概要
「人形師」、「魔城のヴァン=フェム」、「財界の魔王」。
死徒二十七祖第十四位。本名はヴァレリー・フェルナンド・ヴァンデルシュターム。
西暦以前から存在する死徒の大魔術師であり、最古参の死徒の一人。容姿は白いシルクハットにステッキを携える金髪、褐色肌の青年。
略歴
魔術を極めた果てに死徒となったが、それ故に人類の魔術基盤とは合わなくなり、現在は苦手と話す。
表向きはモナコに拠点を構える大企業「V&Vインダストリィ」の社長。
第一次世界大戦頃から吸血行為抜きで勢力を拡大したという。彼の船、死線歓喜船(クロジェ・アナフェール) は従業員が死徒で構成されており、船内には彼の魔術によって様々な見せ物や仕掛けが施されている。この船にて現れた人々の挑戦を受けたりするが、負けたのはこの百年近くでほんの数回というほど強い。
人物
よくエコロジーについて考えているとか。手品やギャンブルといった人間の文化を好む。
その言動や行動から人類に肯定的な死徒ではないかと思われるが詳細は不明。
Fate世界と月姫世界だと若干あり方に変化がある模様。
能力
精巧さに欠けるが、自身よりも巨大なものを作ることにかけては最高の人形師。
七大ゴーレム「魔城」を創造する。
その正体は彼に付き従う六人の美女、フェムの娘、魔城の六人である。
戦闘の際は人形遣いのごとく魔城を糸で操って戦うスタイルを取る。
上記の通り存在基盤が変わったことで人間の魔術が苦手になっているが、彼が人間であった頃に創造した魔城がフェムの魔術回路を使うことで魔術基盤の問題を解決している。
死線歓喜船(クロジェ・アナフェール)
魔眼蒐集列車と同じく死徒の創造物。
船内には様々な魔術が施されており、魔術装飾をARで展開するほか、現代では考えられない空間拡張を行うことが可能。船内にはゲームの一環としてワイバーンやヒュドラといった幻想種の模体も用意されてある。
通常、船の周囲は霧で覆われてるが、外敵を認識した際は自律的に嵐を発生するように仕込まれている。
魔城
金髪に白い肌の美女の姿をしたゴーレム。普段はカジノのディーラーを務めているが、有事にはフェム自らが糸で操り戦闘を行う。人の姿をしてはいるが、概念としての「城」であり、巨大と称される。
元々7体いるが、1体は過去に破壊されている。
- 第五魔城マトリ
過去にフィナ=ヴラド・スヴェルテンに攻め落とされた。
- 第七魔城クーポラ
カジノのディーラーを務めている美女。
人間の姿であっても、蹴りによる圧縮した魔力だけで鋼鉄を寸断できる程。
小夜曲十一番・乙女の吐息
全身から大量の泡を発生させ、超高速で回転しながらの突撃技。
小夜曲十五番・セイレンの嘆き
全身に現れた口が歌い、貨物船を切断できる程の音波をくりだす。
幻想曲十七番・緋色の震え
「我らは緋色の世界を尊ぶ」
クーポラがフェムを操り使用。
周囲にある膨大な海水を血液に変換、幻想種であっても数秒ともたない超深海の水圧で敵を押し潰す。
魔城開門
「第七の魔城を、開門せよ」
フェムの魔力に応じ、クーポラが念じることで発動。
不可視の『力』が出現し、死線歓喜船(クロジェ・アナフェール)の船体が分解され『材料』として『中身』が補填されていくことで完成する全長約100メートルの人型巨大ゴーレム。
その姿はもはや巨大ロ⚪︎。
魔力を込めた拳による一撃は『最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)』には劣るものの、連続で繰り出せばそれ以上になると推察されている。
各作品での活躍
月姫2
自身は動かないが白翼公派に出資をするらしい。
Fate/strange Fake
明確に出番が与えられたのは本作が初。
挿絵などで姿は見られなかったものの、携帯電話越しに野良の吸血鬼であるジェスター・カルトゥーレに大打撃を与えることになる。
また、フランチェスカ・プレラーティは過去に彼にちょっかいを出したが返り討ちにされ、ギャフンと言わされたという。
ロード・エルメロイⅡ世の冒険
外見が初登場し在り方を含め様々な特徴が明らかになった。
関連人物
死徒二十七祖第八位。
自らが作り出した第五城「マトリ」を破壊された為、フィナが所属するアルトルージュ派を嫌っている。
死徒二十七祖第十七位。フェムと同じく最古参の一人。
白翼公派は古いと考えているため距離を取っている。
自分がかつて「子」にした死徒。
アサシンに対して人間として入れ込んでおきながら、オーランド・リーヴ率いる人間の警官隊相手に「人理を否定するもの」として振舞っている様を「ダブルスタンダード」として断罪し切り捨てた。
彷徨海・保存(ゲノン)の扉に所属する魔術師。
フェムとは旧友の関係。
彼のカジノ「フェムの船宴(カーサ)」に参加することが語られている。
数少ないフェムに勝利した人物の一人。
かつての旧知である魔術師、メサラ・エスカルドスの末裔。
先述のカジノで知り合い、その後も付き合いがあり、連絡先を交換している。エスカルドス家の大望についても知ってるらしく、フラットの特異性を知ったときには彼の先祖を称賛した。
余談
『魔法使いの夜』では社員全員が吸血鬼の会社を持つ死徒の話が出ており、『ロード・エルメロイⅡ世の冒険』で船の従業員が全員死徒であったことから彼の会社と考えられる。
また、『冒険』で容姿が判明したことから『月姫 -A piece of blue glass moon-』で語られた「フランス事変」に現れた祖の1人が彼であることがほぼ確定した。
容姿については長らくの間、財界の魔王という異名やその経歴からかギルティギアのスレイヤーの様なダンディな紳士を想像するものが多かった為、「ロード・エルメロイⅡ世の冒険」で明らかになったその姿を見て驚いた古参の型月ファンは多かった。