CV:石田ゆり子
概要
『もののけ姫』に登場するヒロインの一人であり、映画のタイトルにある通り人間から「もののけ姫」と呼ばれる15歳の少女。
人間だが、山犬の牙を恐れた人間たちに生贄として捨てられ、山犬のモロの君に育てられた。
自分は山犬だと信じ、シシ神の森を破壊する人間達を憎み孤独に彼らと戦っている。
山犬の娘として森と共に生き、森が死ねば森と共に死ぬという儚い運命の中で生きていたが、ふとしたことでアシタカと出会ったことから彼女の運命も変化の兆しを見せ始めた。
容姿
額と両側の頬に紅い三角の刺青、全体的に縄文時代の民族を彷彿させる装束を身に纏っている。藍色のワンピース服の上に白い服を重ねていて、白い毛皮を髪や肩からかけている。切れ長の黒い瞳に黒髪の、人間的に見れば整った容貌を持つ。
装飾品に獣の牙が飾られたネックレスや、白い円形のイヤリング、頭部と腕にはめたリングがある。頭部に対する防具なのか、タタラ場襲撃の際は不気味な仮面をつけていた。
性格
育ての母であるモロの君の影響を強く受けているため、森を穢す醜い存在として人間を酷く嫌っている。常に山犬たらんと意識している故か、気性は勇猛かつ苛烈で、行動も時に極端な一面を見せる。人間から森を護るため、死をも恐れずに戦う強い使命感を抱く。
一方で自分は山犬だとは主張しつつ、内心では自分も醜い人間そのものであることを自覚しているような節があり、憎むべき人間であるアシタカに「そなたは美しい」と言われた時は戸惑う様子を見せた。
最初のうちはエボシ殺しを邪魔したアシタカを殺さんとしたが、タタラ場から去る際に致命傷を負ったアシタカをシシ神が生かしたことでアシタカを助ける姿勢を見せるようになり、傷の様子を気にかけるなど優しい面をのぞかせるようになる。
能力
その出自から、歴代のジブリヒロインの中でもかなり高い身体能力と白兵戦の技術を持っている。彼女に匹敵するのは、武装した兵士相手に杖一本で無双したナウシカぐらいだろうか。
山犬(モロの子)に乗って行動するが、激しい動きを行っても振り落とされることがないことから、握力や太ももの筋力も強いことがわかる。
サン自身もかなり身軽で、身のこなしが素早いだけでなくスタミナも尋常でない。
その身体能力と槍やナイフを武器に人間たちと戦う。対人間用の戦闘技術も優れており、どこでこの様な技術と経験を積んだのかは謎の一つになっている。
また、ヤックルのように人の言葉を話さない動物の感情や意思も理解することが出来る。この地に生息していないアカシシの言葉をどこで覚えたのかは不明であるが。
余談
- 名前の由来は、初期プロットの冒険ファンタジーだった『もののけ姫』におけるヒロイン「三の姫」が3女だったことから。その後に作品そのものの設定が大きく変更され、サンも「モロの君の3番目の子」になった。
- サンの短剣は山犬の牙で作られているが、誰の牙なのか不明である。
- モロは、いずれはサンを人間の世界に返すために裁縫などの技術を教えていたらしい。
- つまり、モロの君は人間の技術や文化の知識を持っており、彼女たちの岩屋もどこか人工物の様な佇まいがあるため、過去にはモロと人間が交流していた可能性もある。
- サンがアシタカに与えた干し肉はビーフジャーキーの「三倍」固いらしい。弱っていたアシタカが自力で咀嚼できなかったのも無理はない。
- 回復したアシタカに土産として用意した物は、トチ餅とクリの実だとされる。
- 宮崎駿が愛読する諸星大二郎の『マッドメン』に登場するコドワがサンの入れ墨のモデルともされる。デイダラボッチのデザインも、本作に登場した巨人に由来していると思われる。
- これは、ある意味ではサンの願望をそのまま描写したイラストである。
関連イラスト
関連タグ
狼少女…現実に存在する狼に育てられた少女
犬塚キバ…白いイヌ科の存在と関わりがあり、動物の言葉を理解でき、好物がビーフジャーキーであり、頬のペイントも似ているなどの類似点がある。
ロムルスとレムス・モーグリ・次郎(トリコ)…狼に育てられたキャラクターの例。
エデル…こちらも幼少期の生い立ちが類似しているが、彼の場合は竜に育てられた。おまけに人間を世界ごと滅ぼす事を目指す等、サン以上に過激な人間嫌いと言える。
リィ…同じく幼少期を狼に育てられ、群れの中で育つ。人間嫌い。
アソーカ・タノ、おのろけ姫…サンをモチーフにしたキャラクター。