概要
バトルサブウェイはバトルタワーと比べかなりレベルが高く、シナリオパのような生半可な育成では太刀打ちできない。
だからサブウェイ専用のポケモンを育てよう→今作は爺前固定が出来ないためパワー系が欲しい→旧作からパワー系が送れず、サブウェイの景品で入手するしかない→サブウェイ専用の(以下無限ループ)
要は服を買いに行く服がない理論である。
さらに本作はバトルフロンティアでもほぼ必須だった「きあいのタスキ」や「こだわりスカーフ」なども景品でしか入手できないため、こちらも無限ループを繰り返している。スカーフはともかく、この厳選環境できあいのタスキすらないのはかなりきつい。
だからといってBPを強引に取りに行こうとすれば要塞イワパレスの恰好の餌食になるため、この不備すぎる環境でも対策せざるを得ない。
つまり……育成環境が整っている旧作のポケを連れてこい(持ってない人は買え)ということである。随分とこすい真似を。
実際、ガブリアスかハッサムのどちらか1匹でもいればノーマルトレイン程度ならすいすいクリアできてしまうが、どちらもBWでは手に入らない。
これに限らずポケモンBWは、シナリオクリア後に相手トレーナーの使用ポケモンの平均レベルが一気に10以上上がる(過去作のポケモンを送れるポケシフターを使うことを前提にしている可能性。向かうこと自体は楽だが)、木の実をソフト単独で育てられない上に入手できる種類も少ない(半減実や努力値減少実が手に入らない)、進化の石の入手が所定の条件を満たさないと困難などといった普通にゲームをプレイする上であまりに不便かつ理不尽な要素が多く見られる。
木の実についてはPDWがあるにはあるが、当初24時間オープンの予定がサーバーがパンクしたことから1日1時間までになってしまったため、育てたい木の実を集めるのにも苦労することに。しかも隠れ特性の入手もこのPDW頼みで、♀でないと遺伝させられないため望みのポケモンを手に入れるのに非常に時間がかかる。毎日寝かしつけてPDWにアクセスして……などとやっていてはいずれ飽きてくるのは目に見えている。
極めつけは一部隠れ特性の配布が攻略本のランダム配布やピカチュウのイベント限定配布(しかも限定アイテム化した「でんきだま」つき)という皆が欲しがるポケモンを餌にした露骨な集金で行われており、拝金主義だとして批判の槍玉に挙げられた。
『ポケモンBW』はシナリオこそそれまでにないほど各キャラクター達が掘り下げられて概ね好評だったが、こと育成・対戦環境については歴代でも類を見ないほど劣悪。第4世代どころか第3世代『エメラルド』にすら届かない(こちらはしっかりしたきのみ育成環境や各種教え技が存在するため)。「革新的に生まれ変わる」とは対戦要素を切り捨てることだったのだろうか。
そんな状態でサブウェイマスターが当代きっての人気キャラになったのは、何とも皮肉なものである。
その後……
こうした仕様にはポケモン廃人のみならずカジュアルプレイヤーからも批判が殺到、開発側も不味かったと判断したのか、BW2ではパワー系の一部がシナリオで入手できたり、木の実が日替わりで購入できたり、BP入手手段としてPWTが新たに登場したりと多少は改善され、ソフト単体でも強力なポケモンが入手できるようになったが……別の問題が生まれてしまった。
第6世代以降は育成環境が大幅に改善され、「あかいいと」による厳選方法の登場、BP入手手段の増加、きのみ育成復活(『剣盾』以外)、対戦向けアイテムの入手方法改善、バトル施設の難易度調整など、様々な方向からアプローチがかけられたことで、新規参入もだいぶしやすくなった。