基礎データ
全国図鑑 | No.0980 |
---|---|
パルデア図鑑 | No.054 |
ローマ字表記 | Dooh |
ぶんるい | とげうおポケモン |
タイプ | どく / じめん |
たかさ | 1.8m |
おもさ | 223.0kg |
せいべつ | 50%♂・50%♀ |
特性 | どくのトゲ/ちょすい/てんねん(隠れ特性) |
タマゴグループ | すいちゅう1/りくじょう |
進化
パルデアウパー → ドオー(レベル20)
※通常種と進化条件は同じ。
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | ドオー | 土+毒+王+オオサンショウウオ+ヌオー |
英語・スペイン語・イタリア語 | Clodsire | clod(土塊)+sire(雄親)+Siren(サイレン)+Quagsire(ヌオー) |
ドイツ語 | Suelord | Sumpf(沼地)+suelo(地面)+Lord(卿)+Morlord(ヌオー) |
フランス語 | Terraiste | terre(大地)+majesté(威厳)+Maraiste(ヌオー) |
韓国語 | 토오 | 日本語名の音写 |
中国語 | 土王 | 土+王+沼王(ヌオー) |
概要
第9世代『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』で初登場。パルデアウパーが現地の環境に適応した結果、従来のウパーとは異なる進化を獲得するに至った。
云わば「パルデアヌオー」といったところで、変化した毒タイプではなく、元々持っていた地面タイプとしての性質が強くなった。
顔立ちはヌオーとあまり変わらず可愛らしいが、フォルムは腹ばいとなり、手足はより短くなった。その姿はまさしくモデルのオオサンショウウオにより近付いたと言って良いだろう。
また体躯もヌオー以上であり、重さも223.0kgとかなりのヘビー級。
人相に違わぬのんきかつ優しい性格で、池や沼の水底で暮らすと、性質もヌオーと変わりはない。深く流れの強い水場では、ウパー達を背中に乗せて泳ぎ対岸まで運んであげているらしく、普通の人間ひとり位なら軽く背に乗せて移動できるパワーがある。
ただしその体は変わらず毒の粘膜で覆われている為、人間のような体毛も粘膜もない柔肌の生物がそのまま触るのはお勧めできない。
そして敵に襲われると、退化した手足の代わりに、背中から6本の太い毒トゲを生やして反撃する。この関係でどくづきはおろかメガホーンまで習得可能。
だが「身を切る覚悟の危険な技」とも言われており、よく見ると体内の肋骨を突き出したと思わしき形状で、ウパーの頬にあったエラ兼骨が進化によって発達したものであると予想される。
色違いは全身が紫色となり、毒タイプとしての印象が強まる。
名前の由来は「土+サンショウウオ」あるいは「土の王」らしく、中国語に至っては「土王」とそのまんまである。
ゲーム上の特徴
スカーレット・バイオレット
基本的には序盤でパルデアウパーが出現する事から育てて進化させた人が多いだろう。野生では南4・5・6番、東3番、西3番、北1番エリア、しるしの木立ち、ナッペ山に点在する池や湖、沼地に生息する。
ストーリーにおいては、パルデア四天王・チリのエースポケモンとして立ちはだかる。(チリのドオー)
性能
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ドオー | 130 | 75 | 60 | 45 | 100 | 20 | 430 |
ヌオー | 95 | 85 | 85 | 65 | 65 | 35 | 430 |
比較 | +35 | −10 | −25 | −20 | +35 | −15 | ±0 |
原種が進化したヌオーから攻撃面が削られた分、とくぼうとHPが大幅に伸びた耐久型となっている。特殊耐久指数はポケモンホーム解禁前で尚且つパラドックスポケモンや準伝説を除くパルデア図鑑に掲載されるポケモンに出場ポケモンが限定されるシリーズ1ルールでは、純粋な種族値だけ見ると全ポケモン中7位の特殊耐久となる。
ドわすれでとくぼうを上げつつ、どくびしやどくどくで相手のHPを削るという運用法が中心となるだろう。じこさいせいも遺伝技でしっかり覚えられる。
一方でぼうぎょは60しかなく、すばやさに至っては20と進化前ポケモンを除けばどくタイプ・じめんタイプの両方で最も低いので高火力の高速物理アタッカーには弱い。とはいっても、大幅に伸びたHP(130)のおかげで、物理耐久指数に大差はない(特化の場合、ドオー29151、ヌオー30300)。特化すれば原種同様の物理受けもこなせるだろう。
上記の補助技以外にのろいとたくわえるも覚えるため、要塞化に必要な技は1体で完結している。
状態異常にかかる可能性も低く毒にはまずならず、麻痺は無効化されないがでんき無効なのでこちらもかかる事は少ない。
弱点はじめん、こおり、エスパー、みずとそこそこ多めだが、高火力技が物理に集中しているじめんと比べて他3タイプは特殊寄りのタイプである点や4倍弱点がないのが幸いか。ちょすい持ちの個体であるならば、弱点は3タイプにまで減るが、一族の生命線?だったてんねんの続投も嬉しい。
ドオーの持つちょすいとてんねんは相互補完的である。というのも、ちょすい型はてんねん型の天敵であるみずタイプ高火力ウエポンをシャットアウトしてくれる一方で、てんねん型はちょすい型では受けづらいマリルリやギャラドスといったみずタイプの積み物理型への対処になる。環境や自軍のパーティに合わせてこの相互補完的な2特性を使い分けられるのがドオーの強みであろう。
てんねん型の場合は攻撃種族値自体が高いイルカマンや「こだわりメガネ」で「ハイドロポンプ」を増強するウォッシュロトムが苦手だが、「ちょすい」型にすることでいとも簡単に有利・不利を逆転できる。
無対策だと対戦において厄介なドオーだが、対策すると楽な相手でもある。ドオーは「じしん」+変化技3つという技構成が主流なので、じめんタイプ無効の「ちょうはつ」持ちで完封できることもしばしば。ただし「くろいヘドロ」を持っていることも多いため、「こだわりスカーフ」+「トリック」はなるべくしたくないところ。
攻撃技としては「じしん」、「ダストシュート」、「メガホーン」、「ストーンエッジ」といった具合に威力100以上のものに恵まれているため、攻撃の種族値が75しかないといっても「こだわりハチマキ」を持てばアタッカーとして育てられる。
一方、耐久に全振りするかそれに近い場合は碌な火力が出ない水準なので、いっそ攻撃技を全てカットして4枠を全て補助技で固めても良いかもしれない。そうした型も時間切れ判定がやってくるまで粘る枠として見れば上々である。
技面では「じこさいせい」「じしん」がほぼ確定で、耐久型なら「どくどく」を、起点作り型なら「ステルスロック」「あくび」を入れるのが通例。「じしん」無効対策には「どくづき」がたまに使われる。
持ち物は「くろいヘドロ」、どく以外のテラスタルを切っても支障が出ない「たべのこし」、キョジオーンの「しおづけ」などへの対策の「おんみつマント」、「くろいヘドロ」系よりも瞬間回復量を優先した「オボンのみ」が主流。
性格は特殊耐久を活かした「しんちょう」、物理耐久を補う「わんぱく」が主流。
テラスタイプは「くろいヘドロ」との相性を鑑みたどく、「じしん」による遂行力を高めたじめんに始め、「ルミナコリジョン」対策のあく、「のろい」を「呪い」として使えるようにすることができるゴースト、「じわれ」対策のひこう、パオジアン、イーユイ対策のみず、ドラゴン対策のフェアリー、パオジアン、ハバタクカミ対策のほのお、ハバタクカミやサーフゴーなどによるゴースト打点での雑殴り対策のノーマルが目ぼしいところ。
シリーズ2ではハバタクカミやテツノドクガに強い枠として環境に生き残った。
ところがシリーズ3になると、耐久型の主流としてチオンジェンとドヒドイデのコンビが環境に躍り出て、イーユイとパオジアンのパワーも受け切れない事態に。
だがその後も、テラスタルや特性を調整して環境に生き残り続けていた。
ところがシリーズ5に新たなじめんの耐久型であるグライオンが解禁されるとそちらに需要を吸われ、シーズン11では使用率56位まで低迷。
レギュレーションGでは「てんねん」によりザシアンやこくばじょうバドレックスへの対策ができる点、テンプレすらなくなったほどの多彩なテラスタルのパターン、ミライドンにもそれなりに対抗できる点から、そこそこの立場を築き上げている。勿論禁止級伝説環境を生き抜く超耐久の耐久型をパワーで薙ぎ倒す崩し型に強いのも利点である。そもそも特殊耐久の違いからして同じ「てんねん」型のヘイラッシャとはこのレギュレーションにおいても棲み分けが容易である。
シーズン19からこくばじょうバドレックス対策に特化したあくテラスタル型が台頭。
「ちょすい」型もこのレギュレーションにそれなりに存在するが、バリバリに一致みずで攻めるのがヘイラッシャとテツノツツミ、後はいてカイオーガとアシレーヌ程度なので、そこまで顕著な刺さり方はしない。
準伝説・パラドックスポケモン以上が使用不可のレギュレーションHでも偶に見かける程度の立ち位置。基本受け出しできない相手であるアカツキガチグマがトップメタである上に、目の上のたん瘤となるグライオンがいるままなので、根本的な問題は変わらない。
ストーリーではパルデアウパーの情報公開時から「旅パで強い」という前評判が多かった。原種ヌオー同様耐久寄りの地面タイプに加えちょすいでみず技を無効にでき、どくで対フェアリーも可能という痒いところに手が届くタイプと特性の組み合わせであり、補助技も原種のようにあくび、どくどくなどで捕獲要員や強敵への対応策もこなせるなど実際に前評判通りの活躍を見せてくれる。
ストーリー攻略の段階でみずタイプ相手にわざわざ出さないと考えるなら、もう一方のどくのトゲも戦略として十分機能するため、その点でも地味ながらありがたい。
今作のストーリーの相手に大体有利なタイプという優秀なポケモンだったりする(ここまで優秀なのはズルズキン以来)。
強いて言えば素早さがあまりにも低すぎて被弾機会がかなり多いことが欠点か。
もっとも、ズルズキンよりはるかに鈍足かつ攻撃力は貧弱なため油断は禁物。
特に物理攻撃を得意とするポケモンを相手にした場合、相性上は有利に立っていても先手から押し切られてしまうケースは往々にしてあり、特に後半に搭載率が上がるじしんやドリルライナーに弱いのはかなり痛い。
また、タマゴわざでカウンターを習得するのだが、このポケモンの種族値に噛み合っているであろうミラーコートは覚えないことには注意。
ちなみに、タマゴわざでにどげりを覚えるが…
どうやってこの体型で蹴るというのか。
SVのテラレイドバトルでは星7レイドとして行われるピックアップレイドに登場するゲッコウガへの対策として役立つ。「じこさいせい」や「ドわすれ」、「のろい」でゲッコウガの猛攻を捌ける上に、「ちょすい」により相手のみず打点を切れる。相手のテラスタルがどくタイプ固定ということで、「じしん」の通りも良い。努力値は攻撃と特防に全振り、性格は「いじっぱり」が推奨。
同じ星7レイドで考えるとピカチュウに対する壁役としても有能。「ちょすい」込みの場合、「じゃれつく」、「かみなり」、「なみのり」が半減以下で、耐性が非常に優秀である。この場合、攻め手は他に用意した方がベター。通信レイドでエースとしてラランテスが使われる場合、「アシッドボム」をラランテスに向かって放つことでラランテスの「あまのじゃく」を発動して特防を上げられる。このようなテクニックを覚えておいて損はない。
一方で、味方NPCのツナキが使うドオーはぶっちぎりで最弱と言って差し支えの無い味方と言える。というのも、技構成がとことん毒状態狙いな上に特性が「どくのトゲ」で、「おにび」や「でんじは」で敵を妨害しようとする味方を邪魔するためである。
使用トレーナー
ゲーム版
アニメ版
- チリ
漫画版
番外作品
ポケモンGO
2023年11月、ウパー、パルデアウパーのコミュニティ・デイで色違いも同時に実装。最大CPが2207(最高の相棒であれば2233)までしか伸びないので、ジム、レイド、GOバトルリーグのハイパーリーグおよびマスターリーグでの活躍は期待できないが、スーパーリーグでは高耐久と恵まれた技構成を活かして実装当初から一気に環境トップクラスへ。
- 実装前の解析データではどくづきとなみのりを覚えていたのが、それぞれどくばりとみずのはどうに変わって実装された。どくばりはマッドショットの毒版の技であるが威力が非常に低いためにアシッドボムを覚えさせる必要性がほぼ無くなってしまった。みずのはどうはなみのりよりも格段に不便な技であるためまず採用されない。
- 近年の調整によりマッドショットとどくばりの威力が4に強化されたが、マッドショットの方はエネルギー回収率の弱体化を受けてしまったため、ほぼ全員のプレイヤーがどくばりを採用している。また、それに加えて環境トップのポケモンに踊り出ており、大いに活躍している。
ポケモンマスターズ
チリ&ドオー
2024年4月26日についにチリと共に実装された、じめんタイプのサポートロール。詳細はチリのドオーにて
アニポケ.シリーズ
第8シリーズ
OP「Will」・ED「Let_me_battle」で描かれていたが、本編では55話から登場。詳細は当記事にて。
- 第77話:『フリード博士のポケモンゼミ』で登場。ヌオーと衝突した。
Webアニメ版
第4話『息をあわせて』でちらりと登場。
「ドオー大量発生ちゅう?」
ウパーに会いに来た女の子は、初めてみるパルデアのすがたのウパーにびっくり! すると、ドオーがたくさん集まってきて……。 一体どうなっちゃうの?全世界のドオー好きに送るドオーてんこもりの、癖になる1分間!
漫画版
ポケットモンスターSPECIAL
バイオレットのドオー
第16章男主人公・バイオレットの手持ち。
当初はパルデアウパーであったが、11話の大空のヌシ・オトシドリ戦の時点で既にドオーに進化していた(前話でミライドンのダッシュでやたら野生ポケモンとぶつかりバトルした結果、ホゲータがアチゲータに進化していた為、その前に進化していたのではと思われる。)。
大空のヌシ戦では「マッドショット」で泥だらけにして動きを鈍らせた後に「たたきつける」で撃退する活躍を見せる。
余談
元ネタ
- その特徴や生態などから、スペイン南部やポルトガルに生息するイベリアトゲイモリが元ネタだと考えられる。
- イベリアトゲイモリは、全長が17〜20cm、最大全長が30cmと、イモリ科の中では最大級の大きさを誇り、ヌオーと比べて高さも重さもビッグサイズとなったドオーとは共通点がある。
- また、イベリアトゲイモリは、外敵に強く掴まれると皮膚を突き破る形で肋骨を突き出す防御行動をとることから、ドオーのトゲもこの習性を参考にデザインされた可能性が高い。その肋骨は皮下の毒腺をぶち抜く形で突き出すため、「どくのトゲ」と呼んで差し支えないものと化す。この辺りもドオーに取り入れられているのだろう。
- なお、肋骨が皮膚を突き破るとイベリアトゲイモリは死んでしまうように思われるが、イモリの仲間は心臓や脳が損傷しても回復するほど再生能力に優れた種である上、自身の毒に対して耐性があるので、この防御行動で死ぬことは無いという。
当て字
- 原種とも言えるヌオーは緩い顔つきと戦闘能力のギャップもあり、『怒王(ぬおう)』と当て字をされることがあったが、何の因果かこのドオーにも全く同じ字を当てられる。
食べ物
- 原種同様にほのぼのとした可愛らしい容姿と、楕円体系に茶色のグラデーションという体色から、食べ物(例:エクレア)等に例えられる事が多い。エクレアに関しては公式ネタとなっている。
- ……などと言っていたら赤城乳業株式会社より発売されているアイスバー「ミルクレア(MILCREA)」と『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット ゼロの秘宝』のタイアップ企画により、2023年8月28日よりヌオーとドオーが「ミルクレア(MILCREA)チョコレート、宇治抹茶」のパッケージを飾り、抽選で「ドオー・ヌオーオリジナルブランケット」が当たるキャンペーンも開催されることが決定した(参照)。ついにエクレアの愛称で親しまれていたドオーが本当にお菓子のイメージキャラクターの大任を務める日が来たのであった。
- アプリゲーム『ポケモンマスターズ』でもチリ実装と同時に開催されたイベントでは人工島パシオの銘菓のパッケージモデルのポケモン探しで、チリのドオーに対して「チョコレート味のパン」と言われている。また、この銘菓はミルクとチョコレートを使用してる事、同イベントでアカネとミルタンク、カスミとヌオーが登場しているので間違いなく上記を意識してるだろう…。
種族値合計について
- チリの切り札として満を持して登場するドオーだが、今まで四天王ないしジムリーダーが切り札として使うポケモンは合計種族値が手持ちの中で最高の種族が選ばれる傾向にあった。それが、チリのドオーはむしろ手持ちの中で合計種族値は最低。しかもドオーの種族値はたったの430ぽっちである。
- だが、肝心の性能については実際にランクマッチで使用するトレーナーが多い強ポケモンなので、案外エースとして選ばれてもおかしくない。
技と特性
ネタから産まれた奇跡の物語
人気
- 上記のようにあらゆる方面でネタに事欠かなく、ストーリーや対戦での扱いやすさ、可愛らしいフォルム、昔から慣れ親しんだポケモンの別形態ということもあってか、パルデアポケモンのgamewith人気投票では2位。
関連イラスト
原種であるヌオーとのコラボ絵(ヌドオー)
食べ物のネタ絵
関連タグ
追加進化(第9世代)
0979.コノヨザル→0980.ドオー→0981.リキキリン
同複合タイプ
その他