概要
日本に分布する唯一のシカ科動物(房総半島などで野生化しているキョンは外来種)。日本列島で確認されている中では、最大の草食動物である。繫殖期になると大きな雄は縄張りを作り、沢山の雌とつがいになる。
英語名は「Sika Deer」。名前に日本が入っているが別に日本固有種というわけではなく東アジア、ベトナム、ロシア極東等の森林や草原に生息する。日本には絶滅種のカズサジカと交代する形で広がったと思われる。
角は4本に枝分かれし、雄の角は最大長85㎝にもなる。夏毛は赤褐色に白斑、冬毛は灰褐色になる。体長0.9~2m 、肩高60~130cm、体重25~130Kgと雄の方が大きい。 体や角の大きさによっていくつかの亜種に分けられ、北に行く程大型である。大型動物(メガファウナ)が軒並み絶滅した現代日本ではヒグマやツキノワグマと並び数少ない大型動物であるが、それでも大陸の鹿などと比べるとやはり小さく、最大のエゾシカでも頭胴長が最大で2m程度にしかならない。
文化的には、鹿島神の神使として扱われ、有名な奈良公園のシカは鹿島神も祀る春日大社によって保護されてきたものである。
シカ増加問題
近年、奈良県や道東などあちこちで増えすぎたシカが山菜や樹皮を食い荒らしてしまい生態系を変化させてしまっている。北海道では増えすぎたシカが鉄道車両と衝突する事案がしばしば発生し、JR北海道を悩ませている。シカ科の多くは臆病で警戒心が強いとされるが、群れで生活し危険がないと遠慮しな図々しい性格であることが、増加を招いている原因の一つとなっている。
シカの増加に歯止めがかからないのは本来の天敵であるニホンオオカミやエゾオオカミが絶滅したことによる。増えすぎたシカは駆除せざるをえないが、日本ではジビエは流通しづらいことから死体は山中に放置され、クマの餌になってクマの増加を招いている。
主な亜種
- ホンシュウジカ(メイン画像)
- エゾシカ
- キュウシュウジカ
- マゲシカ
- ヤクシカ
- ツシマジカ
- ケラマジカ
- ハナジカ(タイワンジカとも)
- チャンシージカ