概要
ただし、著作権法の規定では「自身の著作物の従たる範囲内で、他人の著作物を複製、掲載すること」を引用といい、著作権者の許諾がなくても複製と利用が認められる。
また、著作権者が
- 無断転載・再配布OK
- 無断使用OK
- 改変OK
- 使用の許諾は不要
- 著作権者の名前を出す必要なし
- 著作権自体を放棄しているので許可等は一切必要ない
のように、
著作者が一定の利用法に対して予め許可を与えることを公言している場合、著作者の死亡後70年を経過するなどして著作権が消滅している場合は該当しない。
ただし、たとえ著作権を放棄している場合であっても、投稿者自身の作品になるわけではないので、一切の改変を加えずに丸々コピーして自作のクレジットをつけてはいけない。
なお、同人誌の無断アップロードなどは、今の所「グーグル八分」(googleに「このサイトは著作権侵害を行っている」と連絡し検索結果から除外させる、こちらに詳しい)が有効の模様。
pixivに投稿された無断転載
イラスト投稿サイトであるpixivでは、無断転載は当然規約違反となるため、運営による削除やアカウント停止の対象になる。商業作品はもちろん、個人による非営利な著作物であっても、漫画・アニメ等の作品を著作権者に許諾を得ずにキャプチャあるいはスキャンした画像を投稿したりすることはもちろん、それらにコラージュおよび改変を加えてもいけない。また、これらの行為は著作権侵害に加えて同一性保持権(元著作物の形・内容を好き勝手に改変されない権利)に抵触し、損害賠償および刑事罰の対象となる。無論、その作品が「実在の人物」を描いたものであるならば著作権の侵害だけではなく、肖像権の侵害にもなる。
無断転載を見つけたら
pixivでそれらしい作品を見つけたとしても、このタグを利用してはいけない。指摘タグの利用はタグの趣旨に反する行為の上、勘違いだった場合は洒落にならない。pixivに投稿した人物が別サイトで違う名義で同じ作品を投稿していることもありうるからだ。またタグをつけたユーザーのIDは投稿者に筒抜けなので、タグ荒らしも同然の行為として目をつけられかねない。
他のサイトから転載をしている証拠があった場合は、「この絵に対する情報提供」を押し、「著作権に違反している」を選び、その絵の正しい著作権者や転載元などを記入して運営に情報提供しよう。
この際、漫画やアニメの画像をスキャンおよびキャプチャ、あるいはそれらを改変したものであれば、その出典、たとえば「単行本○巻○ページ」、「○話のシーン」のように明確に記入するとその後の作業がスムーズに進む。
海外サイトの事例
コミッションやアダプタブルズなどイラストやデザインの譲渡文化が盛んな海外では、これらを経由して買い取ったイラストを自身のページに掲載することは非常に一般的である。この場合、イラスト製作者の多くは、依頼者や買取主に使用されることを前提でイラストを提供している。pixivにおいても外国人ユーザーはこの感覚のままに利用していることが多いため、明らかに他人の絵を大量に投下しているからといって、即座に無断転載であると決めつけないように注意する必要がある。このような前提や価値観の違いを知らないまま、日本人ユーザーとの間でトラブルが起きることも少なくない。 → ※作者は海外ユーザー
pixivから外部サイトへの無断転載
pixivに投稿された絵が外部のイラスト転載サイトやSNSに転載されるケースも多い。
なお、pixivなどの公開サイトに投稿された作品を、権利者に無断でTwitterやFacebookなどの外部サービスにシェアとして拡散するのは無断転載ではない。これはコンテンツのリンクや埋め込みにあたり、コピーはしていないからである。pixivに投稿された作品をピクシブ百科事典の記事(メイン画像を含む)に掲載する場合も同様。これを快く思わない人もいるかもしれないが、自分の作品が外部サイトにシェアされるのを禁止したい場合は限定公開にするしかないだろう。ただし、意に沿わない形でピクシブ百科事典にイラストを貼られた場合は他のユーザーの作品に差し替えることが許されている。
無断転載されてほしくなかったら
無断転載はもちろん法律違反の行為である。
しかし、ネットというものはそもそも「アップされた情報が大勢のユーザーの手でコピーされた上で伝播していく」という性質を持つものであるため、違法か合法かに関わらず、自分でネット上にアップした著作物がコピーされて拡散されること自体はどうあがいても避けられない。極論を言ってしまえば、「閲覧やコピーをされて困るものはアップしない」という、Webを利用する上での原則に行き着くのである。
もちろん、これは違法な転載を容認するものではないが、転載されてほしくないもの、正確性を保証できない情報、個人情報にあたるもなどのアップすること自体が危険を招きかねない情報などの類は、投稿に当たって常に熟考を要するものであるという認識がユーザー側にも必要である。
「無断引用」という誤用
稀に、無許可の転載について「無断引用」という言葉を用いている文章を見かけるが、引用は、当該項目で説明されているように「ルールを厳格に守ってさえいれば無断でも許容される部分的な転載行為」である。
引用という行為に対する誤解を生みかねないため、引用のルールを外れた転載については「無断転載」と呼ぶようにしよう。
ピクシブ百科事典の無断転載
ピクシブ百科事典には、ウィキペディアやニコニコ大百科、その他外部wikiサイトなどから文章が丸々転載された記事が多数あり、「無断転載」として非難される。
これはガイドラインで「Wikipediaや辞書などから引用の範囲を超えてテキストを転載しているもの」として禁止されている行為である。これらのサイトの著作権は執筆者ではなくサイトに帰属するため、記事のコピーは執筆者の許諾を得たとしてもやってはいけない行為である。ピクシブ百科事典とニコニコ大百科の両方で活動しているユーザーの場合、自分が作成したのだから記事の内容を相互に転載しても問題ないと思っている人もいるが、たとえ自分で書いた記事であっても丸々コピーしてはいけない。全く別個の記事として作成するべきである。
違反行為として「無断転載記事」と言うと「執筆者の許諾を得れば転載してもいい」「自分で書いた記事なら丸々コピーしてもいい」と思われかねないので、単に「転載記事」と表現した方がよいだろう。