概要
首都 | ブカレスト |
---|---|
面積 | 23万8397平方キロメートル |
人口 | 1903万8098人(2022年1月) |
建国 | 1877年5月10日(オスマン帝国より独立) |
公用語 | ルーマニア語 |
国家元首(職) | 大統領 |
政体 | 半大統領制 共和国 |
ルーマニア(ルーマニア語:România、マジャル語:Románia、漢字表記:羅馬尼亜)は、東ヨーロッパに位置する共和国。南西にセルビア・西にハンガリー・北にウクライナ・北東にモルドバ・南にブルガリアと国境を接し、東は黒海に面している。
人口は2011年10月に実施された国勢調査では2012万1641人、2022年1月の推計では1903万8098人であった。
概要
国名の由来は「ローマ」で、ルーマニア人は古代ローマニアの末裔であるが、原住民のダキア人の血も引いている。モルドバ人と同じ民族であるが、政治的都合によって区別される事がある。ルーマニア語とモルドバ語はほぼ同じであり、ルーマニアとモルドバの国旗が類似している事からも、この両国の特別な関係が窺える。
吸血鬼発祥の地と言われており、モデルになった人物は1448年10月以来ワラキア公であったヴラド・ツェペシュと言われている。そのせいか陰鬱なイメージを持たれがちだが、本来はラテン系なので明るく陽気な人が多い。国旗はチャド共和国と酷似。
歴史
起源
ルーマニアが現在のようにラテン系の自認を持ったきっかけとして、紀元1世紀に当時「ダキア」と呼ばれていた国土の主要部がローマ帝国の属州になった事が挙げられる。その後3世紀までには帝国の衰退に伴うドナウ川への国境撤退があったとは言え、ローマ帝国の一部であったという記憶は後のルーマニア成立の契機となった。その後ルーマニア領は大きく以下の3つの地域に分かれる。
- ドナウ川流域のワラキア:東ローマ帝国が健在であった時代には首都のコンスタンティノポリスへの食糧供給地の1つとして知られた。
- 山岳地帯のトランシルヴァニア(ルーマニア語:アルデアル、ハンガリー語:エルデーイ):1000年12月頃に成立したハンガリー王国の一部として、ハンガリー人・移住してきたドイツ人の混住地域となる。
- プルート川流域のモルダヴィア:ルーシ(ロシア)・ポーランドとの境界地域として交易路が通過していた。
自治領
15世紀頃にワラキアとモルダヴィアがほぼオスマンの朝貢国と化し、ヴラド大公の時代もこの頃である。一方のトランシルバニアは、ハンガリー王国主要部の占領に伴ってほぼ自律した。1699年1月に締結されたカルロヴィッツ条約でハプスブルク家が再度ハンガリー主要部を統一するまで、オスマン直轄領(ドナウ川流域)・ハプスブルク領(北部山岳地帯と国境地域)と3分割されたハンガリー領の重要な一部となる。
独立
1859年1月にワラキアとモルダヴィアが統合され、1881年3月にルーマニア王国が成立した。第一次世界大戦では連合国として参戦し、1918年11月にハプスブルク帝国が解体されてトランシルバニアもルーマニア領域となり、この時点でルーマニアの国土は最大に達した。しかし急激な統一と農業中心の経済で、ひずみが生じたところに大恐慌が直撃して不景気に陥った。
第二次大戦
1939年、第二次世界大戦が勃発。独ソ不可侵条約を締結していたソ連によって、1940年にベッサラビアや北ブゴビナを割譲させられた。後にルーマニアはドイツ率いる枢軸国に加盟し、1941年に独ソ戦に枢軸側として参戦。しかしソ連軍の反撃に遭い劣勢になると1944年に連合国側に寝返った。
独裁
1947年12月にルーマニア社会主義共和国が成立し、1967年12月にニコラエ・チャウシェスクが権力を掌握する。国内の需要を無視した食料輸出・秘密警察と個人崇拝の強要・首都の街区を潰しての豪奢な宮殿建設など、典型的な独裁政権の政策を実施した。そしてついに東ヨーロッパ民主化運動の中で東部の小都市であるティミショアラのデモを弾圧した事が契機となり、あろう事か首都の官製集会の真っただ中で民主化要求のデモとクーデターが発生した。1989年12月にチャウシェスクは拘束・処刑され、その様子はテレビ中継された。
近年
一時経済が落ち込むものの何とか回復し、2004年3月にNATO(北大西洋条約機構)・2007年1月にEU(ヨーロッパ連合)に加盟した。
政治
政体は半大統領制の共和国であり、ルーマニアの憲法はフランスの憲法(第五共和政)のモデルに基づいている。ルーマニア国内では旧王家が「王室」を称して公的活動を積極的に展開しており、旧王家の家督は「ルーマニア王冠守護者」の称号と「陛下」の敬称を自称し、ルーマニアの社会では広範に認められている。
渡航
日本国籍者は90日以内の滞在なら査証は不要。ただしパスポートの有効残存期間が6ヶ月以上必要。
日本の外務省は危険情報は発令されてないがスリや置き引きに要注意。首都ブカレストには犯罪多発地域もあるので用心してほしいとのこと。
ヘタリア
「Axis Powers ヘタリア」におけるルーマニアについては、ルーさんを参照して欲しい。