「お前は人間に作られたポケモンだ。他に何の価値がある?」
by.サカキ
概要
2019年夏公開の映画「ミュウツーの逆襲EVOLUTION」にて登場するミュウツーの新たな姿。
全身が装甲で覆われており、一見するとパワーアップしているかのような印象を受けるが、設定ではロケット団のボスであるサカキによってミュウツーの強力な力を制御している姿である模様。しかしアーマーで拘束して強力な力を抑え込んでもなお他のポケモンを圧倒するほどの強さを誇るという。
元ネタは、原作のミュウツーの逆襲で登場した装甲の様な制御装置(メイン画像手前。ラジオドラマ『ミュウツーの誕生』では単に鎖と鎧、ポケスペではM2バインという名前で登場)で拘束されたミュウツーであると思われるが、アーマーで拘束されているミュウツーをわざわざここまで大々的に取り上げた事から、何らかの布石ではないか……と思われていた。
ポケモンGOでの実装
そして迎えた2019年7月5日、ポケモンGO公式Twitterから、映画との連動企画として2019年7月11日~31日までの期間限定で、このアーマードミュウツーがレイドボスとして登場することが発表された。
これまでにも映画で初登場したポケモンをゲーム内で配布するということは度々行われてきたが、スピンオフ作品であるゲームアプリで行われるのはこれが初の試みとなる。
なお、ゲーム中における呼称はあくまで“ミュウツー”であり、育成に必要なアメも通常のミュウツーと同じものになっている。
システム上は、ギラティナやデオキシスの時と同様、フォルムチェンジの1つとして扱われているようである。
ジムにボスとして登場した時は、両腕をアーマー内に縛り付けられて拘束されたようなポージングで佇んでおり、ジムをタップすると、アーマーが稼働して拘束が解け、臨戦態勢に突入するという演出が取られる。
鎧を纏っている影響で動きが制約されているからなのか、通常の個体とはモーションが微妙に異なる(ジャンプやゲージ技発動時等)。また、通常の個体と比べると体の色がややくすんだ様な配色になっているが、これが力を制御された影響によるものなのかは不明。
翌2020年2月に行われたポケモン生誕記念イベントの際に復刻された。
今回は、ミュウツーの専用技である「サイコブレイク」を覚えた特別仕様になっている。
なお、このフォルムの色違い個体は登場していない(データ上は存在しているらしいが未解禁)。
というか、そもそもアーマードミュウツー自体も上記の生誕記念イベントを最後にゲーム内にまったく登場していなかったりする(恐らく、映画と完全に連動したキャラであるためと思われる)。
性能
鎧を纏っているが、はがねタイプは付加されておらず、通常の個体と同様、単エスパータイプである。
種族値 | HP | 攻撃 | 防御 | 合計 |
---|---|---|---|---|
アーマードミュウツー | 214 | 182 | 278 | 674 |
ミュウツー(通常) | 214 | 278 | 182 | 674 |
種族値は、通常の個体と攻撃と防御の値をそっくりそのまま入れ替えた構成になっている(HPは据え置き)。
つまり、攻撃力が低い代わりに、耐久性が異常なまでに高くなっており、生半可な攻撃ではびくともしない硬さを獲得している(ただし、総合性能ではすべての種族値においてルギアに負けてしまっている。あちらはひこうとの複合で、習得できるゲージ技が大きく異なるので一概に比較できない面もあるが…)。
力が制御されている→攻撃力低下、鎧で全身を保護している→防御力上昇…ということなのだろうか。
なお、『ポケモンGO』では物理と特殊の区別がない上に、素早さのステータスは存在しない。今後、仮にメインシリーズにもアーマードミュウツーが登場することになった場合、これらのステータスがどう扱われることになるのか気になるところである。
技にも変更が加えられており、通常技は「ねんりき」と「アイアンテール」、ゲージ技が「ばくれつパンチ」「じしん」「いわなだれ」「みらいよち」と、通常技の「ねんりき」以外は通常の個体とはまったく異なったものになっている。
こんなステータスなのだから、当然レイド攻略やジム戦には全くと言っていいほど向いていない。通常のミュウツーやフーディン、エーフィあたりを育てて運用した方が遥かに火力を出せるからである。
むしろ、耐久性に特化していることや、エスパー技以外にも様々な技を覚えられる利点を生かして、トレーナーバトルで活躍させてあげるのが良い……というか現状ではそれくらいしかほぼ使い道がないのだが。
この少し後に実装されることになったGOロケット団の繰り出すシャドウポケモンとの戦闘も、耐久性の高さや様々な技を覚えられる万能性を活かして活躍が期待できる(この場合、鎧を身に纏った状態のままロケット団に反旗を翻すミュウツーという原作では絶対に観ることのできなかった光景が繰り広げられることになる)。
レイドボス
このポケモンの真の恐るべき所はむしろレイドバトルの攻略難易度の高さにあると言えるだろう。
レイドボスは、HPがレベル毎に固定されており、耐久力が実質防御の種族値に依存することになるため、通常個体と比べて防御力が格段に上昇しているこいつはそれだけ耐久力がアップしていることになり、討伐に時間がかかってしまう。
圧倒的な攻撃力故に1体あたりの生存時間が短くなりがちな通常個体とはまた違ったベクトルで厄介極まりない相手と言える。
さらに、技の種類が多彩であり、更にはエスパータイプが苦手とするあく・はがね・むしにもバッチリ対策を取れる技を揃えているという抜け目のなさである。
ただし、通常の個体と比べると攻撃力がかなり低いため、万が一弱点を突かれてしまったとしても即死することはないのが救いか。また、ゴーストタイプの弱点をつく技は繰り出してこない。このため、ギラティナ・オリジンフォルムを複数体用意しておけばある程度安定した立ち回りができるだろう。
余談
- 初見で見た人は原作以上にゴツくなったアーマーを纏ったミュウツーをガンダムやダンボール戦機、仮面ライダーなどと言っている。
- デザインは『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』で巨大怪物体をデザインしたバーンストーム・デザイン・ラボが担当している。
- 一方、旧式のアーマー(M2バイン)のデザインを手がけたのは、後にウルトラマンオーブ・ライトニングアタッカーやアニメ版グリッドマンのデザインを手がけたことでも有名な後藤正行氏である。また、後藤氏はミュウツーのアーマーと設定的にも外見的にも酷似した別のアーマーのデザインも手掛けている。
- 『ポケモンGO』で習得する技を見てみると、タイプ不一致技はすべて原作では物理技として扱われている技であることがわかる。力を制御されたがために、己の拳で戦うしかなくなってしまった…ということなのだろうか。