ヤックル
やっくる
同映画の設定に拠ると「今は絶滅した、アカシシと呼ばれるオオカモシカ」とのこと。実在するニホンカモシカにも「アオシシ」や「アオ」という別名がある。
主人公アシタカの相棒として、映画全編にわたって活躍する。
カモシカの類、つまり分類上は牛に近い動物のようだが、その体型は大柄なアカシカや、あるいはヘラジカやオオツノジカのような大型偶蹄類にも似て、山野を駆け回る活発な動物。
「カモシカのような脚」という誉め言葉があるが、ヤックルの場合は現実のカモシカと同じしっかりとした脚をしている。
正面から見るとハート形にも見える、輪を連ねたような凹凸のある立派な二本角も特徴。
モデルとなった動物はエランドであり、行動はシャモア、模様はリーチュエ、巨大な角はアイベックス、オリックス、サオラ、セーブルアンテロープ、ブルーバック、ブラックバック等にも似ている。マーコール等には派手さでは劣るが、かなり立派。
「もののけ姫」劇中では、アシタカ達エミシの一族が騎乗動物として飼いならしており、集落ではヤックル以外の個体もわずかながら描かれている。
エミシの土地より西では見られない獣らしく、エボシは「見慣れぬシシ」と正体を測りかねていた。ジコ坊が引用した古い文献には「アカシシに跨がり、石の矢尻を使う勇壮なる蝦夷の一族有り」と記され、同じ土地に住むエミシ独特の文化と密接に関わっているようだ。
人間を乗せて軽々と走れるぐらいには大きく頑丈な動物である。特に山岳地帯や悪路では馬よりも速く、崖や岩場も飛ぶように駆け下りてしまう。重装備の騎馬武者相手だったとはいえ、その速さは軍馬も置き去りにしてしまうほど。
気性は穏やかで人によく慣れ、騎手のアシタカとは阿吽の呼吸で山野を駆ける。
また、手綱を解かれてもアシタカのそばにいる、踏み入るべきでない場所をわきまえる、ヤマイヌと挨拶のような仕草でコミュニケーションをとるなど、かなり頭が良く情緒豊かな描写もある。
意思疎通できるらしいサンからもかなり好意的に評価されていた。
『犬になった王子 チベットの民話』に着想を得た宮崎駿の絵物語。
「もののけ姫」公開よりも遥か以前に発表された作品で、この世界では個体の愛称ではなく動物の種類としてヤックルと呼ぶ。
宮崎は「ヤックルは実在しない生き物を描くほうが楽だという思いが自分の中のどこかにあったので、作りました」と語っている。
本作におけるヤックルも「もののけ姫」同様、騎手であるシュナに忠実な相棒として描かれている。
シュナ達が人狩りの追跡から逃げる際には、シュナとテア、テアの妹の3人を乗せ、まる2日間を昼夜休まずに走り続け、泡を吹いて倒れ込んでしまうまで走るのをやめなかった。
「もののけ姫」におけるヤックル以上に頑健な動物として描かれ、シュナ達に非常に忠実である。
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