「ともっこさまは かつて キタカミを」
「悪い鬼から 守った ポケモン!」
概要
ポケモンSVの追加コンテンツ『碧の仮面』の舞台・キタカミの里の昔話に語り継がれる、イイネイヌ、マシマシラ、キチキギスの3体の通称。
過去に里に降りてきた鬼から、命を懸けて守ってくれた英雄としての逸話が残っており、村人はこの3匹を親しみを込め「ともっこさま」と呼んでおり、里には彼らへの感謝の気持ちで石像が建てられ、現在でも「ともっこプラザ」と言う公園内に配置されている。
ここには鬼との戦いで息絶えた3匹の亡骸が埋葬されているそうだが、なぜか像周辺は木が枯れ果て、草も生えない状態になってしまっている。
後述する、彼らの持つ毒性によるものなのだろうか。
それぞれ犬、猿、雉がモチーフと思われる。
里に立てられた立て札に描かれている絵が「鬼(のような生き物)を追いかけている犬、猿、雉、人間」のように見えることから、碧の仮面のパッケージを飾るオーガポンとは何らかの関係があるものと思われる。
容姿の共通点として体色が全体的に暗めで、紫色の注連縄のようなものをつけているが、猛毒を帯びた鎖であるらしく、特性は共通して攻撃した相手をもうどく状態にする「どくのくさり」である。
名前の特徴としては「一つの文字が2つ以上使われている」「縁起のいい言葉が使われている」という点が共通している。
また3種ともオスしか存在しない(逆にオーガポンはメスしかいない)。
全員がどくタイプを持っており第二タイプとしてイイネイヌはかくとうタイプ、マシマシラはエスパータイプ、キチキギスはフェアリータイプという希少な組み合わせのタイプとなっている。
マップに彼らが表示されたときの文章やスカーレットの図鑑説明から、彼らは元々弱いポケモンだったが毒の鎖の毒素によって力・知恵・美貌を得たとされており、それらの要素が第二タイプとして表れているといえる。逆に言えば、毒の鎖がなかったころの彼らは全く違うタイプだった可能性がある。
該当ポケモン
No | ポケモン名 | 動物 |
---|---|---|
1014 | イイネイヌ | 柴犬 |
1015 | マシマシラ | 日本猿 |
1016 | キチキギス | 雉 |
関連タグ
ポケモンSV 碧の仮面 オーガポン
桃太郎
暴太郎戦隊ドンブラザーズ:桃太郎をモチーフとした作品で、偶然にも彼らが発表されたのは最終回の翌日だった。そもそもSV本編発売に合わせて東映とバンダイの公式Twitterがネタにしていたので、既に縁は出来ていたのかもしれない。
海軍(ONEPIECE):こちらも桃太郎のお供がモチーフとなっており、この画像のようにネタにされることもある。能力はむしろレジ系との共通点が多い。ただし色の組み合わせは異なり、緑の代わりに黄色がいる。
ビッグモーター:この3匹を祀る墓周りの草木だけが不自然に枯れているため。
ネタバレ注意
※以下、碧の仮面の重大なネタバレが含まれます。
「本当の歴史は…… 逆なんだ」
実際は里で語り継がれている伝説とは真逆。実はこの3匹こそが悪者であり、オーガポンは彼らによって追い詰められていた被害者である。
物語の中盤、紆余曲折を経てオーガポンと出会う主人公。しかし、あとからやってきたゼイユを見ると恐れてお面を落とし、逃げ去ってしまった。後日ゼイユは自分の祖父に昨日の出来事を相談することを主人公に提案、落としたお面を渡すと祖父は深刻な表情を見せ、この里の真実を語り始めた。
元々オーガポンは、遥か昔に異国の地から1人の男と共に迷い込んだポケモンだった。しかし、村の人々は自分達とは違う彼らの姿を見て恐れ、男とオーガポンを自分達の村に近づけさせないようにしていた。
2人は村人達に歓迎されずに悲しんでいたが、お互い一緒にいれば幸せだったので裏山の洞窟で慎ましく暮らし始めた。
そんな彼らをただ1人不憫に思っていた村のお面職人(ゼイユとスグリのご先祖様)は、2人のために幾つもお面を作ってあげていた。
異国から持ち込んだ宝石をあしらったそのお面で素顔を隠せば村人と仲良くできる。2人はお面職人の優しさにたいそう喜び感謝していた。
それからお面を被った2人は村の祭りにこっそり来るようになった。彼らのお面の見事さはたちまち評判になり、その噂は遠くの国々まで知れ渡るほど。そんな世にも珍しい輝くお面の噂を聞きつけた数匹の欲深いポケモン……それこそが後にともっこさまと呼ばれる3匹なのである。
3匹は2人の住みかに忍び込んで大事にしまわれていたお面を奪い取ろうとしていた。偶然いあわせた男が何とか1つだけお面を守りきったが、力及ばず残り3つのお面は彼らに奪われてしまった。
数刻後、住処に戻ってきたオーガポンが争った跡と残った碧のお面の光景を目にし、男を探すためにそのお面を被って村に下りた。そして輝くお面をかかげて喜んでいる3匹を発見して怒りのまま打ち倒す。だが、事情を知らない村人達は何が起こっているのかが分からず、ただただ怒り狂う鬼の姿を見てとても恐れていた。
その後村人達は3匹が鬼から村を守ってくれたと考え、親しみを込めて彼らを「ともっこ」と呼び丁寧に埋葬し、傷つき悲しみに暮れたオーガポンは1人裏山の洞窟へと帰っていった……
これがゼイユとスグリの家系が代々受け継いでいたというキタカミの里の本当の歴史である。早い話、イイネイヌ、マシマシラ、キチキギスの正体は強欲な盗賊ポケモンだったのである。
更に言うと、この3匹がお面を盗み出して以降、オーガポンと共にいた男が登場しない。それに加えて住処がかなり荒らされていた事から察するに、「男は3匹によって殺されたのではないか?」という説も浮上している。(仮面を失って力の出ないオーガポンを3人がかりで痛めつけている描写から)
何かの力に釣られるように彼らは埋葬されていた墓から復活。自分達を倒した鬼に復讐する(といっても逆恨みだが)為に、再び動き出そうとしていた……
余談
この3匹は
- 『英雄らしからぬダークな容姿や色』
- 『露骨に良さを強調した名前』
- 『オーガポンの素顔から凶悪性を感じられない』
また、今まで悪意を持った人間にポケモンが利用される或いはポケモンに悪事を働かせる人間がいたという事はあれど、今回のこの3匹はポケモン自体が悪役として描かれているという本家シリーズでは今までに見られなかったパターン(外伝であるポケダンには似た事をやったポケモンはいるが)であり、上述の四災と合わせてパルデアの伝説・準伝説はロクなのがいないとネタにされている(図鑑説明を含めればロクでもないポケモンは結構いるが)。
尤もパルデアの準伝説と言いつつ、彼らは全員パルデア外のポケモン(四災は東方から持ち込まれた外来種、ともっこさまに至ってはパルデアに全く関係ないキタカミの里のポケモン)なのだが…とんだ風評被害である。(さらに言えば純粋なパルデアの伝説も今のところテラパゴスのみと思われる)
一応、ともっこ以外にも獰猛なポケモンは何体かおり、他のポケモンを襲ったり捕食する描写はあるが、これはあくまで自然界では当たり前の食物連鎖である。しかしこの3匹についてはお面の持つ特別な力に目を付けて強盗を働くという特別悪辣さが強調された描写がなされている(そもそも人間世界の法や道徳を野生の世界に当て嵌めて考えるのもおかしいと言えばそれまでだが。実際現実でも、食や生存などと無関係に他者の所有物を奪うなど利己的な行いをする動物はそれなりにいる)。
さらに彼らはどくタイプでこそあれど、あくタイプないしゴーストタイプのような闇属性要素を含むタイプは持っていないどころか、むしろかくとうタイプ、エスパータイプ、フェアリータイプと、闇とは正反対の要素を多分に含むタイプが第二タイプとして持っていることにも意図的なモノを感じさせる。
もっと言えば、モチーフである桃太郎の「桃」をモデルにしたきのみ「モモンのみ」は解毒作用、彼らの共通のどくタイプへのアンチに位置するきのみである、と偶然にしては色々できすぎである。
人々の立てたよくないウワサによってあくタイプが付随してしまったとされるアブソルとは逆に、「英雄としてもてはやされた」ことで、後付け的に「正義」や「神聖」の成分を含むこれらのタイプが付随した存在なのかもしれない。
一方で復活時に主人公とゼイユに遭遇しても襲うこともなく去って行ったり、キタカミセンターに来るシーンでも特に村人には殆ど危害は加えていなかったりする。もっとも、復活直後に3匹でコソコソと何かを言い合っており、その結果真っ先にオーガポンに復讐することを優先した可能性もあり、尚且つ村人達はともっこ達を英雄として歓迎し、力が増す餅を与えていた(自分達にとって都合のいい存在だった)からというのもあるだろうが。
もっとも、過去に人間を襲ったと思われる話があるので、オーガポンへの復讐を終えた後に何をしでかすかはわかったものではない(それこそかつてオーガポンのパートナーにやった様に『里に来た旅行者を遊びで殺害する』等の凶行を行う可能性が考えられる)
「ともっこ」という名は、「友っ子」、「供っ子」のひらがな表記であろう。
名詞の末尾に「○○っこ」と付けるのは東北の方言であり、キタカミの里の文化が反映された呼び名となっている。
…ちなみに、「もっこ」であれば「恐ろしい化け物」という意味になるのだが…。ここまで意図しているかは、開発のみぞ知るところである。
そして「ともっこ」と「オーガポン」の性別と構図を考えると中々に危ういものを感じる。
なお、彼らの悪行を知ったプレイヤーの一部から「こいつらをゲットするのは嫌」「むしろもう一度殺して封印するべき」という意見も少なからず出ているが、一方で「でも放っておくと何しでかすかわからないから、拘束・監視も兼ねてゲットするべきでは」という意見もある。
ちなみに、『碧の仮面』のメインシナリオをクリアした後に再び彼らと戦って捕獲することは可能なのだが、誤って倒しても逃げ去った扱い(つまりトドメを刺す事は事実上出来ない)になり、しばらくした後に再戦は可能。
残された謎
埋葬されていたはずの彼らが復活した理由は不明だが、てらす池には死者と会える伝説が残っており、テラスタルエネルギーが何か関係している可能性がある。また、彼らに力を与えた毒の鎖に関しても詳細は分かっていない。毒の鎖の考察として、「テラスタル結晶などの影響によるもの」、「毒の鎖を与えた存在がいる」などの説がある。また、毒タイプとテラスタル結晶の関連性からあるポケモンとのつながりを指摘する声も。
また、彼らが真に悪者であったかどうかに関しては疑問が多く残る。悪者であることを示す根拠はお面職人の一族の口伝のみであり、信頼性に欠けるという点は表向きの伝説と何ら変わりがない。
元より男やオーガポンと親密であった人物によって伝えられた伝説であるため公平に語られたものではない可能性もあり、実際に前述の通り村人には特に危害を与えなかったことも、こちらの伝説もまた正確ではなかった可能性を補強している。
加えて、双方の伝説においてともっこもまたオーガポンと同じくよそ者であったことが示唆されているが、彼らがオーガポンのようにかつて迫害されていたという描写はない。戦いの際村に居合わせていたことから、もしかするとオーガポンとの戦いを目撃される以前から村人とは親密な関係だったのかもいれない。
彼らの元ネタとされる桃太郎も「実は桃太郎はただの略奪者なのでは?」という論説が存在しているため、この説を含めた上で元ネタとなっている可能性もある。だが桃太郎にあたる存在は現時点では登場しない。昔話が記された看板には鬼を追い立てるともっこと一緒に人間がいるが、その人間に関する伝承は全くと言って良いほど出てこない。地元の人間も看板に描かれた人物は誰なのかわからず首をかしげている。
更に、ゲーム内にはお面を狙うともっこの一枚絵があるが、その絵の右上(イイネイヌの真上)をよく見ると、ともっことまた違う全く別の存在のごく一部が写り込んでいる。ともっことは別にフェードアウトしているため違う存在であるのはほぼ間違いないだろう。
それ以外にもスイリョクタウンの桃沢商店には毒の鎖の先端部分のようにも桃のようにも見える置物が置かれている。調べるとテキストも表示されるが、これが何を意味するのかもまだ明かされていない。桃太郎モチーフなのでスルーしがちだが、リンゴが特産品であるキタカミの里で桃を冠した名前なのも少々違和感がある。
そしてともっこの分類はけらいポケモン。家来ならば主君がいるはずだがその主君に相応する存在も影も形もなくなぜけらいポケモンなのかは不明。メタ的な話になってしまうものの、ポケモンというキャラクターを売り出すブランドに於いて、意図的にヘイトを集める様なポケモンを出すのかという疑問点も挙がっており、これらの点や上述の「毒の鎖を与えた存在がいる」という説などからともっこ達の裏に真の黒幕がいて後編で対峙するのでは?という考察も存在する。
しかし、上述の通り外伝作品であるポケダンには純粋悪のポケモンやそれこそともっこの様に他者に善良な印象を植え付けその裏で悪事を働いていたポケモンもいるのでその路線の本家版と考える事も出来る。
今作はネタではあるが『外伝漫画の世界からやって来た』とネタにされているポケモンもいるので今作が本家と外伝を繋げるという可能性を持っていてもおかしくはない。
また、オモテ祭りに飾ってある提灯にはタイプのアイコンが描かれているが、くさ・ほのお・みず・いわ・どく・かくとう・エスパー・フェアリー・ゴーストと、ゴーストタイプ以外はオーガポンとともっこさまに対応したタイプになっている。
そのため「真の黒幕はゴーストタイプのポケモンなのではないか?」という考察もある(前述の通りともっこは殺人を犯している可能性が示唆されているがゴーストタイプは殺人に関する記述を持ったポケモンが多い)。
真の関連タグ
黒いゲーフリ 外道 盗賊 悪役 だいたいこいつのせい
三毒(ポケモン):彼らの別称。仏教にも三毒という言葉があるが、彼らはこれら全てに当てはまる。但し、こちらを象徴とする動物は鶏、蛇、豚。尚、仏教には「三障四魔」と言う仏道修行を阻む害悪を表す言葉があるが、奇しくも上記の四災と併せると符合する。
桃源暗鬼:桃太郎モチーフかつ、鬼退治する側が悪く描かれている漫画。
三悪:タイムボカンシリーズの悪役。お色気、頭脳、筋肉の3人衆であり、モチーフの1つとみられる。
ただしお色気担当であるキチチギスも♂固定なので、どちらかというとデビルベイダーに近いかも知れない。
ムコニャ:アニポケで上記をモチーフにした悪役繋がり。
盛るペコ:女性キャラの肉付きを良くする増し増しラを始めとし、DLC開始前から性癖ネタとして扱われている。もっとも、本編でやらかしたことと比べれば断然かわいい方なのだが。