概要
『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』『ポケットモンスター ブラック2・ホワイト2』に登場するバトル施設、バトルサブウェイには、サブウェイマスターと呼ばれる2人のボスがいる。シリーズで初めて同一施設で複数人のボスが登場する。
バトルサブウェイでバトルを行うことができる「シングル」「ダブル」「マルチ」「スーパーシングル」「スーパーダブル」「スーパーマルチ」「Wi-fi」の7つのトレインのうち、「Wi-fi」を除いた6つのトレインで挑戦者を待ち構えている。
「シングル」「ダブル」「マルチ」では21戦目に登場。勝利すると通常より多くのBPを入手でき、また初回のみ上位の「スーパー」トレインが解禁される。「スーパー」トレインでは49戦目に登場し、同様通常より多くのBPを入手できる。
立ち位置としてはそれまでの作品でいうフロンティアブレーンにあたり、ノボリの口調からするに現実世界でいうところの車掌の立ち位置と思われる。
海外での名称は「Subway Boss」。
バトルフロンティアのフロンティアブレーンと同様、通常トレインであればきちんと準備をして調整すれば、ストーリー攻略用の手持ちでも勝利は可能(これは小手調べであるらしく、勝利後に下車できる駅にそれを示唆するセリフを言う人がいる)。
「スーパー」トレインに出現する時はあのポケモンとかこのポケモンも登用し、本気で潰しにかかってくる。そもそもトレイン自体、「サブウェイクオリティ」を筆頭に準伝説も厨ポケもお構いなしに登場する。慣れている人でないと最初の7連勝すら困難を極める。
その到達困難さのためか、二次創作では周辺人物共々ポケモンの厳選や育成に日々勤しむ所謂ポケモン廃人として扱われることもあったりする。
任天堂ゲーム情報誌「ニンテンドードリーム」のインタビュー記事によると、ピエロをイメージしたデザインとのこと。また、コートのデザインは線路をイメージしたものとされている。
また、2012年に池袋アニメイトにて限定公開された公式設定画集によると、帽子の下は坊主や角刈りの様な非常に短い髪型であることがうかがえる(但しファンアートにおいては、現在でもファン独自の髪型で描かれることも多い)。その約10年後、『Pokémon LEGENDS アルセウス』の公式ガイドブックにノボリが帽子を取った姿が掲載されていたが、当時を知らないプレイヤーは衝撃を受けていた模様。
2年後の『ポケットモンスター ブラック2・ホワイト2』では、バトルサブウェイ自体に特に差異はないが、ライモンシティを初めて訪れたとき、バトルサブウェイの入り口前にサブウェイマスターが立っている。そのそばに、男主人公を選んだ場合はメイ、女主人公を選んだ場合はキョウヘイが立っており、話しかけるとサブウェイマスターと2vs2のバトルをするためにタッグを組んでほしいと頼まれる。
このときメイもしくはキョウヘイが出してくるポケモンは、イッシュ御三家のうちプレイヤーと一緒に選んだポケモンの第1進化形である(プレイヤーが選んだのがツタージャならフタチマル、ポカブならジャノビー、ミジュマルならチャオブーでLv25)。一方サブウェイマスターが出してくるのはノボリがLv26のガントル、クダリが同じくLv26のドテッコツである。
バトルに勝利したあと、サブウェイマスターはバトルサブウェイに戻っていき、メイもしくはキョウヘイもプレイヤーにバトルレコーダーを渡したあと、バトルサブウェイに入っていく。
『ブラック・ホワイト』のキャラクターの中ではNと同様に人気が高く、2012年にはポケモンカードのデッキシールドからポケモンメイト、更に2013年にはフィギュア化されるなど、多くのグッズが登場している。
ファンからは「サブマス」と略されることが多い。
2016年に行われた「ポケモンカードゲーム デッキシールド大選挙35」では、「ノボリ&クダリ」が堂々1位を獲得しプレミアム仕様で見事再販と相成った。
2018年11月には「トレーナーズ(サポート)」として「ノボリとクダリ」のカードが登場することとなった(同時期にバトルシャトレーヌも登場)。
更に2020年秋にはポケモンセンターによる原作の人気ポケモントレーナー達をピックアップしたグッズコンテンツ「Pokémon Trainers」の第2弾としてサブウェイマスターの2人がダンデ・ユウリ等と共に選ばれた。
ゲームでは全くと言っていいほどストーリーに関わらないキャラクターだが、そんな彼らにこれだけの人気が集まるのも珍しい話である。
キャラクター
サブウェイマスターはノボリとクダリの2人がおり、それぞれ「シングル」「ダブル」に、「マルチ」ではタッグを組み出現する。任天堂ゲーム情報誌「ニンテンドードリーム」のインタビュー記事によると、2人は双子であるが、どちらが兄でどちらが弟かは明言されていない。
アニメ版とポケマスEXではクダリがノボリを兄と呼んでいる。
ノボリ
「シングル」及び「マルチ」の21戦目、「スーパーシングル」「スーパーマルチ」の49戦目に登場。
車掌をイメージした黒基調のコートと帽子姿の男性。
無生物的な目、口角が下がり仏頂面に見える表情、横の毛が尖った灰色の髪が特徴。
一人称は「私(わたくし)」。堅苦しいほどの丁寧な言葉遣いで話す。発言そのものはハイテンションかつ楽しげ。内容を見る限り、ポケモン勝負を楽しんでいる模様。
アニメ版での声優は佐藤健輔。ゲーム版と比較すると、表情が豊かである。笑っているシーンも多い。
後に彼のみ『Pokémon LEGENDS アルセウス』に再登場。
アニメ版や『ポケモンマスターズ EX』、『Pokémon LEGENDS アルセウス』では右手でモンスターボールを投げる。
クダリ
「ダブル」及び「マルチ」の21戦目、「スーパーダブル」「スーパーマルチ」の49戦目に登場。
ノボリと同様の服装だが、こちらは白が基調。
容姿はノボリと全く一緒。こちらは口角が吊り上がり、笑っているように見える。
一人称は「ぼく」(ゲームでは漢字モードでも平仮名表記)。ノボリよりも砕けた口調で、単語単位の多いカタコトのような喋り方をする。それ故やや幼い印象も受ける。発言はやっぱり楽しそう。片割れ同様ポケモン勝負を好み、特に真剣勝負が好きな様子。
アニメ版での声優は古島清孝。こちらもゲーム版と比較すると、表情が豊かである。口調は若干幼いもののカタコト喋りでは話さない。また、ノボリのことを「ノボリ兄さん」と呼ぶ。
アニメ版や『ポケモンマスターズ EX』では左手でモンスターボールを投げる。
名前の由来
それぞれ、現実世界の鉄道で使われる距離票を起点として使われる用語から。
各鉄道会社には、必ず路線の起点からの距離を示す距離票となるものが設置されている。この距離票へ向かう列車を「上り」と言い、逆にそれから離れる列車を「下り」として列車の区別をしている。
「まもなく『下り』の列車が参ります」というアナウンスを聞いた事があれば、そのこと。
ポケモン主要キャラ伝統の植物由来の名前ではないと思いきや、藤の家紋の呼び方に「上り藤」「下り藤(ただし読み方は「さがりふじ」だが)」が存在するため、それとかけているものと思われる。
アニメでの登場
2011年放送分の以下5話に登場。
ポケットモンスター ベストウイッシュ
- 第45話『オーベムとダブランと夢泥棒!』(9/1放送)
- 第46話『ニャゴシエーター・ニャース! ツンベアーの森を突破せよ!!』(9/8放送)
- 第47話『激走!! バトルサブウェイ!!(前編)』(9/15放送)
- 第48話『激走!! バトルサブウェイ!!(後編)』(9/15放送)
- 第51話『サトシ、デントVSサブウェイマスター!』(10/6放送)
47・48話の次回予告も担当。また、後述のロケット団ラジオのCMも担当するなど、非常に優遇されていると言える。
45話ではラストで顔出し登場。46話では中盤に少し登場。47・48話はメイン登場回で1時間スペシャル。カミツレ戦前後編(49・50話)を挟んで、51話がバトル回となっている。
デントとは地下鉄マニアのイベントで既に知り合っている。
イベントでスタンプラリーを完成させるとノボリ・クダリのどちらかと対戦できる模様。
47・48話では、ロケット団の策謀による地下鉄ハイジャック&ポケモン強奪事件を解決するため、サトシ達一行と協力して奔走する。
51話ではサトシ&デントとギアステーションにてマルチバトルを行う。
ゲーム同様顔は全く同じで、更に表情や仕草、セリフまでそっくりシンクロしているシーンが多い。
使用ポケモンはノボリがシャンデラ、クダリがシビルドン。
ポケットモンスター めざせポケモンマスター
- 第139話『タケシとデントともりのまじょ!』(1/27放送)
アニメ版オリジナルキャストの佐藤・古島両氏の新録ボイス付き。
デントがブリムオンに見せられた幻覚の中で登場。何故か二人で駅弁を売っている。
ノボリが笑っていない、原作イラストと同じ指差しポーズなど、演出がやや原作寄りになっている。
『Pokémon Radio Show! ロケット団ひみつ帝国』
2012年7月1日から12月23日までキッズステーションWebラジオで放送された『Pokémon Radio Show! ロケット団ひみつ帝国』では、第1回から第13回までポケモン関連情報のCMをアニポケ版の2人が担当していた(配信版ではカットされている)。
こちらではアニメ本編では無かった原作に近い台詞や口調を聴くことができる。
また、第9回では佐藤健輔(ノボリ役)、古島清孝(クダリ役)がゲスト出演を果たした。
このゲスト出演において、ムサシは彼らのことを『地下鉄お兄さん』と形容していた。
余談だが、この時にムサシが願った「ロケット団のグッズ化」は4年後に叶うことになる。
ポケモンマスターズ EX
2021年6月30日にエピソードイベント「勝利へ走れ 出発進行!」のメインキャラクターとして2人揃って登場。
パシオの山の上に使われていないトロッコがあることを聞きつけ、ノボリがそこにバトルサブウェイのような場所を作ろうと思いつく。
調べたところどうやら洞窟に繋がっていたようで、開発の許可を得るべく島の持ち主に許可を願い出る。
雇われているトレーナー達にバトルで勝たなければたどり着けないが、問題なく勝ち進んで持ち主にたどり着き、許可を得ようとするのだが……
なお、パシオでは3人1組のバトルが原則なのだが、この2人は先のバトルに敢えて2人組のまま挑み、その上で勝利している。
しかも完成したバトル施設でも2人1組のバトルを導入し、挑戦者を待っている(この人とこの人のタッグも挑戦していた)。
ちなみにプレイヤーもサブマスの2人と勝負できるが、何と3(プレイヤー)VS2(サブマス)のバトルになる。
どこまでも2両編成、いや、ノボリ曰く「ポケモンを入れて4両編成」。
バディーズとしては共に★5で、かつ★6EXも同時に実装されている。詳しい性能はノボリ・クダリの各記事を参照されたい。
★6EXは服の色が変化するが、それぞれ、
- ノボリ:黒⇒赤、茶⇒銀
- クダリ:白⇒緑、茶⇒銀
に変わる。これは、航路に設置される左舷標識と右舷標識(浮標)がモチーフと思われるが、マリオとルイージだと思った人もいるとかいないとか。
ちなみにキャラ図鑑にて「ノボリが兄、クダリが弟」であると明言されている。
2人の性格付けについて
元々バトル施設のボスということもあってか、本編ゲーム内で性格付けがハッキリなされているわけではない。これは同世代の他のキャラクターに比べると特異である。
このため、登場する媒体によって性格付けが大きく異なるという特徴があり、特にゲーム版とアニメ版とでは乖離が激しいように見え、ファンの間でも議論になった。さらにポケスペでも同様の現象が発生し、さらに混乱が生じた。
本来は全て同一人物なのだが、ファンからは媒体ごとの別のキャラと見なされることも多い。
(例:ゲームのサブマス→ゲーマス、アニメのサブマス→アニマス)
といっても、アニメ版等のメディアミックス作品でキャラの性格付けが変わる現象は今に始まったことではないのだが。
ただしデザインした大村祐介氏曰く「すごい実力者なのに、えたいが知れないというか、底知れない感じで、少し不気味なくらい」の設定とのこと(上記ニンドリインタビュー記事より)。ゲーム内でも「怪しくておかしなヤツ」と言われている。
腐向けについて
サブウェイマスターは特に腐女子の人気が高く、腐向けのイラストも多く投稿されている。
女性向け・腐向けの住み分けタグとしては「サ腐マス」や「pkmn腐」がある。
しかし完全に定着しておらず、むしろ界隈で「サブマス=腐向けキャラ」という図式になってしまっている位pixivでは非常に腐向けの絵が引っかかりやすい。
検索避けをする場合は「サブウェイマスター」の他に、「サブマス」や「主♂」(腐カプ避け)と一緒にマイナス検索を使うと安定する。
腐向けについていた場合タグの削除をお願いします。
一般人との衝突回避および皆が楽しめる環境づくりにご協力ください。
関連イラスト
pixivでは同じイッシュ地方出身で多胎児つながりな為か、サンヨウシティジムリーダーであるデント・ポッド・コーンと共に描かれたイラストも少し存在する。
ちなみに、アニメ版ではデントとサブウェイマスターが知り合いという設定がある。
また、ライモンシティのジムリーダー・カミツレと共に描かれるイラストも多い。→ライモン組
関連タグ
他のポケモンシリーズの裏ボスポジション
フロンティアブレーン バトルシャトレーヌ レッド(ポケモン)・グリーン(ポケモン)(バトルレジェンド) ダンデ
二次創作派生