「フフフ…この『痛み』こそ『生』のあかし」
CV:神奈延年(ゲーム版) / 奈良徹(映画版) / 津田健次郎(TV版)
概要
通称『黒騎士ブラフォード』
スコットランド王国の女王、メアリー・スチュアートを守護していた騎士。
本作オリジナルの架空の人物であるが、作品内においては、イギリス国民なら誰もが知っているという超有名な人物で英雄的存在という設定である。ジョナサン・ジョースターも彼の境遇を知っているだけに、戦うことに対し気が引けていた。
過酷な訓練「77の輝輪」を攻略した5人のうちの一人。
戦闘力
30kgの甲冑を身に着けたまま5kmの湖を泳ぎ切り、敵を奇襲するほどの超人的な肉体と、自分の長髪を自由自在に操れるという常識を超えた技「死髪舞剣(ダンス・マカブヘアー)」を持つ。屍生人となってからは指一本で人体をえぐるほどの怪力を得た。
これだけ聞くとパワー系のように思えるが、実際はスピードにも優れており、目にも止まらず速さで動くことが出来る。
更には髪を用いての吸血を駆使してジョナサンを苦しめた。
過去
相方のタルカスと共にスコットランド王国の双璧だった。
家族を戦で失い、青春を空しさと肉体の鍛錬の中で過ごし、自らにやすらぎを与えてくれたメアリー女王に絶対的な忠誠を誓っていた。
夫殺しの容疑を掛けられて戦争を仕掛けられたメアリー女王を守るために戦ったが敗北。
ブラフォードとタルカスは投降すればメアリーの命は助けるという通達に応じたが、処刑寸前に約束は無視されてメアリーは既に処刑されたことを知り、この世を酷く恨み呪いながら死亡。
その300年後に吸血鬼「ディオ・ブランドー」の手によってゾンビとして復活。生前より更に強力な肉体を獲得し、ジョナサンの前に立ちふさがる。
最期
ディオ・ブランドーによってタルカス共々復活させられ、ジョナサン一行の抹殺に差し向けられる。当初はタルカスと共にジョナサンを仕留める手はずだったが、ジョナサンの強さに興味を惹かれ、ディオの許可を取った上でタルカスにも手出しは無用と告げた。
ジョナサンを水中に引き込むことで呼吸=波紋法を封じるが、逆転の発想によって水中を伝わる波紋「青緑波紋疾走(ターコイズブルーオーバードライブ)」で反撃される。しかし猛スピードで地上に飛び出ることで波紋から逃れ、額が傷付く程度に抑えて地上戦へと移行する。
ジョナサンを勇者の資質十分と称え、髪の毛によって動きを封じ、その首をはねることで血を奪おうとする。しかし剣でトドメを刺そうとしたことが仇となり、ジョナサンから金属を伝わる波紋「銀色の波紋疾走(メタルシルバーオーバードライブ)」でまたもや反撃を受ける。右腕が溶解しながらもジョナサンに襲い掛かるが、最後は「山吹色の波紋疾走(サンライトイエロー・オーバードライブ)」のラッシュを叩き込まれて敗北した(このシーンは一部で“元祖オラオラのラッシュ”とも呼ばれる)。
尚もジョナサンの首をはねようとするが、実は波紋が体内に入ったことで同時に高潔な人間の心を取り戻していた。それを見抜いたジョナサンへ自らの剣と勇気を託し、昇天していった。
「300年たった世界の友人よ、お前の名を聞かせてくれ」
「ジョナサン・ジョースター!」
「ジョナサン…この俺の剣に刻んであるこの言葉をお前に捧げよう!」
『LUCK(幸運を)』
「そして君の未来へこれを持って行けッ!」
『PLUCK』(勇気をッ!)
この剣はディオとの戦いで失われてしまったが、気化凍結法を破るためのヒントを与えた。
PS2ゲーム版
ゲームクリア後のエキストラバトルで操作が可能。ただし特定のバトルのみとなる。
ストーリーではなんと水中戦が描かれている。ジョナサンはゆっくりと泳ぐしか出来ないが、ブラフォードは猛スピードで泳ぐことが出来る。しかも死髪舞剣をスクリューの如く回転させながら突進攻撃を仕掛けて来る。更には死髪舞剣を用いた水中竜巻攻撃で遠当てまで行う。
プレイヤーはブラフォードの攻撃をガードして凌ぎ、蹴り飛ばすことで追い払い、その間に呼吸が出来るポイントを探すこととなる。波紋疾走を命中させれば勝利となるが、体力を0にしても勝利となる。
地上戦ではパンチとキックによるコンボや、縦回転しながら飛び掛かる死髪舞剣を用いる。
とはいえ水中戦と比べれば格段に楽であり、接近戦を挑み続けて波紋疾走を発動させれば普通に勝利できる。
倒すと原作通りの展開となるが、頭髪でジョナサンを拘束したり、刃を寸止めするイベントなどは省かれている。
余談
ちなみに髪の毛を自在に操るという技は、第四部「ダイヤモンドは砕けない」で登場する山岸由花子のスタンド「ラブ・デラックス」とほぼ同じ能力である。
もしかしたらブラフォードはこれと同じような能力のスタンド使いだったのかもしれない。
名前の由来は、イギリスのミュージシャン、ビル・ブルーフォード。
連載当時の日本のメディアでは『ブラフォード』表記が主流だったが、本人側からの表記修正の希望があり、2012年に自伝「ビル・ブルーフォード自伝」が邦訳刊行された後は『ブルーフォード』表記が主流となっている。
プログレッシブ・ロック・バンド「イエス」の黄金期のメンバーで、その後は「キングクリムゾン」、「ジェネシス」、「U.K.」などに参加、自身のリーダー・バンド「ブルーフォード」を結成するなど、プログレを代表するドラマー。
イエスのアルバム「こわれもの」の収録曲『Roundabout』は、ジョジョの奇妙な冒険のアニメ版EDに抜擢されている。
TV版CVの津田健次郎は、後にTVアニメ版5部でティッツァーノを担当した。