概要
「ネットワーク上のエチケット」という意味のかばん語。略称は「ネチケ」など。インターネットやパソコン通信での掲示板やチャット等のコミュニティを利用する上で守った方がいいマナーのことである。1990年代から2000年代中期によく使われた語であり、その後は主に「ネットマナー」という語に置き換えられている。
サイトによっては規約などの厳密なルールが整っていないことも多く、運営がトラブルの対処をしないサイトでは、悪質な荒らしなどが流れ込んで治安が悪化しがちである。そういったサイトでは古参が自治ユーザーとして、特定コミュニティで通用するマナーである「ローカルルール」を決めている場合もあるが、これは往々にして「マイルール」であり、古参同士が対立することもある。
サイトの閲覧だけして投稿をしない「ROM専」や、複数の場所に同じ書き込みをする「マルチポスト」がマナー違反とされることがあるのは、かつては閲覧や投稿をするだけでサーバーに負荷がかかるという理由があった名残である。今ではそのような問題はないのだが、サイトによっては不快に感じる古参もいるので、コミュニティの不文律を知らない新参は空気を読んで対応するに越したことはない。
古のパソコン通信では「100行を超えるメッセージは禁止」なるネチケットも存在したという。1990年代のダイヤルアップ接続時代は通信帯域が極めて細く、回線への接続料金も極めて高かったためである。かつてのインターネットの電子メールや掲示板などで「長文失礼」と書くユーザーが目立ったのはパソコン通信時代の名残と思われる。
一般的なネチケット
一般的なネチケットとして挙げられるものに、
- 他人のプライバシーを尊重する
- 個人情報を無闇に書き込まない
- 他人のミスを大げさに指摘しない。荒らしはスルー(無視する)
- 不確かな情報(デマ)を無闇に拡散しない
- 面と向かって言えないことは書かない。画面の向こうに人がいることを自覚して思いやりを持って行動する
といったものが代表的であろうか。そのようなマナーに配慮せず行動すると、相手に不快感を与えたり、コミュニティを破壊する荒らしと見なされるだけでなく、侮辱罪に抵触したり、個人情報保護法といった法令に違反する可能性も高くなる。
炎上などのトラブルにつながった場合は『ネットマナー』『ネットイナゴ』の記事を参照。
また、インターネットのコミュニティサイトを利用する場合は、そのサイトの利用規約やガイドラインを読み、配慮する必要がある。
pixivにおけるネチケット
特定のサイトにおけるネチケットについて言及するとキリがないので、ここではpixivを利用する上で求められるネチケットについて簡潔に説明する。ピクシブ百科事典のマナーについてはピクシブ百科事典を参照。
規約違反なども参照。pixivマナーにはさらに掘り下げた内容が書かれている。
著作権を守る
他者のイラストの無断投稿は無断転載となり、著作権法違反になる。昔の名画など、著作権フリーやパブリックドメインになっている作品を自らの作品の素材として使う(名画オマージュなど)のは問題ないが、そのままをあたかも自分の作品のように転載してはいけない。
また、トレースや模写も場合によっては著作権違反行為になり、そもそも著作権者に無断で行う二次創作自体もグレーな存在なので、これらも頭に入れておきたい。ただし著作権は親告罪という性質上、違法か合法かは権利者が決めるもので、第三者がむやみに騒ぐべきではない。
詳細は『二次創作』を参照のこと。
性的描写・グロテスク・非公式ネタなどのジャンルにはきちんと指定する
R-18やR-18Gのタグは、単純にイラストに付けただけでは意味が無く、性的描写やグロテスクな描写がある場合は、『閲覧注意』やそれを示すワードなどをタイトルに記載したり、1枚目に規制をかけるなどの配慮が必要。非公式の擬人化や性転換・女体化といったニッチなジャンルにも同様の配慮が必要になる。
また、同性愛を題材にした作品(BLやGLなど)も、ニッチなジャンルとして棲み分けの配慮が必要とよく言われる(これはBL愛好者同士でも解釈違いによりしばしば争いが生じたことが一因)が、BL・GLの愛好者や同性愛者らからすると「ヘテロは配慮しなくても良いというのは不公平だ」という人もいるので、異性愛(HL)も含めて、恋愛ものや性愛を扱った作品は一定の配慮をする(「恋愛」や「男女」などのタグをつけるなど)に越したことはないだろう。
タグ・コメント・キャプションで失礼なことを書かない。タグで違反行為の指摘をしない
「駄作」「闇深絵師」などは、自虐系のタグとして投稿者自身が付けているならまだしも、他者にそのようなタグを付けるのは失礼にあたる。そもそも相手には書き込んだ主のIDが筒抜けなので匿名で貶めていることにもならない。
盗作や規約違反などの問題が見られる作品であっても、指摘目的でタグを利用すべきではなく、運営に直接通報するべきである。
無意味な感想タグ・自分タグで埋めない
pixivの仕様ではタグは10個までしか付けられないので、検索に役立てられないタグが増えると検索妨害になりかねない。
作品のリクエストを強要しない
リクエストは絵師の善意で対応してもよいし対応しなくてもよい。気に入った絵師に対して過度にリクエストを強要することは、絵師のモチベーションを下げるだけでしかなく、最悪これに嫌気が差して退会する事態にも繋がりかねない。
絵師側もリクエストを制限・お断りしているのであれば、プロフィールにその旨を記そう(可能であれば、英語や中国語の併記もあるとより望ましい)。必要があれば2020年9月より実装されたpixivリクエストやSkebなどのコミッションサービスを利用するのも手である。