概要
聖堂教会の抱える戦闘要員、代行者の頂点に位置する者達が在籍する組織。ミハイル・ロア・バルダムヨォンが創設に関わった「埋葬教室」を前身としている。
在籍している者達は『一人一人が天変地異、主の御業そのものを代行する』とされるほどの隔絶した力を持ち、一般的な代行者の中でもトップクラスの実力者であるハンザ・セルバンテスをして、足元にも及ばないどころか同じ地平にすら立たせては貰えないと言わしめる実力者集団。
実力最優先の組織であり、信仰心や人格は二の次三の次。そのためメンバーは人格破綻者だらけであり、敵対者であるはずの死徒二十七祖のひとりが在籍するという珍事も招いている。
また、死徒達の間でも『二十七祖と闘える実力を持ち、時には単体で屠り去るらしい』と伝説や恐怖、戒めとして語り継がれているとされる。
『Fate/complete material vol.3』においては、人の身でありながらサーヴァントと渡り合うことも可能と紹介された。
月姫のリメイク前後で表記、表現や一部設定に若干の違いがあるため、それぞれ分けて解説する。
リメイク前
教会における異端。完全な実力主義制であり、能力があれば誰であっても一員になることができる。
ナルバレックを含めた7人と予備役の1人で構成され、他国の退魔組織と協力することは絶対にない。
メンバーは非常に強い権限を持ち、例え大司教でも悪魔憑きであることが発覚すれば即座に串刺しにする。
また、教会は時にアルクェイド・ブリュンスタッドへ協力を要請し共同で死徒を討伐することがあるが、埋葬機関はそれを快く思っておらず、隙あらば彼女の封印を目論んでいる。
なお、意外にもメンバーへの待遇は良く、ちゃんと洗礼もしてくれるらしい。
リメイク後
聖堂教会の機密部門。権力に近寄れないかわりに権力に縛られない、教会の中の治外法権。動く武器庫。ごく少数で組織された公安警察。
他の秘蹟会と連携を取る局長と、実戦要員である7人、自由行動を許されていない予備役1名で構成されている。
局長であるナルバレックを筆頭に、メンバーはそれぞれが1つの秘蹟会に匹敵する聖人のなり損ないであるという。
吸血鬼の殲滅を主務としているとされるが、シエルは自分が『対吸血鬼に特化しているだけで、他に偉大な方は何人かいます』と語っており、彼女以外のメンバーは吸血鬼以外の異端に対応した専門家である可能性がある。
構成員(リメイク前)
メンバー全員の名前は明かされておらず、リメイク前時点で公開されていた人物のみを以下に記述した。
なお、序列が何を基準に定められているのかは未だに不明である。
第一位。殺人狂とも評される人格破綻者であり、二十七祖のうち三体を封印した実力者。
詳細はリンク先を参照。
埋葬機関の第五位にして死徒二十七祖の第二十位。四大魔獣と呼ばれる架空の悪魔を使役する悪魔使い。
詳細はリンク先を参照。
- ミスター・ダウン
ある条件下において代わりになるものはいないとされる貴重なエクソシスト。第六位だが彼一人では暫定。相棒と合わせて正式に六位となる。
元はヴァン=フェムの経営する会社、「V&Vインダストリィ」の第六開発部主任であり、技術者としてはエリート中のエリートだった経歴を持つ。
ある事件を解決したことで退社し、その功績を買われてナルバレックにスカウトされた。
彼自身に悪魔祓いの力はないとされており、自衛のためですら銃を持たない。
普段の悪魔祓いも相棒(カレン・オルテンシアではないか、という説が根強いが真偽は不明)が行なっており、彼の仕事は30tトレーラーによる物資と相棒の運搬である。
血や暴力に弱く、異端者の殺戮現場に出くわすとパニクって足を引っ張ることから、”一緒に任務につきたくない男・ぶっちぎりで一位”と他の代行者から恐れられている。
聖母の予言において生涯に3回、悪魔祓いをすると啓示されており、教会において唯一、成体となった悪魔憑きを祓ったとされる。
余談として、この成体となった悪魔憑きは真性悪魔のことではないかという説が有力視されている。
真性悪魔とは全知全能の神とは対の人知無能(手の届く範囲にありながら、決して理解できない淵)であり、人類にとって最大の障害。人間に取り憑くことで受肉しようとする存在であり、その在り方は20世紀に流行した創作神話の邪神に近いとされる。
また、『Fate/EXTRA CCC』に登場する殺生院キアラはムーンセルの力によって真性悪魔へと変生した(正確には人間から真性悪魔の域に達した魔人と呼ばれる存在)。
『Fate/EXTRA material』の用語辞典において、受肉した悪魔に人間は太刀打ちできないが、同時に退散させた例が一件のみ記録されているとあり、これがミスター・ダウンによるものではないかというのがその理由である。
第七位。『弓』の名を冠する代行者。月姫のメインヒロインのひとり。
構成員(リメイク後)
ノエルによって名前と地位、役職などが語られている。厳密な序列は不明だが、7番目に紹介されたシエルが第七位と称されていたことから、紹介順を順位と仮定して表記する。
リメイク前同様、序列が何を基準としているのかは不明。
- ナルバレック
局長。リメイク版においては第一位を兼任していない。
- ノイ・セオナトール・グランファテマ
第一位である枢機卿。結論兵器という存在を語っているとされ、黒鍵はその1つになり得るとシエルは黒鍵愛を爆発させながら遠野志貴に熱弁した。
『Fate/Grand Order』ではある人物が自分の上司として「ノイ司祭」の名前を挙げており、月姫リメイク内でも場面によっては「ノイ司祭」と呼ばれていることから、おそらく同一人物と思われる。
- アンドレイ・ゴッドビバーク
第二位を務める司祭。シエルをして「本当におかしな人」と評するほどの実力の持ち主。
- キアラ・キッショウイン
埋葬機関にいつの間にか紛れ込んでいた尼僧(シスター)。名前を挙げられた順番から、おそらく第三位。
サバトによって悪魔化し、高次元の感覚を得たことで、この次元では全能となったとされる。
未だ物質的な次元に留まっているが、これは観の目を得た際、世界の真理だけでなくより矮小な自分も見てしまったことで、どれだけ窮屈でもあちらの自分よりはマシだろうと判断したため。
月姫リメイク本編においては立ち絵やボイスのないキャラのひとりだが、テキスト内の口調や名前から月姫世界の殺生院キアラ本人ではないかと思われる。
また、『Fate/hollow ataraxia』の登場人物であるバゼット・フラガ・マクレミッツとカレン・オルテンシアが元々は『月姫2/The Dark Six』の登場人物であった経緯や月姫リメイクの制作時期から、キアラも本来は月姫リメイク用に作られたキャラだったのではないか、という考察も存在する。
- ミスター・ダウン
第四位の悪魔祓い(エクソシスト)。リメイク前は彼一人で暫定六位、相棒込みで六位という扱いだった。
リメイク後にも相棒の設定が残っているのかは不明。
- 不明
第五位。一般の代行者であるノエルはその名前すら知らないが、作中に出てくる二十七祖のリストにメレム・ソロモンの名前が確認できることや、教会に封印された「四肢」の原理などの情報から、祖の一角が所属していることは外聞が悪いため詳細が伏せられているのだと思われる。
- アーガレオン
第六位の代行者。名前以外の詳細は不明。
- シエル
リメイク前同様に第七位。ただし、こちらでは本編開始前の時点で『城』と『森』、そして剣の師である剣僧ベ・ゼなど、二十七祖に該当する死徒を複数体討伐しており、戦闘スタイルも一新されている。