「きょううん」
「ちしきを とう こたえを しめせ」
基礎データ
全国図鑑 | No.0480 |
---|---|
シンオウ図鑑 | No.146 |
ヒスイ図鑑 | No.225 |
ローマ字表記 | Yuxie |
ぶんるい | ちしきポケモン |
タイプ | エスパー |
たかさ | 0.3m |
おもさ | 0.3kg |
せいべつ | 不明 |
とくせい | ふゆう |
タマゴグループ | タマゴみはっけん |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | ユクシー | UMA(未確認動物)+Pixie(ピクシー) |
英語・スペイン語・イタリア語 | Uxie | 日本語名に同じ |
ドイツ語 | Selfe | Self(自我)+Elf(エルフ) |
フランス語 | Créhelf | Création(創造)+Elf |
韓国語 | 유크시 | 日本語名の音写 |
中国語 | 由克希 | 日本語名の音写 |
タイ語 | ยุคซี | 日本語名の音写 |
なお、開発途上は「レイ」の名で呼ばれていたことが判明している。
概要
『ポケモンDPt』(第4世代)で登場した、いわゆる「準伝説」ポケモンの一種。
「知識を司る神」と呼ばれる存在であり、遥か太古にユクシーが飛び回って世界に知識という概念をもたらしたことで、生きとし生ける者は様々な物事を解決し、生活を豊かにする知恵を授かったといわれている。
それ故、悪しき者に対してはその力をもって、知識の源たる記憶を消してしまえるらしく、シンオウ神話にはユクシーの開かれた目を見た者は一瞬にして記憶が無くなり、帰る所も判らなくなることが示唆されている。
同じシンオウ地方に伝わる感情の神エムリット、意思の神アグノムとは同じタマゴから生まれた三つ子とされ、現在では揃って湖の地下深くで眠っているが、時折魂が抜け出して水面を飛び回るといわれている。
これら3体の力を合わせると、時間を司る神や空間を司る神と互角の力を発揮するともいわれ、何らかの要因でその均衡が崩れた時には、湖から出て「あかいくさり」なるものを生み出し鎮めるという。
外見は小型の妖精のようで、足が短くイカ腹な体形、先端がカエデの葉のようになった二尾の尻尾、その尾先と額にある赤い宝石といった構造は他2種と共通している。
体部分はやや青みがかった白色で、色違いは白色部分が金色となる。
黄色い頭部は丸みを帯びて膨らみ、三條の筋が入った凹凸のある奇怪なもの。これは知識の象徴として脳をイメージしたデザインであるという。
顔立ちは上記の能力からか、常時目を瞑り開かない表情に乏しいもの。
中性的に描写される傾向にあるが、常時目を閉じている点が扱い難いためか、二次創作の投稿数は他2種に比べるとやや伸びが悪い。
他方で頭の形状をメロンパンやシュークリームに例えたネタ絵もしばしば。
ゲーム上での特徴
「エイチ湖」の中に沈む地下空洞で眠りについていたが、ディアルガ・パルキアを支配下に置くべく「あかいくさり」を狙ったギンガ団に囚われてしまう。
その後、ギンガ団のアジトに乗り込んだ主人公達に解放され、「槍の柱」でのイベント終了後には地表に出た湖の空洞に戻っている。
そのまま話しかけると、対戦・捕獲が可能になる。
『BW2』(第5世代)でイッシュ地方にも進出。殿堂入り後、20ばんどうろにある「心の空洞」に行くと邂逅でき、その後シッポウ博物館前で接触・捕獲が可能になる。
知識の宝庫である博物館は、ユクシーに相応しい舞台設定であると言える。
『ORAS』(第6世代)ではホウエン地方へ進出。手持ちになつき度が最高のポケモンが3匹以上いる状態で、おおぞらをとぶで行けるマボロシのばしょの1つ・「未知の洞窟」内に他2種と時間差で登場する。
ユクシーの割り当ては20~21時の1時間のみと何故か極端に短い。
『USUM』(第7世代)ではウルトラワープライドで行ける青いワープライド先で出現する場合がある。
『剣盾』(第8世代)ではDLC「冠の雪原」で行えるダイマックスアドベンチャーのボスになっている。
『LEGENDSアルセウス』では主人公自身が「あかいくさり」を必要とすることとなり接触する。その際に冒頭に記したような問答を行う。
対戦での扱い
HP | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ユクシー | 75 | 75 | 130 | 75 | 130 | 95 | 580 |
エムリット | 80 | 105 | 105 | 105 | 105 | 80 | 580 |
アグノム | 75 | 125 | 70 | 125 | 70 | 115 | 580 |
クレセリア | 120 | 70 | 120 | 75 | 130 | 85 | 600 |
UMAトリオは他の「準伝説」と異なり全てエスパー単タイプであるが、レベル76と技マシンにて、それぞれ異なる自主退場技と特殊攻撃技を習得するという特徴を有する。
ユクシーは「おきみやげ」と「ギガドレイン」「ソーラービーム」を覚えられる。
この内攻撃技の2つはエスパータイプとしては珍しいものの、汎用くさ技の「エナジーボール」をUMAトリオ全員が習得可能な上、そもそも自身がかなり防御寄りのステータスとなっているため覚える意義は薄い。
一方、その耐久力と技レパートリーからサポート面へ回ると非常に優秀なポケモンであり、「ステルスロック」と「あくび」によるいわゆる「昆布」で場を荒らしつつ、最後に「おきみやげ」で後続の積み型エースに繋ぐといった戦法を得意とする。
また、交代技の「とんぼがえり」も習得可能であるため、出入りを繰り返して攪乱するといったことも可能。第6世代では、これに大幅強化された「はたきおとす」も加わった。
「あくび」「とんぼがえり」「おきみやげ」の並立は、(「スケッチ」やバグの利用を除けば)全ポケモン中ユクシーにしかできない芸当である。「すばやさ」も、この手のポケモンとしては速めと言える。
ただし、高速回復技は持たないため、単純な「受け」としての起用では同期のクレセリアの劣化となってしまう。持久戦に持ち込む事は考えず、あくまで「使い捨ての場作り」と割り切った動きを取る方が良いだろう。「リフレクター」や「ひかりのかべ」も、より足の速いアグノム等に分がある。
なお、妖精との関係性が示唆されているにもかかわらず、フェアリータイプの新設以降もタイプに変化は無い。
サポート特化のエスパー・フェアリー複合ポケモンは長らく登場しなかったため、仮にタイプが変化していればその後の展開に少なからず影響していたものと思われる。
第9世代
『LEGENDSアルセウス』にて「しんぴのちから」と「パワーシフト」という面白い技を手に入れたものの、前者は『SV』で大幅な仕様変更を起こして使いにくくなり、後者はそもそも引き継げなかった。
代わりに「アンコール」を獲得している。
参戦当初はヒードラン、ウーラオス、パオジアンといった、かくとうやエスパーを弱点に持つエースを補完しつつ起点を作る枠として一定数使われた。
だが、パワーインフレの波はサポート型にも及んでおり、数多の競合にシェアを奪回される形でシーズン14にはシングルバトルで使用率圏外となってしまった。
この世代初登場のサケブシッポなどは、まさに「サポート特化のエスパー・フェアリー複合ポケモン」であったが、それですら忘れた頃に出てくる程度の凄まじい層の厚さである。
番外作品
ポケモン不思議のダンジョン
「ときのはぐるま」を守護するポケモンの1匹として登場。礼儀正しく、敬語で喋る。
「ねっすいのどうくつ」でグラードンの幻影を使い、侵入者を追い払っていた。仮に侵入できたとしても「ときのはぐるま」に関する全ての記憶を消されてしまうという。
始めは主人公の記憶喪失に関わっていたのではないかと疑惑を持たれたが、実際は無関係であった。
冒険団ランクを「ヤドキングにんていランク」にした後、「なぞのパーツ」または「ひみつのせきばん」を持っている状態でキララのみずうみに出現する。
ポケモンGO
2019年5月3日に満を持して、アジア太平洋地域に限り実装された(ヨーロッパ・中東・アフリカ・インドではエムリット、南北アメリカ・グリーンランドではアグノムが出現)。しかも準伝説ポケモンとしては他の2種同様、野生でもかなり低確率であるが出現する。だが3種揃って、その評判はかなり残念なものとなってしまっている(詳細は「UMAトリオ」を参照のこと)。
その後、リモートレイド実装に伴い、UMAトリオコンプリートが可能となったため、上記の評判の悪さもある程度払拭された…と思われたが、このユクシーだけはそうとも言い切れない状態になっている。
原作の防御の高さがある程度反映されているため、他の2種と比べると耐久性がべらぼうに高く、最低でも6人程度が集まらないと討伐できない(それ未満ではフレンドボーナスによるダメージ倍増がないと討伐しきれない)。
リモートレイドでは最大で5人のフレンドを招待可能になっているが、招待したフレンド全員が集まってギリギリ討伐できるかどうか…という際どい戦いを強いられることとなる。当然フレンドが揃ってくれないとレイドそのものが成立しないため、時間内に人数が揃わず泣く泣く解散する羽目に…という事態が他の2種と比べて起こりやすい。
かと言って、人数の揃いやすい都市部へ行くと、今度はフレンドを招待する前に募集が一杯になってしまい、そもそも招待することすらできないというジレンマを抱えることとなる(UMAトリオの場合、フレンド間で互いに出現しない種のレイドに招待し合うことが暗黙の了解となっているため、海外のプレイヤーを招待できないのはやはり後ろめたいという人も多い)。
ちなみに、他の2種であれば最低4人揃えば討伐は十分可能。
上記のように原作のステータスをある程度反映した結果なので、仕方がないといえば仕方がないのだが、他と比べてレイドが成立しにくいという不公平感に対する不満の声は多い。
ポケモンマスターズ
レジェンドバトルの相手として実装。
メインストーリー「悪の組織編・最終章」では、ある者とあるポケモンによって呼び出されたポケモンで登場する。
アニメ版
アニポケ・サトシの旅シリーズ
ダイヤモンド&パール編
第36話『シンオウ時空伝説!』ではエムリット・アグノムと共に美術館の石像として、ナオシが語る「はじまりの しんわ」の中のシルエットで初登場。
第133話『ユクシーの影!』では、サトシとシンジのフルバトル後にエイチ湖で半透明な姿で現れたユクシーをタケシが目撃している。
第151話『アグノム・ユクシー・エムリット!』第152話『ディアルガとパルキア! 最後の戦い!!』では、ギンガ団の依頼を受けたポケモンハンターJに捕らわれてしまったアグノムを助ける為にリッシ湖へ現れるも同じくJによって捕らわれ、ギンガ団に引き渡されてしまう。しかし捕らわれる寸前にエムリットと共に「みらいよち」を放ってJの飛行艇の機関部を攻撃しており、湖へと沈めている(描写からして恐らくポケモンハンター達は死亡したのではないかと思われる)。
アカギにより「あかいくさり」で支配されてしまうが、タケシのグレッグルの「かわらわり」によって解放。支配されているディアルガとパルキアを助けるため、サトシ達と協力した。
漫画版
ポケットモンスターSPECIAL
第7章から登場。主人公の一人であるプラチナ・ベルリッツは、幼い頃にエイチ湖に訪れて父とはぐれた際に、ユクシーの魂を見ている。
ギンガ爆弾の爆発に乗じてエイチ湖より出現しギンガ団の幹部・ジュピターに捕獲されるも、ギンガトバリビルにてプラチナが上級SHITAPPAにポケモン図鑑を差し出した事で解放される。
第8章では「やぶれたせかい」でプラチナに上級SHITAPPAから渡された図鑑を返し、ギラティナ・ダークライとの戦闘を経てエイチ湖へ帰っていった。
ポケモンローカルActs
北海道足寄町にエムリット・アグノムと地域応援ポケモンであるアローラロコンを合わせたデザインのポケモンマンホールが設置された。
足寄町に「オンネトー」と呼ばれる湖があるからと思われる。
余談
「とくこう」ステータスを上げるどうぐが「ちりょくのハネ」と呼ばれるように、ポケモンではしばしば「とくこう」の高さと知力が関連付けられる。
しかしながら、これまで述べてきたように「知識を司る神」であるはずのユクシーは、防御面を重視した結果「とくこう」が低く留まっている。
そのため、こうした話題の反例としてユクシーの存在が持ち出されることがある。
関連イラスト
関連項目
ポケットモンスター ポケットモンスター(架空の生物) ポケモン
図鑑番号順
その他
- ホーホー:「知恵の神様」とする国もあるポケモン。
- レイ(ポケモン):没ネーム。
- search/サーチ:2018年公開のアメリカ映画。主要人物の一人が劇中で「一番好きなポケモン」としてユクシーを挙げている。