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概要編集

シンオウ地方で語り継がれている神話の総称。

ポケモンが関係する逸話についてはそれ以前の世代でも確認されていたが、シンオウ神話ではそれを凌駕するレベルのスケールの大きさ・深さで神話が展開された。

ポケモンDPtの3作品で展開され、その後2022年にLEGENDSアルセウス(とBDSP)で設定が追加された。


この記事ではDPtをベースにシンオウ神話を語る。また神話以外に伝説、伝承、昔話も記述する。


シンオウ神話における万物創造編集

始まりの話編集

はじまりのはなし

初めにあったのは

混沌のうねりだけだった

全てが混ざり合い

中心に卵が現れた

零れ落ちた卵より

最初のものが生まれ出た

最初のものは

二つの分身を造った

時間が回り始めた

空間が広がり始めた

さらに自分の体から

三つの命を生み出した

二つの分身が祈ると

「物」というものが生まれ

三つの命が祈ると

「心」というものが生まれた

世界が造り出されたので

最初のものは眠りについた


プレートから読み解くシンオウの始まり編集

『開闢の時』

宇宙生まれる前

そのものひとり呼吸する

宇宙生まれしとき

そのかけらプレートとする

プレートに与えた力

倒した巨人達の力

そのもの時間 空間の2匹

分身として世に放つ

そのもの時間空間をつなぐ

3匹のポケモンをも生み出す

2匹に物 3匹に心

祈り生ませ 世界形造る

生まれてくるポケモン

プレートの力分け与えられる

プレート握りしもの

様々に変化し力振るう


簡易文編集

最初にアルセウスが生まれた。

アルセウスは2匹の分身、時間の神ディアルガと空間の神パルキアを造り出した。ディアルガにより時間が流れ始め、パルキアにより空間が広がり始めた。

次に3匹の命、感情の神エムリット、意思の神アグノム、知識の神ユクシーを生み出した。

2匹の分身が祈ると「物」が、3匹の命が祈ると「心」が生まれ、世界が形作られた。

そしてアルセウスは眠りについた。


ハクタイのポケモン像編集

ハクタイシティに立てられているディアルガにも、パルキアにも見える像。そのプレートに刻まれている説明文。ギンガトバリビル内にある解読レポートを記述。


ディアルガ編集

刹那の止り場

生み出されしディアルガ

わたしたちに時間を与える

笑っていても

涙を流していても

同じ時間が流れていく

それはディアルガのおかげだ


パルキア編集

『  あ く う せ つ だ ん ! ! ! 』

生み出されしパルキア

いくつかの空間を作り出す

生きていても

そうでなくても

同じ空間に辿り着く

それはパルキアのおかげだ


ギラティナ編集

或る神話の消えた日

…不明。

昔もう一つ解説があったらしい。

忘れさられた幻の3つめの解説文

これは「歴史から削除されたギラティナ」を象徴しているのだろう。


カンナギタウンに伝わる昔話編集

シンオウ神話

壁画 その1編集

時間とは止まらないもの

過去と未来そして今……


壁画 その2編集

空間とは全ての広がり

そして心も空間……


壁画 その3編集

……そこには神がいた

それらは強大な

力を持っていた

その力と対になるように

3匹のポケモンがいた

そうすることで鼎のごとく

均衡を保っていた……


古い書物 その1編集

そのポケモンが生まれて

知識が広がり

わたしたちは豊かになった

そのポケモンが生まれて

感情が芽生え

わたしたちは喜び悲しんだ

そのポケモンが生まれて

わたしたちは何かを決意し

行動するようになった……


古い書物 その2編集

槍の柱に輝く

金剛珠を持ってくる者は

時を司るポケモン

ディアルガを招く者

槍の柱に輝く

白珠を掲げる者は

空間を繋げるポケモン

パルキアを呼び寄せる者……


シンオウ神話編集

シンオウ神話編集

怒るな??が来るぞ

悲しむな??が近づいて来るぞ

喜ぶ事 楽しむ事

当たり前の生活

それが幸せ

そうすれば???サマの

祝福がある

と言うのが口癖だ


シンオウの神話編集

(외전)PBS_코벳노트_7-2화

3匹のポケモンがいた

息を止めたまま

湖を深く深く潜り

苦しいのに深く深く潜り

湖の底から

大事なものを取ってくる

それが大地を造るための

力となっているという


恐ろしい神話編集

三湖

そのポケモンの目を見た者

一瞬にして記憶がなくなり

帰ることができなくなる

そのポケモンに触れた者

三日にして感情がなくなる

そのポケモンに傷を付けた者

七日にして動けなくなり

何もできなくなる


シンオウ地方の神話編集

昔 シンオウができた時

ポケモンと人は

お互いに物を送り

物を送られ支えあっていた

そこで あるポケモンは

いつも人を助けてやるため

人の前に現れるよう

ほかのポケモンに話した

それからだ

人が草むらに入ると

ポケモンが飛び出すようになったのは


シンオウ昔話編集

その1編集

海や川で捕まえた

ポケモンを食べた後の

ホネを綺麗に綺麗にして

丁寧に水の中に送る

そうするとポケモンは

再び肉体を付けて

この世界に戻ってくるのだ

その2編集

森の中で暮らす

ポケモンがいた

森の中でポケモンは皮を脱ぎ

人に戻っては眠り

またポケモンの皮をまとい

村にやって来るのだった

その3編集

人と結婚したポケモンがいた

ポケモンと結婚した人がいた

昔は人もポケモンも

おなじだったから普通の事だった


トバリの神話編集

剣を手に入れた若者がいた

それで食べ物となるポケモンを

むやみやたらと捕らえまくった

余ったので捨ててしまった

次の年何も捕れなかった

ポケモンは姿を見せなくなった

若者は長い旅の後

ポケモンを見つけ出し尋ねた

どうして姿を隠すのか?

ポケモンは静かに答えた

お前が剣を振るい

仲間を傷つけるなら

わたし達は爪と牙で

お前の仲間を傷つけよう

許せよわたしの仲間達を

護るために大事なことだ

若者は叫んだ

お前達ポケモンが生きていること

剣を持ってから忘れていた

もうこんな野蛮なことはしない

剣もいらない

だから許してほしい

若者は剣を地面に

叩きつけて折って見せた

ポケモンはそれを見ると

どこかに消えていった


海の伝説(BDSPより)編集

※これだけ追加設定だが、記事の構成上ここに記載する。


その昔 東の海に王子と呼ばれるポケモンがいた

人の勇者は海に住むポケモンたちに王子に会わせてほしいと頼んだ

タマンタ ブイゼル そして大きなトゲのハリーセンの3匹は

人の勇者を認め共に歩む

勇者たちは夕暮れの海へ船を出し

水面に聳える海の門をくぐる

その知らせは王子の耳に届き

王子は海の小穴で出迎えた


補足編集

  • アルセウスの映画ではこれに加えて、ポケモンたちが「ポケットモンスター」と呼称される以前「魔獣」と呼ばれていた。これはモンスターボールが開発され魔獣を携帯できるようになった事で呼称が変化したと思われる。
    • なお、LEGENDSアルセウスではモンスターボールが普及し始めた頃の時代を描いているにもかかわらず魔獣という呼称は全く出てこなかったので、少なくとも現在はゲームにおける公式設定ではない(アニメ限定での設定として生きている可能性はある)。

  • この神話はポケモン世界の核心に迫ると思われる内容が随所で見受けられる(人とポケモンとの結婚や万物創造など)。これは開発陣が「シリーズ集大成」をテーマに『ダイヤモンド・パール』を制作したためだと思われる。

  • 「シンオウ神話」の伏字部分が何を表すかは不明であり、文章に感情を指す言葉が見られることからエムリット関連ではないかと言われているが、それでは伏字の文字数と合わない為、実際の文字数とは合わない。
    • 一説には「??」が「悪夢」、「???」が「三日月」でダークライクレセリアを指しているという考察もあったが、『LEGENDSアルセウス』にてセキの語るシンオウ様の教えがシンオウ神話の文体とよく似通っており、伏せ字部分が指すのはシンオウさまではないかと思われる。
    • LEGENDSはDPtから16年も経ってから登場した作品なので上記の話は後付けの可能性もあるが、田尻智増田順一をはじめ当時関係していたスタッフが会社に在籍している状態で制作されたスピンオフであるため「原作を知らないスタッフが適当に足した」とも言い切れない。

  • 上述のものと違ってテキスト化されていないが、あかいくさりに関する伝承も存在する。DPtではアカギがこの伝承を悪用してディアルガ/パルキアをコントロールするのに用いた。LEGENDSアルセウスではコギトが本来の用途で用いるため、主人公にその存在を伝えて製作を手伝った。

LEGENDSアルセウスにて編集

まずアルセウスというポケモンの設定に関して大幅に補足説明が追加された。

アルセウスは決して象徴的な存在などではなく、時間も空間も超越した空間に座し、そこから世界の全てを見通すことができ、時には世界に干渉しその流れを変えることも可能。

今作のアルセウスは異なる時空から主人公を召喚して過去のシンオウ地方に送りこんだり、主人公の夢に干渉したりとある程度積極的に世界への干渉を行っているのだが、その余りのフリーダムっぷりが上記の設定の裏付けになってもいる。

(詳しくはアルセウスアルセウス(LEGENDS)の記事も参照)


またアルセウスに関係していると思われる「古代シンオウ人」という一族がいることが明かされた。

LEGENDSアルセウスの時代ですら既に姿を消している古代人だが、末裔も残ってはいる(リンク先ネタバレ注意)。


プレートも3つ追加された。当然裏には文章があり、

「3びきの ポケモンの ちから じかん くうかんを しばし とめる」(まっさらプレート)

「そのもの あらゆる ところにいる そのもの あらゆるところに いない」(せいれいプレート)

「そのもの あらゆる うちゅうで ポケモンと ひとを みる」(レジェンドプレート)

と書かれている。


この辺りまでは既存の解釈に無理なくはめ込めそうだが、僅かながら既存の解釈とぶつかる新設定もなくはない。

  • 主人公に対し敵意剥き出しで襲いかかるポケモンたち(所謂ポケモンは怖い生き物です!)。被害者は主に主人公とギンガ団の調査隊員であり、元々シンオウの地に居なかった余所者としてそういう態度をとっていると言えなくもないが、同じ時代に生まれ育ったジョウト地方でポケモンに襲撃され故郷を捨てることを余儀なくされた者たちの話も聞くことができる。
  • このため「シンオウ地方の神話」にある「昔 シンオウができた時 ポケモンと人は お互いに物を送り 物を送られ支えあっていた」という逸話や、「トバリの神話」における人間から自分の身を守るために姿を隠したポケモンという設定とやや矛盾が生じている。仮想敵が他にいて、ポケモンに対して融和的な姿勢をとっていたコンゴウ団シンジュ団に伝わっていた物語だと考えればまだ辻褄は合うかもしれないが。
  • シンオウにはかつて英雄がおり、アルセウスに力を授かり10匹のポケモンを率いて戦っていたことが語り継がれている様子。
    • これ自体に物議をかもす要素はないが、その10匹のポケモンは全て後の世代で追加された新ポケモン・第4世代までのポケモンの追加進化形リージョンフォームであって、ここに関しては当時は存在しなかった後付け設定の可能性が極めて高いため、この英雄伝説をポケモンDPtの解釈の方に持ち込むのは控えた方がよいだろう。

その他の伝説・伝承、関連ポケモン編集

アルセウス

創造神。LEGENDSアルセウスで設定が大量追加されたのもあり、媒体によって見え方がかなり違うポケモンのため、詳しいことはアルセウスの記事を参照のこと。


ディアルガ

アルセウスの分身として生み出された「時間を司る神」と呼ばれるポケモン。

ディアルガが生まれたことで時間が動きだし心臓が動くと時間も流れていくとされる。

時間を自在に操る力を持っており、過去や未来を自由に行き来したり、他者を飛ばしたり、時間をループさせたりする事ができる。


パルキア

アルセウスの分身として生み出された「空間を司る神」と呼ばれるポケモン。

パルキアが呼吸することで空間が安定するとされる。空間を自在に操る力を持っており、空間を歪めたり、切断したり、遠くの場所や異空間に移動したりする事ができる。


ギラティナ

アルセウスの分身として生み出された「反物質の世界を司る神」と呼ばれるポケモン。

暴れ者ゆえに現実世界の裏側(破れた世界)に追放された。そのためか他二匹と比べてその存在に関する記述は異常に少ない。追放後は破れた世界から静かに現実世界を見ていたとされる。時折古代の墓場に姿を現すこともある模様。

ギラティナの出現する戻りの洞窟がある送りの泉の名称や風景がシンオウ昔話の描写と繋がる部分が見受けられる事から、冥界の神としての側面を持っている事を窺わせている。


アグノム

アルセウスの手により生み出された「心を司る神」と呼ばれている伝説のポケモンの1匹。伝説のポケモンが暴走した際の保険であるあかいくさりの創造も担当する。

意思を司る神」であり、人々に「何かを成し遂げる意思」や「あらゆる困難に立ち向かう決意」といった「強い意思」を与えた存在とされる。

また、アグノムを傷付けた者は7日後に自分の意思で動く事が出来なくなるとされる。

因みに、分類の「いしポケモン」も「意思ポケモン」という意味。決して「石ポケモン」ではない。

普段はリッシ湖の中で眠っており、そこで世界のバランスを保っているという。


ユクシー

アルセウスの手により生み出された「心を司る神」と呼ばれている伝説のポケモンの1匹。あかいくさりの創造も担当する。

知識を司る神」であり、人々に「様々な問題を解決する知恵」や「生活を豊かにする知恵」といった「知恵」を与えた存在とされる。

また、目を合わせた者の記憶を一瞬で奪う能力を持つとされる。

普段はエイチ湖の中で眠っており、そこで世界のバランスを保っているという。


エムリット

アルセウスの手により生み出された「心を司る神」と呼ばれている伝説のポケモンの1匹。あかいくさりの創造も担当する。

感情を司る神」であり、人々に「生きる喜び」や「死の悲しみ」といった「感情」を与えた存在とされる。

また、エムリットに触れた者は3日にして感情が無くなってしまうという。

普段はシンジ湖の中で眠っており、そこで世界のバランスを保っているという。

「シンオウの神話」や「恐ろしい神話」は内容から察するにUMAトリオの事を表した神話なのであろう。


ヒードラン

シンオウ地方が誕生した際にこぼれだした火の玉からハードマウンテンと共に生まれた存在。またヒードランの影響でハードマウンテンが噴火してしまうので「かざんのおきいし」により封印されていた伝説のポケモン。

いまいち伝説っぽさが薄いところがあったが、LEGENDSアルセウスではアルセウスに謁見するためのキーアイテムであるプレートの1枚を持っている重要な存在として描写された。ただ、登場する場所がハードマウンテンでない可能性があり、謎も少し深まった。


レジギガス

キッサキしんでんに封印されているレジ系ポケモンの生みの親であり王。縄で縛った大陸を引っ張ってうごかしたという伝説が残されている。

アルセウスとの関係については謎が多い。LEGENDSアルセウスでは、アルセウスに謁見するためのキーアイテムであるプレートの1枚を持っていたので、無関係ではないことがわかった。


クレセリア

多数の三日月が組み合わさったような体形をしており、「三日月の化身」と言われる。ダークライと対をなす存在であり、人々に悪夢を見せるダークライに対して、クレセリアはそれを防ぎ吉夢を見せるという伝承がある。


ダークライ

ダークライ自身は至って大人しい性格で無闇に危害を加えようとはしない。しかし、自身の意志に関係なく悪夢を見せてしまう事への弊害として「月が出ていない夜には、ダークライが恐ろしい夢を見せる」という伝承が伝わってしまっている。

クレセリアとは対の存在だが、LEGENDSアルセウスではあちらと違ってプレートを持っておらず、アルセウスに謁見するために会う必要がある「全てのポケモン」にも含まれない。


マナフィ

海の王子と呼ばれるポケモンでポケモンたちと心を通わせる能力を持つ。

それまでシンオウ神話およびシンオウの民間伝承とは関わりが薄かったが、『BDSP』にて追加された伝承にてリンクするようになる。


フィオネ

マナフィの卵から誕生する。

ゲームではこれといった伝説がないが、アニメ版では出会った者は幸せになれる珍しいポケモンとされていた。


シェイミ

シンオウ神話本筋との関連がない民間伝承レベルの存在。

花の楽園に住むとされるポケモンで、224番道路にある石碑に感謝の気持ちを綴る事で花の楽園への道が開けるとされる。その昔、誰かの感謝の気持ちを聞き届け、荒れ果てたソノオタウンに一面の花畑を咲き乱れさせたという。


その他(伝説あり)編集

トルネロス/ボルトロス/ランドロス/ラブトロス

イッシュ地方のポケモンと思われていたがLEGENDSアルセウスで突然登場する(しかも紅一点の新顔を連れて)。ポケモン図鑑にてはっきりと「大気を撹拌し季節を巡らせると伝わる」「ヒスイの地に新しい命芽吹かせるとの伝承」と書かれているので、当時のシンオウ地方ではれっきとした伝説ポケモン扱いだったらしい。

プレートは持っていないが、関係者がせいれいプレートを所持しているので本来はせいれいプレートの担当だった可能性がある。


レジアイス/レジロック/レジスチル

プラチナ版では彼らが出現する遺跡が存在する。

しかしLEGENDSアルセウスでは出会う必要のある「全てのポケモン」から除外された。本当は居たのだが、余りにも出会いにくいがゆえにアルセウスが除外してくれた(要はダークライやマナフィと同じ状態)と解釈することは可能だが。


その他(伝説なし)編集

ファイヤー/サンダー/フリーザー

プラチナ版でシンオウ地方を徘徊するカントーの三鳥。シンオウ地方にどの程度伝承を残しているかは不明。


ボルケニオン

本来はカロス地方西部で国造りのポケモンとして崇められた存在。

シンオウ地方の未開の密林(ゲーム中では確認できない場所)でも存在が確認されているが、テレビ番組の取材でわかった事実であるため、伝説というには不適切かもしれない。



元ネタ解説編集

創世神話編集

プレートに刻まれた神話はギリシャ神話における巨人族と主神側の大戦争を描いたエピソード「ティタノマキア」が由来となっているものと思われる。それだけでなく、巨人を倒して世界を作り上げたという記述から、世界各国の創世神話がベースになっているとも考えられる。以下はその例。



余談ながら、シンオウ創世神話では世界の始まりは混沌であったと語られており、これはギリシャ神話におけるカオスを連想させるが、混ざり合って生み出されたものが世界創世の基点となったという書かれ方はどちらかといえば日本神話における天沼矛に近い。


たった一体の神から宇宙が創造されたとする伝承は一神教から、宇宙卵から生まれたという伝承は中国神話カレワラ、オルフェウス教に見られる要素である。


シンオウの神話編集

三匹のポケモンが水底に潜って大地を形作るという伝承から、創世神話の類型の一つである潜水型神話がモデルになっているものと思われる。


シンオウ昔話編集

シンオウ昔話の元ネタはアイヌ民族に伝わるカムイの伝承、あるいはアイルランド民族に伝わる妖精セルキー、そして各国の神話体系に見られる異類婚姻譚が元ネタになっていると考えられる。

アイヌ民族の伝承において、カムイと呼ばれる神霊は神の世界では人間の姿をしていて、人間界では動物の姿をしていると考えられていた。アイヌ民族はこれを自然からの恵みだと考え、狩った熊などの動物を祭る事が彼らを神の世界に帰す方法だと信じられてきた。同様にアイルランドでもアザラシが皮を脱いで人間に変じるということが信じられていて、彼女らを捕まえた人々の中にはセルキーと結婚したものもいたというのである。


なお、「人とポケモンは同じだった」という一文は人間とポケモンは同じ天然自然の一部と見なしていた宗教的な解釈を指すのか、それとも人間とポケモンは生物学的に近しい存在である事を示すのかは不明である(「もしかしたら にんげんも ポケモンの ひとつ なんじゃないか」というグリーンのセリフから、作中でも生物的に近しいと考える/感じる人々もいるようである)。


トバリの神話編集

「トバリの神話」は上述の神話群との死生観の違いやトバリシティ自体が新しく開拓された街という歴史から、一説には新しい価値観・宗教観によって土着信仰が上書きされて出来上がった物語という説が一定数ある。

こうした事例は現実世界では珍しくなく、有名な例では旧約聖書新約聖書において異教の神々が悪魔として語られるといったケースが挙げられる。

なお、アイヌの伝承に「梟の神が自ら歌った謡 コンクワ」という似たような話がある。


海の伝説編集

恐らくは世界中の神話に見られる異界の伝承やそれらの地を来訪する異郷訪問譚が元ネタだろう。

特にエリシオン蓬莱ニライカナイアヴァロンといった海のどこかにあるとされる異界の話は多く、日本でも火遠理命や浦島太郎が竜宮に向かう話は有名だろう。となるとマナフィは立ち位置的にはオオワタツミという事になる。


シェイミの捕獲イベント自体も海の彼方にある花の楽園に行くというものであり、こうした理想郷伝説に近しいものがある。また、理想郷伝説の中には沖縄県のニライカナイ伝承のように、楽園からの使者が豊穣をもたらすというケースもあり、こちらはソノオタウンの伝承を思わせる。


その他編集

レジギガスに縄で大陸を引いたという伝承の元ネタは出雲に伝わる八束水臣津野命が綱で島根半島を作ったという「国引き神話」が由来だろう。レジギガスは他の伝承を見るに「巨人」を元ネタとしており、巨人が国土を作ったという伝説は日本ではダイダラボッチがそれに該当する(ホラ話を含めればポール・バニヤンのような例もある)。


関連する史跡/地域編集


関連動画編集


関連タグ編集

シンオウ地方 DPt ポケモン

神話 ギリシャ神話/日本神話/アイヌ神話:恐らく元ネタになったと思われる神話。

ヒスイ地方 オブリビア地方:この地方もアルセウスに関する伝承を持つ。

ポケモン LEGENDS アルセウス

シント遺跡シンオウさま

シンジュ団コンゴウ団

ウォロコギト(ポケモン)シロナ

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