概要
スタジオジブリのアニメ映画「もののけ姫」へ登場する男性主人公・アシタカが、目前で憎しみと恨みに飲まれている人々へ静かな憤りを露にした際の言動。
彼の凄みを見せつけられる一幕。
アシタカの怒気
タタラ場に特攻してきた山犬の姫・サンと、彼女と戦うエボシ御前。そして彼女らの一騎打ちに、今まで山犬(もののけ)との争いから憎しみと恨みを募らせ、これらに飲まれ躍起になっているタタラ場の民衆。
この戦場に居合わせた旅人・アシタカは静かな憤りを露にする。そして彼は、自身が背負う死の呪いを覚醒させながら、負の感情が渦巻く群衆に近づく。
その途中にはエボシ御前の側近・ゴンザが大太刀を構えて立ちふさがる。それでも歩みを止めないアシタカは、死の呪いを負った右腕で切先(きっさき:刀剣の先端にあたる部位)を摘まみ、いとも容易く針金を丸めるかのように大太刀を曲げていく。静かな顔で荒業をみせるアシタカに反して、大太刀の柄を握るゴンザは大粒の汗を流し苦悶の表情、ギィイと鈍い音を響かせながら丸まっていく大太刀。この事からアシタカは涼しげな顔をしつつ万力の握力が発揮されていると分かる。
どいてくれ
冷静な対応のまま、冷たい怒気を含んだ声音でゴンザを退かすアシタカ。
備考・余談
アニメ映画「もののけ姫」における数秒の一幕だが、気品ある主人公・アシタカが静かな怒りを募らせながら「どいてくれ」と冷静に告げ、身に受けた死の呪いを発動させ怪力を発揮する場面は強烈に記憶へ残る凄み。
この後で彼は「そなたの中には夜叉がいる」と発言し周囲を諫めるのだが、発言者自身にも夜叉がいると感じさせる一場面である。