基礎データ
ずかん | No.635 |
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ぶんるい | きょうぼうポケモン |
タイプ | あく / ドラゴン |
たかさ | 1.8m |
おもさ | 160.0kg |
とくせい | ふゆう |
他言語版の名称
英語 | Hydreigon |
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イタリア語 | Hydreigon |
スペイン語 | Hydreigon |
フランス語 | Trioxhydre |
ドイツ語 | Trikephalo |
進化
モノズ → ジヘッド(レベル50) → サザンドラ(レベル64)
概要
『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』(第5世代)に初登場したポケモン。
名前の由来は恐らく『サン(頭が3つ)』『サザン(頭と羽を足した数が9のため、九九の3×3<さざん>)』『ドラゴン』。また、語感からヒドラやサウザンドをかけた可能性もある。
ジヘッドがLv64で進化することが出来る。
組み合わせとしては初登場となるあく・ドラゴンタイプポケモンの最終形態で、第5世代における600族ポジションにあたる。
分類どおり、性格は非常に凶暴。
6枚の羽で空を飛び続け、動くものを敵もしくは獲物と判断して襲いかかり、3つの頭ですべてを喰らい尽くし、破壊してしまう、まさにあくタイプ、つまりおおかたの属性で言う闇属性の凶悪さを極限かつ究極なまでに体現した存在と言える。
ちなみに進化前の2形態も食べることばかり考えている。
大器晩成型のポケモンとしては、カイリューのLv55、ウルガモスのLv59 、ドラパルトのLv60を抜き、なんと60越えのLv64でようやく進化する。
歴代ポケモンの中で最も進化が遅く、その都合上後述するトレーナーはLv.64未満という本来ではありえないサザンドラを使ってくる。
BW1ではLv40前後のモノズがチャンピオンロードで登場するのみであったため、第5世代でのレベル差による経験値減算の仕様も相まってサザンドラまで育て上げるのに苦労した人は多いはず。
BW2ではジヘッドがLv50前後で登場するようになったものの、育てるのに手間がかかるのは変わらない。
ちなみに、進化して首の数が増える度に初期技が「たいあたり」→「ダブルアタック」→「トライアタック」と変化する。
容姿
三つ叉の首を持つドラゴンの姿のポケモン。進化したことでさらに首が一つ増え、とうとう3つになった。
しかし両手の頭には脳みそが入っていないため、「頭」と言うよりは「頭部の機能を備えた腕」という方が近いかもしれない。目や舌などもあるが、感覚器官として機能しているのかは不明。しかし腕の頭も物を食べることは出来るので、食道はちゃんとある様子。図鑑では「両腕の頭」という、生物的には良く分からない表現がされているが、腕には良く見ると関節があるので、やはり手の代わりに頭がついている形なのだろう。
またそれまで目元を覆われていた毛は逆立ち、赤く鋭い眼光をさらすこととなった。
背中の羽も左右対象に合計6枚に増えた。
体色は毛の部分は紺色で、お腹の模様は赤色をしており、それ以外の部分は青色をしている。
色違いは、毛の部分は灰色に近くなり、お腹の模様は青色に、それ以外の部分は緑色をしている。
徳間書店から刊行されている『ニンテンドードリーム』のVol.205(2011年5月号)に掲載された「ポケモン誕生秘話 総集編」(P33)では本来は戦車をイメージしたポケモンになるはずだったらしく、企画側の「ドラゴンタイプで2回進化するポケモン」というオーダーを基に現在のデザインになったと杉森建氏は証言している。ジヘッドやサザンドラにキャタピラ状の模様があるのはその名残である。
全体的にヤマタノオロチをイメージしており、腕の顔や翼を複数の頭に見立てているが、あくまでも本体は中央の首であり、両腕に意思は無いとの事。
なお、アートディレクターの海野隆雄氏はヤマタノオロチなのに首が一本多い(意訳)と突っ込んだという。
三つ首と名前の響きから、あの特撮キャラクターの影響もありそうだが、そこは流石に明言されていない。
性能面
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
92 | 105 | 90 | 125 | 90 | 98 | 600 |
これまでの600族と言えば全て攻撃の方が高い傾向にあったが、サザンドラは特攻が最も高く設定されており、その種族値は125とラティオスの130に次ぐ高さで、伝説を除いたドラゴンタイプで第2位の値である。
一方、素早さの面では、低くはないが98という微妙な種族値のため、激戦区である素早さ100族を抜けないのが難点。
サザンドラはこだわりスカーフを持たせて運用することが多く、その場合は最速必須のラティオスと違って特攻補正がかけられることから、火力はサザンドラ>ラティオスになれる場合も多い。
弱点を補完する複合タイプではないため弱点自体は多く、サザンドラ自身が初登場した第5世代までは4倍弱点こそ無かったが、第6世代からは新しくフェアリータイプが登場したため、4倍弱点が出来てしまった(あくタイプ、ドラゴンタイプの両方とも弱点)。
だが、一方で耐性も7つと多く(半減6つ・無効1つ)、600族相応の耐久力、そして上記の高い攻撃性能の受け辛さが重なり、なんだかんだで実力は高いポケモン。
覚える技も豊富。特に高威力の攻撃系の技を覚えることもできる。
主な技はタイプ一致の特殊技の「りゅうせいぐん」「りゅうのはどう」と「あくのはどう」。
鋼潰しの「だいもんじ」「かえんほうしゃ」が基本。
サブはバンギラスやヒードラン、エンペルトに有効な「きあいだま」「だいちのちから」
高耐久の岩・地面タイプや、「ふうせん」持ちのヒードランに刺さる安定技の「なみのり」が上がる。
またXY以降では、不一致技ではあるがフェアリー対策として「ラスターカノン」も候補に上がるだろう。
サザンドラの火力と素早さを考えると不一致でもかなりの有効打になり得るだろう。
攻撃種族値も"105"もあるので、二刀型もやれたりするが技スペースは厳しい。
対ウルガモス用の「ストーンエッジ」「もろはのずつき」か、「こだわりスカーフ」を持った時の交代読みやタスキ潰しとして「とんぼがえり」ならば候補に挙がる程度。
OARSで教え技として復活した「ばかぢから」はハピナスやレジアイスへの奇襲やバンギラスへの安定技として使うことが出来る。
他の物理型ではタイプ一致の「かみくだく」、最終進化形の定番「じしん」等がある。
物理ドラゴン技も「げきりん」などを覚えるが、基本特殊技を使った方が扱いやすいので採用はまず無いレベル。
一方で補助技は乏しく、有用なのは「みがわり」「でんじは」「ちょうはつ」「リフレクター」「はねやすめ」位しかない。
このため採用しても1つくらいで、(セミ)フルアタ構成になりやすい。
高火力技が多く揃っており、読みに頼り切った戦術をしなくてもよく、高種族値であることからあくタイプとしてはバンギラスと並んで最高水準の能力である。
一方で、先述した微妙な素早さの関係で他のメジャーなドラゴンタイプに先制を取られてやられてしまうことが多く、ドラゴンタイプとしての評価は微妙。
多くの「メジャーなポケモンの対策」がサザンドラに対してはあまり有効でないことが強み(ふいうちが半減、汎用ドラゴン対策のめざ氷や冷凍ビームで即死しない等)であり、弱い者いじめに特化した性能といった評価が長く続いている。
初登場したBW時代の当初、中途半端な素早さのため微妙な評価を受けていたが、BW2の終盤になると強豪として君臨していた。当時はドラゴン対策はめざ氷や不一致れいとうビームで済ませることが多く、4倍弱点であるガブリアスやボーマンダは倒せてもサザンドラには通用しなかった。ラティオスはふいうちに弱かったがサザンドラはふいうちに強く、鋼タイプ相手でもだいもんじで焼き払える点で差別化が出来ていた。
ダブルバトルでは半端な素早さを補いやすく、加えて、主力の特殊ドラゴン技の使い勝手が物理のそれを上回る(ダブルだと「げきりん」でどちらを攻撃するかはランダム)ため、シングル以上の活躍ができていた。
第6世代では前述したフェアリータイプの登場でさらに評価が下がると思われた。
しかし環境的にはむしろ動きやすくなったと言う評価が非常に多い。
まず、あく技がはがねタイプに半減されないという仕様変更のおかげで、一致「あくのはどう」だけで圧力をかけられる相手が増え、さらに自身もあくタイプであるため、はがねタイプでは止められなくなったゴースト及びあくタイプの技を半減できる。攻撃技で固めやすいサザンドラにとって「ふいうち」半減は大きい。
天敵と言われたフェアリーも、むしろ自身の弱点であるかくとうタイプやドラゴンタイプの牽制として相性が良い。
また、サザンドラと共通した弱点を持たないギルガルドと言う最高の相方を得た。サザンドラとギルガルドの組み合わせは俗にサザンガルドと呼ばれている。
無論、全ての相手の攻撃をいなしきれるかと言うとそうでもなく、複合タイプには注意を払わなければいけない(ウルガモス、バシャーモ、ガブリアスなど)。
また、きもったま持ちのゴロンダやメガミミロップには格闘技1本でまとめて面倒を見られてしまううえに、かたやぶり持ちの地面技もサザンドラに等倍かつギルガルドに抜群で刺さってしまう。
これらを対策するべく、マリルリ、ニンフィア、ファイアローなどでさらに補完を取る形が多い。
最高の戦友を得たお陰で、第6世代で着実に数を増やした。
とは言え、やはり仲間ありきのポケモンと言えるのも事実だったりする。
サザンドラ自体のスペックは600族とは言え尖ったスペックと言うわけでもなく、ましてや第6世代では高威力特殊技が軒並み弱体化しており、天敵も多いため、止まる時は結構呆気なく止まってしまう。特にサザンドラ1匹が残ってしまうと悲しみを背負う羽目になりがち。
やっぱり600族とは言え、サザンドラもあくタイプと言う事なのだろう。
第7世代ではアローラ図鑑からハブられてしまったが、「しまスキャン」でモノズを入手できる為図鑑に載らないながらも使用自体は可能。
しかし環境的にはフェアリー全盛期と言う物凄い環境的逆風が待ち受けていた。
このせいであくタイプは大半が環境から駆逐される異常事態となっており、ほぼラスターカノン一本しか有効打を持たないサザンドラも例外なく数を減らしてしまっている。
(ダブルでは味方でフォローできる為生き残っているものの、シングルでは殆ど顔すら見なくなった)
USUMで新たな遺伝技としてフェアリー対策の「ゲップ」を習得。
ただでさえ特攻の高いサザンドラにこれをZ技化する事できのみの条件を無視しつつ耐久特化のカプ・レヒレですら確1で沈むと言う破壊力を持つ。
問題はZワザとして打つ機会がない限り完全に腐るゲップの為に技一枠切れる余裕があるかだが……。
ギルガルドやメタグロスとは好相性のままだが、現状の環境においてトップメタに居座るのが相方毎見れるミミッキュなのが何よりも痛い。
ああ見えてミミッキュは一番高い能力は特防である為、特化してやっと6割しか削れない。
環境と言う意味で火力も耐久も厳しくなってしまった為か、相方の方から見捨てられる事態に陥ってしまっている。いるだけでフェアリーを呼ぶのはやはり問題なのだろう……。
そのため、フェアリー対策としてはメタグロスやギルガルドとは別にフシギバナやドヒドイデといったどくタイプの存在が重要となる。
一方であくタイプを持つ故「いたずらごころ」の影響を受けない強化点もある。当のいたずらごころの第一人者はいたずらごころを捨てたものの、いたずらごころ自体はそれでも強いことに変わりはないため一概に役に立たないとは言い切れない。
第8世代ではサザンドラ自体に目立った変化はなかったが、カプ系やガブリアス・ボーマンダの不在などから非常に動きやすい環境となった。
相方であるギルガルドの続投や、ゴーストタイプの流行でかくとうタイプが少なく、逆にゴーストタイプに対抗可能なあくタイプがメジャーなタイプとなり、その中で種族値が高い故に猛威を振るった。
ただし最も主流となるゴーストタイプが続投したミミッキュと圧倒的な速さを誇るドラパルトと逆に不利な相手で、一致技を1/4以下に抑えるオーロンゲなどの天敵が登場し、「鎧の孤島」でウーラオスが登場、「冠の雪原」では上記のポケモンが復帰し、それに加えてゴーストタイプメインの環境が終了した為にポケモンの最盛期も終わりを告げた。
その後、禁止級が1匹だけ使えるようになりザシアンが環境の中心に立つとフェアリータイプがザシアン1強となり、黒バドレックスに有利を取れる点を買われて採用率が再び増加した。
とは言っても、元々苦手な相手と強引に張り合うようなポケモンではないので致命的ではなく、少なくとも当初ではメジャーなポケモンの一体であったのは事実で各世代の中では恵まれた世代と言えよう。
持ち物は火力を追及する「いのちのたま」「こだわりメガネ」、微妙な素早さを補う「こだわりスカーフ」が基本。
BW時代では小回りを利かせたまま一撃の威力を上げる「ドラゴンジュエル」もよく使われた。
素早さで勝てないボーマンダやゴウカザル、テラキオンへの攻撃を耐えるために「きあいのタスキ」で無理矢理迎え撃つという方法もあるが、あまり見かけない。
遺伝技に設定されている「あくのはどう」と「だいちのちから」は、BW1の頃ではそれぞれ同時遺伝が出来ず、第4世代のわざマシンと教え技を利用しなければ遺伝が不可能であったため、HGSSやプラチナ版を持っていない人はGTSでLv1モノズを探す作業から入らざるを得なかった人も多い。
BW2では教え技で両方とも追加される事となり、遺伝の心配がないどころか同時に持つ事も出来るようになった。
XYでは再び「あくのはどう」のわざマシンが登場しているので、「だいちのちから」の遺伝だけ考えれば良い。ただし1から作る場合はBW2で教えた個体を親にしなければならない点は注意。
ちなみに同時遺伝する場合は、BW世代では♂が両方覚えていることが条件だったが、XYでは♂♀が片方ずつでも問題ない。
なお、2021年10月現在、せっかくの三つ首を活かす三刀流的な特性は持ち合わせていない。
尚、だいちのちからはUSUMで教え技。8世代ではわざレコードに入っているので覚えさせる事が容易になっている。
又、第8世代では『わるだくみ』をレベルアップや技レコード等で覚えるようになったので特殊技の能力強化にも貢献している。
ちなみにドラパルトですら覚えられる「ふいうち」を習得できない。あれば高めの攻撃を活かしつつ微妙な素早さを補える面で優秀だっただけに残念ではあるが、あくタイプのポケモンでありながら正々堂々と真正面から戦いを挑むのが好きなのかもしれない。
各作品におけるサザンドラ
BW1
シナリオ終盤で本性を表したゲーチスが、実際ではありえないLv.54の個体を使用してくる。
ボス系NPCトレーナー共通である全ての個体値が30(いわゆる6U)に加え、
覚えている技もりゅうのはどう/きあいだま/なみのり/だいもんじと実戦仕様な構成。
「こいつ一体だけでパーティーが壊滅した」という報告もされているように、そのあまりの強さに発売数カ月ほどは「CS252H4の努力値が振られている」というデマが信じられていたほどであった。
また、サザンドラの弱点である氷・虫・格闘・ドラゴンタイプ(当時4倍弱点のフェアリータイプはまだ無い)を持つポケモンが仲間にいたとしても、格闘タイプ以外はサザンドラのいずれかの技で弱点を突かれて返り討ちにあってしまうので、苦しめられたプレイヤーも多いのではないだろうか。
直前に捕獲することになる、泣く子も黙る禁止伝説レシラム・ゼクロムを出したとしても、微妙にLv差がある上に素早さ種族値で完全に負けているため、ほぼ確実に返り討ちに遭うと思っていい。
以上述べたように力押しでの突破は難しいが、特定のポケモンを利用することで、標準的なレベルでも倒すことは可能である。
まずは弱点を突くことができ、かつ返り討ちに遭うことのないポケモンを使う方法で
- ズルズキンのとびひざげり。高耐久なのできあいだまで弱点を突かれても耐えられる。
- ダゲキのインファイト。急所に食らっても「がんじょう」で耐えることができる。
- ダイケンキなど、弱点を突かれない不一致でふぶきやメガホーンを使う。
もう一つはサザンドラを抜ける素早さを持つポケモンで弱点を突く方法で
また、パーティに対抗できるポケモンが全くいない場合でも
- 最初に繰り出すデスカーンが耐久型のため、先に積み技や薬を積みきっておき、そこから最後まで無双する。
- 特性が「がんじょう」かつ低レベル(Lv10程度)のダンゴロにおいしい水を延々と飲ませ続ける。
などなど、凄まじい強さながら一応何とかする方法は用意されている。
BW2(ゲーチス)
BW2でも引き続きゲーチスの手持ちとして登場。ブラックキュレム(ブラック2)・ホワイトキュレム(ホワイト2)を倒すと戦闘に入る。
レベルが2つ下がってLv52となっているが、クリアしたブラック2からチャレンジモードキーを貰えば前作よりもレベルが上がった状態を見る事が出来る。
今回はなんといのちのたまを持っており、凶悪さに拍車がかかる…かとおもいきや、
技構成がかみくだく/ドラゴンダイブ/いわなだれ/やつあたりとまさかの物理特化なため、前作に比べると苦労はしない様子。
上記の通り攻撃の種族値もそれなりに高く、「いのちのたま」効果込みのドラゴンダイブの威力は馬鹿にならないが、はがねタイプに半減されてしまう。
BW2(アイリス)
BW2ではゲーチスだけでなく、アイリスも先鋒として使用してくる。
最初の挑戦ではりゅうのはどう/チャージビーム/なみのり/かえんほうしゃを覚えている。
チャレンジモードや強化後は、前作のゲーチスと同じ技構成(りゅうのはどう/きあいだま/なみのり/だいもんじ)になり、なおかつレベルも76(81)と非常に高くなる。
XY
トレーナーの手持ちとしての登場はしないものの、チャンピオンロードにおいてジヘッドと共に野生として登場するようになる。
しかも進化必要レベルが64に対し、野生のサザンドラは59である。
ちなみに姿を現すのは洞窟外のみで、エアームドと同じぐらい低確率である。
外伝作品
ポケナガ
ノブナガのベストリンク。「ランセの伝説」編ではイクサに出してはもらえないようだが…
ポケモン不思議のダンジョン マグナゲートと∞迷宮
※警告! ネタバレ注意!
ホワイトの図鑑説明にあった「3つの頭で食べつくしてしまう」が出てくる。
見た目も性質もゾロアスター教に登場するアジ・ダハーカのような存在であるとされていた。
事実、物語の途中で登場するムンナも、何度も食べられそうになるところで命懸けの逃亡を繰り返してきたのである。
ゲームのパッケージでも、主人公に襲い掛かるような構図で描かれている通り、まさしくBWでの設定通り。
…と思われたが、
それらの背景・構図は夢を思い通りに操り、ムンナが主人公を洗脳するために都合よく作り変えた偽情報であった。
その正体は主人公を含めた人間達をポケモンの世界に呼んだ命の声と呼ばれる化身。
例えて言うなら、前作の時・闇の探検隊で登場したクレセリアと同じ立場である。
いうなればジュプトルとヨノワールと同じ、敵と味方が実は逆だったというパターンだが、前作をプレイ済みでも見た目の関係で惑わされたプレイヤーもいるのではないだろうか。
BWでの恐ろしく凶暴なイメージとは裏腹に、心優しく茶目っ気もある。口調もおどけたようなかなり親しみを感じるられるもの。リアルきれいなサザンドラ。しかし決しておバカちゃんではなく、主人公に経緯を説明する際はおどけた雰囲気はナリを潜め、シリアスとは言えないがかなり真面目に話す。
道中、一緒に行動する事になるのだがレベルは64と大分上であり、頼りになるポケモン。代償としてわざの成長はすれど、経験値は上がらず、レベルアップもしない。
また作戦も一度ダンジョンを出るとリセットされる。
後はパートナーがいない事くらいだが、これは同行する最後のダンジョンでは除外される。
「命の声」と言う設定上、心の波動を合わせることが可能なので「みんなでアタック」を発動することも「チームスキル」をシンクロさせることもできる。
精霊のような立場なのにどう考えても選ぶポケモンをミスっているとしか思えないくらい外見とのギャップが大きい「命の声」であるが、主人公らに手助けすべく自ら戦う意思も持っているので、強めのポケモンを選んだという意味では間違っていないかもしれない。
実際ダンジョン攻略時においてもイベントシーンにおいても、サザンドラとしての力を十二分に発揮しているので、かなり頼りになる存在である。
パラダイス目前になってキュレムが急襲。一度は消滅するものの、あくまで実体ではないので、エンディングで再び姿を見せている。
役目を終えた主人公が元の世界に帰るところを見届け、世界を救ってくれたことに感謝の言葉をかけてくれる。正しい意味での使用なのでご安心を。
ちなみにムンナの言う事にも一つ、正しい事がありそれは食欲。
食費はかなりのものになっているらしく、スワンナママのお店では一度所持金が足りずにツケて貰った事がある(ヌオーもやらかしてるのだが)。
ちなみに主人公がいない間にちゃっかり仲間入りする。「命の声」ェ……。
主人公が元の世界に戻った後もポケモンの世界にわずかながら介入していることを察知しており、パートナーと共に再びポケモンの世界へ出迎えてくれる。
マグナゲートでは性別システムが廃止されたため、中性的なイメージも相まって性別は不明。特定の層には残念な仕様の性別廃止であったが、性格の可愛さゆえか、どちらで妄想しても都合が悪くならないようになっているとプラスに考えるべきだろう。
サザンドラは性別が『サザンドラ』で良いと思う。♂とか♀とかじゃないさ
続編にあたる超ポケダンにもゲスト出演している、ちょっとメタ発言があるが、強さは本物なので苦労してる調査団は命の声ことサザちゃんの力を借りてみるのもいい。
ポケモンGO
第5世代の600族として実装。
ただ、(最近ではいくらかテコ入れされてきているとはいえ)種ポケモンであるモノズの入手難易度がべらぼうに高いことから、必然的にこのサザンドラの入手難易度も作品中トップクラスに高くなっている。
肝心の性能はと言うと、原作同様、非常に攻撃力が高く、アタッカーとしては申し分のないステータスである。
通常技は「かみつく」「りゅうのいぶき」、ゲージ技は「あくのはどう」「りゅうのはどう」「ラスターカノン」「ぶんまわす」(限定技)といったラインナップ。ドラゴン・あくのどちらにも特化させることのできるものとなっている。
ただ、ドラゴンポケモンとして見た場合、「げきりん」or「りゅうせいぐん」を覚えられないためジム・レイドで使用する際には他のドラゴンタイプの強豪と比較して聊か火力に後れを取りがちなのが難点。何よりも、ドラゴンタイプにはレックウザやカイリューといった強力なライバルが既にゴロゴロいるため、サザンドラにはあまり出番が回ってこないのが現状である。
一方、あくタイプのポケモンとして見た場合も、攻撃種族値では下回るもののDPSでこちらの上を行くバンギラス、攻撃種族値であくタイプ最強を誇るダークライの存在が大きく、こちらでも長い間実戦に投入される機会がほぼないという状況が続いていた。
しかし、2022年6月25日のコミュニティ・デイで、限定技の「ぶんまわす」を習得したことで遂にサザンドラが覚醒する。
この技はジム・レイドでは3分割ゲージ技で威力65と極めて優秀な性能を誇り、短いスパンで高威力の技を連発することが可能。威力こそ同じような性能である「かみくだく」に僅かに及ばないものの、サザンドラの攻撃種族値がそれをリカバリーするため、結果として同技を覚えたバンギラス…はもとより、「バークアウト」+「あくのはどう」のコンボを覚えたダークライよりもさらに上のDPSを叩き出せるようになったのである。
これにより、あくタイプの優秀なジム・レイドアタッカーという確固たる地位をようやく確立することができ、長い不遇時代をようやく脱却することができたと言える。コミュニティ・デイの開催により育成難易度が大幅に易化したのも追い風と言えるだろう。
ちなみに、モノズ系統のコミュニティ・デイが開催された時は、ちょうど限定技を覚えたミュウツーの復刻が行われていたタイミングとも重なっており、コミュデイ後のミュウツーのレイドでは多数のサザンドラが降臨する様子を拝むことができた(ただし、相手が「れいとうビーム」or「きあいだま」持ちだった場合はこちらも弱点を突かれて返り討ちにされるので、絶対的に有利というわけでもない点には注意)。
なお、PvPにおいては、弱点の数が多すぎる(特に対戦環境下でよく使われるフェアリー・かくとう技に滅法弱いのが痛い)ため、相手の手の内が読めるGOロケット団戦を除けば使用されることはほぼない。素直にジム・レイド向けのアタッカーに専念させてやるのが良いだろう(ちなみに、このあたりもライバルであるバンギラスと共通する部分だったりする)。
余談だが、「かみつく」と「あくのはどう」を両立することのできる地味に珍しい存在だったりする(大抵は「バークアウト」+「あくのはどう」若しくは「かみつく」+「かみくだく」の組み合わせになることが多いため)。
アニメ
そんな凶暴な設定を持つサザンドラではあるのだが、アニメではどういう訳か悪役という印象がかなり薄い。作中ではこのポケモンを使用してきたキャラは味方、もしくはライバルポジションの人物ばかりで、悪人キャラが使ってきた例は何と1度も無い。ゲーチスも結局使って来なかった(一応、野生の個体がマメパト達やカイリューを襲うという展開はあった。また、進化前のジヘッドなら悪人が使ってきた例がある)。
また、XY編の77話「挑戦ポケモンスカイリレー! 飛べ、オンバット!!」では何故かただのモブ選手扱いで登場。しかも同話では最終的に岩にぶつかってリタイアするという凶暴な設定はどこへやらと言わんばかりの情けない一面も見せていた。
新無印編の47話「ポケモンチャンピオン! 大食い王決定戦!!」でも登場したが、やはりただのモブ扱い。頭が3つあることを利用して3倍の速さで食べることができたが、胃袋は1つしかないため早々に満腹になってしまい、初戦敗退してしまった。
主な使用ポケモントレーナー
ゲーム
アニメ
- コテツ / ベストウィッシュシーズン2に登場。イッシュリーグ4回戦の先鋒として繰り出される。本人曰く「秘密兵器」と語るポケモン。その実力は高く、ライバルのバージルすら警戒するほど。事実、対戦相手だったサトシは序盤から手持ちポケモンを2体倒されてしまった。
- カリータ / 劇場版ポケットモンスター『ビクティニと黒き英雄 ゼクロム(白き英雄 レシラム)』に登場するキャラクター。「黒き英雄」では色違いの個体となっている。
関連イラスト
関連タグ
ポケモン一覧 あくタイプ ドラゴンタイプ 600族
キングギドラ ケルベロス ヤマタノオロチ 九頭龍
ドードリオ ダグトリオ レアコイル:サザンドラと同じく、3つの頭を持つポケモン。
サメハダー:分類が同じ「きょうぼうポケモン」。
アクジキング:同じあく・ドラゴンタイプのポケモン。
ヒードラン:同じヒュドラがモチーフポケモンだが見た目でなく、名前の由来である。
きれいなサザンドラ:その見た目と性格から物騒なイラスト、凶暴・凶悪な感じのイラストが多い中、かわいく描かれたサザンドラには、こちらのタグが付けられることがある。
ジェノハイドラ:2つの頭が腕に近い様相を持つ三つ首の多頭竜繋がり。
世代 | 600族 |
---|---|
1 | カイリュー |
2 | バンギラス |
3 | ボーマンダ・メタグロス |
4 | ガブリアス |
5 | サザンドラ |
6 | ヌメルゴン(ヒスイヌメルゴン) |
7 | ジャラランガ |
8 | ドラパルト |