―――――私は知っている。死を。あの闇を。何十回とくぐり抜けたあの虚無を―――――
プロフィール
性別 | 男性 |
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年齢 | 12〜60歳(転生先の肉体は18歳) |
誕生日 | 9月29日 |
血液型 | A型 |
身長 | 178cm |
体重 | 65kg |
属性 | 秩序・悪 |
好きな物 | 技術革新、朗読、食事、悲劇 |
嫌いな物 | 突発的なイベント、無教養ら不完全、喜劇 |
天敵 | 直死の魔眼、第七聖典 |
声優 |
※上記のデータは主に十八代目のもの。
概要
月姫の物語内における、一連の事件の真の黒幕であり、アルクェイドやシエルの怨敵たる存在。
通称は「転生無限者」、「アカシャの蛇」。
もとは「埋葬機関」の先駆となる「埋葬教室」の設立者となった司祭であり、カバラ系魔術を操る魔術師であったただの人間。しかし、ネロ・カオスと同じく永遠を探求した末に『転生の法』と呼ばれる外法(外道の法術、暗黙の内に伏せられている禁術)を編み出すに至る。
そのために人間のままでは限界だと悟り、アルクェイドを姦計に陥れて自らの血を吸わせ、彼女の眷属の死徒(吸血鬼)となる事に成功。その後は「親」(死徒にとっての師、もしく主人)が最強の真祖であったおかげか一気に頭角を現し、死徒二十七祖の序列に加わり派閥を纏め上げるまでに至った。
ただ、欲望に忠実すぎる性格とその横暴さ故に、他の二十七祖からは品位が無いと軽蔑され祖とは認められておらず、聖堂教会からは二十七祖の番外位として扱われている。(リメイク版では原理血戒を有してないことからますます認められてない)ただし、例外として二十七祖の第十位であるネロ・カオスとだけは盟友の間柄である。過去に彼と共同研究を行なっていた他に、『MBAA』での会話から察すると転生後も何度か対面していた様子。
前述の通り、他の封印された二十七祖の一派を吸収しながらその勢力を拡大、一時はアルトルージュすら退ける程だったが、聖堂教会と共同戦線を張ったアルクェイドによって抹殺される。しかし、既に目標であった『転生の法』は完成しており、その後の約800年間、十八代にもわたって転生を繰り返して存在し続ける事となる。
二十七祖からどのように嫌われているかは長らく不明だったがリメイク版でヴローヴ・アルハンゲリがシエルがロアの転生だったことに気づいたときは冷静さを捨て激昂したためかなり嫌われている模様(とはいえヴローヴは彼のせいで主君を殺すことになったため余計に嫌われているのかもしれないが)。
最後に転生したのは遠野志貴の義兄である遠野四季、その前がシエルと、物語全体に強い影響力を持ち、また弓塚さつきを吸血鬼にしたのも彼である。
最終的には志貴の直視の魔眼によって完全に滅せられたが、後にタタリの影響によって『MBAA』にて一時的に復活を遂げ、自らを抹殺した人物たちにお礼参りをし始める。
元々は信心深い田舎の豪族の生まれで周囲からは神童と呼ばれ育った。
しかし豊富な知識欲が一生のうちでは満たされないことに絶望し死徒になる事を求めたという。
彼の行動の時系列において、活動を開始したのが800年前、先代の転生体であったシエルの記憶では500年前、また例外的な十九代目への転生を除いては十七代目の転生体としてのシエルの死から十八代目への転生における年齢の不一致という矛盾が生じているが、かつて彼はあらゆる時間、次元からも完全に隔絶している彷徨海に訪れた過去から、その矛盾には問題は生じていない。
性格
転生するごとに容姿・性格・性別はすべて変化するため、一定した形態を持たない。転生先でロアが目覚めるまでには時間差が存在し、それまでは育った環境による性格になり、ロアとしての人格が目覚めると例にもれず凶悪な殺人鬼と化す。
初代ロアは理知的で穏やかな人柄ながら、根は冷酷で徹底した利己主義者だったらしい。
後日談である『MBAA』に登場した時には、ベースとなった四季の影響か慇懃無礼であるが粗野で、元来の欲望に忠実という混濁した性格をしていた。
勝利演出時に初代に変身する事があり、性格はこちらが割と初代に近いのかもしれない。また、ロア自身は四季に対して「乱雑な頭」「活きがいい」と、やや卑下したような評価を下している。
リメイク版シエルルートにおける夜の虹ルートに登場するロアは本来のロアの面が強く出ており冷静かつ知的でやや棘のある喋り方の男性となっている。
容姿
性格の項で触れたように、一定したものはない。初代は癖のあるやや長い金髪に紺色の司祭服を着用し、眼鏡をかけた姿をしていた。
『月姫』本編や『MBAA』における十八代目の表ルートの姿は、癖のある長い黒髪に色白の肌、そして裸に白いワイシャツに黒いズボンという盟友とどっこいどっこいな格好であった。
十七代目の時は女性であったにも拘わらず裸にマントというとんでもない姿をしていた。
リメイク版
リメイク版では、当初はリメイク前の月姫やMBAAの時のような外見をしていたがこれはシキの意識が強く出ていたとき限定の姿。シキの意思が弱くなると髪をかき上げ後ろに回し今までとは違う外見となった。
なお、シエルルートの回想に出てくる十七代目の姿は多少のデザイン変更があったが裸にマントのスタイルは健在だった。
能力
転生の法
ロア最大の能力であり魔術。魂を加工し、死した後に魂を他者に伝播させるという術式。
魂が自分の意志で動いて取り憑くのではなく、転生先は予め適応条件を設定しておき、合致するところへ発信されるという形式であり、ロア自身も知らない人物を転生先にすることも可能である。
正常な転生先の絶対的な条件としては赤子であること。これは、自我の薄い赤子の段階から魂の情報を写さないロアの魂が十全に顕在化できないため。
それ以外の条件はロアの意志で変更・決定可能で、主に才能と家柄の優れた家系に転生先を選んでいるが、設定を決めるのに多少の時間や手間がいるようで、十七代ロアに転生する際はアルクェイドに短期間で殺されたことで優れた家柄を設定できず、才能だけが異常に優れた一般家庭の赤子に転生している。
魂を転写された赤ん坊は転生体である自覚は全く無く普通に育つが、転生先となった赤子がロアの人格が顕在できるまでに肉体及び精神が成熟するとロアが覚醒し、ロアと化す。ロアの魂は真祖に吸血されその血を受けたことで汚染されているため、転生先もその時点で死徒と化す。
このような転生法を選んだのは、『永遠』という命題の探求と、その探求に純化した存在になることを目指したため。転生を繰り返すたびに初代の人格は擦り減っていき、観測者であるヒトが終わるその時まで『ロア』が永遠に在り続けることがこの術式が作られた目的である。
この副作用は後の『MBAA』でのネロとの会話において話題に出ており、ロア自身はその事について気付いていたようだが、特に否定も悲観もしていない。
転生の法による在り方は死徒というよりも、英霊にかなり近いということが、『TYPE LUMINA』でのセイバーとの対話で語られている。死徒の在り方が人理を否定するものという立場からするとかなり皮肉である。
魔眼
十八代目に至った際には、直死の魔眼に似て非なる「物を生かしている部分(=命)」を視覚情報として捉える魔眼を獲得した。
無機物や概念には効果は無く、生物に対してしか力を発揮しない。
その代わりに志貴とは違い脳への負荷は無く、平然と命の源である「線」と「点」を視て、生命力を消す事が可能である。
なお「生命力を消す」ため、同じ「線」と「点」でも直死の魔眼で捉えたものとは位置などが異なり、これらを攻撃してから死に至るまでには、若干のタイムラグが存在する。
この間に生命力を回復すると、「線」によって切断された箇所を結合する事が出来る他に、「点」を突かれたとしても死を免れる事が可能である。ロア自身はこの魔眼で「死」を捉えていると勘違いしており、これが敗因の一つとなった。
固有結界『オーバーロード(過負荷)』
ロアが至った固有結界。過負荷の名のとおり魔力の過剰供給を行い、魔術の効果を倍に引き上げる…らしい。
らしい、というのは本来はさつきルートで登場するはずが、さつきルートがお蔵入りになったのに伴い、こちらもお蔵入りになってしまったため。
そのため本編内ではなく、第二回人気投票の折に発表されることとなった。本格的に登場するのは『MBAA』になってから。
階梯
人間社会へ与える被害の大きさが二十七祖クラスということもあり聖堂教会からは死徒二十七祖の番外位として扱われている彼だが、実は総耶に巣くっている頃の彼の階梯はⅥ階梯(下級死徒)であり、瞬間的にはⅦ階梯の領域に踏み込む死徒ノエルよりも存在規模が下であるなど、リメイク版における彼は吸血鬼としてはさほど強力ではないというやや意外な扱いとなっている。
特定の領地、配下、吸血種としての異能も特に持たないものの、一方で転生の度に新たな魔道の最奥を築き上げてきた魔術師としての彼は天才そのものであり、MBTLにおいてはマシュ・キリエライトから先の死徒(死徒ノエル)と違い、様々な魔術に精通した強敵だったという評価さえ受けている。
ちなみにリメイク前ではアルクェイドが「今回は『第五階級』ぐらいにはなっている」と発言していた。
魔術
もとはキリスト教の信徒であり、魔術のスタイルは蒼崎青子が用いる省略法(ノタリコン)と同じカバラ系列の内の一つ"数秘法(ゲマトリア)"。
その性能はかなりどころか相当強力なものであったらしい。……というのも、初代以上のポテンシャルを引き出せた転生先は無いため。唯一、十七代目のみがそれに肉薄していたという。月姫本編でも、魔術を使っているシーンはない。
リメイク版では転生するたびに一つ魔術の秘奥を修めており、本編でもメルブラでも使っていた雷霆の他、術者が滅びても発動する自動詠唱で自身を再生すると言った非常に高度な魔術、引力操作による牽引なども行っている。エクスカリバーと同格の規模の神秘を持ち、人智における最高峰とさえ称されるシエルの大魔術を「無駄が多い」と評価し、使い切れずに残留していた魔力を利用した精密な一射で光体を一時的に破壊するなど、大魔術師としての片鱗が垣間見える。
また魔術によるものかは不明だが、雷速で動くことも可能としている。ただし、大きく力を消耗している時は雷速を発揮できないようだ。
各作品での活躍
真月譚月姫(漫画版)
佐々木少年によるコミカライズでは、今までの汚名を返上するかのごとく、ゲーム本編では使われなかった魔術を駆使し、原作ファンを驚かせる程の強さを見せる。
魔術を解禁したシエルを完全に圧倒、手玉に取り、消耗しているとはいえアルクェイドでも殺せなかったその強さはまさにラスボスである。
メルブラでは出来ないと言っていた四季とロアの能力の同時行使もやって見せており、これでロアの評価を改めたファンも少なくない。
MELTY BLOOD
メルブラシリーズにおいてはPC版やアクトカデンツァでは不参戦だったが、アクトレスアゲインからプレイアブルキャラとして新たに追加された。
遠野四季として転生した時に使用していた雷の魔術・数秘紋を主体とした、飛び道具中心の中~遠距離ファイターとなっている。
C(クレセント)スタイルは設置技『数秘紋・蛇の巣』主体に動くトリッキーなスタイル。
H(ハーフムーン)スタイルは突進技『瞬雷』や、持続が長く置き技として使える『雷針・砌』を絡めた立ち回り重視のスタイル。
F(フルムーン)スタイルは持続に優れたジャンプ攻撃を軸に判定と高火力を押し付けていくパワー重視のスタイルと、それぞれ強みがはっきり別れた仕様となっている。
アークドライブは数秘紋を用いて相手に強烈な落雷を撃つ『天の崩雷』。
ラストアークは自身の数秘法を固有結界「オーバーロード」で強化して反撃する『空洞航路・十七転生』。
余談だが、可動初期のCスタイルは低火力、通常攻撃のリーチが短い、攻撃判定が弱い、設置キャラのくせに設置技があまり強くないなど散々な性能で、扱いの難しさの割にお世辞にも強いとは言えないことからネタ扱いされることすらあった。
しかし続編のカレントレコードで立場は一変。
設置技がブローバックエッジ(いわゆる溜め技)に対応し、ヒット数やダメージ・受け身不能時間が大幅に増加。
飛び道具の『雷針』がEX版がヒット時空中受身不能に(強化前からガードさせて有利・空中ガード不能と優秀な性能だった)。
これらの調整に加えて新システムのダウン引き剥がし対応技が豊富に追加されたことでコンボ性能も飛躍的に向上。これにより火力・ゲージ回収力・立ち回り全てが超絶強化され、文字通りの最強ランクへ上り詰めることと成った。
月姫 -A piece of blue glass moon-
アルクェイドルートの立ち回りはリメイク前とほぼ同じであるが、シエルルート・エクストラエンド終盤では志貴の脳内で独立し(本人は「カー・ナビゲーションのようなもの」と述べていた)、暴走したアルクェイドを止めるべく奔走する志貴に的確なアドバイスを送り共闘するなど今までの影の薄さを払う大活躍となった。それによりファンからは「カーナビ」の愛称で親しまれるようになる。そして十八代目のロアが本来と比べどれほど劣化していたのかもよく分かることとなった。
Fate/Grand Order
ドラマCD『英霊伝承異聞 ~巌窟王 エドモン・ダンテス~』にてまさかの登場を果たす。
詳細はこちらを参照。
人間関係
死徒としての親にして最大の敵対者。無意識に焦がれているが彼はそれに気づいていない。
彼女を死徒にした張本人。ギャグ時空では親として認識されず、路地裏同盟に誘われたりと割と散々な扱いを受けている。
共に永遠を求める盟友。
17代目の肉体。初代のスペックに一番近かったらしい。
18代目の肉体。
詳細は不明だが、何らかの方法を使って彼の主であったゼリア・アッフェンバウムを殺すように仕向けた。
そのため強い復讐心を抱かれており、彼が日本に渡ってきた原因を作っている。
彼を復讐者に至らせる原因を作った。
余談
薄すぎた影…
アルクェイドルートのラスボスを務め、その他のルートでも重要な位置にいるはずなのだが、公式からもどーでもいいと言われている上に、その影の薄さ故にネタキャラ化が進行している。
そもそも月姫本編で登場する『ロア』は『四季』として登場しているため、本来のロアの出番そのものが少ないうえに、その事を引っ張られて正統続編である『歌月十夜』では一般学生の『ロア助』というギャグ用のチョイキャラ扱い。公式人気投票では、ラスボスであるにもかかわらず得票数0という有様だった。
そして復活を果たした『MBAA』では、自身のルート以外では完全なイロモノ扱いされており、琥珀さんからは過去の遺恨からか終始おちょくられた他に、さつきに至っては自身の死徒の『親』とすら気付かなかった挙句に彼を路地裏同盟に誘うなど、とことんネタにされている(ただ、シナリオによってはさつきはロアの事を認識しており、彼に対する憎しみの感情を見せている)。
おまけに白レンからも『路地裏同盟一の小物』とまで言われてしまう。
まあ、自身のねぐらがネコアルクの住処であるグレートキャッツヴィレッジ(GCV)の近所であり、ネコアルク自身も「(GCVの)常連になればなるほどメインシナリオから見放される~」「アタシに構ってると、あのツンデレみたいに路地裏同盟行きですよ?」と言っているので…まあ、お察しください。
もっともリメイク版の活躍や本来のロアの掘り下げにより、近年ではこのような扱いをされることは少なくなってきている。
関連イラスト
旧版
リメイク版
関連項目
趙雲:リメイク版の型月中の人繋がり