概要
オレンジアカデミー / グレープアカデミーのやんちゃな生徒の集まり。
ゲームでは3ルートのうちの1つ「スターダスト★ストリート」でスター団と対峙することになる。転入生である主人公の力に目を付けたカシオペアなる謎の人物によって、多額のLPを報酬に、問題児集団であるスター団を解散させる「スターダスト大作戦」に協力するよう依頼される。
生徒会長のネモの話によると、周りの人々への嫌がらせや強引な勧誘、授業にまともに参加しないなど、アカデミーの風紀を乱しているとされる。
したっぱは制服のサスペンダーを下ろし、星型のサングラスとヘルメットを被っている。
メンバー及びボスらはいわゆる改造制服をそれぞれ独自にアレンジして着用している。
「お疲れさまでスター」という洒落を利かした独特の挨拶や、バトル前に両手で星形を描く特徴的なジェスチャーを行う。
ただし、今作のしたっぱとの対決は殆どがレッツ&ゴーによって行われるため、この様なジェスチャーを見られる機会は過去作に比べてかなり少なくなっている。
もし見かけたら画面撮影するのもアリかも。
創設者はマジボスと呼ばれる正体不明の人物で、創設時期は物語開始から約一年半前。
マジボスの配下と思われる5人のボスがおり、彼らはそれぞれ得意とするタイプの名を冠した組を持ち、パルデア地方の各地にアジトを構え、大勢のしたっぱを従えている。
主人公が転入した時点でボス達は一年半以上もの間登校拒否を続けており、アカデミー側では退学処分も検討されはじめていた。処分の勧告が出て以降も一向に団が解散される気配はなく、アカデミーは彼らの行動に頭を抱えているらしい。
過去シリーズにおける悪の組織と比べても組織としては小規模で、野心や危険思想を抱いたり、高度な科学力を有しているわけでもなく、どちらかといえばエール団やスカル団のような不良トレーナーの集まりに近い(しかし、不良生徒による(組織構成がはっきりした)団体というのは本作が初である)。
団のルールも、ボスの1人であるピーニャが主体となって作られた「掟」がマジボス&各ボスの6人のあいだで共有され、絶対視されているものの、「お願いはしても命令はしない」という内容も含まれていることから、ボスの座も階級というより象徴としての意味合いが強いなど、統制も重要視されていない。
それ故か、団のやり方に疑問を抱いて距離を置き始めている者もおり、しるしの木立ちにはそうしたスター団からのはぐれもの(所謂「穏健派」)達が居を構えている。
当然だが彼らはスターダスト大作戦のことも知らず、アカデミーにも普通に出席しているという。話しかけても特に敵対的な対応は取らず、寧ろ「いつでも来てくれ」とかなり友好的に接してくれる(加えて、初回では特別な帽子をくれる)。
メンバー
ボス
名前 | 組 | ボール | 担当 |
---|---|---|---|
ピーニャ | あく組「チーム・セギン」ボス | タイマーボール | まとめ役(BGM担当兼任) |
メロコ | ほのお組「チーム・シェダル」ボス | クイックボール | なんでも屋 |
シュウメイ | どく組「チーム・シー」ボス | リピートボール | 服飾 |
オルティガ | フェアリー組「チーム・ルクバー」ボス | ゴージャスボール | メカニック |
ビワ | かくとう組「チーム・カーフ」ボス | ヒールボール | 戦闘員育成 |
マジボス | スター団ボス | モンスターボール | リーダー |
その他
真相
スター団結成の経緯
スター団のボスを倒していくと、ボス達が全員アカデミーで過去にいじめを受けていた事実が明らかに(※)。当然、創設者であるマジボスもいじめの被害者であり、いじめに対抗するための手段として結成したのがスター団だったのだ。上記の「掟」が緩いものながら絶対遵守となっていた理由も、同じいじめられっ子だったボス間の絆の象徴となっていたためであった。
そして一年半前「スター大作戦」を決行し、いじめっ子との全面対決を計画したが、当のいじめっ子達は恐れをなして全面降伏し、学校からも1人残らず退学してしまった。
事態が大きくなり過ぎたことを重んじたマジボスは自分が全責任を負うと決め、スター団の解散を伝え姿を消す。
しかしスター団はマジボスがいつかは帰って来ると信じてスター団を解散せずにいたが、強引な勧誘活動などが原因でいつのまにか悪印象を植え付けられ、ただの不良集団に成り下がってしまったのである。
しかし、これだけの出来事が何故いままで公になっていなかったのか?
当時の校長イヌガヤによると、なんと「当時の教頭が責任逃れのためにスター大作戦のデータを抹消し隠蔽。当然教頭には然るべき処分が下ったが、いじめを防げなかった自分も責任を取り、全教員にも無理を言ってやめてもらった」のだという。
今のアカデミーの教員は校長も含め全員が一年半前に総入れ替えで赴任してきたメンバーで、かつていじめがあった事実もスター団結成の経緯も全く共有されていなかったのだ(スター大作戦がアカデミー全体を巻き込んだ大事件であり、例えデータを抹消しようが他の学生に周囲に言いふらされる可能性が充分にあったにもかかわらず主人公とネルケらの調査が始まるまで全く情報が漏れなかった点は気に為るが、何か事情があったのかもしれない)。
一連の騒動によって遅ればせながら真実を知ったネルケ…もとい、クラベル校長はスター団のおかげで今のいじめのないアカデミーがある事を理解し、スター団への解散通告を取り下げた。
とは言え、彼らの起こした不良行為(長期間の無断欠席、制服の改造、アカデミー備品(机や三角コーン、搬入用のカゴ車やテントと言った、バリケードやアジトの材料に使っていた物)の無断持ち出し、ライドポケモン(モトトカゲやブロロローム)の改造及び暴走行為)自体は立派な校則違反のため、団ラッシュの独自性と彼らのバトルの強さを見込み、罰則としての奉仕活動も兼ねて、生徒のバトル訓練施設「STC(スター・トレーニング・センター)」を設立し、その運営を任せたのだった。
なおその経緯からして悪の組織どころか寧ろいじめという悪に立ち向かうための組織であり、実態が単なるフーリガンであった上に寂れた町の復興の為に強硬手段を取ってしまっていたエール団や、ガラルの将来を案ずるが故に社長が強硬手段に走ってしまったマクロコスモスといった前作の『悪の組織』以上に『悪の組織』と呼んでしまうのには語弊がある組織である。
実際、アニメ『放課後のブレス』では、取材に訪れたホーマを邪険に扱うようなことはせず、ビワの特訓により彼のクワッスが見事ウェルカモに進化した際には、その場にいた団員たちが大喜びして祝福するなど、悪人とは到底思えないようなこともしている(いじめを経験し、人の痛みがわかるからこそ、相手を無暗に傷つけるようなことをしなかったとも考えられるか)。
一方で、各所にバリケードを作って通行の妨げを行ったり、他の生徒を無理やり入団させようとする等、迷惑行為を行っていた団員がいたのも事実である。
加えてスター団を結成していじめっ子達を共に下したマジボスへの義理立てもあった為、不登校状態になってでもアジトを守り続けてようとするボス達を下ろすのは一筋縄ではいかなかった。
だが、このまま放置すれば学校問題どころか警察沙汰にまで発展してしまうのは避けられず、最悪の場合は本当に『悪の組織』と化す危険性があった為、マジボスはスター団を終わらせる為に動く決意をしたのである。
構成員の中にはタナカ(元・アカデミーの人気者)、ピーニャ(元生徒会長)、ビワ(スポーツ特待生)、オルティガ(御曹司)等の元スクールカースト上位者や、元はいじめっ子であった者(先述したタナカが該当)も確認でき、同じ痛みを持った仲間が集まるスター団を居場所と感じている構成員や自分と同じ趣味趣向を持つ生徒からは英雄視される事も少なくない。ただし、何かしら恵まれている要素を持っていたが故に周囲から嫉妬で憎まれていじめを受けた事例もあり、メロコ、ビワ、オルティガがそれに当たる。
スター団が勢力を拡大し、一向に解散の気配がなかったのも、こうした懐の深さによるものと居場所を追われた彼らにとっての最後の居場所がスター団しかないという防衛意識によるものであると推測される(実際、ボス達もそうだが、団員達もスター団に深い愛着があることが台詞からうかがえ、ボス撃破後もアジト内ではボスが戻ってくることを信じて留まろうとしていた者もいる)。
この手の組織でありがちな「原因が完全に自分にあり逆恨みに過ぎなかった者」「極端な被害妄想だったり被害の内容がいじめとも呼べない程にしょうもなくてろくに同情の余地が無い者」が在籍しておらず、「当初は被害者だったものの次第に恨みや屈辱から加害者と同等かそれ以上の悪人と化し破滅の道を歩む者(その後代わりに別の人物が似たような事になってしまうのだが…)」が現れなかった(それに加え代表や上層部による当初の目的からかけ離れた身勝手な暴走が起こらなかった)のが何よりの証拠と言えるだろう。
こらそこ、むしろそういう転落の様が見たかったとか言わない。
(とはいえ近年のコロナ禍による人付き合いの変化、及び何でもかんでもハラスメントと見做され加害者にされる傾向の強い現状ではそういうシナリオの方が喜ばれるのも仕方が無いのかもしれない。)
クリア後
上記の通り、スター団はバトル訓練施設「STC(スター・トレーニング・センター)」として新たに生まれ変わり、スター団のメンバーも引き続きアジトに留まっている。
主人公や校長の活躍により、一連の問題の真相が公にされ、団員たちに対する処分も軽いもので済んだことから、アジトの雰囲気はだいぶ和やかになっており、したっぱたちの台詞も「居場所ができた」「トレーニングしましょう」といった、穏やかでフレンドリーなものに変わっている。
アジトでは、ボスと再戦ができる。レベルは学校最強大会と同等のLv65~66に強化されている他、いずれのボスも一部の手持ちが変更(ないしは追加)されているため、ストーリー攻略時とまったく同じ感覚では戦えない。
1日1回までという制約がある上、各地に点在しているアジトを回らなければならないので効率よく周回するにはやや不向きなのが難点(一応、近くにポケモンセンターがあるので、ワープはしやすい)。
また、団ラッシュもプレイできるが、ストーリー攻略後はノルマが50匹に増量され、相手のポケモンのレベルも強化されている。こちらはクリアできれば成績に応じてLPが貰える。
ゼロの秘宝
後編の「藍の円盤」では、ストーリーをすべてクリアするとスター団の追加イベントが発生し、5人ともなんとか復学していることが判明する(制服はDLC購入時に入手できるニュー制服セットを着用している)。
追試を無事クリアしたピーニャとビワが、留年のピンチに立たされているメロコ・シュウメイ・オルティガを救うべく、主人公に勉強を教えて欲しいと助けを求めてくる(尚ボタンに対しては、「これ以上心配や迷惑をかけるわけにはいかない」という理由から内緒にしているとのこと)。
このイベントでは、オルティガ・シュウメイ・メロコから計5問の質問に答えていくことになる。3人の質問すべてに適切に答えた場合はトゥルーエンド、1~2人の質問に適切に答えた場合はグッドエンド、質問すべてに不適切な回答をした場合はバッドエンドとなり、それぞれで貰える報酬が異なる(トゥルーエンドの場合はきんのおうかん、グッドエンドの場合はものしりメガネ、バッドエンドの場合はミックスオレ)。
さらに、これとは別に補習を手伝ってくれたお礼としてビワから、スター団の改造制服(衣類)一式と「おつかれさまでスター」のエモートを貰える。
トゥルーエンド・グッドエンド・バッドエンドをすべて見たい場合は、グラウンドにいるメロコを呼びに行く際、彼女に話しかける前にセーブしておくこと(メロコに話しかけた時点で補習イベントが開始され、途中で中断することができないためである)。
因みに主人公がお礼を貰った直後に、(結局)ボタンに偶然に見つかってしまうのだが、それ以降の会話の展開には変化はない。
また、このイベントが発生している時にアジトに赴くとボスたちがいなくなっている…ということはなく、いつも通りの恰好でスタンバイしており、普通に団ラッシュやバトルが行える。
戦闘BGM
作曲者はいずれも谷口輝雄氏。なお設定上では、スター団関連のBGMは全てピーニャが作曲したことになっている(ボス戦の待機モーションでは、BGMに合わせて彼の体が揺れる演出がある)。
したっぱ戦
歴代ポケモンシリーズのイントロを彷彿とさせるフレーズから始まり、ギターとシンセサイザーを主軸に据えた曲。
歴代悪の組織の曲の中では、珍しく明るい曲調である。
ボス戦
シリーズ内では珍しいヘヴィメタル風の曲。
エレキギターとシンセサイザーで激しい旋律が掻き鳴らされるが、後半のギターソロのパートはどこか哀愁が感じられるフレーズとなっている。
また所々シャウトのボイスが入っているのが特徴。谷口氏はこの理由について「ボスと対峙した時のインパクトは異様で、半端な曲では太刀打ちできないなと思った」とコメントしている。
1周約3分とかなりの長さを誇るが、2周目は一部のフレーズが変更されている。そのため1ループあたりの所要時間は6分と半端なく長い。
なお谷口氏にとってギターを使った作曲は『チャリ走DX2』以来9年振りとのことで、収録後はギターの弦が全部切れてしまったらしい。
余談
- 「団」とつく悪の組織では地味に過去の組織とイニシャルが被った初の事例(スカル団のS)。
- アカデミーの備品(机やカゴ車など)で構成されたバリケードや内部に複数の小屋を持つアジトの装いがパナウェーブ研究所に酷似している。しかし、アカデミーからかなりの距離がある場所にこれだけの備品をどうやって運んだのかは謎である。スターモービルを使って物を運んでいたのだろうか…?
- 各チーム名はカシオペア座の星の名前に由来する。左側から順に以下の通り。
- ε星:セギン(Segin)
- δ星:ルクバー(Ruchbah)
- γ星:ツィー(Tshi)
- α星:シェダル(Schedar)
- β星:カフ(Caph)
- 「お疲れさまでスター」は英語版では「さよなら」「またね」を意味するスペイン語“ Hasta la vista ”(アスタラビスタ)に“ star ”をかけた“ Hasta la vistaaarrr ”となっている。
- 上述の通りいじめの被害者達によって結成された組織なのだが、全ての元凶である「アカデミーを退学したかつてのいじめっ子達(それに加え事件を隠蔽しようとした教頭)」は最後まで作中に一切登場せず、実際にいじめっ子(に近い存在)と対峙する展開は縄張り争いに敗れたコライドン/ミライドンや、かつて襲われて宝物を奪われた上に悪者に仕立て上げられた「鬼様」のエピソードに譲っている。
- 広大なパルデア地方全土はおろか、DLC編の舞台となる何かやらかした者がひっそりと暮らすには最適な田舎町であるキタカミの里やフィクション作品において嫌味で誇り高い奴等の集まりとして描かれがちなエリート校であるブルーベリー学園にも(とある4人が疑われていたものの)それらしき人物は確認できていない。
- 現実における学校でのいじめ被害者達のメタファーとも言えるスター団ボス達に同情したという声は多く、後々仇を討つようなシナリオが用意されていると期待していたプレイヤーには少々残念な終わり方になってしまったが、辛うじてスター団ボス達にこれ以上の報復を望んでいる描写が無い事、またそれによって(上述のように)逆に悪の道に走ってしまう者が現れる危険性を回避できた事がせめてもの救いと言える。
- プレイヤー間では「物語を進めることだけに力を入れて学校に行かない」プレイスタイルを指してスター団と呼ぶことも。
関連タグ
ロケット団:金銀クリスタル(とそのリメイク)における彼らはボスが団を去ったことを頑なに認めず、ボスがいつか帰ってくると信じて活動を続けており、スター団に通じるものがある(悪事の内容はまるで異なるが)。
ミラーボ:ポケモンシリーズ中の人物における☆を衣服にあしらっている者つながり。こちらは悪の組織シャドーに所属していたトレーナー。最終的に事実上、更生。
ぼうそうぞく:似た特徴を持っている。バイクに乗る悪者トレーナー。スター団はモトトカゲというポケモンをバイク代わりにしており、団ラッシュでは戦闘に繰り出してくる。
キュアスター:スターの名を冠したプリキュアであり、前作ではエールである共通点を持つ。
ノットレイダー:そのキュアスターが主役となる作品での悪の組織。スター団と同様、ストーリーが進むにつれ「理不尽に居場所を奪われた被害者」の側面が描かれた。
- 秘密戦隊ゴレンジャー:メンバーの頭文字が「カシオペア座」に由来している。