「グラッシャー!」
基礎データ
全国図鑑 | No.0900 |
---|---|
ヒスイ図鑑 | No.073 |
ブルーベリー図鑑 | No.021 |
ローマ字表記 | Basagiri |
ぶんるい | まさかりポケモン |
タイプ | むし/いわ |
たかさ | 1.8m |
おもさ | 89.0kg |
せいべつ | 50%♂・50%♀ |
とくせい | むしのしらせ/ちからずく/きれあじ(隠れ特性) |
タマゴグループ | むし |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | バサギリ | ばっさり切り+ばさら+カマキリ |
英語・スペイン語・イタリア語 | Kleavor | cleaver(肉切り包丁)+cleave(裂く) |
ドイツ語 | Axantor | Axt(斧)+Hand(手)+-tor(英語で〜する人・ものを表す接尾辞) |
フランス語 | Hachécateur | hache(斧)+sécateur(植木鋏) |
韓国語 | 사마자르 | 사마귀(カマキリ)+자르다(切る) |
中国語 | 劈斧螳螂 | 劈(pī、真っ二つに割る)+斧(fŭ)+螳螂(tángláng、カマキリ) |
ロシア語 | Кливор | 英語名の音写 |
タイ語 | บาซากิริ | 日本語名の音写 |
進化
→バサギリ(くろのきせきを使用)
概要
『ポケモンLEGENDSアルセウス』に登場するポケモン。
ストライクの新たな進化形で、ヒスイ地方の特殊な鉱石の影響が働くことでこの姿へと変化した。
なおヒスイ地方特有の進化ということで心配する人もいるだろうが、同作のストライクはハッサムへの進化も可能のままである。
丸みを帯びた赤い鋼鉄ボディのハッサムとは異なり、体の各部が茶色い岩石に変化し、非常にゴツゴツした厳つい容姿を成形している。その顔つきはさながら髷を結った侍のようでもある。
特に鎌状から大きな石斧(鉞)のようになった腕は、無造作な一振りでも命中させられるリーチと、頑丈な相手にも大ダメージを与えられる破壊力を併せ持つ。
斧の側面は割とツルツルした質感で、両腕を合わせる事で巨大な戦斧を形成する。
大きい斧は見た目通り重いが、軽々と持ち上げ素早く移動し、身軽で機敏に動く事が可能。
ただ、さすがにストライクやハッサムのように直立姿勢を維持することはできないようで、普段は両腕の斧を支えのようにして半直立の姿勢を取っている。
また、背中の翅はハッサムよりもさらに小さく退化しており、もはや僅かでも飛ぶ事は出来ない。
野生化では自慢の腕を使って樹木に印を刻んだり、纏めて切り倒した物を交差するように並べることで縄張りを主張する。気性も荒々しく、荒地にて遭遇したときは逃げの一手がお勧め。
岩の部分は激しい戦いにより欠けることが多く、歴戦のバサギリほど欠損部が大きいが、欠ければ欠けるほど逆に鋭くなり切れ味も増すという。
ヒスイ地方の人々は、そうして欠け落ちた破片を石器に利用していたと言われている。
名前の由来は、ハッサムが「挟む」から来ているのに対応して、「バッサリ斬る」から来ていると思われる。それ以外だと「バーサーカー」「カマキリ」「マサカリ」などか。
現代のシンオウで確認できなくなった理由は不明。くろのきせきが取り尽くされた、ハッサムとの生存競争に敗れたなど様々な理由が考えられる。
現在でもごく一部の地域に生存が確認でき、火山地帯でまれに見つかる鉱石が体に変化を及ぼしたという図鑑説明など、条件次第ではヒスイ以外でも進化可能な事が窺える。
褐色のカマキリは実在し、枯れた草むらで確認できる褐色種やカレハカマキリなどが該当するので、カマキリらしさは失われていないと言える。口の形状が三角状になるなど、怪獣じみた口をしていた進化前よりカマキリに近付いた要素も確認できる。
ただしストライクやハッサムと違い、性別による見た目の違いは無い。
色違いはハッサム同様進化前の緑色を残すカラーリングとなり、それをより落ち着かせたような和のテイストを感じる色合いになっている。
森キング攻略戦
最初に鎮めることになるキングで、腕の鉞による斬撃で攻撃してくる。
主な攻撃方法
最初に対峙するキング・クイーンということもあり、攻撃前の予備動作は長めで攻撃後の隙が多く、シズメダマを投げるチャンスは結構多い等、冷静に立ち回れば何とかなるよう調整されている。
さらに、突撃は狙いを定めた後は急には止まれないので、狙いを定め始めたら壁や大木を背にし突撃した時に素早く避けることで自滅を誘発でき、この隙にポケモンバトルを仕掛けたり、シズメダマを投げつけることができる。狙いが定まった際は、目が光るのでよく見極めるべし。
ポケモンバトルでは、開幕でステルスロック(しかも本作ではステルスロックが攻撃技になっているため、ダメージも大きい)を仕掛けてくるため攻撃後のダメージに気をつけながら立ち回らなくてはならない。
性能
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
バサギリ | 70 | 135 | 95 | 45 | 70 | 85 | 500 |
ハッサム | 70 | 130 | 100 | 55 | 80 | 65 | 500 |
ストライク | 70 | 110 | 80 | 55 | 80 | 105 | 500 |
ハッサムを上回る攻撃、ハッサムには及ばずとも高い防御、ストライクとハッサムのほぼ中間の素早さを持ち、そして特攻と特防は3匹の中で最も低い。
特にハッサムと比較すると、防御・特攻・特防が下がり攻撃・素早さが上がるというタイプの傾向とはほぼ真逆の種族値を持っている。特に素早さに関しては、発表時はむしろ下がると予想していた人も多く、度肝を抜く結果となった。
一応、ストライク時代の名残なのか、ひこう技もある程度習得することはできる。
LEGENDSアルセウス
専用技の「がんせきアックス」は継続ダメージを与える技。
攻撃135の火力は伊達ではなく、そのパワーから放たれる「ストーンエッジ」や「インファイト」は相当な威力。むし技の最高火力は「シザークロス」止まりだが、「つるぎのまい」や変化技仕様の「ダブルアタック」を使用した場合の爆発力も魅力的。
ストライク時代に「つばめがえし」を覚えさせておくと良いサブウェポンになる。
第9世代
ポケモンホーム連携と共に解禁。
ポケモンSVでは「くろのきせき」が入手できないため、当初はヒスイ地方で進化させた個体か、Pokémon GOで入手した個体をPokémon HOME経由でパルデアに連れて行く必要があったが、「藍の円盤」のテラリウムドームのキャニオンエリアにて、野生の個体が登場し入手難度が緩和されている。
ただし、「くろのきせき」がゲーム内で入手できないことに変わりはないため、自力で厳選したストライクをバサギリへと進化させたい場合は、依然としてヒスイ地方に一度送って進化させる手間を掛けなければならないのが難点。
ちなみにバサギリの出現場所はキャニオンエリアの黒曜石のような尖った岩石がまばらに並び立つ高地の岩場であるため、「くろのきせき」のような物体自体はちゃんと存在していることが分かる。
耐久的には流石にハッサムほどの安心感は無く、特殊方面にはやや脆い。
だが、むしタイプ及びいわタイプとして見ると弱点3つは非常に優秀で、ほのおタイプを弱点としておらず4倍弱点も無いので、かなり安定した活躍が見込める。
専用技の『がんせきアックス』の効果が攻撃後にステルスロックをフィールドに展開する効果という破格の性能に変化。
がんせきアックスが攻撃技であることに着目して「とつげきチョッキ」を持たせれば場持ち、起点作り型としての安定性をさらに強化できる。
勿論パワーを活かしてスピードを増強したAS「きあいのタスキ」型も強力。「カウンター」もご丁寧に覚えるため、耐久を捨てて「きあいのタスキ」を持たせる構成も活用しやすい。
特性はがんせきアックスとシザークロスを強化できる隠れ特性の「きれあじ」が非常に強力。マイナーだったエルレイドの使用率が爆増したのもこの特性のためであり、さらに攻撃値が高いバサギリならどうなるかはお察しだろう。
効果対象となる他のサブウエポンは実用的な技はつばめがえしやつじぎり(遺伝)がある。
一方で「むしのしらせ」は「きれあじ」にリスクと効果で劣っており、「ちからずく」は相性のいい技が「いわなだれ」程度で持て余しがちと、通常特性は使い勝手に難があるため、基本は「きれあじ」一択。
また「つるぎのまい」や「こうそくいどう」、「バトンタッチ」を筆頭に変化技も豊富に覚えるため、かつてのハッサムのようにサポーターとしての役割もこなせる。
テラスタイプは遂行力を高められる一致に始まり、むしタイプの宿命である狭い技範囲を補完できるじめん、優秀とは言い難い耐性を補強できるはがねが目ぼしいところか。
対戦環境的には、起点作りとして非常に優秀で強力なポケモンである。前述しているがんせきアックスはきれあじと相まってとんでもない火力を生み、後続の敵にもステロで負荷をかけられる。
特にカイリューやパオジアンには非常に通りが良い。優先度が高いフェイントも覚えるので相手が耐えても上から叩ける。(カイリューはしんそくを使っても素早さ種族値で勝っており、パオジアンの先制技よりも優先度が高いため)
他にハバタクカミは守備が低く、テツノツツミには弱点もつけるため、間違えなく使用率は増えるだろう。
なお同時期に解禁されたヒスイダイケンキも特性がきれあじでまきびしを撒きながら攻撃するひけん・ちえなみを覚えるため、起点作りとしての性能が似ているが、そもそもタイプも違うため差別化の必要は薄いだろう。そこはパーティーとの相談になる。
ちなみにきれあじのバサキリを一から厳選する場合はストライク系統の隠れ特性を入手するか、テラリウムドーム内で出現する★6レイドのバサギリを入手する必要がある。
しかし後者については、バサギリ自体はそこまで強くないが、1日一回のみ出現する★6レイドを当てなければならないため、より手っ取り早いのは前者だろう。
★6のテラレイドバトルに登場するハッサムは確定で隠れ特性の「ライトメタル」持ちであるため、これが出てくれるまで粘るのも手。運が良ければ★5のストライクやハッサムのレイドでも隠れ特性持ちの個体が出る可能性があるので、難しい場合はそちらで入手に挑戦してみるのも良い。
2023年夏には最強のミュウツーのウォームアップレイドでハッサムが対象の1つに選ばれたため、この間にハッサムのレイドを周回していれば、よほど運が悪くない限り隠れ特性持ちの個体が1体は手に入ったことだろう。
もっとも、「くろのきせき」が入手出来ないのは先の通りなので、他作品から連れてきたバサギリにとくせいパッチを使うのが一番手っ取り早かったりするのだが…。
レギュレーションD(シーズン8)が始まると、さっそく襷を持たせた起点型が使われることに。基本的に襷で耐えながらがんせきアックスをして、速い相手からの先制技に対して優先度が高いフェイントをして退場というのが主な流れとなっている。(主に襷パオジアンに対して)
他にはスカーフを巻いてがんせきアックスだけは打つ型やチョッキを持たせたサイクル型が使われるようになった。
おいかぜで味方エースのガチグマやカイリュー、連撃ウーラオスをサポートする型もまれにある。
しかし開始早々、連撃ウーラオスに致命的に弱い事が判明し、相手が最速ならば確実に上を取られて襷も潰されて何も出来ずに退場してしまうことに。(スカーフを持たれたらこちらは絶対に抜かせない)
その為、少し耐久に振ったテラスタイプ草が流行。連撃ウーラオスにくさわけで致命打を与え、さらには上げた素早さで後続にも負担がかけられるため非常に強力。しかしこれも「取り敢えず『とんぼがえり』」で打開される恐れが大きく、すぐに対策されてしまった。
どの型も種が割れれば対処が容易なことから、シーズン8こそ使用率33位と健闘したが、シーズン9では54位、シーズン10では55位と、シリーズ4の実績だけ見ても若干期待外れな結果に終わった。
れんげきウーラオスに対して投げづらいのと「がんせきアックス」が命中不安なのが低迷の主要因である。一番大きいのは対れんげきウーラオスでの弱さであろう。
伝説のポケモン、パラドックスポケモン、幻のポケモンが使用禁止となるレギュレーションHシングルバトルでは、目の上のたん瘤であるれんげきウーラオスが存在しないため、それなりの使用率まで回復。環境のトップメタに返り咲いたカイリュー、ウルガモスに対して「がんせきアックス」が抜群で入るのも大きい。
しかしウルガモスは「おにび」HB型も多く、「がんせきアックス」ぐらいではぐらつかないことも実際には目立つ。そのため、対ウルガモスに寄せたHAベースの「とつげきチョッキ」型を使用する派閥もこのレギュレーションでは根強い。
使用トレーナー
ゲーム版
- ノボリ:キャプテン(ヒスイ)
- タイム:アカデミー教師(藍の円盤クリア後)
番外作品
ポケモンGO
2023年5月6日に開催のイベント「レイド・デイ」に併せてゲーム内で実装された。『LEGENDSアルセウス』初出の追加進化形の実装は、ガチグマに続いて2種目となり、「レイド・デイ」で初お披露目されるのはヒスイウォーグル、ヒスイクレベースに続いて3種目。
難易度が星3なのもヒスイウォーグル・ヒスイクレベースと同様であり、手持ちの育成がある程度進んでいればソロでの攻略も十分狙える。また、これまでのレイド・デイと同様、色違い個体との遭遇確率が普段よりも大幅に上がっていたので、積極的に挑戦した方も多かったことだろう。
なお、ハッサムとは異なり、入手手段はレイドバトルのみで、ストライクから直接進化させて入手することはできない。こちらもやはり「くろのきせき」が入手出来ないことに起因すると思われる。
ただ、(他に月齢という特殊な条件が絡むとはいえ、)同じく原作では進化にアイテムが必要だったガチグマは本作ではアイテムなしでも進化まで持っていけたので、この点に関しては不満の声も多い。
性能は、通常技が「でんこうせっか」と「エアスラッシュ」、ゲージ技が「シザークロス」「いわなだれ」「ストーンエッジ」というもの。なんと、通常技でタイプ一致技を一切覚えず、一方のゲージ技ではタイプ一致技しか覚えないというなんとも極端な技構成となっている。
一応、通常技の「でんこうせっか」は出が早い上にゲージを溜めやすく、ゲージ技も「ストーンエッジ」以外は分割ゲージ技なので、PvPでの取り回しやすさはまずまずといったところ。とはいえ、やはり通常技が不一致技である以上、むしポケモンとしてもいわポケモンとしても若干中途半端な性能に留まってしまう上、何よりもサブウェポンとなり得るゲージ技を一切覚えられないのも痛い。せめて「つばめがえし」か「インファイト」が覚えられていれば。
とはいえ、本作では後々になって新しい技が追加されたりするなどしてテコ入れされた結果、強化されたポケモンも多いため、バサギリもそうなることを期待する声もある。
特に、第9世代では本作で通常技として扱われている「れんぞくぎり」と「うちおとす」をそれぞれ習得可能となっていることから、これらの技を覚えられれば一気に大化けする可能性がある。
アニメ版
アニポケ・第8シリーズ
フリード博士いわく、「かつてヒスイと呼ばれる地方にいたが、今じゃもう姿は見られない」と発言している。
- 六英雄のバサギリ
かつて、いにしえの冒険者・ルシアスとテラパゴスと共に旅したといわれる6匹のポケモン達「六英雄」の1匹。第25話(『リコとロイの旅立ち編』最終話)でダイアナの口から明かされた。
普通の個体と比べると、斧のような刃が鋭利かつ滑らかで、右の翅と腕の一部が欠けているのが特徴。
本格的に登場するのは、『レックウザライジング編』からである。
余談
ヒスイ地方のモチーフである北海道、特に十勝地方では黒曜石の産出量が非常に多く、北海道では黒曜石の事を十勝石と呼ぶほど。
なお、バサギリが森キングを務める「黒曜の原野」のモデルとなった場所は現実世界の十勝地方も含むが、森のある場所は上川(旭川市)付近にあたる他、札幌市には発寒(はっさむ)という地名がある。
ポケモンシリーズにおいて、「後の世代で追加進化を与えられる」事自体は珍しい話ではない(第2・4・8世代に大量に追加されている)。
ただ、一度追加進化が与えられると大抵追加進化はそこで打ち止めになり、「既に追加進化が与えられたポケモンに更なる追加進化」という事例は非常に珍しい。
具体的にはイーブイ(第2・4・6世代で進化形追加)とポリゴン(第2・4世代で進化形追加)に続く3例目となる。
ただしポリゴンに関しては分岐でなく、第2世代で1進化目が追加され、第4世代で2進化目が追加されたポケモン(エレキッド、ブビィ、ピンプクなどは追加進化ではなく「進化前の追加」なのでカウントせず)。
記念すべきNo.900のポケモンはこいつである。
関連イラスト
関連タグ
0899.アヤシシ→0900.バサギリ→0901.ガチグマ(アカツキ)