概要
戦国BASARAシリーズにて伊達政宗が扱う剣術で、刀を指の間に挟む形で片手3本ずつ持ち、竜の爪を振るうような独特なイメージを作り上げた我流二刀流。
ゲーム内ではバサラ技または固有技(『3』以降では固有奥義)『WAR DANCE』を使用し一刀流から変化させられる。
伊達政宗は普段は一刀でのみ戦う為、彼が本気を出して戦う証でもある。
その姿から周囲からは竜の爪(特定のキャラは六の爪)と呼ばれる。
ちなみに刀は基本的に左右3本ずつ腰に挿しており、この腰に挿した刀の鞘の間には青い膜のようなものが張ってある。刀(もしくはそれを抜いた状態)が竜の爪と呼ばれる事実から、此方は爪を収める翼を模しているように見える。
一刀流と六爪流との違い
六爪流での通常攻撃は一刀流に比べ攻撃範囲・攻撃速度が大きく強化され、相手の反撃を許さない程の猛攻を可能にする。
『1』『2』『英雄外伝』では通常攻撃のみが変化したが、『3』の六爪流状態では通常攻撃のみならず固有技も変化する。また『WAR DANCE』の扱いが固有奥義になった経緯から、より自由に一刀流との切り替えが可能になり、今まで以上に柔軟かつ強力な攻めができるようになった。
発動して一定時間が経てば元の一刀流に戻るが、キャラクター固有の専用アイテムを装備によて、永久に六爪流状態で戦える。
『戦国BASARA真田幸村伝』ではモーションが一新された六爪流状態で戦う為、今までにない戦い方を楽しめる。長押し攻撃を追加で当て続けると、攻撃のスピードが速くなり反撃の隙を与えず、敵を切り刻み続けられる暴走状態になる。
バサラ技からの六爪流
伊達政宗のバサラ技は、一刀流状態から次々と刀を抜いて攻撃するもの。
よく見ると
両手で一刀→片手1本ずつの二刀→右に一刀、左に柄頭を合わせ上下に刃が向くように2本を持つ三刀→右も左と同じ状態の四刀→左はそのままに、右を爪のように3本持ちで五刀→最後に残り1本を左で持ち、竜の爪を広げるように六爪流を構えてフィニッシュ
の流れになっている。
バサラ技終了後にそのまま六爪流状態となり一定時間攻撃が可能だが、後述の『WAR DANCE』発動時より短い間しか戦えない。
『戦国BASARA真田幸村伝』では最初から六爪流である為、別のバサラ技となってる。
周囲の気を自身の体に取り込み、ドラゴンを模した蒼い波動を放つ。波動は戦場を暴れ回り、最後に怒号とともに炸裂する。
そしてバサラ技を放つ構えはまさかの波動拳にそっくりである。
弱点
上述のように一刀流の時より攻めに優れている分、防御・回避ができなくなるのがこの剣術の最大の弱点。
正に攻撃こそ最大の防御を体現したようなもので、下手な守りをあえて捨てて攻撃を優先する考えで生みだされたものであろう。
しかも一度攻撃を受けるだけで、元の一刀流状態に戻ってしまう諸刃の剣でもある。
更に作を重ねる毎に「六爪流として強化=固有技・固有奥義を強化」されているものの「六爪流以外の要素の問題=本人の攻撃力・機動力の低下」が激しく、3時代の主役交代の憂き目も相俟って、後述の状況になるまでは主人公(笑)になり兼ねない状態だった。
しかし『戦国BASARA 真田幸村伝』では、最初から六爪流状態である為なのか、防御も可能になり弱点は克服されたようである。
六爪流に関する固有技・固有奥義
戦国BASARAシリーズ本編
- WAR DANCE
帯刀している6振り全ての刀を抜き、一刀流から六爪流に変わる伊達政宗における代表的な技。
通常攻撃のモーションが六爪流専用のものになり、範囲と攻撃速度を上げる。
『戦国BASARAX』では六爪を豪快に振り回す連続技であり、威力が高く、連打でヒット数が増え、ケズリや固めに使える。
『3』以降では固有技とは別の「固有奥義」になり、
更に『六爪流状態では固有技が強化される』新たな特性を得た。
発動時の隙がなくなり空中でも発動可能になる等、奥義の名に恥じない強さを発揮する。
- JET-X
六爪をX字に振りぬき、真空の刃を発生させて相手を吹き飛ばす。
『戦国BASARAX』では衝撃波を飛ばすいわゆる波動拳のような飛び道具技。
- X-BOLT
六爪流での『JET-X』。
3段の斬撃となり、かつ隙が消えている。
- PHANTOM DIVE
『2』から登場した固有技。
6振りの刀を片手で持ち、右に薙ぎ払ってから、 飛び上がり一気に振り下ろす。
刀を振り下ろした際には衝撃波が爪のように地を疾走する。
使用後は刀をわざわざ納めるので隙が大きい。
『3』で一時消失したものの『3宴』で通常攻撃ボタン長押し技として再登場。一刀流バージョンと六爪流バージョンに分かれ、空中での発動が可能に。加えて後者はスキが格段に減っている。
『戦国BASARAX』ではBASARA技の1つであり、衝撃波は出ない代わりに刀で斬り上げて相手を吹き飛ばし、大きく跳びはねて電撃と共に六爪で斬りつける技である。
- DEATH FANG
片手三刀で引っ掻くように斬り上げる。ボタン長押しで斬り上げながら飛び上がる。飛び上がりが昇龍拳にそっくり。
- DEATH BITE
六爪流での『DEATH FANG』。
片手での叩きつけ→錐揉み回転しながらの打ち上げの2連撃になり、打ち上げが多段ヒットするようになる。
『ストリートファイター』のキャラクターであるケンの超必殺技の一つである神龍拳に似た攻撃パターンが見られる。
- MAGNUM STEP
片手の三刀をプロペラの様に回転させながら突進し、強力な突きを繰り出す突進技。
突進速度が速く、突進中は敵を巻き込み多段ヒットする。
- MAGNUM STRIKE
六爪流での『MAGNUM STEP』。
左手→右手の2連撃になり、初撃時に他の固有技を入力すると、2撃目の吹き飛ばし攻撃をキャンセルができる。
元々一刀流状態の時でもかなりの突進力を誇っていたが、六爪流状態では更に威力と突進距離が増す。
- CRAZY STORM
その場で連続斬りを繰り出す。ボタン連打で攻撃回数が増加する。
片手に2本ずつの四刀状態で繰り出される珍しい技。
- CRAZY STREAM
六爪流での『CRAZY STORM』。
左右への横薙ぎを連発する。より攻撃範囲が広がり、通常攻撃ボタンで攻撃回数が増加。
一刀流では技の発動時の電撃でプラス1発に対し、六爪流状態ではラストの一撃直前に、他の固有技に繋げられるキャンセルポイントがある。
- MAD DRIVE
回転斬りの後に六爪から地を疾走する衝撃波を放つ。長押しでもう一度衝撃波を出せる。
『PHANTOM DIVE』と性質が似ており、これを扱い易くしたような技となっている。
- GROUND DRAGON
六爪を勢いよく地面に突き刺し、地を這う龍のような電撃を放つ。前方の敵を手前に引き寄せる集敵技。
長押し時は多段ヒットが発生。
- DEADLY CROSS
真空の十字架で敵を高く打ち上げる。長押し時は叩きつけの追加攻撃をおこなう。
『JET-X』とは違う2段攻撃である。
- KILL SHAKE
空中に飛び上がり、高速回転しながら六爪で敵を何度も切り刻む。
長押し時は攻撃時間が延長。
- MAGNUM DUNK
六爪を回しながら突進し、巻き込んだ敵を地面に叩きつける。長押し時は移動距離が延びる。
巻き込む範囲も広いので直線状の敵を一気に片付けられる。
- HEART BOLT
5本の刀を地に突き立て、激しい落雷を発生。
その落雷をなぞりながら、次々に刀に飛び移って行く突進攻撃。
隙が多く扱いづらい技だが、フィニッシュまで決めた際の威力は高い。
派生作品
- RE-BITE
『戦国BASARAX』にのみ登場する六爪流。
六爪を構えて、相手の攻撃を受け止めると薙ぎ払いで吹き飛ばす。六爪流で唯一のカウンター技。
- HELL END DRAGON
『戦国BASARAX』にのみ登場する六爪流。
伊達政宗の一撃BASARA技であり、端的には六爪流での『HELL DRAGON』である。
巨大な龍の形をした電撃を放つ飛び道具技。
明言はされてないものの『真田幸村伝』でのバサラ技とそっくりな為、同じ技だと思われる。
- JUMPING JACK BREAKER
『劇場版 戦国BASARA ‐The Last Party‐』に登場したアニメオリジナル技。
関ヶ原の闘いでの石田三成との戦いで炸裂した六爪流の技。
六爪の刀を連続に振るって攻撃し、薙ぎ払いで相手を吹き飛ばした後、5本の刀を吹き飛ばした相手の背後に投じ、その5本の刀が巨大な蒼竜陣となって吹き飛ばした相手を縛り付けるように動きを封じる。
そして残り一刀を構えて竜のような闘志に身を包み、一閃に貫く。それにより蒼竜陣が大爆発して相手に壮大な一撃を与える。
だが、使用後は体中から煙が出る等、莫大な負担を抱える。
ちなみに意味は直訳すると『操り人形を破壊する者』から転じて『妄執から解放する者』のニュアンスらしい(脚本のむとうやすゆき氏の言)。妄執に駆られた三成相手に相応しい技名である。
その他
- MAGNUM BOOST
正式名称不明。
『戦国BASARA4』に登場した六爪流。
『奥州・青葉城』のイベントシーンでのみ使用し、空中で馬に乗りながら背後に構えた六爪をプロペラのように回して飛行する、ある意味最もぶっ飛んだ技。
無印戦国BASARAのオープニングムービーでも、その先駆け的なシーンが見られる。
突っ込み
実際に真似をしてみればお判りいただけると思うが、柄の保持は指の間に挟むだけなので不安定この上なく、常人が試してみてもすっぽ抜けるのがオチである。
すなわち、そんな不安定な持ち方で十分な攻撃力を担保出来る我らが筆頭の握力は最低限リンゴを無反動で握り潰し得るレベルであろうと推測される。
柳田理科雄の分析曰く、「足場さえあれば、指でタンカーを持ち上げられる」(該当記事リンク)。
余談だが、4の「奥州特攻目安箱」にて伊達軍読み手から「十爪流」まで試したという噂が語られた。目安箱の内容の8~9割は本当である事例が多い為、もしかしたら……?。
伊達政宗と同じ六爪流使い
足利義輝(戦国BASARA)
4皇からプレイアブル化した、史実でも『剣豪将軍』と謳われたとされる将軍。
厳密には六爪流使いではないが、BASARA技で両手に3本ずつ槍を持って(しかも四本、五本と増えていく)攻撃するモーションがある。
4皇の政宗のアニメルートのエンディングでは、政宗の六爪流を模倣している。
かすが(戦国BASARA)
彼女の武器は八本のクナイである。基本飛び道具として使用しているが、近接戦では政宗と同じくクナイを指の間に挟み攻撃する。刀とクナイの違いがあるものの、彼女は八刀流使いと評せる。
森鴎外(文豪ストレイドッグス)
マフィア組織のボスであり、現職になる前は小さな町医者を営んでいた為か、彼は刀やクナイではなく、医療用のメスを六爪流として扱う。
イラスト
ウルヴァリン
しかし、こちらは刀ではなく手の甲から伸びる本当の鋭い爪で戦っている。
だが爪での攻撃がメインなのか、伊達政宗と同じ攻撃パターンがある。
カプコンはX-MENシリーズのゲームも製作しているので、六爪の元ネタはウルヴァリンなのだろうか。
共存イラスト
余談だが、TBSの水曜日のダウンタウンの説で仕掛け人の桑野信義がお箸で六爪流もといウルヴァリン式の持ち方をした際、ターゲットの尾形貴弘はウォーズマンのベアークローを連想していた。
焔
『閃乱カグラ』のメインキャラの1人である焔も同じく6本の刀を使いこなす。
政宗と同様の持ち方で六刀を振るう剣技の他に、最終決戦ではもう1本の太刀による一刀流の技を使う。
伊達政宗が一刀流から六爪流にパワーアップするのに対し、こちらは六爪流から一刀流に「パワーアップ」する意味で対照的である。
ある意味、女子高生版の伊達政宗とも言えるだろう。
共存イラスト