概要
ウォルト・ディズニーが生前にアトランティスについての夢想を好んでいたことから、ディズニーの生誕100周年を迎えた2001年に公開されたディズニー製作のアニメーション映画。
続編として『アトランティス帝国最後の謎』(Atlantis: Milo's Return)が販売用ビデオ作品として2003年に発表されているが、これは未制作に終わったテレビシリーズ(原題:Team Atlantis)の、既に出来上がっていた3話分を再編集したものになっている。
本作と『トレジャー・プラネット』は、これまでのディズニー作品とは異なる製作や宣伝(ミュージカルシーンが無い、SF寄りの内容、インターネットを主軸とした宣伝など)がされており、そのためか旧来のディズニーファンには評価されにくく興行にも影響した。折しも、ドリームワークスアニメーションが初のフルCG作品である『シュレック』を同年に公開し大成功を修めた事も更なる向かい風となった。
- ドリームワークス自体も、『シンドバッド・七つの海の伝説』が記録的な大失敗になってフルCG映画に舵を切った末の『シュレック』の公開であり、アトランティス失われた帝国の興行結果がディズニーのフルCG映画への舵取りへの後押しの一つにもなった。
なお、内容が内容だけに、歴代のディズニー作品でも『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズや『ムーラン』を抜いて多数の死者が出ている作品となっている(後にディズニー社の傘下に入ったMARVEL社の『MCU』は除く)。
- 具体的に言うと、開始数分で文明が崩壊し、「アトランティス探検隊」も210名近いメンバーのうち生き残ったのは10人もおらず、ほとんどが出航してほどなくして死亡した。
あらすじ
舞台は1914年。アメリカの博物館の学芸員で言語学者であるマイロ・サッチは、祖父も携わっていたアトランティスの探検隊に加わり、アトランティスの謎に迫っていく。
キャラクター
CV:マイケル・J・フォックス(日本語吹替版:長野博(V6))
CV:ジャクリーン・オブラドース(日本語吹替版:吉田美和)
CV:フローレンス・スタンリー(日本語吹替版:柴田理恵)
CV:クローディア・クリスチャン(日本語吹替版:高島礼子)
CV:ジェームズ・ガーナー(日本語吹替版:辻萬長)
登場機械(一部)
地上
アトランティス
(続編では、超能力を持つグングニルの槍、クラーケンなどの生物兵器もアトランティスの技術であったことが判明する。)
- ナータク
- 名称不明
- ケタク
- 全長3.5m、重さ727kg、最高時速120kmの、トビウオをモチーフにした石のホバーバイク。
- 名称不明
- 身長数百mはある、歴代のアトランティス王の姿をモチーフにしている巨大な石像またはロボット。防御システムの一環であり、掌から連結可能なバリアーを発射する。
- マータグ
- アクティラク
- リヴァイアサン
- クリスタルの力を軍事目的に使用した、アトランティスの堕落と滅亡を象徴する存在。人工知能を搭載したロブスターやウミサソリの様な見た目の、全長1km近い超巨大ロボット。複数機存在する。全長116mのユリシーズを、小さいほうのハサミ一対で軽々とつかめるほどの大きさながら、水中航行だけでなく高速飛行も可能。頑丈な装甲を持ち、触手の様な口の部位から核爆弾の様な爆発を起こす電撃ビームを発射する。半永久的?に自立稼働が可能であり、とある一機は9千年近くもアトランティスを自己判断で守ってきた。大昔より数多の人間を殺してきた存在であり、地上の人間には大ウミヘビだと勘違いされてきた。クリスタルを持っていると、アトランティスの敵ではないと判断し見逃す。
- 詳細不明の兵器
- クリスタルの力を軍事目的に使用した、アトランティスの堕落と滅亡を象徴する存在。核爆発の様な大規模爆発を起こす兵器であり、兵士の一人が誤作動させたことによりアトランティスは滅ぶことになる。
余談
- この作品の題材となっているのはジュール・ヴェルヌの『海底二万里』であるが、同じ題材の『ふしぎの海のナディア』と似ている部分が非常に多く物議をかもした (ストーリー自体はそこまで似ているとも言い切れない部分がある)。ただ、ディズニーにはこれまでも疑惑がけっこうあるが、今回に関しては同じ題材を参考にしているので似ているのも仕方ないのではないかという意見もある。
- アトランティスの秘宝である「ハート・オブ・アトランティス」の名称は、スティーブン・キングの『アトランティスの心』へのオマージュの可能性がある。
- 2002年に公開された劇場版ポケットモンスター『水の都の護神~ラティアスとラティオス~』は、クリスタル状の秘宝が関連者の魂と関係していたり、秘宝を悪用すると津波状の災害を引き起こし、最終的には津波状の災害をエネルギーのバリアーで阻止する、などプロットに若干の類似性がある。