「あぁ…本当にここは寒い…」
「俺にもっと炉(ねつ)を…!」
「真祖の心臓を我が手に…」
CV:津田健次郎
プロフィール
スペル | Vlov Arkhangel |
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性別 | 男性 |
血液型 | O |
年齢 | おおよそ400歳 |
誕生日 | 5月14日 |
属性 | 混沌・善 |
身長 | 188cm |
体重 | 79㎏ |
好きなもの | 妻、熊、ご当主 |
嫌いなもの | 蛇、吹雪、流氷 |
天敵 | 混沌、薔薇、改造魔 |
概要
リメイク版月姫に登場した死徒。中ボスという立ち位置としてはリメイク前のネロ・カオスに相当する。
貴族服の上に毛皮のコートを着た白髪の男性。
初登場はアルクェイドと遠野志貴が潜伏していたホテルに眷属を伴って現れて、交戦。その時に真祖の姫君に名を問われてそこで自身の名を明かした。
死徒二十七祖十九位、年齢は400歳ほどと祖としては若く、最近(100年ほど前に)代替わりをしたためかアルクェイド及び聖堂教会は名前さえ知らなかった。
元々は先代である十九位ゼリア・アッフェンバウムの眷属でⅥ階梯の死徒(下級)であり、Ⅶ階梯以上の死徒(上級)では無いので主である祖を殺せるはずがないのだが、北海に現れたアカシャの蛇の暗躍の果て、主を殺害、代替わりをして祖になった。
その為ロアとその関係者を憎悪している。
人間であった頃は騎士であり、冤罪で国を追われた先でゼリアと出会い死徒になった。
彼にとって、人間の血液は暖を取るための霊薬であり、血液がなければ我が身は凍死してしまうと述べている。
かつて何名もの死徒二十七祖が集まりフランスの片田舎を壊滅させた「フランス事変」にも参加している。
10人の妻がいる。死徒なのか人間かどうかについては不明。独白にて「己が領地に愛する女たちを残し」とあることから領地に実在するとも取れるが、その一方で『メルブラ』にて彼と交戦した軋間紅摩が「10人分の魂を護りながらの戦い」と評したことや、『月姫』本編の彼が最後の10人分の血液(魂)だけは使わずに敗北したことから、その10人の妻は彼に血を吸われて魂として彼の中に存在するとも推測されている。
性格
本来は千年クラスの土台が必要な原理血戒を無理矢理に継いでしまっているため、呪いに耐えきれず普段は正気がほとんどない。そのため、スローな口調で常にぼんやりと喋っており、ローテンション。
もちろん死徒であるため、人間から血液を奪い殺すことに躊躇いはない。
しかし、追い詰められるなどして正気を取り戻すとかつて騎士であった頃の凄まじい戦闘センス、直感、勇ましさを見せ感情の起伏も強くなり、声色も力強いものに変化する。極限の殺し合いで胸を躍らせるなど、戦いを楽しむ一面も覗かせる。
『メルブラ』のストーリーにおいては、復讐相手であるロアに憎悪を剥き出しにしたり、武人同士での戦いに歓喜の様子を見せたり、主人への侮辱に対する怒りで正気を取り戻すなど、より踏み込んだキャラクター描写がされた。また、琥珀の本質を即座に見抜くなど観察眼の鋭さも見せた。
一方で愉快な一面も判明した。前述した通り彼には10人の妻が存在したが、10人の中の誰とも違うタイプの女性を気に入ればなんと11人目の妻に誘うことにしているらしい。
琥珀はカリーシャという妻に似ているようで、「血は浴びずに、眠るように殺してやろう」と多少の温情のようなものを見せた。
シエルに対しては8番目の妻に似ていなければ勇気を出した(妻に誘っていた)と述べている。
秋葉については妻の誰とも違い、かつ気に入ったため実際に妻に誘っている。が、もちろんキッパリと断られている。
なお、本人としては自分は奥手のつもりのようだ。
能力
気化熱の如く世界という概念を蝕み燃え広がる蒼い炎と、自身の魔術である「火の叫び(ファイヤ・クライ)」で灼熱の炎の手(3000度の超高温)を射出し、剣のようなサイズの大鉈を用いた接近戦も行える。
だが、これはあくまで彼が『正気』から逃げた先の『狂気』による戦い方であり、血液を失い、瀕死の重傷に追い込まれた時、彼は『灼熱の夢』から『絶対零度の地獄』へと目が醒める。
彼が主を殺害して手に入れた原理血戒の性質は『凍結』であり、その能力の本質は極寒の冷気を纏う呪い。その力は強大で摂氏-100℃の猛吹雪を常に吹き散らし、その気になれば街一つ(アルクェイドによると、具体的には半径10kmぐらい)を氷漬けにできるほど。
この状態になったヴローヴは、極寒の地獄に囚われているという呪いのせいで歩くことすら困難になるが、それを補うほどのフィールドを覆う氷点下の寒波を操れるようになり、空気中の水分を凍結させて氷の槍として射出したり、自身の周囲に鋭い氷の棘を地面から展開して自身の身を守ったり、突貫してきた獲物を絶命させることも出来る。第七聖典の「焼死(ブレイズ)」の形態による7.62mm弾のフルオート射撃も大気中の水分を凍結させる事で防いでいた。
この寒波は通常の自然現象とは異なる呪いの冷気であるため、ヴローヴが消滅すれば同時に寒波も消滅する。
シエルは街への被害を抑える為にヴローヴを結界である大聖堂で隔離し、その身ひとつで寒波を抑え込むことに成功したが、その際の寒波は-273℃にまで圧縮され、ここまで来ると第七聖典の魔導鎧である「ヴァージンペイン」の対神秘を始めとした極限状態への防御でも完全に防ぎきれないほどとなる。
ヴローヴが宿した呪いは彼を中心とした周辺に働く為、近くにいる生命はその寒さに耐え切れず凍え死んでしまう初見殺しそのもの。加えてその範囲の広さもありながら冷気が届くのも一瞬であるため、人間社会への被害を抑えるためには何かしらの手段で寒波を抑え込みながら戦わなくてはならない。
地力や才能で上回り、1対1ならまず負けないとされるシエルが苦戦を強いられたのも、このハンデを背負っていた所が大きい。
使い魔の屍鬼は、炎による上書きで能力を向上させた火炎死者に変化させることもできる。通常の死者よりも危険な存在となるが、炎によって駆動するためその体は短命に燃え尽きる。
また、正気に戻ってからは主より授けられた『概念武装』である自身の身の丈を大きく超える騎士槍「ゼリア・アッフェンバウムの永久凍土」を用い、弱体化しているとはいえ性能としては自身よりも格上の真祖の防御力を、または第七聖典の持つ形態の1つである『対象が衰弱死しない限り絶対に壊れない』という概念を纏った鎧を一部破壊するほどの刺突をもって両ルートに置いて対峙した両名に大ダメージを与えている他、衝撃波とともに総質量7000tを誇るアルクェイドの放った岩盤の雪崩を大槍の一突きで破壊する程のパワーを見せている。
だが最も恐ろしいのは、正気に戻ってからの騎士としての経験や技量の数々。
片手を失ってもシエルの巨大な蛇腹剣ブレイド相手にしのぎを削る様は一流の騎士と評される腕前であり、志貴からも『シンプルに人殺しとして卓越している』『正気であれば、吸血鬼でなければ、嫉妬するほどの騎士だっただろう』と評されている。
加えて、その意志の強さもまた特筆に値する。
原理血戒を継承したことでⅨ階梯へと飛び級を果たしているが、彼は本来Ⅵ階梯の下級死徒であり、Ⅷ階梯の後継者どころか祖の呪いを受け継げるようになるⅦ階梯の上級死徒ですらない。
年齢も死徒としては若い400歳程度と千年クラスの土台も持たないため、本来ならば受け継いだ呪いに耐えられず逆に潰されるしかない筈だったが、彼の場合はある死徒から施された術式とその相手に対する復讐心によって、“解放される手段は死のみ”とされる程の強烈な苦痛を負い続けながら最後まで正気を残し、呪いに耐え切っていた。
さらに驚異的なのは、一見して普通の人間であり、自身に向かって突撃してくるまで存在を意識してさえいなかった遠野志貴に対し、接触する直前に『あの人間には自分を殺す用意がある』と、彼の有する直死の魔眼を一度も見ることなく戦士としての直感だけで脅威と認識し、迷うことなく全力で後退したという点だろう。
その後も身体スペックだけで言えば数段劣る遠野志貴を相手に一切油断することなく万全の警戒を行い、まさしく騎士の鑑と言える観察眼と判断力を発揮し続けた。
メルティブラッド TYPE_LUMINAでの性能
原作リメイクに伴いネロ・カオスに代わるボスポジションとして参戦。
過去作の青子もかくやという弾幕シューティングが可能。
超高速かつ様々な軌道に派生可能な波動拳と、発動から一瞬で画面端まで届く地走り弾を所持。
更には原作再現として初期ラウンドでは飛び道具は炎を操り、1ラウンド取られると飛び道具のエフェクトが氷に変化し性能が大幅に強化される。
飛び道具からでも体力を半分近く奪えるのはほぼヴローヴのみと遠隔火力に恵まれている。
また近接性能も悪くはなく、打撃ヒットからでも大ダメージが取りやすい。
ただし切り返し手段が皆無であり、ゲージをこれでもかと払ってシステム技に頼らないと、相手に転ばされたら死ぬまで何もできなかったりするなど防御面にやや不安がある。
次いで発売時点から現行verまで最もキャラクターサイズが大きく、一部の攻撃が他キャラクターより当たりやすい欠点もある。最も小さい都古と並べるとその違いは顕著。
そのピーキーな性能ため、メルブラプレイヤー間でも評価が大幅にブレており、キャラランク最上位と言う人もいれば最下位と言う人もいる。
都古のボスラッシュモードシナリオでは「冬将軍マロース」として登場。名前の由来がロシアのサンタクロースポジションだからか、都古にプレゼントを渡そうとして拒否られ、ガチで悲しそうな反応をしていた。
ちなみにプレゼントとは氷漬けにされた二世代前のカードゲームのエクステンドパック。郵便に半年も掛かる僻地にいた為か、本人はこれが最新だと思い込んでいた。流通を見直せと志貴に指摘されて戦闘に突入する事に…。
ちなみにアップデートで「対戦時のボイス音量を上昇させました」という調整をされており、
被ダメージボイスの頻度を下げられたノエルと並べてネタにされやすい。
余談
リメイクにあたってネロ・カオスに変わる中ボスとして登場したキャラクターであり、月姫を象徴するキャラであるネロが作中で登場しないことは同人版を知るファンの間で波紋を呼んだ。
この理由は発売後のインタビューで原作者の奈須きのこから
- ネロは同人版の出た当時の“ステレオタイプな吸血鬼のイメージ”に対するカウンターとして登場させたキャラクターだったが、20年が経つ間に“らしい”吸血鬼のほうが少なくなってしまった事で、リメイクでは王道のゴシックでホラーな吸血鬼を出すべきだと思ったこと
- 月姫世界の設定をつきつめると、ネロは非常に強力な存在でもあるため最初に倒してしまうのはちょっとマズい
- 現代はいたるところで自然災害も含む直視するのも困難な悲劇が起こっていて、ニュースで触れる機会も多い。そして舞台を都心に移したことで『どこかで起こっているかもしれない暗闘』ではなく『災害に立ち向かい、事態を収拾しようと頑張る人達の姿』を描けるようになったこと
等が挙げられている。
それらのコンセプトに騎士でありつつも狩人(マタギ)という側面を加え、『ネロより格は落ちるけど、一般人ではまず太刀打ちできない超常の存在』として生み出されたのがヴローヴとなる。
なお、彼については月の表側では語り尽くされておらず、MBTLで語られた部分も補足でしかないという。
なぜこういうことになったのか、なぜそこにいたのか、この先どんな役割を担うかは、まだ少し先の話となるようである。
関連タグ
月姫リメイク 月姫 -A piece of blue glass moon-
シグルド、スルト……型月中の人繋がり。特に後者は炎と氷の両方を扱うという点で似通っている。
アルケイデス……人として積み上げた戦闘経験により、相手に自らを殺す手段があると直感したことでただの人間から全力で後退した共通点を持つ。