優しい嘘なら、それもいいと思います。
たとえ偽善でも、何となく救いがありそうじゃないですか
プロフィール
誕生日 | 5月3日 |
---|---|
血液型 | O型 |
身長 | 165cm |
体重 | 52kg |
3サイズ | B85/W56/H88 |
属性 | 秩序・悪(客観的には善だが、本人は悪だと思っている) |
好きなもの | 香辛料の効いた料理、ボランティア、道具いじり、仔犬 |
嫌いなもの | だらしのない生き方、吸血鬼 |
天敵 | 特になし(オールラウンダー) |
CV |
概要
遠野志貴が通う高校の先輩。
「とにかく良い人」であり、教師・生徒を問わず知的で頼りがいのある存在として認知され、茶道部の部長である一方、実質的な陰の生徒会長という立場にいるが、私生活については多くの謎を孕んでいる。
その正体は聖堂教会の対死徒専門の異端審問部署・『埋葬機関』に所属し、第七位の序列に在籍する異端審問官である。
通称は『弓のシエル』『埋葬機関第七位』。
経歴
シエルは洗礼名で本名はエレイシア。
元はフランスの片田舎でパン屋を営む平凡な家庭に生まれたごく普通の少女であったが、その秘めたる稀有な才能から死徒二十七祖の番外・ミハイル・ロア・バルダムヨォンに、十七番目の転生体として選ばれてしまう。
抵抗むなしく身体を乗っ取られるも意識は残り、両親や知人といった周囲の人間を愉しく喰い殺す悪鬼となってしまった自分を第三者視点で傍観しているような状況に。自我を放棄すればより惨状が酷くなるので狂うことも出来ず、ロアと化した自分を見続ける地獄を過ごす。
その後、アルクェイドと聖堂教会によってロアが討伐され、自身も死んだはずだったのだが、下記の体質故かロアの影響が強く残ってしまい、それから3年後、彼女は不死の肉体となって復活を果たす。
教会から『罪』を咎められ壮絶な拷問を受けるも、体はその度に蘇生してしまう。それに目を付けたナルバレックのスカウトを受け、埋葬機関所属の代行者となった。
そのため実際の年齢は25歳程度。肉体年齢は16〜18歳(リメイク版では12歳でロアに覚醒。早熟だったらしい)。
ロアが十八度目の転生を達成したことを受け、アルクェイドとほぼ同様にロアの捜索に当たるべく、ロアの魔術を駆使して三咲町の住人に成りすまし、自身の忌まわしい過去と決別すべく、その形跡を追っている。
事件以後は、「街の治安維持」という名目で、志貴の近くにいるために町に留まることとなった。
本名から察せられる通り、出身は日本ではなくフランスの片田舎であった。
容姿が日本人に近いのは母方が日系人(リメイク版では日本人)の血を引いてるかららしい。
リメイク版では討伐されてから目覚めるまでにかかった年数が6年に変わり、彼女が訪れる場所も三咲町から東京都の総那(そうや)市に変わっている。
以上の経歴は人理の◼︎◼︎が前提とされる月姫世界での彼女である。
Fate世界ではロアがその前にある人物によって魂ごと滅ぼされているため、彼女の人生が狂わされることは決して無い。
それでもロアの転生先として選ばれるほどの常人の域を超えた才能はそのままであるためか、Fate世界においてもシエルが代行者になる運命は変わらないらしく※、奈須きのこによると設定が変わっていても戦闘能力はそのままとのこと。
※リメイク版のとあるシーンや『FGO』の霊基再臨時のセリフで示唆されている。
容姿
メインヒロインのアルクェイドが規格外なプロポーションなので地味だが、彼女もスタイルはかなりのナイスバディで具体的に言うとFateシリーズの間桐桜や彼女と同じ体であるBBとHが1だけ多いがほぼ同じ。
学校では伊達眼鏡と制服、埋葬機関の任務中は修道服のような黒いローブを羽織り、その内側にはレオタード状のインナーを着用している。
同人版
髪型は前髪が独立したセンター分け。サイドがやや長めのマニッシュショートに近い。眼鏡はラウンド型(近年だとオーバル寄り)のリムレスタイプ。
制服は黄色のベストに赤のリボンタイ、紺色のプリーツスカート。
リメイク版
前髪のセンター分けが無くなり、同人版に比べると襟足が若干伸びた。また眼鏡もオーバル型の黒フルリムへと変更。
制服は「学生毎にリボンの色が違う」という設定が追加されたため、緑のスクールリボンとなった。またスカートのデザインもグレーに白のラインへと変更され、ベストの上から黒(濃紺?)のブレザージャケットを着用している。
修道服も襟のデザインが変更され、十字架のペンダントを身につけている。
人物
一見すると生真面目そうだが、その実、かなりズボラで面倒くさがり。仕事はきっちりこなすが、後始末はテキトーといういい加減なことも。普段学校でやっている『良い人』のリバウンドなのだろうか……。
リメイク版においてはズボラで面倒くさがりな一面がノエルに移り、『外交的・弱気・能動的』(基本は穏やかでおとなしいが世話好き)という人物として描写されている。
だらしない人や落ち込んでいる人を放っておけず、つい口を挟んでしまう性格であり、質実剛健とも称される。服装の設定もそれが反映されており、服装差分は最も多いながら決してファッショナブルというわけでもない、という形に落ち着いた。
ただし愛情を持ってしまった相手には話が別であり、悪戯心からちょっとしたイジワルをする、好きな相手を困らせるのが好き、という一面も追加されている。
死徒に対しては一切の容赦をせず、無慈悲に処分する冷徹さを持ち合わせている一方、根が優しいために、状況によっては躊躇いが出てしまうこともある。
その善良さのため原作における多くのルートでは主人公の志貴に対するお助けキャラ的な側面が強い。
吸血鬼の事情に詳しく、尚且つ多くの魔術を含む技術に秀でてるためサポートキャラとしてこれほどの適任が居ないという側面もあるが、もっとも重要な点として彼女が吸血鬼などの悪事を働く存在ではない普通の善良な人には優しい、いわゆる「お人好し」である要素が大きく占めるだろう。
その為任務の最優先よりも志貴の感情を理解してサポートを行うなど、ある意味甘いとも認識される性格ではあるがそれが彼女の一番の良さであるともいえる。
基本的に「現実の非情さを突き付ける存在」でもあるが「それでもなお理想の為に進む人を助けてあげる人」とも言える。なので彼女の出番は必然的に主人公である志貴の頼れる先輩としての出番が多め。
その為か原作での出番も全ヒロインの中でかなりの多さを誇り、遠野家ルートでは一切出番のないアルクェイドとは違い、秋葉ルートでも出番が存在したりする。
また、自他共に認めるカレー中毒者であり、もう一つの異名が『カレー先輩』。
カレーうどんをおかずにカレーライスを食べ、おやつは近所のパン屋(リメイク版では努力して購買に追加させた)のカレーパンと、食生活がカレー一色という有様。
これについては、埋葬機関での初任務で対峙した死徒の超能力の影響らしく、劇中でも原作者から率先してネタにされ、挙句の果てには『メルティブラッド』で秋葉に「インドに帰れ」とまで言われる始末。
カレー以外でも原作者からヨゴレ役を振られる事が(ヒロイン勢の中では)地味に多い。
アニメ『真月譚 月姫』でスパゲティを食べるシーンが盛り込まれていたが、コミック版の『真月譚 月姫』の4コマではスパゲティに対し異常な拒絶反応を示していた。
実家はパン屋で本来は大人になったらケーキ職人になりたかったという女の子だったので、お菓子作りの腕はちょっとしたものらしい。ただ、昔を思い出すのは嫌なので、本人はあまり作りたがらない。
能力
ロアの転生体であった名残から、その身体能力のポテンシャルは常人の域を脱しており、生身で死徒とやりあえるほどの身体スペックの力量をもつ。
さらに通常の魔術師の100倍に匹敵する魔力の貯蔵量を持ち、「一般の魔術師を40とするとシエルは4000を超える」という、現代の魔術師が知れば嫉妬で狂いかねない程の資質を有している。
リメイク版においてはさらにパワーアップし、平均的な魔術師の魔力生成量を20とした場合、シエルの生成量は5000に届くと上方修正された。
比較として、他のTYPE-MOON作品の登場人物の魔力量は遠坂凛が500+α、時計塔のロードで最大の魔力消費量を記録したトランベリオでも2000であり、単純な魔力量という才能においてシエルはTYPE-MOON作品世界の最高峰であるという。(ただし毎ターンのMP回復量という点においてはトランべリオが上回っていることが示唆されている)
人間という枠内では、『月姫』内で最強に位置する人物だが、ロアとしての記憶が彼女の足枷となり、全力を出す(=魔術を遺憾なく行使する)ことにブレーキをかけている。
黒鍵と呼ばれる短剣を投擲する戦法を多用し、そこから『弓』の称号を与えられている。
その称号の通り黒鍵の腕前に関しては聖堂教会の中でも一二を争うほど。
上記の黒鍵や魔術師としての側面が多く取り上げられるが、その身体能力の高さから格闘戦も代行者としてかなり高いレベルまで鍛え上げられている。リメイク版では敵に50tもの正拳を叩き込んだ。
メルブラシリーズでの各種格闘技や『歌月十夜』ではギャグではあるがボクシング対決をしたりとその一端を窺わせる。
総合的には遠・中・近と全ての距離をこなせ魔術による知識も豊富とまさしく単独で攻略するためにあらゆる状況に対応できるオールラウンダーと言える。
リメイク版ではかつて、死徒二十七祖の第二十五位剣僧ベ・ゼから、死徒が死徒を殺すための剣技の師事を受けて習得している。
聖堂教会側はシエルが二十七祖のうち『森』と『城』の祖の2体を討伐していると知っているが、実際には前述の剣技の師であったベ・ゼも含めて討伐済みらしくベ・ゼの討伐において何かしらの口にできない事情を有している模様。討伐した二十七祖の原理血戒を有しているが、新たな二十七祖になることはなく、大魔術の源として原理血戒を扱っている。
黒鍵
シエルの使用する短剣。ナイフというよりは刃渡り80~90cm程のショートソードに近い。
普段は法衣の下に柄だけの状態で多量にストックしており、使用時には聖書のページを刃に転換して攻撃する。
使用方法は主に投擲で、一度に最大6本を一寸の狂いもなく相手に的中させる腕前を持つ。そのほかにも、近接戦闘での得物としても用いるが、やはりもっぱら投げて使っており、シエルが念を入れて使用すれば大砲並みに強化される。
ただ当人も計画的に使っているようではないらしく、彼女の任務で経費の大半は黒鍵の無駄遣いから来ている模様。
対死徒用の概念武装の一つで、対霊体などの武器としての側面もあるためサーヴァントにも攻撃自体は通る。
人外の防御力と再生力を持つ死徒にも有効打を与えるための武器であり、死徒の「不死性」や「再生」を阻害するための概念が付与されている。
シエルの放つ黒鍵は「鉄甲作用」という埋葬機関独自の投擲法により凄まじい速さと衝撃を誇り、死徒の眷族であるゾンビやグール程度なら複数体を物理的に貫き殺せ、コンクリートの壁すらブチ抜くほど強力な攻撃法である。
代行者の正式な武装ではあるが投擲に特化した形状ゆえに剣戟には向かず、扱いには熟練を要することから現在では敬遠される傾向にある。
また当のシエルは上記の通り教会でも黒鍵の達人である点から、某六爪流の様な構え方から斬ったり突いたりと独自の剣術を行うため接近戦にも効果的に使用する。
リメイク版では、黒鍵はあくまで偵察用の軽装であり、これだけでは二十七祖の相手をするには心許ないという扱いを受けている。
黒鍵には並ならぬ愛着を抱いているようで迂闊に触れると急に早口になる上、前提知識が必要となる長い話を聞かされることになる。リメイク版のとある選択肢ではその黒鍵愛を爆発させ、好奇心で話題を振った志貴を宇宙猫顔させた。
第七聖典
リメイク前
対死徒用概念兵装で、当人の身の丈ほどもあるパイルバンカー。
セブンという精霊を宿しており、元は一角馬の角を加工した儀礼用の祭具だったが、やがて退魔用の槍としての転用と改造の繰り返しを、シエルが「ダサい」という身も蓋もない理由から独断で改造し、現在のものになった。
死徒を、内在する『再生』と『転生』の概念ごと相手を打ち砕き、二度と復活できぬようにしてしまう強力な武器であり、シエルにとっても最大の切り札。これを扱う際には、シエルの腕に「第七聖典制御刻印」という、十字架や天使の翼等の呪術的文様が浮かび上がる。
威力の程は吸血鬼どころか神秘に一切関わりのない常人でも刃先にちょっと刺さるだけでも当方もない激痛が走り、完全に一撃が決まれば例え不死身と称される再生力と耐久力を誇る死徒二十七祖ですら無事ではすまず、場合によっては撃破する事すら可能な代物。
上記の通り概念武装としても強力だが単純にパイルバンカーとしての性能も高く、並大抵の死徒なら物理攻撃だけで頭から股下まで一撃で粉砕せしめるパワーを誇る。
また元から神秘を宿している幻想種の一角馬の角を使用してる事から特攻である死徒以外の霊体や幻想種等の神秘を持つ攻撃しか効かない相手にも干渉が行える。
非常に強力な武器ではあるが、使用する際には並大抵の存在なら教会の代行者10人単位のチームを組んで初めて使用できるという尋常ではない魔力消費を伴う。
本体には『転生かっこわるい』(要訳)を始めとした転生批判の文句が山と書き連ねてあるらしいが、最近は使いこんできたせいで文字が擦れて『転生かこぬわるい』となっているらしい。
加えて原作者曰くパイルバンカーのデザインも致命的に間違っているらしく、リメイク版では書き直すとか。
リメイク版
リメイク版では大幅に改訂。
作り方も相当に破綻しており、千年前、地上に残っていた希少な幻想種をおびき寄せ、呼び水となった少女ごと竈にくべることで神鉄を錬成し、教典として組み上げられた概念武装。人為的に作り上げられた奇跡の具現。
断罪死をはじめとした、人間が背負うであろう死の要因が遍く記され、神鉄はその固有振動でこれを戒める洗礼を詠唱し続ける。
『MBTL』における完全武装シエルのキャラクタープロフィールでは、千年クラスの聖遺物と表記された。
パイルバンカーとされていたが、実態は対吸血鬼武装車両。一角獣の角を基本骨子に双銃、銃剣、大剣、甲冑、コアの六つの武装で構成される。
普通の人間が使用するとすぐに衰弱死するとされるほどに燃費が悪いが、シエルの場合は自身の莫大な魔力を使用することで単身での運用を可能としている。
また、アルクェイドと同質のものであるため、彼女の事象変換の対象にならないという特徴も持つ。
その他、『月姫-A piece of blue glass moon-』時点では第七死因までの情報が開示されているが、奈須きのこによるとこれはまだ触りの部分だけであり、全容はまだ明かされていないという。
実際に、『MBTL』では
- 「純然たるパワー勝負でしたね。もっとも、貴女はまだ本性を、私はまだ第七聖典を全駆動させていません。どちらが上かは、その時に」(完全武装シエルの暴走アルクェイド勝利時)
- 「七つの死因に分けての使用ですか。何を警戒しての出し惜しみかは知りませんが、次は『本体』を連れてきなさい」(ロア)
- 「転生批判の聖典・・・・・・七つの死因、七つの武装、一つの——まったく。教会の異端審問も、限度というものがない」(巌窟王)
等の第七聖典を指したセリフが存在し、プロフィールでも『第七聖典を分解し、それぞれ個別の死因として武装した』とされるなど、本編内で描写された七つの死因に分けての使い方以外の使用法がある可能性が示唆されている。
第七聖典を構成するパーツ、武装形態は以下の通り。
- 第一死因『焼死(ブレイズ)』
アサルトライフルの形態。7.62mm弾のフルオート射撃が可能だが、威力は見た目通りではなく10年クラスの死徒であれば根こそぎ挽肉にしてしまうほどの猛威を振るう。
薬莢を排出しているらしい描写こそあるものの、ヴローヴとの戦闘においては60分に亘ってこの銃での攻撃を行っており、リロードをしている描写も見られない。理屈は不明だが残弾数を気にする必要はないようである。
- 第二死因『病死(シック)』
詳細不明。アルクェイドの言う、大量の毒をばら撒くものとファンから考察されている。
- 第三死因『出血死(ブレイド)』
巨大な蛇腹剣。幻想種の骨から作りあげたものであり、シエルの魔力を乗せた一太刀なら戦車すら両断できる。刃を分解し、ワイヤーを最大まで伸ばした場合の有効範囲は30mほど。
前述したようにシエルの剣術は二十七祖の一角、剣僧ベ・ゼが「死徒を殺す為に」編み出したものであり、与えた損傷はすぐに復元せず、暫くの間留まり続けるという特徴的な剣筋をしている。
この剣の技量において、彼女は二十七祖の一角である『騎士』ヴローヴ・アルハンゲリと互角、あるいは上回るとされる。
- 第四死因『衝突死(ブレイク)』
詳細不明。パイルバンカーとしての第七聖典は第三と第四を合わせたものであるという。
- 第五死因『精神死(ロスト)』
詳細不明。
- 第六死因『拷問死(ペイン)』
拷問具・純潔証明(ヴァージンペイン)。概念によって編まれた、物理法則の外にある甲冑。アイアンメイデンの「中に入り、無事であったのなら魔女、死するのなら人間」「死ぬまで自由になれない」という破綻した謳い文句を逆手に取ったもので、“死ぬまで外すことができない”特性を“死ぬまでは壊れない”特性として転用する。
内部からの衰弱死(≒魔力切れ)になるまで最低限の生命活動を保証するものであり、いかなる外からの暴力であろうと、その内部からの責め苦に勝るものはない。
インナーの防御力もかなりのものであり、ある意味ではこちらの方が本体。耐刃、耐火、耐毒、耐衝撃、耐神秘が備わっており、アルクェイドの爪(戦車の砲撃レベル)にも耐える。
- 第七死因『断罪死(パニッシュ)』
破城弩弓。六つの武装を組み上げた対吸血鬼武装車両形態を、さらに展開したもの。対アルクェイド戦でも使用され、彼女の体を破壊できる目算を立てられるほどの性能を持つ。
使用するにはシエルの全魔力を動員する必要があるほどの莫大な消費を伴い、撃つまでの間に内部圧力の調整や聖典詠唱の反復制御に意識を割きながら猛牛のごとく暴れる大弓を腕力で押さえつける必要があるなど、軍艦の主砲発射に等しい作業の全工程を個人でこなさなければならない。
その最大射程は5km。換装時にテキストスロットが転生批判文から新約天使記に書き換えられており、さらに自動照準機能も付けられる模様だが、本編中での標的は狙いを定めた瞬間に狙撃手の存在を感知することができたため、撃つ瞬間のみ対象に意識を向けるクイックドロウによって500m先の標的を手動形式で狙撃した。
標的を遠距離から一方的に見続けられる狙撃のアドバンテージの完全放棄どころか意識さえ向けてはならないという無理筋にも程がある条件だが、埋葬機関をして”特例”と言わしめた彼女の技量からすれば、これ程の難易度も『針の穴に銃弾を通す程度の難易度』に過ぎないという。
魔術
ロアであった影響からその魔術知識も引き継いでおり、暗示や催眠術をはじめ、攻撃型の魔術まで多彩な術式が使える。高校生として学校に溶け込み、陰の生徒会長のような立場にいるのも、この能力の活用があってこそ(半分は彼女の人徳ではあるようだが)。
シエルの魔術回路は大出力だが複雑ではないため全ての魔術を使えるというわけではないが、そうした要素を補ってしまうのがロアの知識であるとされる。
リメイク前の設定では、この知識は時計塔における冠位に相当するとされていたが、リメイク後にもこの設定が残っているかは不明。
本来は教会という立場上、魔術はあまり好ましいものではなく、当人もロアであった頃を思い出すためあまり使いたがらないが、そもそも根っからの信徒でもないため、埋葬機関の任務では状況次第で躊躇なく使用する。
主に使用するのは、黒鍵に炎を宿す『火葬式典』、カラスの大群を呼び寄せて攻撃させる『鳥葬式典』など。
また本気を出すとロアが得意とした数秘紋からなる雷撃の魔術をよく使用する。
イデアブラッドによる魔力制御により、本来であれば“十に至る独唱”(おそらくはテンカウント。人間の魂が耐えられる限界であり、質という面での頭打ち。世界の根幹を成す法則に干渉できる深度の術式詠唱)が必要なところを息継ぎ一つで成立させ、連発することを可能としている。
リメイク版では取り込んだ原理血戒を利用しての大魔術を行使する。
『MBTL』のアルクェイドの発言によるとそれぞれ「クロムクレイの大聖堂」「ベ・ゼの断頭台」「アインナッシュの鐘撞堂」の異名で呼ばれている模様。
- 大聖堂(ゴチックフォート)
「原理血戒22番ークロムクレイ・ペタストラクチャ」
Ⅸ階梯の死徒を封じ込めるためにシエルがクロムクレイ・ペタストラクチャの『城、即ち王国』の原理を用いて開発した、相転移式隔絶型結界。
生命ではないが、生命そのものが持つエネルギー量、もしくは質量を段階として定義した『魔術世界における生命の質量定義』においては2番目に強い“大きくて重いもの”に相当する。
本来は王国を現す祖が持っていた、壁で囲った内部を外界と遮断するもの。オリジナルの壁の最大範囲は直径30kmにも及び、一つの王国をまるごと保存していたものだったが、シエルのそれは対象物を一個、ないし一種設定し封じ込めるもの。概念的な結界に寄ってしまったことで劣化している。
その代わりとしてオリジナルにはない空間歪曲の機能が備わり、外部と内部の大きさをある程度任意に変更できる。作中での外観は数十メートルの正方形だが、内部の広さは直径10kmに設定されていた。
使いどころさえ間違わなければ死徒の軍勢を隔離できる、奥の手のひとつ。また、これを極限まで圧縮させ、超高密度の監獄として攻撃にも転用できる。発動に特殊な魔力を必要とするため、そう簡単には連発できない。
- カルヴァリアの星(カルヴァリア・ガルガリン)
「セット、コード・ガルガリン。」
「塵に還って反省しなさい。原理血戒25番ーべ・ゼ。罪頸を断て、カルヴァリア・ガルガリン......!!!!」
シエルが剣の師であったベ・ゼを倒し、その原理血戒『剣』の原理を使用した大魔術。成層圏に展開し、太陽の光を集束して燃え盛る天使の車輪。魔術によって作られた反射鏡。人智における最高峰の大魔術。
地上に向けて照射される光のギロチンは長さ50km、幅10kmにも及びながら質量を伴い、着弾時間は無に等しい。
地球の分身たるアルクェイドに対するシエルの切り札であり、その効果範囲と着弾までの速さに加え成層圏から放たれるという性質上、地球の重力圏にある攻撃を感知できるアルクェイドをもってしても防ぐことも逃れることもできず、彼女を地べたに這わせ、街を地盤ごと切り裂くほどの威力を持つ。
その他、後に公開された制作陣へのインタビューによると、用途こそ違うものの神秘の規模としては約束された勝利の剣と同等であり、『魔術的にも頂点の一つと言って過言ではない』とされていることが明かされた。
欠点としては展開までに3分もかかること、ロアによるとこれでもまだ無駄が多く、彼ならさらに効率よく扱えるということが挙げられている。
余談として、『カルヴァリアの星』という名称は本編中で表記されたものではなく、初回限定版特典である月姫マテリアルⅠの用語集内で記載されたものである。
また、同名のBGMが存在する。
- 苗床祭壇(なえどこさいだん)
「天の使い、磔刑の響。剣の枝葉、鉄の波濤。原理血戒7番ー腑海林アインナッシュ。収穫せよ、苗床祭壇。」
腑海林アインナッシュの『実り』の原理を使用した大魔術。致死の傷ではなく、無限の苦痛を与えるもの。
不死
これもロアに肉体を占領されていた影響によるもの。この不死の肉体を得た結果、聖堂教会で実験体として収容されていたところに復活したため、『神の摂理に合わない復活の抹消』のために1ヶ月間、計644回ものあらゆる死に方を強いられ続けることとなる。
これはロアがシエルの肉体に転生し、それが覚醒した時点でシエルの情報がロアの情報に上書きされたが故のバグのようなもの。要するに「ロアとして生まれた人間が、まだ魂が現世に在るのに死ぬことはおかしい」と判断した星の意思によるバグへの修正処置である。
ロアが本編で滅ぼされて以降は、この不死の呪縛からも解放されたが、依然として常人離れした回復能力は健在である。
各作品での活躍
MELTY BLOOD
性能
劇中同様、驚異的な身体能力と黒鍵を武器に戦う。
通常攻撃はリーチはそれなりだが癖がなく使いやすい物が多い。また、地上ダッシュの姿勢が非常に低いため一部の牽制技をくぐったりできる。志貴・アルクェイドと並んでスタンダードタイプでありながら飛び道具の黒鍵により遠距離でも立ち回れる万能型。
特に無敵付きで画面全体に瞬時に攻撃判定を出すEXエッジ(強化必殺技)『セブンスヘブン』が強力で、相手の遠距離行動を見てから差し込める。そのため設置技や飛び道具をメインとする相手にはとことん強い。
一方でコンボ火力や切り返しは並程度で根性値もあまり高くない。基本は黒鍵で牽制し、中遠距離でじっくり戦うことを得意とする立ち回り重視のファイター。
初代~アクトカデンツァでは基本コンボを空中投げで締めることで見えない起き攻めがループできたためキャラランク上位に位置したが、アクトレスアゲイン以降は空中投げの性能が調整され起き攻め性能が大きく低下。スタイル変更で攻め方を変えれるようになったものの、初期シリーズに比べるとやはり爆発力に欠け、現在のランクは中の上といったところで落ち着いている。
アークドライブは必殺の切り札である『第七聖典』、ラストアークは空中からの『火葬式典』。
氷室の天地
モブキャラとしてちょくちょく背景に登場する。作者が大の眼鏡好きなため(実際作品と関係ない色んな眼鏡キャラがよく背景に出る)、背景でカレーを食べたり売ったりしているキャラ以上の活躍はないだろうと思われていた・・・が、実は聖杯戦争にあたり、「部外者」として沙条綾香と共に暗躍している模様。
Fate/Grand Order
2024年の水着イベントにて参戦が決定。
詳細はこちらを参照。
蒼崎青子やスペース・エレシュキガルのマイルームボイスによると、汎人類史、パラレル、ユニヴァースの3つの世界が重なった状態とのこと。
関連人物
想い人。
代行者と真祖という相容れない関係にして、志貴争奪のライバル。
アルクェイドと同じく志貴争奪のライバル。
自身の人生を狂わせた宿敵。
シエルをカレー好きにしたきっかけを作った相手であり、同好の士。
その他
知得留先生 → シエル先生
プレイヤーがバッドエンドに陥ったときの救済措置として、ネコアルクとともに登場。
推理小説の要素が強いゲームであるため、その的確なアドバイスに助けられたプレイヤーも多く、本編のシエルよりもこちらのバージョンが好きなファンも少なくはない。
また、近年になってまさかのオマージュキャラが登場し、その人気の根強さを証明して見せた。
なお、ネコアルクがあまりにもハジけすぎているためにツッコまれづらいが、実のところ彼女の方もかなりハジけてたりするのは秘密だ。
リメイク版では知得留先生ではなくシエル先生となった。外見は本編から二年くらい経ったイメージでデザインしたらしい。
初代ネタキャラ
『月姫』の吸血鬼編におけるヒロインなのだが……
- 常識はずれな敵を引き立たせる噛ませ犬役に回される
- トゥルーエンドでは志貴と結ばれるものの、ハッピーエンドが事実上アルクェイドとの二股エンド
- 本編での***な関係でファンからの通称が尻
- 『歌月十夜』では終始カレー
- その集大成の一言「まぁシエルだし…」
- その影響でやたらカレーネタを引っ張られる
- 上二つを合わせて尻カレーと呼ばれる
- 不遇の準ヒロインに常に人気投票で地位を脅かされている
- メルブラでの『理論上最強(笑)』
…なんか、ちょっといたたまれないぐらい不遇度が濃い。
そして常々付いて回るカレー。公式でも同人誌界隈でもコメディリリーフでは常にカレーネタ。
愛がおかしい方向に出るという意味では、まさに月姫の元祖ネタキャラ女王と言えよう。アーメン…。
…ちなみにだがネタ扱いされるのは確かではあるものの決して人気が低い訳ではない。
『歌月十夜』、『空の境界』を含めた月姫人気投票における最終順位は全キャラ中4位、『Fate/Zero』のアニメ化や『Fate/EXTRA』のシリーズ展開、『空の境界』のアニメ映画化という月姫勢逆風の最中でも型月総人気投票で200キャラ中30位以内をキープ(具体的に言うと主人公の遠野志貴やアニメ化直後であったZeroランサー、それぞれ各作品のメインヒロインを務めたバゼットやレン、シオンと同付近)しており、決して不人気ではないという事をシエル先輩の名誉の為にここに記しておく。
ラルク・アン・シエル事件
「弓のシエル」の逸話通り、シエルという名前は本来制作陣の想定ではフランス語で「弓」を示す言葉として名付けられたはずだったのだが、この時参考にしたのがバンド「L'Arc~en~Ciel」、直訳すると「空のアーチ(弓)」という言葉だったのでここからシエルという言葉を取られたが実際は空のアーチ=虹という慣用句的表現であり、
実際のシエルという言葉は「空」という意味だったのだが判明した時はもう後の祭り、制作としては修正不可能だったのでこのままシエルという名前が付けられたという逸話が残っている。
しかしシエルルートのトゥルーエンドでは夜が明け晴れ渡る空が印象的な一枚絵となっており、リメイク版においてはルートのタイトルが『夜の虹』と冠されているなど、それはそれで結果オーライとして今日まで続いている。
関連イラスト
同人版
リメイク版
関連タグ
月姫 MELTY BLOOD 月姫 -A piece of blue glass moon-
知恵留美子:07thExpansionにより製作された同人ゲーム「ひぐらしのなく頃に」のキャラクター。当初は作者の趣味の一環として作られたパロディキャラだったが、両作の原作者同士の対談を経て正式に認可されたキャラクターとなった。CVはアニメ版の折笠富美子氏。