あなをほる
あなをほる
初代より存在する技。地中へ潜って、次ターンで攻撃する、所謂1ターン回避技の一種。
フィールドで使うと、ダンジョンより脱出する効果がある。
例えサントアンヌ号であろうがシルフカンパニーであろうが穴ぼこにして脱出出来てしまう。
後で怒られそうである。
初代攻略本などから初代より第2世代と同威力60の予定であったと推測されるが、
その初代では何と「じしん」と同等の威力100という非常に強力な技となってしまった。
ちなみに、この威力にして入手出来るのはハナダシティ。ほぼ序盤である。
普通に進めて行けば次に挑戦するジムがでんきのクチバジムのため、対策として手持ちポケモンに覚えさせるトレーナーも多かったであろう。
なお現在は数を増やしているものの、当時自力習得可能なポケモンはディグダ位であった。
第2世代では攻略本通り60まで下げられた。
ただ、流石にこれは逆に低過ぎたためか、第4世代では威力が中間の80まで戻され現在に至る。
このように、初期は高威力だったが後に威力が下げられ、そして再度上げられるという道を辿っているが、第7世代以降、上記とは逆パターンが登場することとなった。
穴を掘る以上地面に攻撃する技である「じしん」「マグニチュード」を使われると必中でダメージを受けてしまう。でも「じならし」は適用外である。地面表面状態を鳴らす程度では地中には響かないということか。
なお、第2世代のみ「じわれ」も必中となっていた。
ぶっちゃけ2ターン掛けて威力80では使いにくい。
溜める際はほとんどの技を完全に避けられるとはいえ、溜め技故に1ターンラグが存在するため、1ターン回避出来ても次のターン行動が固定され相手に自由行動可能な猶予を与えてしまう。利点を多大な欠点で潰してしまっている。じめんタイプは無効化手段がそれなりにあるため他溜め技と比べても特に通信対戦であると交代を許しやすい。
そして何よりも威力と安定性に優れた「じしん」の存在が大きい。覚えられるならじしんで十分である。
ひこうタイプやふゆう持ちなどじめん技を透かせるポケモンがいないパーティの方が珍しく、さらには採用率の高いじしんで相手から特効を取られてしまうため、一致での採用率は残念ながらお察しである。
一応1発限りではあるが「パワフルハーブとの併用で溜めなしの攻撃技」「ダブルバトルで味方を攻撃する『じしん』や『じならし』の代わり」「ゲッコウガなどの『じしん』を覚えないポケモンが弱点となるタイプを撃退する」などとして使えないことはない。
また、第7世代ではZワザに変えることで1度のみ溜めなし高威力技として活用可能となった。
が、採用するのは精々「じしん」を覚えないリーフィア・テッカニン・アイアント程度。
それでも、USUM時代の一時期、カプ・コケコをジメンZ+「あなをほる」で処理する型の「いじっぱり」準速テッカニンが使われることがあった。ちなみに「かそく」「バトンタッチ」型として考えた場合、「あなをほる」で2ターン消費することで技1回として「かそく」を2回発動出来るが、大抵は「みがわり」を上から貼ることで4回「かそく」を安全に発動出来るので、これはただの話のタネに過ぎない。
ちなみに『RSE』及び『ORAS』の「おふれのせきしつ」解放に必要。
しかし当時はレベルアップで習得出来るのがツチニンとナックラーしかいない(進化させたら結局わざマシン頼りの上、習得レベルも進化レベルより大きく高い)ため、ほぼこのわざマシン頼りであった。
幸い前述の通り覚えさせてもそもそもの使い道が限られるため、大した問題ではなかったが。
ORASでは技マシンが無限使用可能となったため問題はない。
ちなみにひこうか特性「ふゆう」持ちに「あなをほる」を使わせた場合、「じしん」と「マグニチュード」は回避可能。しかし、地面の底でどうやってかわしているのかは永遠の謎である。
また特例を除いて「そらをとぶ」と共に覚えられるポケモンはそうそういない。
精々リザードン・フライゴン・ランドロス程度。まあ、全員「じしん」を覚えるためネタ以外の何物でもないが。
第8世代では相手のダイマックスターンを消費させる技として「そらをとぶ」「ダイビング」と共に注目を集める。
逆にこちらがダイマックスすると、第7世代におけるZワザの様にデメリットを無視可能なことも追風。
ダイマックス技はZワザ同様確実に回避出来る上、再度わざマシンへ返り咲いて第7世代登場ポケモンにも与えられた点も大きい。
ゲーム本編的には最早春の時代であった第8世代を除き残念な部分が多い技であるが、一転してアニメなどのメディアミックスであるとその扱いは逆転する。地中で行動出来る様になるため、行動範囲が下へ大きく広がり、戦術的利用が可能となったり大技への咄嗟の回避に使えるなど本編とは全く異なる側面を見せる。
作画コストという視点では、地中へ潜っている間、そのポケモンを描く手間が省けるという点も見逃せず、コストカットしつつ様々な展開に派生させられる利便性はいわずもがなで、被災者配慮で「じしん」が使えなくなった環境下において、アニポケでは「じしん」の代役として、じめんポケモンの代名詞(「じしん」を覚えられるのにこちらは覚えられないのはギャラドスやケンタロスなどのタイプ不一致に限られる)として不動の地位獲得に成功している。
地中で行動可能な技は現在でも全技の中でコレだけなのでサトシを含め採用する人は多い。稀に穴を掘ったまま異なる技を繰出してとんでもない運用を行うこともある。
バトル以外でも洞窟からの脱出・敵からの退避など、様々な場面で役に立つ。
地中にいる間の描写も必要ないため作画もやりやすい。
基本的に大抵の技を強引に回避可能な最強クラスの回避技であり、出るタイミングや出る場所を好きに出る側が選べるため反撃手段がないポケモン相手だと結構ハメに近いこともできる。アニメでは最もメジャーな対策手段である「じしん」が様々な理由から使われないため、XYシリーズでは、「じならし」・地面に向かっての「アイアンテール」などの対地攻撃で地面ごと巻き込みで「あなをほる」に対してダメージを与える、ポケモンによっては耳を済まして出る瞬間を狙うなどの対策を取られる。
ポッ拳ではガブリアスが使用する。地中を移動するため攻撃をかわしやすく、1ターン目に攻撃を避けられるという部分を存分に活用している。
ポケダンでも本編と同じ攻撃方法。敵が使って来た場合は1マス移動するだけで簡単に避けられるため然程脅威ではないがあなをほるを始めとした溜め技はダメージが2倍になる補正が掛かる上に溜め技を回避するAIが組まれていないため非常に強力。
ただしじしん、マグニチュードで2倍のダメージを受けるのも本編譲り。これらの技を使うポケモンに対しては使わない方が無難。
初代においてこの技を覚えるための「わざマシン28」は、とある民家の住民がロケット団に奪われたのを主人公が奪還するのであるが、このわざマシンを所持した状態で持ち主に話し掛けても返却出来ないため、結果的にネコババしてしまうこととなることがネタとされることがある(リメイクの『ピカブイ』では、ロケット団撃退後に住民に話し掛けると「折角取返してくれたけど、そのわざマシンは君にあげるよ(要約)」と正式に譲渡する内容に変わっている)。