく(ライドポケモンであるため、また冒頭の衰弱の原因であるトラウマのため、クリアするまで手持ちに入れて戦わせることはできない。ピクニックは可)。
「各地のヌシポケモンを倒し「秘伝スパイス」を手に入れるたびに回復し、フィールド技が解禁される」という独自の仕様があり、最終的には(タクシーで行う)そらをとぶ以外のあらゆるフィールド技を1匹でこなせる頼れる相棒になる。禁止伝説なのに序盤から仲間になること、秘伝要員も受け持つこと、ストーリーにこれまで以上にガッツリ絡むことなど異例づくめであり、いろんな意味で歴代最強の秘伝要員として話題をさらった。
主な秘伝要員
カイリュー (「ロッククライム」以外の全ての秘伝技を覚えられる。)
マリル、マリルリ (トロピウスと合わせて第3世代の全ての秘伝技を覚えられる。)
エンペルト (「そらをとぶ」以外の全ての秘伝技を覚えられる。)
ビーダル (第4世代のHM05に関して:うずしおは覚えるが、きりばらいは覚えられない。)
余談
時々「秘伝要因」と表記されることがあるが「要因」は「原因」に極めて近い意味を持つ単語であり、「人材」とほぼ同義である「要員」とは、字面が似ているだけの全く違う単語である。
深刻な誤解を招くような誤字(誤変換)ではなく、使ったから何か悪い影響があるわけでもないが、間違いであること自体は覚えておいた方がいいだろう。
関連タグ
いあいぎり そらをとぶ なみのり かいりき たきのぼり ダイビング
フラッシュ きりばらい うずしお いわくだき あなをほる ロッククライム