※ゲーム「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」に登場するとあるポケモンの形態、およびそれに関する重大なネタバレです。
基礎データ
英語 | Stellar Form |
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ドイツ語 | Stellarform |
スペイン語 | Forma astral |
概要
テラパゴスの3つ目の姿で、テラスタルフォルムをテラスタルさせる事で変化する。
『スカーレットブック/バイオレットブック』に描かれていた「円盤のポケモン」の正体はこのフォルムのテラパゴスである。ステラフォルムは異常に増幅し安定を欠いたテラスタルエネルギーが満ちている。
六角形で出来た半球状の台座の上にテラスタルフォルムが乗り、さらにその上にはノーマルフォルムそっくりな形のテラスタルジュエルを戴く、亀の三段重ねともいうべき異様な姿に変貌。台座の周囲には各タイプの紋章が浮遊しており、この結晶は攻撃にも使用される。
かつてもこの姿で目撃されたことがあったらしく、地底に埋もれたその姿は宇宙に浮かぶ星のようだと探検記に書かれている。古代人が考えた世界に似ているとの感想も。
性能
フォルム | HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
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テラスタル | 95 | 95 | 110 | 105 | 110 | 85 | 600 |
ステラ | 160 | 105 | 110 | 130 | 110 | 85 | 700 |
テラスタルフォルムのステータスからHP、攻撃、特攻が上昇。依然防御寄りながらも合計種族値は700に到達し、禁止級では合体キュレム、王ザシアン、王ザマゼンタに並ぶ。
同時に特性も「ゼロフォーミング」に変化。「天気とフィールドの影響をすべてゼロにする」という、レックウザの「エアロック」やジガルデの「オーラブレイク」のようにパケ伝2匹の特性をメタったかのような効果である。
似たような特性に「ノーてんき」「エアロック」があるが、これらは特性持ちが場にいる限り天気の影響のみを無効化するのに対し、「ゼロフォーミング」はテラスタル時の1度きりだが天気とフィールドそのものを消滅させる効果である。
発動はテラスタル時のみなので、引っ込めて再び繰り出したときに再発動することはなく、「ゼロフォーミング」発動後にテラパゴスが場にいても天気やフィールドを再び発生させることは可能。
この形態ではテラクラスターのタイプがステラとなり、全てのポケモンに対して等倍、テラスタルした相手には抜群になる。またダブルでは敵2体に攻撃する。
注意点としてノーマル技ではなくなるので、元のタイプ一致補正は働かない。
ただし特殊仕様として、通常のステラテラスタイプは各タイプの技を一度だけ強化するというものだが、テラパゴスは無制限にこの補正を受けることができる。
テラバーストと異なりテラクラスターには明確なデメリットもないため、タイプ受けを許さない威力120技として撃ち続けることが可能となる。
また、他のノーマル技に関しては威力2倍の補正を常に受ける事が可能。これによりてきおうりょく発動時のポリゴンZとほぼ同様の火力が出せるため、「トライアタック」や「はかいこうせん」の併用も有力となる。
大きなデメリットとしては、ステラテラスタルに固定される分テラパゴス自身は一回限定のテラスシェル以外で耐性を変化させる術を持たないので、ロックカット等で補強できないとどうしても上から叩かれて消耗させられがちになる。トップメタのアストラルビットを無効化できるのは利点だが…
テラスタル後のゼロフォーミングは一見天候やフィールドをメタれるが、エアロックなどと違って試合中でテラスタルした瞬間の1回しか発動しないため、引っ込めて再度出すなどして展開することは普通にできてしまう。テラスシェルもなくなるため、テラスタルして以降は実質的に特性がなくなってしまうのも難しいところ。
劇中での活躍(藍の円盤)
※以下、『スカーレッド・バイオレット』のDLC「藍の円盤」に関するネタバレ注意
この形態のテラパゴスこそが、DLC全体のタイトルとなっている『ゼロの秘宝』の正体であり、後編にあたる「藍の円盤」のラスボスでもある。
当初テラパゴスは長い休眠状態に入っており、エリアゼロの最深部・ゼロの大空洞の最奥で小さな六角形の石となって眠っていた。
最深部に辿り着いたスグリとブライアが休眠状態のテラパゴスを発見する。未だ主人公に勝つ事に固執するスグリによって引き抜かれた事で目を覚ます。引き抜かれたテラパゴスはノーマルフォルムに変化し主人公の元へ歩み寄る仕草を見せるが、スグリにマスターボールで捕獲される。テラパゴスの力を見たいブライアに促される形で、スグリのポケモン「藍の円盤 テラパゴス」としてポケモンバトルをする事になる。本来の力を出しきれないテラスタルフォルムであったためあっさりと倒される。この際テラスタルフォルムに弱点の技を当てると愕然とした反応を見せる。
テラパゴスを完全に目覚めさせる条件に気が付いたブライアがスグリにテラスタルするよう促し、結果ステラフォルムにする事に成功。
だが、無理やりエネルギーを供給させた結果、テラパゴスは暴走。 慌てたスグリはテラパゴスをボールに戻そうとするが、何とマスターボールの回収光線を防ぐどころか破壊してしまった。
結果的にはネクロズマやムゲンダイナ同様、本来は大人しい伝説ポケモンではあるが外的要因によって暴走し、災厄と化してしまった形である。
このままテラパゴスを放っておけば大変なことになると、主人公とゼイユは先陣を切り「ゼロの秘宝 テラパゴス」との戦闘に臨む。
戦闘
「ゼロの秘宝」との戦闘はともっこさまとの戦闘と同じくゼイユとタッグを組んでの戦いになるが、このバトルはなんとテラレイドバトルとほぼ同じ仕様である。
テラパゴスは戦闘開始時にエネルギーを集め、レイドボスのようにHPを保護するバリアを張るため、テラスタルしていないポケモンの攻撃ダメージを大きく軽減してしまう。
ただし通常のテラレイドと違い、テラスタルしたポケモンで攻撃すると猛攻に耐え切れず態勢を崩し、バリアが解除されるため普通に攻撃が通るようになる。また、全体攻撃技が味方に当たるのも地味に通常のテラレイドと異なる点。
極め付けはテラスタルしたターンの終了時には何とエネルギーを奪い取ってテラスタルを強制的に解除してしまう。つまり事実上テラスタルが1ターンしか持たない。
しかし、空間内の膨大なテラスタルエネルギーの恩恵により、ターンが過ぎると再びテラスタルが可能になるため、事実上「テラスタルで攻撃」「テラスタルで防御」の応酬となる。
また、エネルギーを吸収する度に自らのタイプを変化させてくる(一回目→エスパー、2回目→みず)。分からなくても、背景の結晶の色を見れば判別可能。
テラパゴスは専用技「テラクラスター」を中心に「しねんのずつき」などで猛攻をしかけて来るので、ゼイユのヤバソチャが支援してくれるとは言え消耗が激しくなりがち。
しかも、テラパゴスの居るエリアまでの過程でゼイユに話しかけ続けているとわかるのだが、この時点で瀕死を免れているゼイユの手持ちはヤバソチャのみであり、そのヤバソチャも1度目のバリアを貼られる前後で強制的に瀕死に追い込まれる(有志の検証により、何らかの手段で「がんじょう」「きあいのタスキ」をヤバソチャに持たせて発動しても、発動した上で必ず戦闘不能になると判明している)ため、主人公は孤立無援の状態に追い込まれてしまう。
しかしゼイユの必死の激励、主人公の呼びかけによって2度目のバリア破壊と同時に覚悟を決めたスグリが加わり、カミツオロチで加勢してくれる。こちらは6匹フルメンバーなので、よほどの事がない限りバトル終了まで脱落する事はないだろう。
極端な話だとテラレイド向けにしっかり育成したオーガポンにメトロノームを持たせつつ、適宜テラスタルして「ウッドホーン」連打でも最後のバリア破壊まで持ち堪えられる。
HPを赤ゲージまで削るとテラスエネルギーの吸収とバリア展開が出来なくなり、見事撃破するとノーマルフォルムに戻り確定捕獲可能となる。好きなボールに収めることが可能なので、ボールの種類に拘りたいのであれば事前に準備しておくこと。
なお、DLC前編のオーガポンと同様、性格と個体値は完全に固定されており、一連の演出に繋がる関係上、厳選は不可能。
性格はがんばりや、個体値はこうげきが「まあまあ」で他が「さいこう」となっている(所謂A2 5V個体)。性別もオス固定で、データ上はメスもいるが、色違い同様ブロックルーチンが掛かっており出現しない。
入手時のレベルは85。当初は本作の野生ポケモンの中で最も高かったが、後に登場したとあるポケモンにすぐ塗り替えられた。(他にも、キタカミの里の鬼角岩の近くの池にレベル100程度のコイキングが出現する。)
捕獲し終えるとエンディングが流れてDLC後編のストーリーはクリア。
また、ブルーベリー学園に戻った後でブライアに話しかけると、地上よりも膨大なテラスタルエネルギーに当てられ続けた影響で、主人公の持つテラスタルオーブの性質が変化したことを告げられ、その後はチャージなしでテラスタルオーブを使うことができるようになる。さらに、エリアゼロでの一連の調査結果をまとめた著書「ゼロの秘宝」を手渡される。
そして、学園でのブライアとのやり取りを終え、テラパゴスをキタカミの里のてらす池に連れて行くと、あるイベントが発生する。
戦闘BGM
「戦闘!ゼロの秘宝 テラパゴス」
作曲:村山礼、Toby Fox、一之瀬剛
編曲:一之瀬剛
本編におけるオーリムAI/フトゥーAIとの戦闘曲「戦闘!ゼロラボ」のアレンジであるほか、エリアゼロのBGM特有のコーラスも含まれている。
中盤の箇所には18/4拍子というとてつもない変拍子が使われているが、これはポケモン全18タイプと同じ数、つまりテラパゴスが全てのタイプの力を持つ存在であることを示しているのではないかと考えられている。
スグリが加勢するシーンになると曲調が変化。テラレイドバトルのBGMのフレーズが大々的に使われ、負ける気がしない戦いを後押ししてくれる。
楽器を変えつつも分散和音が多用されており、これはゲーム音楽としては特に同時に使える音数の少なかったゲームボーイぐらいの時代に多くみられた特徴である。そしてそれとは別に時折ゲームボーイを強く意識したであろう音色で構成されたノイズも挿入されており、明らかに9世代のBGMでありながらも曲全体を通して初代のBGMを連想させる演出が為されているといえる。
かつて古代/未来に憧れた博士たちの造り上げたタイムマシンが、ゲームボーイに酷似した構造を一部有していることに、きっと無関係ではないだろう。
余談
あまり知られていないが、主人公の呼びかけに応じて加勢してから、スグリの目の下のクマが消失する。
この後、休学して体調が良くなったからクマが消えたと言われることがあるが、この描写を見るに、クマの消失は健康を取り戻したからではなく、スグリが完全に吹っ切れて、心の中で抱えていた焦燥感や劣等感等、主人公に対するコンプレックスがなくなったことを現している可能性が高い。