「そうさ、俺は全世界のポケモンに宣言する!最高のポケモントレーナー!いや、ポケモンマスター!そうとも、それは俺だ!」
概要
「ポケットモンスター」シリーズにおいて度々登場するポケモントレーナーたちの目標の一つ。
アニポケが初出の言葉であるが、そもそも以下の理由から各コンテンツごとに扱いや定義が異なる単語である。
ゲーム版での扱い
原作ゲームでは第2世代のワタルからロケット団アジト潜入後に言及があったり、第7世代『SM』『USUM』における通信機能「フェスサークル」内のあいさつの言葉の1種として「ポケモンマスターです」が登場しているくらいで、殆ど使用されていない。
ゲームではポケモンマスターを目指すわけではなく、ポケモン図鑑の完成、ポケモンリーグ制覇といった具体的な形で目標が提示されることが殆ど。
その後、アプリゲーム『ポケモンマスターズ』のように「(何かしらの)凄いトレーナーを指す称号」として扱われる機会も出てきた。
アニポケにおける扱い
第1シリーズ(初代アニポケ)の主題歌の一つ「めざせポケモンマスター」を参考にすれば、サトシが憧れている「何か」ではあるようだ。
『初代』〜『XY』
初代アニポケやアドバイスジェネレーションでは、ポケモンマスターを目指すサトシのライバルはヒロシやマサムネをはじめ何人かいたり、無印編74話でもセキエイ大会で運営側からアナウンスがなされるなど、メジャーな言葉だった。
その後、DP以降はこの言葉に触れられることは減っていった。
映画『光輪の超魔神フーパ』では、どんなものでもリングで取り出せるフーパにサトシが「俺の夢はポケモンマスター。リングでは取り出せないし、自分の力でなる」と語る趣旨があるが、ポケモンマスターの中身には言及されなかった。
劇場版『キミにきめた!』以降
映画『キミにきめた!』のタイミングをきっかけに、ポケモンマスターを目指すという夢を語るサトシに「何それ?」とソウジが返しており、設定の変更がなされた様子。
新無印でも、そうした人物の登場と設定の変更は継続していると思われる。
これら近年の作品では、「世界最強のポケモントレーナーのダンデに勝利することもサトシはあくまでポケモンマスターへの第一歩としている」とするなど、サトシ自身はポケモンマスターを最強のポケモントレーナーよりも「もっと上」「全然上」の存在と考えていると、位置付けられている。
『ポケモンマスター』の謎
しかしこの設定、実は曖昧な要素が多いため、30年近く以下のような謎が生まれている。
ポケモンマスターに該当する人物
まず、そもそも原作ゲームやテレビアニメにおいて「ポケモンマスターである」と明言された人物は現在に至るまで存在しない。
そのため、テレビアニメ視聴者や原作ゲームプレイ勢でも具体的な人物が分からない以上、イメージが湧かない「何か」と化している。
認定基準について
次に、その認定基準が不明であることで、アニポケにおいて度々ポケモンマスターに対する憧れを口にしたり、トレーナーとしての将来の目標にしているサトシ自身すらよく分かっていないと思われている。
少なくともポケモンリーグを制覇しただけでは認定されないようで、その場合はポケモンリーグチャンピオンと言われるのが正しいと思われる。
アニポケ制作陣の扱い
アニポケ制作側での認識
上記の扱いのように、制作側もどのような設定なのか厳密には決めていなかったようで、新無印の総監督を務める冨安大貴は、「ポケモンマスター」という夢を漠然としたものと感じていたため、新無印以前の総監督を務め、同作品ではクリエイティブ・スーパーバイザーを務める湯山邦彦にポケモンマスターが何なのか聞いたところ、「子どもの他愛のない夢、憧れのようなもの」と返されたという(『アニメディア』2020年6月号)。
アニポケ制作陣から出された「答え」の例
…とはいえ、「長年旅を続けていく中で答えがずっと謎のまま」ということは無理があり過ぎるためか、アニポケ本編内及び公式のプロット内において「幾つかの答えのうちの一つ」のようなものは数個提示されている。
- 初代『ポケットモンスター』
最初期では、「世界一のポケモンマスター」がサトシの夢であったためポケモンマスター複数いるという設定だったらしい。
2023年冬、サトシ編の終わりにあたって、
最終シリーズはそれらが何かについて「一つの答え」を見つける物語と銘打たれている。
そしてその最終話でサトシが一つの結論にたどり着く。
チャンピオンはゴールじゃない。俺はまだチャレンジャーだって思ってる。
俺、世界中全部のポケモンと友達になりたい。
それがきっとポケモンマスターだ。
最初のシリーズ構成の構想
なお初代1話で「ポケモンマスター」という言葉を出した最初のアニポケシリーズ構成首藤剛志だが、別に彼もサトシの物語の終着点としてポケモンマスターになることを考えていたわけではなかった様子。
首藤氏が執筆した小説版では、「ポケモントレーナーの理想は、どんなポケモンでも心を通わせて使いこなせるポケモンマスター」「どこの国も、一人でも多くポケモンマスターを育てることを国の目標とした」と述べられていたが…。
その物語の終着点の詳細はポケモンの没プロットを参照。
関連タグ
関連人物?
レッド(ポケモン):『金銀』での再登場のシチュエーションから「その極みに至ったのでは?」とファンから注目・期待されるほぼ唯一の人物。
なお、彼は『ポケモンBW2』にて「リビングレジェンド」という称号が与えられ、『ポケモンSM』にてグリーン共々「バトルレジェンド」に就任しているなど、最近の作品では「レジェンド」の称号を与えられる傾向にある。
また、アプリゲームポケモンマスターズの初期アイコンは彼のものである。彼のみが他の作品の主人公と異なり、明確にその地方のチャンピオンを上回る実力を持つ男として後続作品でも語られている。原作においては『金銀』やそのリメイク作品である『HGSS』の主人公などがエンディング後に彼と戦うイベントがある筈なのだが、ポケモンマスターズ内においても他作品の主人公達はその地方の有力トレーナー程度の扱いにしかなっておらず、四天王やチャンピオンを倒して殿堂入りしたかどうかは語られない傾向にあるなど、レッドおよびそのライバルのグリーンのみが別格として扱われることが多い。
メタなことを言うのであれば『HGSS』での再登場の際にグリーンが「オレの なまえは グリーン! カントーを せいはして チャンピオンになった おとこさ! ……と いっても レッドの ヤローに ジャマされて チャンピオンで いられたのは すこしの あいだ だったがな……」と語るためにグリーンがチャンピオンになり、レッドと戦うという前作での最終決戦が明確に公式のものとして扱われているためだと思われる。なお、他の作品において彼ら以外の別作品の主人公が登場することは基本的に無いこともこの扱いの差になったのだろう。
「マスター」とつくポケモン関連の用語