私に生まれた新しい感情は、確かにシオン・エルトナムの性能を下げました。
けれど、その代わりに新しい未来を手に入れた。貴方では持ち得ない、希望に満ちた結末の夢を。
プロフィール
概要
本名は「シオン・エルトナム・ソカリス」であり、アトラス院の次期学長候補として推薦されたことから現在の「アトラシア」に改名している。
3年前に聖堂教会との共同戦線でのタタリ討伐に失敗。その際に友人であるリーズバイフェ・ストリンドヴァリを失い、自身もタタリに吸血されたことで半死徒と化してしまう。完全な吸血鬼にならずに済んだのは、タタリが現象という発生と消滅を繰り返す存在であったため。
以来、友人の仇と自身の不始末に落し前を付けて人間に戻るため、アトラス院の戒律を破り、単身でタタリを追跡していた。そして三咲町でタタリの気配を察知し、同じく怪奇現象の謎を追っていた遠野志貴と出会い、共同戦線を組むこととなる。
人物
容姿
パーソナルカラーは紫に統一されている。目は紫苑、同色の長髪を一本の三つ編みに束ね、軍服かボーイスカウトの制服のような、動きやすさに重点を置いた衣装に身を包んでいる。
またミニスカートにニーソックスを着用し、ロングスカートの多いメルブラ女性陣の中では珍しい絶対領域持ち。実はメルブラ女性陣でも、屈指のスタイルの良さを誇り、特にバストサイズは全キャラ中堂々の3位だったりする。1位・2位はアルクェイド・ブリュンスタッドと蒼崎青子。(カップサイズは同率1位)
人物像
生真面目で徹底した合理主義者であり、自身の計算で打ち出された「解答」のみを信じて行動に移す。一見して人当たりは冷たくはあるが、本来は非常に心根の優しい純粋な少女であり、思い込めばまっすぐに突き進む『熱さ』も内包している。合理性については、アトラス院に長く居続けた弊害である部分が大きいのかもしれない。
志貴に対しては恩人としての感謝と友情を感じている一方で、無意識に異性として意識しているような節もある。無印ノベルパートで敗北した時には頬染めて「初めてだから優しくして(要約)」と言える位には積極的。
出会えば志貴を取り合ってぶつかり合うのが日常な他のヒロイン勢とは違い、どのヒロインたちともうまくやっている特異な立ち位置にいる。特に遠野秋葉とは仲が良い。
また弓塚さつきとは路地裏同盟を結成しており、友人兼保護者といった関係にある。
ネコアルクからはエジプトニーソと呼ばれているが、シオンはこの呼称を嫌っている。
能力
『分割思考』とよばれる思考方法による瞬時の状況判断と、的確な対応力で常人離れした戦闘能力を発揮する。特に思考能力に関しては、企業用コンピュータ並みの能力があり、複雑な演算さえも暗算で算出できる。
簡単に言えばスパコンが七つほど頭に入っており、未来を常時フル稼働で計算しているようなもの。
また半死徒の影響なのか、多少のダメージで倒れるようなこともない。ただしダメージを受けすぎたり、タタリに近づくことで吸血衝動に襲われ、それを抑え込むために精神力を大きく削られることになる。
エーテライト
エルトナム一族秘伝の錬成物で、シオンが使用するナノフィラメント。第五架空元素(エーテル)で出来ており、元々は医療用の疑似神経であった。シオンはムチのように振るったり、物体を縛り上げたりする際に使用する。
またシオンには『霊子ハッカー』の通り名があり、このエーテライトを使用して相手の皮膚に繋げ、脳神経に接続して相手の思考や記憶を読み取ったり、体を遠隔操作することができる。
ちなみに志貴の行動をコレで把握したらしく、「志貴について解らない事など無い」と一人で呟いて勝手に赤くなっていたり…。
本人曰く「火力不足は否めませんが、対人戦闘では一級の武装です」。利便性の高いものらしく、ワラキアの夜も「ズェピア」として戦う際にはついつい頼りがちになってしまうと零した。
相手の思考を読む、という機能に目が向きがちだが、“知識・経験を共有・複写する”という事の方が脅威と言える。非人道的かつ悪魔的な“相手の人生の獲得”としてアトラス院でも忌避されているエルトナム独特の技法である。
ブラックバレル・レプリカ
アトラス院で製造された黒い拳銃。ブラックバレルという概念兵装の拳銃の模造品で、“天寿”の概念武装。特殊な弾丸を用いることで強力なエネルギー(毒素)を放つことができる。射出されたエネルギーは目標に命中すると、目標の寿命分の毒素(攻撃力)を発生させ、相手を死滅させる。普通の拳銃としても扱うことも可能。
メルティブラッドでの性能
飛び道具・無敵付き対空・突進技という三種の神器持ちで、比較的スタンダードな仕様となっている。だが、通常攻撃のリーチが短い・飛び道具に弾数制限とリロードがある、といった微妙なクセが存在するため、初心者には少々とっつきにくい性能となっている。
それでも『メルティブラッド』というゲームの特性を覚えるにはうってつけの教材であり、一時は永パ(一定の攻撃手順で永久に攻撃する方法)レベルのコンボまで開発された唯一の本格ゲーキャラでもあった。
必殺技についてはスタンダード、かつ引き寄せ効果の付加など、使いこなせば非常に便利な技が多い。ただしアークドライブに関しては、初段の一撃のリーチが投げ技並みに短いという致命的な欠点が存在し、ぶっぱなしではまず当たることがない。
逆にラストアークは下段攻撃に対応しているため、反撃の一手としては比較的に狙いやすいものとなっている。アークドライブは相手を上空へ打ち上げて放つ『バレルレプリカ』、ラストアークはバレルレプリカを横に放つ『バレルレプリカ・オベリスク』。…え、ラストシューティング? 何ノコト?
外部作品にて
第2部『Cosmos_in_the_Lostbelt』第2章『無間氷焔世紀ゲッテルデメルング』ラストに登場(この時は声のみで姿は現さなかった。第2部第3章『人智統合真国シン』イントロにて上記のイラストのビジュアルが公開された)。
本作における彼女の詳細はシオン・エルトナム・ソカリスの項を参照。
ちなみにシオンは月姫世界においても漫画版で彷徨海に旅立っている。
余談
第一作目(無印版)における主人公であり、開始時点での視点こそ遠野志貴であるが、シオンを伴うルートにおいては語り手はシオン寄りになっている。
……のだが、ノベルス時代から確固たる主人公の地位を維持する志貴、絶大な支持率を誇るアルクェイド・シエル・遠野秋葉の三大ヒロイン、メイドさんという立ち位置と独特の魅力で根強い人気を持つ翡翠・琥珀姉妹、強烈な個性と性能で異彩を放つタタリ軍団と、単なる委員長系ヒロインでは太刀打ちの困難な強烈な面子にさらされ、いまいちパッとしない不遇を託っている。挙げ句、Re・Actで幼女成分として爆発的な人気を獲得したレンと白レンが登場し、只でさえネタ扱いの激しいシエルからは「極論言うとアンタに足りんのはカレーや」などと言われる始末。
また彼女の派生キャラと言えば、「エロ要因にされたり悪堕ちさせられたりするIfキャラ」と「ラスボス(紙)」、謎のヒロインEであり、何というか別方面でイロモノ扱いが進行している。ついでに路地裏同盟方面では着々と百合の魔の手が進行中。
さらに操作性に関しても上述のようにクセが強く、「使い慣れれば強いが使い慣れるまでに苦労する」初心者には少々つらい仕様。(志貴は飛び道具はないが扱いやすく初心者向き)
だがなによりつらいのは、公式ホームページでも『主人公は遠野志貴』と明記され、いまだに修正されていないという痛烈な追い打ちが待っていたことであった……。
それでも人気キャラであることには変わりなく、ヒロインとしてはちゃんとキャラ立ちしている。
また初代からACAAに至る物語では「タタリ」というキーワードを語る上で外せないキャラクターでああり、そうした意味ではメルブラのキーパーソンとしての地位も獲得できたと言えよう。
なにより、ほとんどのキャラたちが原作からの出演と言う中で、彼女だけが「純メルブラ産」という特異な出自があるのだから、決して他のキャラに負けている部分はない。
単純に、主人公というには周りが濃すぎただけなのである……(泣)。
それでも人気投票得票数ゼロのあの人に比べたら十分に恵まれているが。
しかし現在、その遠野志貴はFateはおろか同社他社からの外部出演すらされていない。しかもFGOやアンダーナイトインヴァース(同一人物でないが)で外部出演しているシオンとは違って立場が逆転している(ただ作品が作品で出しにくいの意見もあるが)。
関連イラスト
関連タグ
TYPE-MOON メルブラ 月姫シリーズ Fateシリーズ
遠野志貴 遠野秋葉 弓塚さつき 吸血鬼シオン オシリスの砂 ワラキアの夜
アンダーナイトインヴァース(こちらにはエルトナム名義で参戦。ちなみにUNIではCVが変わっている)
デスクリムゾン2(メルブラと同じくエコール製作のゲームだが、ヒロインであるユリとシオンの容姿が似ている。)