もしかして→キビキビ
※この記事には『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のDLC番外編の核心的なネタバレを含みます。
※DLC番外編をクリアした方向けの記事です。必ずクリア後に閲覧してください。
――それは、ある日のことだった。人々が「キビキビー!!」と言いながら踊っていたのだ…
キビキビ概要ー!!
ゲーム『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のDLC番外編「キビキビパニック」において、黒幕のしはいポケモン・モモワロウにくさりもちを食べさせられたことで呪われ、洗脳された人間が発するセリフ(というより奇声)である。
「キビキビー!!」と叫びながら謎のダンスを踊らされ、モモワロウの思い通りに働く傀儡にされてしまい、コントロールが解けるまで自我も記憶も封じられ、主人公一行に執拗に襲い掛かってくる。
また、支配下の人間は体から紫の靄状の光を発し、同時に瞳にハイライトがなくなり紫色になる。
なお、奇声を発することしかできないかと思いきやそんなことはなく、やろうと思えばモモワロウの思い通りに喋らせる事も可能。
ただし、この際は「おモち ドうゾ」のように、かなとカナの混じった怪しげな話し方をするようになる。
さらには劇中ではポケモンバトルを挑んでくる者もいる(その中にはゼイユとスグリの祖父母も含まれており、地味に彼らの名前と共にポケモントレーナーだった事も判明することとなった)。
いずれのトレーナーのポケモンもレベルが高いので気を抜かないようにしよう。
この踊りは各個人に個別のモーションが割り当てられているなど、謎の力の入りっぷり(また、彼らの様子に対するスグリのツッコミ…というよりコメントも必見)。
ペパーはちょっと照れているのか動きがぎこちなかったり、ボタンは逆になんだかセリフと動きが激しかったり(「キュゥビィ キョアヴァイー!!!!」の台詞から「『イーブイ 可愛い』とブイブイ愛を叫んでいるのでは?」と考察する声もある)、ネモはバトルに関する言葉を発する自我が少し残っていたりと、呪いの効き目にはどうやら多少の個人差があるようだ。
ちなみに、ゼイユとネモの踊っている様子をよく見ると、身体を上下に激しく揺さぶっているためか、ある部分が揺れていたりする(ボタンは全体的にだぼっとした服装をしていることもあり、そのような描写はない)。
呪いが解けると元の状態に戻り、その間の記憶は無くなっているようだが、ネモだけは夢という形で朧気ながら覚えており、番外編が終わった後も「キビキビ勝負ー!」という台詞にハマったと話している(上記の通り、他の面々と比べると呪いの効きが若干弱かったかのような描写があり、それが関係しているのかもしれない)。
一見するとシュールなギャグシーンに見えなくもないが、知らぬ間に人々が次々と洗脳されて狂気に堕ちていく様は軽くホラーの領域であり、モモワロウがどく・ゴーストタイプだけにゾンビものや吸血鬼、果てはパンデミックやバイオハザードなどに喻えられている。
そもそも、ギャグシーンに見えるのは「プレイヤーから観るにBGMがかかっているため」という意見もある(BGMについては後述)。確かに登場人物視点ではBGMはないため、スグリ達は無音の夜間に、身内を含めた人々がキビキビ奇声を上げながら踊り狂うという異様な事態に直面している事になるので普通にホラーである。
また、今回洗脳された人間は、主人公とスグリの奔走により短時間で元に戻ることができたが、一部は疲労や筋肉痛を訴えており、あのまま洗脳が解除されなければ、いずれ肉体や体力の限界を迎えて衰弱し、最悪の場合は死に至っていた可能性も考えられる。
呪いを解除するにはモモワロウ自身を倒すかゲットするかで力を失わせる以外になく、そもそも被害者は自我も意識も失い自力で解決に動くことなど不可能になってしまうため、一度呪いを掛けられれば事実上単独では打つ手が存在しない、非常に質の悪い能力である。
腐っても「本作のラスボスである幻のポケモン」に相応しい強力な能力と言えるだろう。
ただし、ポケモンセンターの職員と、桃沢商店のお婆さん(事件時には運良く外出していて巻き込まれなかった)は操られていない。
ポケモンセンターの職員に関してはスマホロトムを常にいじって下を向いているためモチを放り込めなかったとも考えられる。一応、村の様子がおかしいことに気づいてはいたようで、イベント発生中はその旨に言及するなど、台詞が若干変わる。
仮に彼女達が操られていても一応回復やアイテム購買の手段はあるが、そのためには一度パルデアやブルーベリー学園へ移動する必要がある。
そうなったら非常に面倒だし、何よりも(ゲーム的に問題はないだろうが)集落や友人が大変なことになっているのに回復や物資の調達のためにその場を離れるのは倫理観がないとツッコまれても一切言い訳できない(というか下手したらキタカミの里が滅びてしまう)。恐らく、ポケモンセンターが無事だったのはそうしたメタ的な事情もあったものと考えられる。
なお、てらす池のあるイベントだけは、条件さえ満たしていれば番外編の真っ最中であっても問答無用で発生してしまう。
人によっては色々と雰囲気がぶち壊しになってしまうと感じるだろうし、何よりこのイベントが終了するとオートセーブがかかった後、強制的にアカデミーの自室に戻されてしまうので、番外編を始める前、若しくは番外編を終えた後に改めて回収することをお勧めする。
ともっこプラザやキタカミセンターなど、スイリョクタウン外にいるNPCのトレーナーも洗脳されていないが、あのままモモワロウをのさばらせていたらどうなっていたかはわからない。
また、サザレのイベントをクリアしていない場合、当然彼女も里に常駐しているわけだが、異変が起きた際には里からいなくなる他、ジニア先生、キタカミの里の管理人もモモワロウを倒すまでは行方不明となる(もっとも、管理人がこれだけの一大事を放っておくとは考えづらいので、助けを求めにいく等独自の判断で動いていた可能性もある)。
なお、この踊りはキタカミの里の伝承にはないとスグリは証言している。
その後公式により明かされたモモワロウの生い立ちを見ても、この踊りと結びつきそうな出来事に遭遇したような描写はなく、モモワロウの育ての親である老夫婦やともっこ達がキビキビダンスを踊る様子もなかったため、どこから影響を受けてこの踊りを躍らせたかは明らかになっていない。
これに関しては、林間学校で主人公と共にやってきたアカデミーの生徒の1人が喜んだ時の動作がキビキビダンスに酷似していた。
モモワロウが最初にゼイユに直接餅を食べさせに行ったとして、前編の一部始終を見ていた可能性があり、踊りは彼から影響を受けたという声がある。
(休眠状態ではあったが復活の時を今か今かと待っていたという公式からの一文があり、まぼろしモモンで動けたのもあって動きたくても動けなかったのかもしれない)
後日リーグ部で改めてゼイユと会話をすると、呪いを掛けられていた時のことは覚えていなかったものの「人生最大の黒歴史」になったと語り、この時の様子を動画や写真に撮っていなかったか確認され、「じつは…」という選択肢を選ぶと、「今すぐ消しなさい!」と強く要求してくる。
元ネタは言うまでもなく「黍団子」と思われ、これは当て字ではあるが「キビダンス」とも読める。これに加えてキレの良い働きを表す「キビキビ」を掛けているのだろう。
ただネモのそれだけは「キビキビと」の意味で使用してるとしか思えない(「キビキビ勝負ー!(早く勝負しよう!)」「キビキビ実れー!(早く成長して!)」)
英語版では「Mochi MOCHI!!!」というナイスでハイセンスな翻訳を採用している。
これに合わせてネモの「キビキビ勝負」も「MOCHI MATCH!!!(モチマッチ!!!)」と訳されている。
キビキBGMー!!
操られた人物が踊りだす際に流れるBGM。
ともっこやモモワロウと戦闘する際のBGMのアレンジになっている。
そのままバトルに突入する際もこのBGMのまま。今現在、対戦時のBGMとしては設定できない。
モモワロウの公式PVにも使われており、モモワロウのテーマの一つとも言える。
聴いてみれば若干妖怪〇ォッチじみたコミカルな曲に聞こえるが、笑い声のようなものが聞こえる、不気味さも感じさせる曲となっている。
尤も、上記の通りプレイヤー視点ではこのBGMのおかげでホラー色が薄まっているとも言える。
キビキビ反応ー!!
かなりシリアスな背景設定にもかかわらず一連のトンチキな展開のギャップから腹筋崩壊するユーザーが続出し、Xではキビキビしている人物の前でサイリウムエモートを使ってみたり、遂には実際にキビキビダンスを踊るユーザーまで現れる始末であった。
ボタンに関しては父親疑惑のあるキャラも同じ様に操られていた事があるため、「親子揃って同じ目に遭ってる」「血は争えない」等と言われている。
なお、現実にも「ダンシングマニア」という自分の意志に反して死ぬか踊り疲れるまで体が踊り続けてしまう伝染病が実在したという記録がある。本当に洒落にならない。
また、プレイ後に水曜日のカンパネラの「桃太郎」を思い浮かべた人も少なからずいるようである。
キビキビ関連イラストー!!
そのインパクトの強さから、番外編の配信から間もなく多数の作品が投稿されている。
洗脳によって奇妙なダンスを踊らされるというカオスな絵面はかのハイグレ魔王を想起させ、両者を共演させたイラストが早くもpixivで描かれている。
それだけでなく、ハイレグやそれっぽい破廉恥なコスチュームを着せられた状態でダンスを踊らされるというカオスな作品も数多く投稿されている。
中には「踊ってみた」ならぬ「踊らせてみた」式に、その場にいなかったキャラクターや『SV』以外のキャラクター、さらにはポケモンと無関係のキャラクターにまでこのダンスをさせた作品も制作されている。
ダンスのみを描いた作品については「キビキビダンス」のタグで投稿されていることもある。
なお、洗脳やある種の尊厳破壊ともとれるシチュエーション故か、このタグが付けられたイラストの半数以上はR-18であり、一般向けのものでもかなり際どいものが多数存在するため、検索や閲覧の際には要注意。
公式グッズ
ゼイユとボタンのアクションボールペンとして、キビキビダンスを再現した公式グッズが発表されている。(公式動画)