概要
別名アジアアカシカ。
体長1.6~2.3m 、肩高75~120cm、体重80~240Kg。
特徴
大型のシカの仲間。ユーラシア北部から北アフリカ、更には北アメリカまで、広く分布している(北アメリカには「ワピチ(アメリカアカシカ)あるいはエルク」と呼ばれる亜種がいる)。
ヨーロッパにはアカシカの他、ヘラジカやノロジカなどのシカが住んでいる。どのシカも、雄には角が生え、足の蹄が2つに割れ、植物を食べることは共通しているが、体つきや暮らしぶりは、種類によって異なっている。
ヘラジカは世界最大のシカ。雄の角には箆のような平らな部分がある。川や湖の畔など水辺に好んで住み、木の枝や水草などを食べ、繁殖期以外は単独生活を送っている。
ノロジカは小型のシカで、角もあまり枝分かれしない。アカシカと同じように開けた森に住むが、柔らかい若草等、特別美味しくて栄養の多い草を選んで食べる傾向がある。普段は1匹だけで暮らし、結婚シーズンには雌が雄のところにやってくる。
一方、アカシカは、ヘラジカに次いで大きなシカで、雄の角は何段にも枝分かれしている。普段は、雄と雌が別々の群れで暮らしているが、秋の結婚シーズンには雄は雌の群れに入ってくる。そして、大きくて力の強い雄が、多くの雌と結婚する。
アカシカは、体が大きいので、沢山食べないと体が持たない。そこで、ノロジカのように美味しい物だけ選んだりせず、大量の草を選り好みせずモリモリと食べる。
このように、同じくヨーロッパに住むシカでも、体の大きさや角の形、住みかや、食べ物、あるいは食べ方など、種類によって異なる方向に進化したのである。