概要
しはいポケモン・モモワロウが作り出す餅。紫色で、中央が凹んだ形状をしている。
関連して「どくのくさり」「じゃどくのくさり」という単語が登場しており、それらを踏まえると「腐り餅」ではなく「鎖餅」の漢字を当てるのが正しいと考えられる。
もっとも、毒草であるヒガンバナの別名に「手腐り」があり、その球根から作る食べ物が「手腐り団子」と呼ばれるので、「毒」と「腐り」も結び付かないこともない。
以上の情報だけでも察せられるように、この餅はモモワロウの体内で分泌される毒素を固めて作られている。
人間やポケモンを含む生物の奥底に眠る欲望や願望を引き出し能力を底上げする作用を持っており、食べた相手を毒性と呪いで洗脳し、モモワロウの意のままに操ることができる。
この呪いは、モモワロウ自身が倒されるか捕獲されるかしない限り解除されないという非常に強力なもので、一度呪いにかかってしまうと独力で呪いを解除することはまず不可能である(ネモは、呪いにかかった後も僅かながら自我が残っているかのような描写があり、呪いが解除された後もその時のことを朧気ながら記憶していたが、それでも呪いを完全にはねのけるには至らなかった)。
なお、この餅を食べたキタカミの里の住民たちは皆、奇声を発しながら奇妙な踊りを踊っていたが、同じくこの餅を以前食べていたモモワロウの育ての親である老夫婦にはそういったことは起こらなかったため、餅を食べたからといって必ずしも奇行に走るというわけではないらしい。
強力な能力だが、欠点もある。
それは、(当然と言えば当然だが)相手が食べてくれないことには呪いが発動しないということ。
モモワロウは基本的に相手の口内へ餅を射出して無理矢理食べさせている(とはいえ、味自体は非常に美味しいらしく、口内に放り込まれた者たちは思わず食べてしまい易い)が、相手が避ける・狙いが外れるなどして餅を食べさせるのに失敗すると呪いをかけることができなくなってしまう。
実際、劇中ではこれが原因で主人公とスグリに呪いをかけることに失敗し、結果的にこれが自身の敗北の遠因となってしまった。
劇中で実行した人間はいなかったが、マスクやお面等で口元を覆い隠すのも対策としては有用と考えられる。
ちなみに、詳しくは他の記事に譲るが、このことから「お面を被らないと魂を抜かれる」という伝承について、オモテ祭りのお面とくさりもちの関連性が考察されていたこともあった。
一応、モモワロウもこの欠点はある程度自覚はしていたようで、配下に置いた人間にも餅を持たせておき、別の人間にも食べさせることでも勢力を拡大しようとしていた。
また、呪いの効き具合にもある程度の個人差があり、ペパーやボタンは食べてすぐに効果が発動したものの、ネモは食べてからしばらくの間は症状が出なかった(加えて、上記のように洗脳が完了し、完全に制御化に置かれてからもある程度自我が残っているようであった)ため、この間に仲間にくさりもちの存在を知らされていれば、最悪の場合計画が頓挫していた可能性もあった。
効果について
昔話の中でくさりもちを食べた老夫婦は踊っていなかったが、これは「くさりもちの効力」と「支配の能力」が別物であることによるものと思われる。
本来のくさりもちの効力は伝承通り「欲望や能力を増幅させること」で、その影響を受けた相手を「どくのくさり」で操ると図鑑では説明されている。
本編においても、「スグリの祖母が支配の影響を受けながらも、踊らずに祖父にくさりもちをふるまっていること」や「くさりもちを口にしたネモが、暫くの間は普段通りに会話が出来ていたこと」から、くさりもちを食べても即座に踊りだす訳ではなさそうである(もっとも、上記のように症状の出やすさにはある程度の個人差があるらしいことが示唆されている)。
例の踊りは恐らく、戦闘時などにモモワロウの指令によって引き起こされた興奮状態の副次効果であると思われる(ゼイユはパルデア組との顔合わせなど、戦闘とは関係ない場面でも踊っていたが、元々頭に血が上りやすく、感情の起伏の激しい人物であったために症状が出やすかったのかもしれない)。
また、ともっこのスペックが上がったのもくさりもちの効力だが、人間が食べた場合、能力を上げる描写はない(※1)。1個ずつしか食べていないであろうキタカミ民やパルデア組はともかく、老夫婦は何個も食べているため、超人になっていてもおかしくないはずなのだが……。
これについてもファンの間でいくつかの説が囁かれており、
壱.動画では省略されているだけで実は能力も上がっていた
- 元ネタの桃太郎でも、元々は「桃を食べて若返った老夫婦が……。」と言った話だったが、子供向け、大衆向けに「桃から生まれた」とアレンジされている。
- 作中で洗脳されたトレーナーたちについても、出してくるポケモンが強いため、「ポケモントレーナーとしての実力=食べたトレーナーの望む能力」と見ることもできるだろう。
弍.復活したばかりで本調子ではなかった
- 若干壱に補足する形にはなるが、寝起きで本来の力を発揮できなかったことに加え、もはや知り合いもともっこもおらず追い込まれていたため、とにかく戦力を増やすことだけに力を注いで能力上昇がおざなりになっていた説。
- ただしこの場合、元から餅を食べさせていた老夫婦は結局どうなんだという疑問点は残る。「もちを振舞えば喜んでくれるのが嬉しく、愛してくれればそれでよかった」ため、支配したり能力を上げたりする必要がなく、その辺を意図的に調整することも可能なのではないかとする説もある(もっとも、副作用で欲望が刺激されてしまったが)。
参.人間とポケモンとでは食べた時の効果が違う
- 「欲望と能力が増幅される」とまとめて書いてはいるが、正確には「人間は欲望」「ポケモンは能力」が上がるということ。(※2)
- 秘伝スパイスを食べた場合も、ポケモンはヌシポケモン化したり体力や能力が回復したりするが、人間が食べた場合は「色違いが見つけやすくなる」「ポケモンを捕まえやすくなる」「タマゴが生まれやすくなる」といった効果にとどまっている。
- この場合、そこのあなたが例え「頭が良くなりたい」「モテたい」と願ってくさりもちを食べても意味はないということになる。残念。
……という可能性が有力である。
※1…唯一ネモだけはパルデアに生息していないジャラランガを手持ちに加えるなど、巡回~捕獲~育成までの流れの異常な早さ(これが一番怖いなどとも囁かれた)を見せつけたが、普段からの向上心や戦闘意欲が多少刺激されただけにすぎないだろう。
※2…ただし、公式からこの説が正しいと言われたわけではないこともあり、二次創作では当然ながらそのあたりは無視されることが多く、餅の作用で人間の肉体にも変化が起きる等のご都合主義的な万能アイテムにされることが多い。
余談
イイネイヌ・マシマシラ・キチキギスに絡みついていて、特性にもなっている「どくのくさり」もまた、モモワロウの毒素による産物である。色や質感も「くさりもち」とよく似ている。
本来は非力で取るに足らないポケモン達であったが、この鎖の影響で、イイネイヌは力、マシマシラは知恵、キチキギスは美声と美貌という自分の追い求めていたものを手に入れ、現在の姿になったのだという。
ただし上述の通り図鑑によれば、能力が上がるのはもちの影響で、鎖は本来操り糸の役割。人間を操る時の副作用がキビキビダンスだとしたら、ともっこの場合、能力上昇に姿が完全に変わってしまうほどのブーストが副作用でかかったのだろうか。
キタカミの里の特産品になっている「キタカミもち」は、紫色でこそないものの「くさりもち」と同じ中央が凹んだ形状で作られている。
餅としては珍しい形状(一応現実にも静岡の月見団子など局地的にこの形が多数派を占める事例はあるが)であり、何らかの関係がある可能性がある。
関連イラスト
「イモモチ」が重要な料理になっていた『LEGENDSアルセウス』との合体事故を起こすといったネタも生まれている。
食べてしまった場合のイラストについては「キビキビー!!」のタグが付けられることが多いので、そちらを参照。