「キュエーーン!!」
基礎データ
全国図鑑 | No.0899 |
---|---|
ヒスイ図鑑 | No.050 |
ローマ字表記 | Ayashishi |
ぶんるい | おおツノポケモン |
タイプ | ノーマル / エスパー |
たかさ | 1.8m |
おもさ | 95.1kg |
せいべつ | 50%♂・50%♀ |
とくせい | いかく / おみとおし / そうしょく(隠れ特性) |
タマゴグループ | りくじょう |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | アヤシシ | 怪しい+鹿(しし) |
英語・スペイン語・イタリア語 | Wyrdeer | wyrd(擬人化された運命)+weird(奇妙な)+deer(シカ) |
ドイツ語 | Damythir | Damhirsch(ダマジカ)+mythisch(神話の) |
フランス語 | Cerbyllin | cerf(シカ)+sibyllin(不思議な) |
韓国語 | 신비록 | 신비(神秘)+순록(トナカイ) |
中国語(簡体字) | 诡角鹿 | 诡(奇妙な)+角+鹿 |
中国語(繁体字) | 詭角鹿 | 詭(奇妙な)+角+鹿 |
ヒンディー語 | मायाडीरा | माया(māyā、マーヤー)+deer(英語で鹿) |
ロシア語 | Вирдир | 英語名の音写 |
タイ語 | อายาชิชิ | 日本語名の音写 |
進化
オドシシ → アヤシシ(「バリアーラッシュ」を早業で20回使う)
概要
『Pokémon LEGENDS アルセウス』で初登場したポケモンで、ヒスイ地方に生息するオドシシの進化形。
ヒスイのすがたではなく原種のオドシシが直接進化し、リージョンフォーム限定を除けばニンフィア以来9年ぶりの正当追加進化のポケモンになる。
一回り大きく成長し、顎や尻尾、足の体毛も白くより豊かとなって、仙人のような聡明さを感じさせる気高い風貌になった。
かつてのヒスイ地方では古くから人々との結び付きが強いポケモンとして大切にされ、抜け毛を集めて作った衣服は極上の防寒着として重宝されていたらしい。
角はテレビのアンテナを思わせる形状になり、根本の黒い玉からは進化前よりも強く空間を歪めるほどのサイコエネルギーを生成・放出する。
そうして実際にアンテナのように使って安全なルートを探り、若いオドシシたちを率いて群れの先頭を走るリーダーを務めている。
現代のシンオウ地方で確認できなくなった詳細な理由は不明だが、『ポケモンSV』で追加されたオドシシの図鑑説明にその一端が示唆されている。
曰く、かつてのオドシシは外敵の多い過酷な環境で生き抜く為に強いエスパーパワーと自力での進化を獲得していたという。翻って、外敵の減った現代ではアヤシシに進化する必要がなくなった可能性が高い。
なお、これと似た要因がイダイトウにも当てはまる。
色違いはグレー部分が黄緑色に変化し、白い毛が若干緑みを帯びた姿になる。
ゲーム上における特徴
ライドポケモンとして
作中ではカミナギのふえを吹くことでポケモンライドで乗ることができ、じてんしゃの様にダッシュで速く走る事ができる他、障害物を跳び越す事もできる。
流石にジャンプが届かない高所や崖を登る事はできない……と、思いきや、崖の中に僅かにある地面判定を利用して、ジャンプボタン連打で無理やりロッククライムさせる事ができる。
短い崖なら無理やり突破できるが、足を踏み外したら転落ダメージを負う危険性があるので、ロッククライム担当を入手したら、そちらに任せた方が早いし安全である。
速く走ること自体はいいのだが「周りのポケモンに気付かれやすい」というデメリットも一応あり(プレイヤーを見つけた途端逃げ去る系のポケモンの色違いが道中で出現する可能性もあるがこの時アヤシシで走行中だと相当見つかりやすくなってしまう)、ウォーグル解禁後はあちらに移動手段の座を譲りがち。
とは言え時空の歪み内での高速アイテム回収ができるのはウォーグルも含めた他のライドポケモンにはない利点であり、使い分けは十分可能だろう(高低差が激しい天冠の山麓などでは、場所によってはオオニューラが適している時もあるが)。
性能面
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
オドシシ | 73 | 95 | 62 | 85 | 65 | 85 | 465 |
アヤシシ | 103 | 105 | 72 | 105 | 75 | 65 | 525 |
リキキリン | 120 | 90 | 70 | 110 | 70 | 60 | 520 |
SVでは「早業」の概念がないため、HOME解禁当初でも進化することができない(現状何らかの方法で入手したオドシシをポケモンHOME経由でLEGENDSアルセウスに移動しアヤシシに進化させ、さらにHOME経由でSVに連れてくる必要がある)。同じような進化条件のハリーマンは「藍の円盤」以降、特定の技を覚えた状態でレベルアップすれば進化させることができるようになったのだが、アヤシシは図鑑の設定と矛盾してしまうからなのか据え置きである。
この仕様からパルデア図鑑やキタカミ図鑑にオドシシは登録できても、アヤシシは登録されない。
但し進化するのは確定していたことから、SV発売時点で進化前のオドシシに「しんかのきせき」を持たせると効果が発現していた。
進化した事で素早さが下がったが、他のステータスは順当に向上。特にHPの伸びが大きく、総合的な耐久が上がったのでオドシシ譲りの「いかく」や「そうしょく」による繰り出し性能が高まった。
耐性は少ないが弱点も少ない複合タイプに加えて、専用技の「バリアーラッシュ」は打つだけで防御を補強することができるので、「いかく」と併せれば数値以上の硬さを発揮できる。
完全な二刀流型のステータスとなったことで相手の受けを読ませにくいのもメリットで、「10まんボルト」や「エナジーボール」といった特殊技のサブウェポンも意外と充実。
第9世代では「サイケこうせん」、「サイコノイズ」、「みらいよち」、「ワイドフォース」などエスパータイプの技を多数新規習得(「だいちのちから」などエスパー技以外のタイプの技も微かながら与えられた)。
変化技も、オドシシ時代から大きな長所だった「さいみんじゅつ」などをしっかりと引き継いでいる。
「いかく」&「トリックルーム」や「いかく」&「スキルスワップ」といったオドシシ時代からの特権もそのままなので、ダブルバトルでは特有の役割を持つサポーターとしても活躍できるだろう。
欠点はあくタイプがかなり苦手なこと。積み技感覚で打ちたい「バリアーラッシュ」を無効化される上にコチラのまともな有効打は「メガホーン」程度しかないので、なるべく相手をするのは避けるべきだろう。
また、SVから同タイプの新勢力として同じ第2世代追加進化組のリキキリンが追加されたことも気がかり。ステータスも似通っているが耐久はあちらのほうが上。技や特性で差別化を図りたい。
ちなみに執念深い面があるのか「のろい」や「うらみ」を覚えるが、ゴーストタイプではない以上、テラスタル現象が発現しない限りは『呪い』になり得ないので注意。
使用トレーナー
ゲーム版
余談
初期よりマイナーな印象が根強かったために、これまでのpixivのイラストや改造ポケモンなどにもオドシシの進化形(予想)は殆ど無く(海外のイラストにならいくつかあったが)、ファンを大いに驚かせた。
なお、アヤシシが登場した『アルセウス』では、同じく第2世代で初登場したリングマの更なる進化系であるガチグマが登場しており、またその次に発売された『ポケモンSV』では、やはり第2世代で初登場したキリンリキが進化したリキキリンが初登場する等、旧世代のポケモン達が次々と新たな陽の目を見る事になったのは感慨深さを感じさせてくれる。
他の追加進化と比べると原種オドシシからの変化が少なく、大きな違いが胸毛、角の形、全体的な毛色程度なため、初見ではリージョンフォームのオドシシと思った人が多かった。
また、毛色や北方の地域で生息しているという設定からも、こおりタイプが追加されたのかと勘違いした人も多かっただろう(実際に追加されたのはエスパータイプ)。
名前の由来はおそらく、怪しの技(もしくは操る)+鹿(しし)。博多弁ではない。
おおツノという分類と過去に生息していたという設定から、モデルはオオツノジカだと思われる(見た目は全く異なる)。
あるいは北海道の土着種であるエゾシカ、アイヌ民族に語源のあるトナカイだろう(トナカイは北海道に生息していないが、化石は北海道や本州から産出している)。特にトナカイは寒冷地の人々にとっては食用や荷物の運搬、衣類に使われてきたという歴史を持つ。それを表すようにトナカイの漢字表記も「馴鹿」である。
ドイツ語では欧州に生息する大きなツノを持つシカの一種「ダマジカ」(独:Damhirsch)が由来となっている。
また、ライドで乗って走る姿は、スタジオジブリの『もののけ姫』に登場するヤックルを想起させる。
『もののけ姫』の設定によると、ヤックルは今は絶滅したアカシシと呼ばれるオオカモシカだとされており、作中でも蝦夷の一族の様相を古い文献から引用し、「アカシシに跨がり、石の矢尻を使う勇壮なる蝦夷の一族有り」とされている。
カモシカはシカ科ではなくウシ科の動物であるが、ヤックルの見た目は体躯はむしろシカのほうに近い。
アヤシシという名前、ライドできる事、ヒスイ地方に現れる事などのアヤシシを構成する要素は、ヤックル……ひいてはもののけ姫から来ているのかもしれない。
関連イラスト
関連タグ
0898.バドレックス(はくばじょうのすがた/こくばじょうのすがた)→0899.アヤシシ→0900.バサギリ
同複合タイプ
鹿ポケモン
LEGENDSアルセウス追加進化組
その他
地デジカ:同じくツノがアンテナになっているシカ。