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概要編集

性交すると死んでしまう呪いに掛かったパーンドゥ王の為に妃であるクンティーがマントラを使って神々を呼び出して設けた王子たち「パーンダヴァ」の一人。彼は冥界の神ヤマと同一視される法の神ダルマとの間に生まれた第一子である。(厳密には第二子なのだが、その理由についてはカルナの記事を参照。)


法の神を父に持つだけあり、公明正大な人物であったとされる。武術ではと戦車において右に出るものはいなかったという。その槍は金や宝石で彩られており、クル・クシェートラの戦いではマントラを込めて投げ付ける事でシャリヤ王に引導を渡した(出典:「マハーバーラタ第五巻」山際素男:編訳/三一書房)。


その高徳故に対立するカウラヴァ陣営のドゥルヨーダナに妬まれ、彼の仕掛けたサイコロ賭博で妻であるドラウパディーも領土も全てを奪われてしまう。おまけにドラウパディーが辱めを受けたものだから、パーンダヴァはカウラヴァへの殺意が頂点に達していた。そこへドゥルヨーダナの父ドリタラーシュトラ王が「パーンダヴァは森へ12年間追放し、更にもう1年は隠者として過ごしてもらう」と取り成したので、カウラヴァはその間だけ領土を治める事を許された。しかし、約束の期限になってもカウラヴァが全く領地を返す気がなかった為、クル・クシェートラの戦いが勃発することになった。得意の投槍でカウラヴァ軍の大将シャリヤを討ち取るなどの戦果を挙げたが、最終的にはカルナに敗北。幸いにもカルナは開戦前に母からアルジュナ以外の兄弟達は殺さないと約定を交わした為に命までは取られなかった。

 戦争はパーンダヴァ陣営の勝利に終わり、王位はユディシュティラが継承する事になった。晩年はアルジュナの孫に後の事を任せて兄弟達を引き連れてヒマラヤ山脈で没した。インドラ神は彼の魂を迎えにやって来たが、代償として旅の途中にお供をしてくれた小汚いを捨てるように命じる。しかし、ユディシュティラは頑なに彼一人を見捨てることは出来ないと拒んだ。彼の正直さを称えるかのように犬はダルマ神としての正体を表して消えていった。ようやくユディシュティラは天国に辿り着くことができたが、そこには憎きドゥルヨーダナが暮らしており、彼の愛した家族は皆地獄へ落ちたというので、悲しみのあまり、「私一人が天国へ行った所で仕方がない」と神々に訴えた。神々は彼の愚直なまでの誠実さへの褒美としてカルナを含めた家族と天国へ暮らす事を許したという。


関連タグ編集

マハーバーラタ パーンダヴァ 聖人

ビーマ:実弟で、彼がカウラヴァを虐めていた事がドゥルヨーダナに恨まれる原因の一つになった。

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