概要
ポケウッドとは、ポケモンBW2に登場する施設の一つ。タチワキシティの北側にある。
初回では、タチワキシティジムクリア後に、次のジムがある海の向こうのヒウンシティに渡るため、船着き場に戻ってこない船長(ホミカの父親)を説得しに訪れることになる。
アニメでも第1期ラストにゲームと同地で登場。
映画会社にスカウトされた主人公たちが様々な役になりきり、ポケモンと共に映画に出演する。
元ネタはハリウッドだが、イッシュ地方のモデルであるニューヨーク付近にはなく、西海岸のカリフォルニア州にあるので注意。
「ポケウッド」のシステム
撮影中は、ポケモンにわざを命令したり、主人公の台詞を選択できる。そして選んだ行動や台詞によって、ストーリーや結末が大きく変化する。
ストーリーの結末は、台本通りにいかず失敗した「バッドエンド」、台本通りにこなした「グッドエンド」、台本の斜め上を行き予想を裏切る形となった「カルトエンド」の3種類がある。興行成績は後者ほど高くなる。最も高いのは9999億円で、これは現実世界での日本一の興行収入を記録した「鬼滅の刃無限列車編」(約403億円)やBW2発売当時日本一の興業収入だった「千と千尋の神隠し」(約304億円)は勿論、世界一の興行収入を記録した「アバター」(約2295億円、日本円換算)すら遥かに上回っている。ちなみに全てのストーリーをカルトエンドにした際の興行収入は31兆円以上もする。
特にカルトエンドは「悪堕ち」「ギャグ」「鬱エンド」などカオスな結末となっている。
基本的に脚本どおりに進めばクリアできるのだが、急所や敵のランダム行動など、運に左右されることも多い。特定の技で倒さなければいけなかったり、技の追加効果等を利用しなければならない映画もあり、ある種の詰め将棋のような要素も含んでいる。
また、相手側は通常ポケモンだけでなく「セットM2」などの特殊な敵(セット)を繰り出してくることもある。
完成作品ではセットは様々な物や人物に置き換えられているため、それだけでも十分に違和感MAXなのだが…。
初めは出演出来る作品が少ないが、クリアしていくと新しい作品の台本が追加されたり、シアター内のファンが増える。また、一度ヒットさせた作品を再度撮影するときは自分の手持ちのポケモンを出演させることもできる。(ただし「へんしん」「いちゃもん」「ゆびをふる」を覚えているポケモンは相手の演技を阻害しかねないので出演できない)。
手持ちポケモンの出演した映画がヒットするとそのポケモンはスターポケモンとなる。スターになったポケモンはボールから登場するときに星のエフェクトが付き、出演した映画の興行収入を更に上昇させられる。
稼いだ興行収入自体は貰うことはできないが、その代わりファンから「ミックスオレ」や「すごいキズぐすり」などの回復アイテムがもらえたり、時には「きんのたま」や「おおきなしんじゅ」など高値で売却できる換金アイテムも貰える上、一度に複数セットでアイテムをもらえるため出演自体がそれなりに金策になったりする。
物語序盤で出演が可能になるのも嬉しい。
作品ごとのストーリーももちろんだが、各作品で主人公が台詞を言ったり衣装が変化するのも見所のひとつである。
というか人によってはこっちがメインとも。
(撮影中は通常の服装だが、映画内では合成技術により衣装が変わっている)。
映画一覧
ハチクマン
初めから出演できる作品。遊園地を狙う悪の怪人ハチクマンと、正義の味方が対決。
殿堂入り後に「ハチクマンの逆襲」が、更に全ての映画を撮影すると「ハチクマンの逆襲 リターンズ」が最終項目として加わる。
Full Metal Cop
発明品を盗もうとニンジャ(クノイチ)は研究室に忍び込むが、そこに全身を機械でまとった正義の味方が現れる。ハチクマンとは異なり、ハチクが主役、主人公が悪役を演じる。台本では主人公は全て負けろと指定されている。
このシリーズでのレンタルポケモンはいずれの作品もニューラ系。もしや元ネタはランセのブショーか…?
元ネタはそのまんまロボコップ。
侵略者
街に謎のマユルド型巨大UFOが到来。イッシュ防衛隊が出撃する。
UFOから投下されるポケモンにリグレーやオーベム(となぜかテッシードやダンゴロも)がいるのも芸コマ。
しかし、侵略者・Eの配下はなぜかエモンガである(市民から奪ったポケモンという設定)。
大怪獣
侵略者の続編。
謎の巨大ポケモンが出現。イッシュ防衛隊が出撃する。
メカバンギラスも出演しているので、ベストウイッシュシーズン1の82話で撮影していた作品はこれと思われる(ちなみに同回のゲスト「ジョーズ」は同名の映画のパロディである)。
メカバンギラスの元ネタはおそらくメカゴジラだと思われる。
タイムゲート トラベラー
発明品により未来にタイムトラベルした博士。しかしそこは、超進化した虫ポケモンがヒューマンボールで人間を捕まえ、奴隷にしたり保存食にするあべこべの世界だった。恐らく最も黒い作品。
転送機の外観は某カードゲーム漫画の時の機械-タイム・マシーンに似ている。
カルトエンドの内容は、SVで示唆される世界を描いたような内容のため、監督かBW2主人公はもしかしたらスカーレットブックやバイオレットブックを読んだことがあるのかもしれない。
トレーナーとポケモン その愛
とあるトレーナーとポケモンによる恋愛映画。
他の作品とは異なり、それぞれ独立したオムニパス形式のストーリーとなっている。
魔法の国の 不思議な扉
庭を散歩していたワガママな王子(姫)は、とある扉を見つける。そこを開けると……
ヤマブキジムリーダーのナツメが魔女・ジュジュベ役として出演している(英語でナツメ)。
男主人公の場合の最終話カルトエンドは一部の方々に大人気。
OL The Giant!!
呪われたモンスターボールにより巨大化したモニカ。彼女を元に戻すべく主人公が奮闘する。
なお、男主人公は恋人、女主人公は姉妹設定であり、最終話の結末も異なる。
恐怖!悪夢の赤い霧
あるモーテルで休憩することにした主人公。
しかし真夜中、部屋に突然赤い霧が立ち込め、謎の怪物に襲われるというホラー映画。
「サイレントヒル」「ミスト」あたりが元ネタだろうか?
忘れえぬ記憶
友達がいない子供博士と、博士が発明したロボット「F-00」の友情を描く感動系作品。
ゴーストイレイザー
幽霊が多数目撃されている墓地を調査する探偵の主人公。ホラー映画。
セリフ分岐が多いので難易度が高い。
ちなみにカルトエンドの3作品は、狂言オチとなっている。
元ネタはゴーストバスターズと思われる。
また、このシリーズのラスボスの破壊の魔神の「ごじゃる」口調は某タツノコアニメのキャラが元ネタと思われる。
パロディ・元ネタ解説
やはりというか映画ネタが多く、NPCは名優や映画監督などが元ネタだと思われる。
(※)以下推測を含みます。
俳優/配役編
『大怪獣』
俳優名 | モデル | 備考 |
---|---|---|
ベテランはいゆうのマサチカ | 市村正親 | ミュウツーの逆襲への出演で知られる。 |
セリザワ(マサチカ) | 芹沢博士 | 『ゴジラ』の登場キャラクター。ただし、セリザワの方は悪役となっている |
しんじんじょゆうのクミ | 水野久美 | 『怪獣大戦争』や『マタンゴ』などの東宝映画に出演 |
はたらくおとこのホフマン | ダスティン・ホフマン | アカデミー主演男優賞を受賞した俳優 |
『忘れえぬ 記憶』
俳優/役名 | モデル | 備考 |
---|---|---|
はいゆうのゲンズブル | セルジュ・ゲンズブール | フランスのマルチタレント |
『トレーナーとポケモン その愛』
俳優/役名 | モデル | 備考 |
---|---|---|
にんきはいゆうのホセ | ホセ・フェラー | 『赤い風車』に出演 |
ミゲル(ホセ) | ミゲル・フェラー | ホセの息子に当たる俳優 |
『ゴーストイレイザー』
俳優/役名 | モデル | 備考 |
---|---|---|
ベテランはいゆうのニコルソン | ジャック・ニコルソン | 『シャイニング』などの出演で知られる名優 |
てんさいこやくのアビゲイル | アビゲイル・ブレスリン | 『リトル・ミス・サンシャイン』などに出演した女優 |
おおものはいゆうのウッド | クリント・イーストウッド | 『ダーティハリー』シリーズなどに出演した名優 |
とりつかれたおとこのカダス(ニコルソン) | カダス | 『未知なるカダスを夢に求めて』に登場するドリームランドにある地名 |
とりつかれたこどものセラエノ(アビゲイル) | セラエノ | 『永劫の探究』などにその名が見られる、セラエノ断章を所蔵した星域 |
とりつかれたおとこのアーカム(ウッド) | アーカム | クトゥルフ神話に登場する架空の都市 |
監督編
監督名 | 監督作 | 元ネタ | 備考 |
---|---|---|---|
ポケミタカシ | 『大怪獣』など | 三池崇史 | 『ウルトラマンマックス』などで特撮作品への監督歴を持つ |
S・ポケット | 『OL The Giant!!』など | シドニー・ルメット | - |
J・ポケンター | 『ゴーストイレイザー』など | ジョン・カーペンター | ホラー映画の巨匠の一人 |
D・ポケンチ | 『忘れえぬ 記憶』 | デイヴィッド・リンチ | - |
S・ポケモンスキー | 『ハチクマン』 | ロマン・ポランスキー | - |
台本編
ある条件を満たすと入ることの出来る楽屋に置かれている台本の元ネタは以下の通り。どれもポケモンに関する単語と実際の映画を掛け合わせたタイトルとなっており、実に内容やストーリーが興味深い。
台本 | 元ネタ |
---|---|
そしてラプラスは行く | そして船は行く |
フエンせんべいなんかいらない! | コミック雑誌なんかいらない! |
ゆきゆきてシードラ | ゆきゆきて、神軍 |
ポケモンとドロボウ そのトレーナーと隣人 | コックと泥棒、その妻と愛人 |
フライトナイトヘッド | フライトナイト |
サンのみをぬすんだ男 | 太陽を盗んだ男 |
ラストエンペルト | ラストエンペラー |
図鑑を捨てよシティに出よう | 書を捨てよ町に出よう |
おにび | 鬼火 |
まぼろしのトレーナー戦 | まぼろしの市街戦 |
110番道路交差点 | 110番街交差点 |
みずタイプの女 | 水の女 |
ポケウッドをぶっ飛ばせ | ラスベガスをぶっつぶせ |
真夜中のたんぱんボーイ | 真夜中のカーボーイ |
そのポケモンふゆうにつき | その男、凶暴につき |
さらば冬のキャモメ | さらば冬のかもめ |
ライモン超特急 | バルカン超特急 |
ドンファン・マン | エレファント・マン |
モココたちは沈黙 | 羊たちの沈黙 |
タチワキ炎上 | 吉原炎上 |
咲き誇れいとをはく | 咲き誇れ愛しさよ |
四天王はつらいよ | 男はつらいよ |
ワンス・アボン・ア・タイム・イン・イッシュ | ワンス・アボン・ア・タイム・イン・アメリカ |
(参考:ポケットモンスターブラック2、ホワイト2 攻略情報まとめwiki)
その他
またポケウッドには水野晴郎の「いやぁ、映画って本当にいいもんですね~」という名言を引用したNPCも存在する。
随時追加希望
余談
- 上映作品や作中の台詞や人物にはパロディネタが多い(ジュジュベの「うわ…私の財産少なすぎ!?」など)。また、十代(下手をすると二十代)には分からないネタも多く仕込まれている。
- 敵として使用されるセットは非常に戦闘力が高いものばかりで、劇場版アニポケなどでサトシがよく敵勢力の兵器に苦戦する描写を、プレイヤーが体験できる貴重な機会となっている。
- また、繰り出してくるポケモンも明らかにチャンピオンをはるかに超えたレベルのポケモンが存在する。それでポケモンリーグに殴り込みに言ってはどうだろうか?
- アニメ版第一期にはハリウッドをモチーフとした『ホリウッド』という都市が登場した。ロケット団のニャースの故郷でもある。かつては華々しく盛栄を謳歌していたことがニャースの回想から分かるのだが、現在は度重なる大作の制作で赤字がかさみ、寂れ果ててみる影もなくなっている。ニャースが言葉を覚えたのもこの地。
- 実際にはポケモンではないセットや役者も、データ上は『ポケモン』として扱われている。データ改造によってハチクマンをマスターボールで捕まえるという、ヒューマンボールそのものなトンデモ動画もアップロードされている(もちろん、捕まえたらエラーになりゲームがフリーズする)。なので、見方によっては本編RPG初の敵専用ポケモンと戦えるモードとも言える。
- なお、本編で名実ともに「敵専用ポケモン」が出てくるのは、第8世代の『あるポケモン』が初である。