「では、虚言の夜を始めよう…」
プロフィール
身長 | 180cm |
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体重 | 67kg |
3サイズ | 不明 |
声優 | 増谷康紀 |
概要
対戦型格闘ゲーム『MELTY BLOOD』に登場するキャラクター。
シリーズ最初のラスボスで、「人の幻想を具現化する怪奇現象」という異形の吸血鬼。
三咲町に到来し、一夜限りの惨劇を繰り広げる。
略歴
死徒二十七祖の第十三位に座す吸血鬼で、『タタリ』とも呼ばれる、意思ある怪奇現象。
本質的には実態というもの自体が存在しない。後述するが、ほとんど自然現象そのものであるため、その活動や被害を抑えることはできても阻止は出来ない、いわば台風のような存在であり、現象となることで結果的に不老不死をも会得したなんともぶっ飛んだ吸血鬼である。月姫の吸血鬼ってそんなんばっかりだけど。
「ワラキアの夜」という名は仮称であり、最初に彼という『現象』を目撃した地名に由来している。(現在のルーマニア・トランシルバニア地方にあたる『ワラキア公国』。ドラキュラ伯爵の故郷)
元々はズェピア・エルトナム・オベローンという錬金術師であり、世界三大学院の一角であるアトラス院の院長に就任したほどの逸材。
しかし、研究の果てに『世界は終わる』という【答え】を知ってしまい、死にゆく世界を救うべく八方手を尽くすもすべて失敗に終わる。
それでもあきらめきれず、吸血鬼となって自身を強化し、第六法と呼ばれる奇跡に戦いを挑むも敗北。その結果、肉体や精神が霧散し、あらかじめ用意していた『タタリ』の式により現象へと変貌を遂げる。
第一作でのラスボスにして、怪奇現象の根源。
アトラスの後任であるシオンを半吸血鬼にした張本人であり、立場上ではシオンの『死徒の親』(師匠・養父のようなもの)という関係にある。同時にシオンの盟友であるリーズバイフェを葬ったことから、シオンにとっては許しがたい仇敵となっている。
ただ真EDで垣間見せる彼の狂気には、「人間への親愛とそれを源とする使命感」が色濃く見える部分が存在し、単純な悪役に括ることのできない悲壮感に満ちている。これについてはシオンも一応の理解は示した。
人物
ぶっちゃけて言うと特定の容姿は存在しない。
そもそも自身が『現象』であるため、後述の「タタリ」の影響によりどこかの邪神様のごとくいくつもの姿と形を持ち合わせている。
とはいえ、便宜上、姿を表す際には吸血鬼・ズェピアとしての姿をとる。このときの姿は、金髪で長身のイケメン紳士であり、ドラキュラ伯爵のような大きなマントを羽織っている。普段から眼は閉じているらしく、視覚情報をどう得ているかは定かではない。
性格も普段は紳士然としており、物言いは慇懃無礼を地で行く皮肉った表現が多い。
ただし、紳士の性格はあくまで仮面、皮をかぶっているだけにすぎず、本性は紛うこと無き狂人。高揚してくると、かなりキレた台詞をものすごい勢いでまくし立ててくる。
これについては、先述した【答え】の打開に失敗し続けた結果として、精神が崩壊してしまっているため。このときには普段閉じている目が開くのだが、それは鬼灯のように真っ赤に充血している上に血が滴ってくるため、狂気的な言動のおぞましさに拍車をかけている。
自身の起こす現象を舞台演劇のようにとらえており、自身も舞台監督気取りで現象の行く末を見守っている。そのためか、台詞も芝居がかったもの、舞台を意識したものが非常に多い(代表的な台詞「カット」)。
ただ、平行世界における彼を見るに、紳士的な部分と舞台劇になぞらえた言動は、もしかすると発狂・死徒化する前からの元々の性格や嗜好だった可能性もある。
死徒化・狂人化する以前は、人類の未来を計算しその数式からより良い未来を導き出そうとした、理想の追求に熱を燃やす強い人類愛を秘めた術師だった。
彼が狂った最大の要因は、その大き過ぎた人類愛そのものとも言える。
人類の未来が恒久であると信じたかったズェピアは、あらゆる計算を以って人類崩壊のシナリオを食い止めんと抗ったが、そもそも最悪のシナリオの原因は、自分が救いたい人類側にこそ存在すると気がついたとき、彼の憤怒と絶望と悲嘆は計り知れないものだったかもしれない。
彼が第六法にまですがって勝ち取ろうとしたもの。それは「自分の計算を覆せるだけの人類の“可能性”」に他ならなかった。
能力
一定の周期と条件のもとに、一個の共同空間(村や町)に蔓延する恐怖や噂を操作し、それらが特定のルールを持つまでに成長させ、それを増幅させることで噂を現実に呼び出す能力。
ざっくり言うと『都市伝説を現実にする能力』であり、その共同空間に存在する噂で、より明確に個性を持つものを呼び出すことができる。
そのため、『タタリ』空間の中では個人の恐怖を象徴する存在が具現化されたり、逆に実現困難な願望が一時的に叶ったりする。
前者の産物が暴走アルクェイド・七夜志貴・紅赤朱秋葉・ネロ・カオス・軋間紅摩であり、後者はメカヒスイ(琥珀の被造物。タタリの影響で『可能性』が増幅されて誕生)・有間都古(八極拳の体得)など。
特異なパターンとしては、白レンのように『自身の内にある未使用の部分』が顕現するパターンや、リーズバイフェの復活のように記憶の中にある故人を一時的に蘇らせることもある。
その応用、規模、威力ともに強大であり、便宜上は「固有結界」に分類されるが、実際の特性はもはやその範疇にとどまっておらず、同カテゴリーから除外されることも。
共同空間内の噂が具体的、かつ共通点が多いほど悪性情報と呼ばれる発生条件は成長し、そのポテンシャルは無尽蔵に増幅されていく。逆に、噂が多すぎたり具体性が薄かったりすると大した脅威にはなりえない。
ちなみに、シオンも一応はワラキアの夜の後継者であるため、吸血鬼シオンになると、知人の幻影を呼び出すという限定的な悪性情報の応用的な使用方法が可能となる。
ワラキアの夜自身もエーテライトの使用に長けており、シオンとエーテライト同士による一騎打ちを行っている。その際に、「便利すぎるが故に頼りすぎる」と言う旨を発言しており、もしかしたらエーテライトを嫌っているのかもしれない。
「採点してあげよう……リテイク!やり直したまえ!」
「他者から吸い上げる情報が無ければ"自分"を保てない」と言う点でシオンと自分は同類だと揶揄していたが、自分の後継者であり、また自ら吸血鬼にしたシオンに対し何らかの思い入れはあったようだ。
なお、Re・Act以後はタタリの残滓を他の人物に利用され、疑似タタリが生みだされることとなった。
ゲームでの性能
死徒としての爪や身体能力を活かした攻撃と、マントを使ったリーチの長い攻撃が特徴。タタリとしての能力も勿論反映されており、暴走アルクェイド や七夜志貴 などの幻影を呼び出して攻撃したり、悪性情報の塊を黒い旋風のように操って攻撃するなど、設置系の必殺技が豊富。
一方で飲血鬼と称されるほど多量の血液を摂取するとされる彼だが、意外にも作中で明確な「吸血技」といえるような攻撃方法は持ち合わせていない。
第一作ではラスボスだけあって、投げから10割という鬼畜コンボを繰り出す強烈な性能を持っていた。二作目以降は疑似タタリで呼び出された影響を反映し、ダウナー調整され、中~上位程度にとどまっている。以下はニ作目以降の調整を踏まえた対人戦における性能について言及する。
B系統の通常技がいずれもリーチ・判定・持続に優れており、中距離での牽制能力はピカイチ。大柄なリーチキャラでありながら機動力も非常に高いという、異色の性能を持った立ち回り特化型のスピードファイター。鋭い低空ダッシュを活かしたシンプルな中下段択や、設置技と通常投げを組み合わせた崩し性能も悪くなく、多段技が多いのでコンボのゲージ回収量も多い。
一方で耐久は紙そのもので、切り返し技の性能も悪い。終盤の根性値は高いので強制解放のタイミング次第で延命はできるが、コンボ火力も低いためダメージレースで負けやすく、終始有利に立ち回ったと思っても一度読み合いに負けるだけで一瞬で体力が溶ける。
優秀な牽制能力を持つが、しっかりとマントにも喰らい判定が存在するため、相手からの牽制にも引っかかりやすい。いわゆる判定の大きいデカキャラであるためコンボや固めも抜けづらく、鴨音中段などのキャラ限定の連携も決められやすい。
攻めの爆発力が少なく事故に非常に弱いため、突き詰めようとすると丁寧なリスク管理が必要となる、上級者向けのキャラクター。
アークドライブは情報の旋風で相手を吹き飛ばしながら切り刻む『ナイト・オン・ザ・ブラッド・ライアー(アンザニティ)/(インザニティ)』、ラストアークは自身が旋風となって相手を切り刻む『ナイトルーラー・ザ・ブラッド・ディーラー』(屈み版が存在し、この場合は爪での一閃)。
初代のみ仕様だが、アークドライブには最後の一撃だけがヒットすると、コンボ補正によるダメージ減衰が掛からないせいで即死級のダメージが入っていた。
ちなみにゲーム中の長台詞(例としてラストアーク中の「鼠よ廻せ!秒針を逆しまに誕生を逆しまに世界を逆しまに!廻セ廻セ廻セ廻セ廻セ廻セェェェ!!」)は全てNGなしだったとか。増谷さんパねぇ。
関連人物
数代後の子孫であり、自身と同じアトラス院の学長に至る才能を秘めた錬金術師。死徒としての「子」であり、彼女の親友を捕食したことから不俱戴天の仇と看做されている。
しかし真ルートでは、赦すことは出来ずとも自身のかつての理想に対し、相応の理解を示している。
ワラキア自身も、シオンを反抗期の娘を見守る父親ようなところがあり、自身の後継者になり得る才能を含め、それなりの情を持って接していた模様。
実際、別世界では「養父と義娘」という関係となっており、人間的な相性は決して悪くないらしい。
聖堂教会の異端審問官であり、シオンと共に自身を滅ぼしに現れた聖盾の「聖女」。
その血を飲み干して絶命させるも、その因縁が新たなタタリを生む遠因となる。
シオンと共に自身の正体に迫ってきた日本人の青年。
死ぬことのない自分に対し天敵といえる異能を有しており、その力の前に敗れた。
自身の先代の十三位と面識がある。
本編では、遠野志貴の「出会いたくない過去の恐怖」の一つとして、タタリにより現界する。
自身の能力が出現させた「過去の恐怖」。
それぞれに自我が強く、三咲町を自分なりに蹂躙していく。
ある組織の思惑から、ある人物によって生み出された第二のタタリ。
劣化した模造品であり、何より自身の力を余計な陰謀に利用されたとあって、快くは思っていない。
白レンの生みの親であり、『~Re:Act』での黒幕。
上からの命令だったとはいえ、タタリを模造して三咲町を実験場にした件についての責を問うため、ぶつかることになる。
ちなみに青子はワラキアの慇懃無礼ぶりが得意ではないが、当のワラキア的には(本音か皮肉かはさておき)彼女の鼻っ柱の強さは割と好みらしい。ぇ……
さらに言えば、同じ髪が赤くなる気丈な令嬢もそれとなく気に入っているらしく、どうも気の強い美人に目がないらしい。
自身の後継者の、ある未来での成れの果て。
己と同じく「人類の破滅」を憂うも、そこからあっさりと見切りをつけ、自身の手で人類を滅ぼして「人類の記念碑」を作り上げるという、本末転倒な結論を導き出してしまう。
格は認めているが永遠へのアプローチ方法から仲が悪く顔を合わせると嫌味の応酬が始まる。
Fate世界
『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』が初出。死徒化しているがタタリと化してはおらず、アトラス院の院長として健在の平行世界における彼。こちらでは、第三魔法を希求している
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人類悪:彼の内にある感情が紛れもない「人類愛」であるため、少なくとも候補者に名を連ねるだけの資格はあると思われる。