曖昧さ回避
概要
神と他の種族とのハーフである。半神の片親は人間であることが多い。
ワルキューレやニュンペーのように神性は持っているが、高位の神々ほどでない者も「半神」と呼ばれる。
また、多神教設定のファンタジーRPGなどでも「下級神」の分類の中に「半神」を意味する「demigod」が含まれる場合もあり、ゲーム・世界設定によっては「半神より神としての位が低い下級神」という原文を読んでいな人には意味不明または用語の日本語訳に難が有る場合も存在する。
「半」とは半分、つまり50パーセント、という意味であるが、神の血を引いていればギルガメッシュのように3分の1が人間、という人物も「半神」と呼ばれることがある。
また、半神を意味する英語のdemigodは直訳するとむしろ「擬似神」のような意味であり、英語またはヨーロッパ系の言語からの訳されたもので「半神」という用語が使われている場合は「約半分は神で残り約半分は人間などの神以外の何か」ではなく「擬似的な神」「神の持つ性質の内、一部だけを持っている者」のような意味に解釈した方が良い場合も有る。
イエス・キリストは100パーセント神であると同時に100パーセント人であるとされ「半神半人」ではない。
他宗教でいえば最高神ヴィシュヌの化身でありなおかつ人間の両親に生まれたクリシュナが近いと言える。
なお、フィクションにおける台詞などでは、本当に「神」である存在を挑発・揶揄する場合に、あえて相手や対象を「半神(demigod)」呼ばわりする場合も有る。
例としては、映画版「アベンジャーズ」でトニー・スタークがロキに対して言った「神様モドキ(demigod)のお前の兄貴」など。
各神話の半神
ギリシャ神話
各民族の祖先や建国者、都市や地方の名祖とされるような人名はそのほとんどが半神である。
ヘラクレスやアキレウスのような半神の英雄たちにあやかって自身の王家の祖先としたり、自分たちの住む町の名前の元となった人物を後付で生み出したうえで彼を神の子としたり、といった経緯が想像されるがこうした現象は世界各地で見られるものでもある。
以下はその一例である
- アイネイアス(アンキセスとアフロディーテの子。トロイア戦争の将軍)
- アキレウス
- アスクレピオス
- オリオン
- オルフェウス
- ポリデュークス(ポルックス。双子の兄弟カストルとともに双子座となっている。)
- ディオニュソス
- テセウス(都市アテナイの建国者。アカイア人の祖)
- ヘラクレス
- ペルセウス
- ペロプス(ペロソポロス半島の名祖)
- ミノス(クレタの王。ゼウスとエウロペの子)
ローマ神話
ローマ神話においてもギリシャ神話同様にローマの建国者であり名祖でもあるロムルスが軍神マルスとアルバ・ロンガの王女レア・シルウィアの息子されている。
またローマ人が自身らの祖としたアエネアス(アイネイアス)も前記のように人と女神の子である。
この他ローマでは特に時代が下ると個人の神格化が行われており、このような神格化された人物の子供(実子、養子問わず)は「神の子」と称しうる。帝政期には先代のローマ皇帝に対して神格化を行いその息子である自身の権力を宗教的な面から正当化するという事例が多々見られるのだが、このような世襲した皇帝を「半神」と呼ぶことは通常ない。
北欧神話
巨人が多く登場する神話の特性上、半神が非常に多い。ただし、神と巨人のハーフであっても通常の神として扱われる人物も多い。(Fateシリーズではマグニやフェンリルが英霊の座に登録されている為、巨人との混血は半神というカテゴリーに入るようである。)