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懲戒免職

ちょうかいめんしょく

公務員に対して行う、懲罰的な意味での免職。私企業の従業員に対する懲戒として行う解雇処分(懲戒解雇)についてもこの記事で記述する。
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概要編集

公務員法律を犯したもの、職場で著しく綱紀を乱した者に対して行われる、免職の中ではもっとも重い処分。

そもそも「職を免ずる」という概念自体が官公庁職員にしか当てはまらないため、公務員以外の場合は後述の「懲戒解雇」が正しいが、一般的に耳馴染みがあるためか、懲戒免職と呼ばれていることもある。


この場合は退職手当(金)は支給されず、宣告を受けた日から2年間「欠格事項」に該当する身分となり再び公務員にはなれなくなる。

さらに公務員は失業保険そのものが存在しないため、即時に金銭的に困窮することにつながる。

また悪質または重大な事象の場合は実名が公表されることもある

当該者が教師の場合、教員免許失効となる場合もある。


公務員で懲戒免職され実名を公表される主なケースとしては(自治体によって基準が異なる)

  • 収賄、選挙違反、飲酒運転による交通事故、暴力、薬物、性犯罪事件等の刑事事件で逮捕(場合によっては起訴まで地位保全されることもある)される
  • 横領情報漏洩セクハラ、書類の不正操作(教員による内申書の不正なども含む)など職務上の立場を悪用した犯罪
  • 職員が職務の対象者やその保護者/親族と不適切な関係に陥ったり、一方的に惚れストーカー行為を行った場合。
  • 長期(2週間以上が目安)の無断欠勤

などがある。


また懲戒免職まで至らなくとも、形式上自ら退職させる「諭旨免職」(指定された期限までに退職しなければ懲戒免職とする)も存在するが、そもそも公務員の場合、自身の健康不良や家族の介護などの家庭事情、または既に転職先が決まっているなど、何らかの事情でもない限り希望退職することは稀なので、事実上実名公表の有無にかかわらず、民間企業でも大企業など条件のいい会社への再就職は困難となる。

余談ではあるが、停職や減給、戒告のような懲戒処分であっても、生涯賃金が数百万円以上も失われることもあるため、経済的なダメージは非常に大きい。


なお再就職の際に懲戒処分の有無を履歴書等に記す法的規定は無いが、企業によっては前歴が採用基準に抵触する場合や、無くとも「経歴詐称」と見做されることもあるため、入社後に発覚した場合今度は「懲戒解雇」として再び失職する可能性も考えられる。


私企業による懲戒解雇編集

企業の場合は「懲戒解雇」と呼ばれ、雇用保険については自己都合退職と同様に失業手当の申込後給付制限期間(手当の支払いが行われない期間)がある。なお、以前は自己都合退職も懲戒解雇も給付制限期間は3ヶ月だったが、現在は自己都合なら2ヵ月、懲戒解雇なら3ヵ月と、制限期間が長くなった。

また、退職金は支払われない場合がほとんどである。


企業によって規定は異なるが、公務員同様に犯罪や無断欠勤や情報漏洩を働いた場合、正規/非正規問わず懲戒または諭旨解雇扱いになることがある。


内部告発も懲戒解雇の対象となるリスクを伴う行為であるが、告発に公益性が認められた場合は「公益通報者保護制度」の保護対象となるため懲戒の対象とすることは違法である。もっとも、告発者が持ち出した情報が顧客情報や個人情報を含んでいた場合、違法な手段を用いた証拠の持出しなどは、懲戒解雇にはならなくても裁判沙汰になることがある。


会社によっては直接刑事事件などに問われる行為ではなくとも、社内におけるパワハラなどの職権乱用行為や、会社に無断での副業・兼職、さらには私的な問題、例として仕事とは関係がない個人的な金銭トラブルや、仕事とは無関係な相手との不倫などの社会道徳的に問題があるとされる行動が問題とされる場合もある。

詳しくは勤務先の職(服)務規定を参照すること。


なお、冤罪で懲戒免職・懲戒解雇にあった場合は、処分が取り消され復職できる場合もあるが、解雇から何年もたってから無実であったと判明しても元の職場に戻るのは事実上困難であり、退職金と賠償金の支払いなどで手打ちとなる場合が多い。


懲戒ではないが、規定上退職になる場合編集

公務員・会社員問を問わず、健康不良などによる休職期間が一定の期間に達した場合、退職を命じられることがある。特に近年はうつ病などの精神的な症状によって、長期間の治療・療養が必要となり休職期間が長期化して失職に至るケースも散見されるという。

公務員の場合は「分限免職」という(身「分」保障の「限」界という意味)。

尚、地方公務員においては実態としてこの「分限免職」が自由というほど「分限免職」が濫用されている状況となっており、労働争議を起こしても大抵は「分限免職される方に問題がある」と裁判でも勝ち目がない。




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