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太陽を盗んだ男

たいようをぬすんだおとこ

『太陽を盗んだ男』とは、1979年に公開された長谷川和彦監督のアクション映画。
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あらすじ編集

ある日遠足中のバスが、大東亜戦争で息子を亡くした右翼の老人にジャックされる。人質になった堀口中学校3年3組を身を挺して救ったのは、捜査一課の山下満州男警部と担任教師の城戸誠だった。そうして二人は出会った。


城戸誠には以前から少しずつ実行していた計画があった。それは原爆を作ること。

催眠ガスで警官から拳銃を盗み、茨城県東海村の原子力発電所からプルトニウムを強奪。苦難の末、自宅アパートで原爆を完成させることに成功した。

そして梅干入りの見本を国会議事堂に届けると、山下警部を指名して政府を脅迫し始める。最初の要求は、その夜やっていたプロ野球のナイター中継(巨人大洋戦)を最後まで放送させることだった。


要求を飲ませることに成功した城戸は、政府に対し9番と名乗る。当時の核保有国はアメリカソ連中国フランスイギリスインドイスラエル南アフリカ連邦の8つ。自分はそれに続く9番目の男だと。

だが、これといった目標が見つからない城戸はその後、ラジオDJ沢井零子の番組に電話をかける。原爆で世界を動かせるとしたらどうしたいか、という話題はリスナーに受け、ラジオの人気コーナーになった。そして決まった第二の要求は、当時不可能といわれていたローリング・ストーンズの来日公演だった。

一方、山下は電電公社に根回しをし、ある裏技を使って9番を逆探知しようとしていた。


概要編集

平凡な一般市民がお手製の原爆を作って政府を脅迫する、という危険なストーリー。シリアスでピカレスク的な内容でありながら荒唐無稽で馬鹿馬鹿しくもあり、ポップシュール、チープな演出が渾然一体となって噴出するエネルギッシュでカオスな映画である。

日本では珍しい本格アクション映画でもあり、クライマックスではパトカーが壮絶なカーチェイスを繰り広げる。

皇居前や国会議事堂周辺でのゲリラ撮影を始めとして、スタッフ・キャストがすさまじい無茶をしており、撮影班に"逮捕され係"が用意されていたほど。

公開当時は興行的成功を得られなかったようだが、語り継がれてカルト映画と化し、数多のオマージュを生み出すに至っている。


原案はアメリカ人脚本家のレナード・シュレーダーで、原題は『The Kid Who Robbed Japan』だった。他、企画段階のタイトルに『笑う原爆』『日本 対 俺』がある。

監督は1976年に『青春の殺人者』で華々しいデビューを飾った長谷川和彦(通称「ゴジ」)。長谷川は今作も含めこの2作しか映画を監督しておらず、その両方がカルト的評価を受けているカルト監督。なお、今作には『青春の殺人者』主演の水谷豊がカメオ出演している。

主演はジュリーこと沢田研二。本編では女装ターザンも披露する。


登場人物・キャスト編集

城戸誠 - 沢田研二

堀口中学校3年3組担任教師、科学担当。いつも無気力で生徒からはナメられており、あだ名は「風船ガム」(いつも噛んでいる)。生徒相手に原爆の作り方を講義したことも。

独身でアパートに一人暮らし。たまにと戯れる。

大胆にも自室で原爆を作ることに成功。政府を脅迫し、9番と名乗る。

早い話が、この作品の粗筋を要約すると、彼が「目的もなく原爆を作ってしまい、その原爆の使い道は後から考えようとしたが、大した使い道を思い付けなかった」事から起きた一連の騒動である。


山下満州男 - 菅原文太

丸の内警察署捜査一課の警部。昔堅気の厳格な刑事犯人逮捕のためにすべてを投げ打つ不屈の精神と肉体を持つ。

城戸に指名され、政府の下、9番の捜査を秘密裏に行う。9番が沢井に接触したのを見て、沢井を捜査に取り込もうとする。


沢井零子 - 池上季実子

ラジオの人気パーソナリティ。通称「ゼロ」。「ゼロのブタブタジョッキー」という深夜放送を受け持っていたが、昼の番組にも進出した。

公開録音の最中、9番こと城戸の電話を受ける。当初はいたずらだと思っていたが、山下の接触により9番が実在していると感づく。公開録音を見物していた観衆の中から城戸を見つけ、惹かれていく。


田中(警察庁長官) - 北村和夫

仲山(総理大臣秘書) - 神山繁

市川博士 - 佐藤慶

山崎留吉(バスジャック犯) - 伊藤雄之助

浅井(ラジオプロデューサー) - 風間杜夫

水島刑事 - 汐路章

石川刑事 - 石山雄大

江川(田中長官の部下) - 江角英明

交番の警官 - 水谷豊

サラ金の係員 - 小松方正

サラ金の男 - 西田敏行

電電公社技師 - 草薙幸二郎

アナウンサー - 林美雄


スタッフ編集

監督 - 長谷川和彦

脚本 - 長谷川和彦 / レナード・シュナイダー

原作 - レナード・シュナイダー

製作 - 山本又一朗

製作総指揮 - 伊地智啓

音楽 - 井上堯之

撮影 - 鈴木達夫

編集 - 鈴木晄

カースタント - 三石千尋とマイク・スタントマンチーム

製作会社 - キティ・フィルム

配給 - 東宝


データ編集

公開 - 1979年10月6日

上映時間 - 147分

製作国 - 日本

言語 - 日本語


関連タグ編集

映画 / 邦画 / アクション映画 / カルト映画 / 映画の一覧

原爆

ローリング・ストーンズ

ウルトラマンレオ - 劇中で城戸が見ている

鉄腕アトム - 劇中で城戸が歌っている


東のエデン - 滝沢朗が9番と呼ばれるテロリストである

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 - 今作のBGMが使われている

ドキドキ!プリキュア - よく似た城戸先生が登場する


外部リンク編集

太陽を盗んだ男(公式サイト)

太陽を盗んだ男 - Wikipedia

太陽を盗んだ男 - allcinema

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