概要
2006年7月15日に公開された劇場版ポケットモンスターシリーズ第9作。
『アドバンスジェネレーション』では4作目にして最後の劇場版作品に当たる。
お馴染みの前売券配信はマナフィだが、肝心の本編作品が公開当時発売前だったので、外伝作品である『ポケモンレンジャー』を経由するという形式になっている。
本作品の主役はハルカ。
サトシはこの作品でもスーパーマサラ人ぶりが発揮されていると専らの評判である。
なお、AG編第155話を反映して、サトシ一行やロケット団がポケモンレンジャーを認知しているという設定になっており、ジュカインの様子から時系列は第163話以降であると思われる。
本作は人間キャラのアクションシーンが多く、ハルカとマナフィの交流が中心であり、ポケモンバトルの描写が過去作と比べて極端に少ないのも特徴(ピカチュウとスピアーのバトルなど全くないわけではない)。
ストーリー
サトシたち一行は、「水中ポケモンショー」で有名なマリーナ一座のヒロミと出会う。“水の民”の子孫であるヒロミから「海の神殿・アクーシャに海の王冠と呼ばれる秘宝が隠されている」という伝説を聞くサトシたち。そんな中、世界征服を企む、海賊のファントムが「海の王冠」を奪うため、ヒロミたちが保護していた「蒼海の王子」と呼ばれるポケモンのタマゴを狙って襲撃してきた。激しい争いの中、突然強烈な光を放つタマゴの中から、幻のポケモン・マナフィが誕生する。
伝説の秘宝の謎とは何か? そしてマナフィの神秘のパワーとは!?
いま<海の神殿>を目指して、はるかなる冒険の旅が始まる!(公式サイトより引用)
登場人物
ポケモンレンジャー
- ジャック・ウォーカー(CV:山寺宏一)
- ジュディ(CV:ベッキー)
マリーナ一座
水ポケモンの作り出した水球をアサナンやチャーレムの念力で浮かせて行うショーをして回る旅の一座。船をイメージしたトレーラーに乗って移動しているが、宿泊車両はファントムの仕向けたヘリの襲撃で崖下に転落してしまった。水の民の末裔であり、ジャッキーのミッションに協力していた。
該当項目参照。
- カイ(CV:佐々木誠二)
ヒロミの父親。名前は海(かい)から。
手持ちポケモンはジュゴン。
- ミナモ(CV:本田貴子)
ヒロミの母親。手持ちポケモンはニョロゾ。
見た目は非常に若々しく、ヒロミの姉に間違われた程。
名前の由来は水面から。
- シップ(CV:西村知道)
ヒロミの祖父。手持ちポケモンはアズマオウ。
かつては船乗りで、ガブ(CV:大竹宏)、ダブ(CV:上田敏也)、ザブ(CV:宝亀克寿)の3人組と共に旅をしていた(ちなみに、『ポケモンサンデー』の企画で本作の韓国語版吹き替えではロバートがこの3人を演じている)。
彼の所持する潜水艇付きのクルーザー「ブルー・ラグーン号」が物語後半の移動手段となる。
名前の由来はship(船)から。
海賊ファントム
ロケット団通信に乗るほどの有名な海賊団。
ヘリを複数機、水上バイクを搭載した小型潜水艇等を格納した巨大戦艦をアジトにしており、機体前部のドリルとギアを回転させる事でポケモン達を混乱させる超音波砲を発動できるが、マナフィの号令で団結したポケモン達の総攻撃で大破してしまい、全員お縄についてしまうのだった。
- ファントム・トループ(CV:藤岡弘、)
悪名高い海賊で、海の王冠を手にするべく、水の民に纏わる情報を集めて回っていた為、水の民の証を入手している他、古代文字の解読もお手の物。「世の中には二種類の男がいる…」が口癖。
人間離れした怪力を発揮するが、その実態はメカスーツを着込んでいた為でスーツの故障で瓦礫に押し潰され、ジュンサーに逮捕された。
手持ちポケモンはカイロスとパラセクト…海賊の割に水中や海上で活躍できそうなポケモンを出さない。なお、彼の部下もみずタイプポケモンを所持している様子はない。
海賊らしいエゴイストではあるが、情報提供したムコニャに報酬を支払おうとするなど律儀な面もある。
- ギジュ(CV:三宅健太)
ファントムの側近。スピアー(わざ:ヘドロばくだん、ミサイルばり)を所持している。
配下は男女問わず、ゴーグルとバンダナを付けている。
その他
- 男主人公
『ポケットモンスタールビー・サファイア』の主人公でラルースのバトルタワーでヒトミのバンギラスと対決。
手持ちポケモンはラグラージ。
『ライコウ雷の伝説』に登場したゲストキャラクター。
アリゲイツ、ムウマ、プリンを伴い、ルギアの飛ぶ海岸を走っていた。
『ライコウ雷の伝説』に登場したバショウ(アニポケ)、ブソン、シラヌイ博士の三人。レックウザを捕縛し、実験にしていた。
燃え盛る森林でオタチを救助し、ルリリ達の力を借りて消火活動を行っていた。
ポケモン
先行登場枠。
本作の主役ポケモン。ファントムとの卵争奪戦中に孵化し、初めて見たハルカを母親だと思い込み、彼女を口癖の「カモ」と呼ぶ。断片的ながら、ハルカの教えた言葉を話すことができる知能の高さを持つ。
ハートスワップという技を持ち、ロケット団やジャッキーとサトシの中身を入れ替えてしまう。また、美しい歌声や触角を使ってみずタイプのポケモンと心を通わせる能力を持つ他、触角を用いて人の思いを他者に届ける事もできる。
先行登場枠。
ファントムの杖に止まっているポケモン。手持ちのようだが、一切戦わない。実際のオウムよろしくファントムやジャッキーの言葉を真似する癖がある。
成り行きでサトシ達の側についていった。
先行登場枠。マリーナ一座のポケモンで好奇心旺盛な性格。
マリーナ一座のポケモンで、みずでっぽうで水泡を作り出す。
マリーナ一座で水泡の操作を担当。
サイコキネシスの制度は高く、水泡をピカチュウの形に練り上げる事も容易い。
また、アサナンはフラッシュが使える。
マリーナ一座でパフォーマンスを担当。
トサキント(CV:青山桐子)とアズマオウ、サクラビスは海中にも別個体が登場している。
マリーナ一座でピエロを担当。
ジャッキーにキャプチャされ、マナフィの卵を奪ったロケット団の飛行艇を突き落とした。
公開当時のイラストでも何回か描かれているなど、短い出番の割にかなり目立っており、専用BGM「オニドリル〜キャプチャオン〜」があったり、『映画公開記念VSパック 蒼海のマナフィ』にてポケモンカードにもなったりするという優遇っぷりである。タイアップ作品の『ポケモンレンジャー』では主人公の上司であるハヤテのパートナーだったりする。
アニメでは今までは凶暴な悪役扱いだったのが嘘の様な高待遇である。
かつて雪山で遭難したジャッキーの命を救ったポケモンたち。
エンドロールで登場。高山帯でジャッキーによりキャプチャされ、彼を背中に乗せた。
ちなみに、ポケモンレンジャーシリーズに登場するのは『ポケモンレンジャー 光の軌跡』からである。
海に生息するポケモン達
本作時点ではまだヨワシがいなかった為、テッポウオがイワシ役を務めている。
また、AG編は現実世界の動物が登場しなくなっていた時期であるが、刺胞動物であるサンゴは普通に背景に描かれており、サニーゴと共存している。
海を広げたとされる伝説のポケモン。ぶっちゃけ今回はそこまで特別扱いはされない。
偽のバケモノが出てきて、本物の出番は『光輪の超魔神フーパ』まで待つ事になった対となるポケモンよりはマシだが…。
使用技ははかいこうせん。
- タマンタ(CV:阪口大助)
先行登場枠。進化体のマンタインと一緒に遊泳していることが多い。
ジャッキーにキャプチャされた個体は移動手段としてアクーシャ突入に用いられた。
冒頭でジャッキーにキャプチャされ、ファントムのパラセクトとカイロスにあやしいひかりを浴びせて逃走に協力した。
その他の使用技にバブルこうせんがある。
マナフィの指示を受け、動力炉をでんきショックで破壊した。
その他
- ラブカス(CV:吉原ナツキ)
- シェルダー
- パルシェン
- クラブ
- キングラー
- タッツー
- シードラ
- ヒトデマン
- ラプラス
- ランターン
- ハリーセン
- サニーゴ
- テッポウオ
- オクタン(CV:坂口候一)
- キングドラ
- キャモメ
- サメハダー
- ホエルコ
- ホエルオー(CV:西本理一)
- パールル
- ハンテール
- ジーランス
用語
- 水の民
太古の昔、みずタイプのポケモン達と交流していた民族。現在は各地に遺跡を残すのみとなっている。
マリーナ一座やハルカはこの民族の子孫だとされていて、水色の勾玉のような石が付いたペンダントやブレスレットが水の民の末裔である事を示す証となる。また、これらのアクセサリーは水の民の遺跡での認証キーとしても使用される。
- アクーシャ
水の民がマナフィのいた海域に作り上げた巨大な海中神殿。結界が張られているので神殿内部では陸上の生物でも息が出来、植物なども植えられている。
宝物を狙う悪人の侵入を防ぐために外部の人間からは見えず、絶えず漂流するようになったが、マナフィだけは唯一、本能に従ってこの神殿に辿り着く事の出来る存在だとされている。皆既月食の夜には外部の人間たちも視認できるようになる。
この日に水の民はみずポケモンに感謝を捧げる祭りを行ったという。
この神殿には「海の王冠」なる宝物が収められており、大広間に収められていた宝石が「海の王冠」だと看做され、ファントムが強奪した事で神殿が沈みかけるが、サトシが宝石を全て元に戻した際に海や空中を自在に移動できる黄金の光に包まれ、ファントムと激闘を繰り広げる。後にこの黄金の光を身にまとった人々の描いた軌跡が冠の形状になったものこそ「海の王冠」であった。
主題歌
- 守るべきもの
作詞・作曲 | Yoshihiko Nishio | 編曲 | L.O.E | 歌 | Sowelu |
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余談
- 『劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティオスとラティアス』と同様に、ディズニー映画の『アトランティス失われた帝国』に似ている部分がある。
- 本作のロケ地となったのはイタリアのナポリ。奇しくも『ポケモンレンジャー』の舞台であるフィオレ地方もイタリア語由来である(そちらのモデル自体は岡山県)。
- メインビジュアルではサトシが潜水艇の操縦をしているが、劇中で潜水艇を操縦しているのはヒロミである。
- 当時公表されていたみずタイプポケモンの過半数が登場しており、みずタイプポケモンの登場数は歴代ポケモン映画の中でもトップとなっている。
関連タグ
アニポケ 劇場版ポケットモンスター ポケモン映画 みずタイプ