鬼太郎、まさかお前メリーちゃんと・・・?
概要
1970年に別冊少年マガジンで掲載された『その後のゲゲゲの鬼太郎』に登場したヒロイン。ニューギニアの「幸福の島」の酋長の一人娘で鬼太郎の妻としても有名。
悪質な格差社会などの悪政を敷いていた父親とは異なり善人である。なお、上流階級なので陸上に家がある。
告白したのは鬼太郎からだが、メリー曰く幸福の島の女性は「情熱的」らしく、告白された次のコマでは既に鬼太郎から唇を奪っていた。
だが、自由恋愛をした事と、ねずみ男が鬼太郎を裏切って酋長の手先となって密告したことで鬼太郎との関係がバレてしまい、鬼太郎は島の革命に関与した犯罪者に仕立てあげられ、肉体が消失する「死の島」へ島流しにされるという事実上の死刑(死の島への島流し)になってしまう。
だが、既にメリーのお腹には鬼太郎の子(となる予定だった胚)が宿っており、さらに島の「生の泉」の水を浴びていたことで、魂だけの存在となった鬼太郎はメリーのお腹の中の子供に宿り、10ヶ月後に「鬼太郎としての意識がある赤ん坊」として誕生する。生まれた赤ん坊は急成長し、隻眼も含めて本来の鬼太郎の姿へと完全復活を遂げた。
そして、悪政を倒して鬼太郎が初代自由酋長となった事で、メリーも正式に現酋長の妻となった(ついでにねずみ男も終身刑になった)。
その後に鬼太郎は帰国し、『死神大戦記』にて「幸福の島」が再登場するものの、メリーは登場していない。「幸福の島」の人々の存在も、漠然と「南方にも鬼太郎たちと以前親しくなった原住民の一族が複数いる」と表現されるのみである。
- 水木氏が交流のあったトライ族なども作中で存在が仄めかされている。
余談
- 目玉のおやじは、鬼太郎の結婚相手として「ルーマニアのドラキュラ伯爵の令嬢」を考えていたらしい。
- 鬼太郎が赤子の肉体から戻るのは大なまずに対して「氷流し」を行って以来となる。
- この作品は、現在も復刻または文庫化時に収録されはするものの、その後のメリーとの具体的な関係等は、原作・アニメ共に不明となっている。しかし、「水木しげる記念館」では正式に鬼太郎の配偶者としてリストされている。これは、水木しげる自身が『その後のゲゲゲの鬼太郎』を事実上の最終回として描いた為であり、時系列的にあやふやな部分がある事もあって勘違いされやすいが、メリーの存在が否定されたわけでは無い。
- アニメ5期のキャラクターのミウは、ファンの憶測の域を出ないが、メリーをモデルとしているという説が存在する。メリーとミウの間には共通点が目立つのが理由であり、鬼太郎に好意を抱いている、人間に近い、「この世とあの世を繋ぐ島」に関連性がある、南方の島の酋長の正当後継者である、関連する事件で鬼太郎が「死」またはそれに近い状態になったがメリーやミウが体内の生命力で復活させる、頭に飾りがある民族衣装を纏う、「花嫁」を意識した構図が見られた等の点である。
- 「ニューギニアの島の部族の女性」は、ある意味で御大にとっては永遠のテーマとも呼べるほどの大切なジャンルである。ニューギニアは大海獣等のエピソードでも取り上げられている。
- 水木しげる氏が鬼太郎の嫁としてメリーを設定した理由は厳密には不明だが、氏がトライ族に帰化して生きる人生もあったこと、そしてエプペ嬢への思いが込められているという説もある。