※この記事は物語のネタバレを多分に含むため、閲覧は自己責任でお願いします。
わたしの町の終わりなんて、ちっぽけでした。
だって、
世界が凄い事になっている。
あってはならない変革が起きている。
すべてを理解する。
壊れ、幼かった私でさえ進化の目を開かされる。
ああ―――この儀式(ため)に、わたしの町は使われたんだ。
概要
フランス事変とは、月姫リメイク本編から13年前にフランスのとある田舎町で起きた、ある少女の悲劇の物語である。
2001年、12月24日のクリスマスイヴのある日、14歳の少女は実家のカフェでいつも通りの日常を過ごしていた。街に来て半年の東洋人の留学生にすこしませたプレゼントを貰って喜んだり、その彼と親しげにするパン屋の一人娘に複雑な思いを抱いていたり、と、年頃の少女としては当たり前と言える感情を抱きながらの1日を過ごしていたのだが、その夜、異変が起こる。
閉店後、ミサに誘ってくれる友達も居なかった少女は2階の自分の部屋にこもっていたのだが、夜7時頃、外の異変に気づく。外の喧噪が消え、静かすぎる一階に降りると、そこは血の海だった。
あまりの惨状に嘔吐しながらも外に出ると、更なる地獄が広がっていた。広場は燃え、死体が積み上がり、人々が異形の怪物と化した人々に襲われていた。世界の終わりを彷彿としつつ、国道に逃げようとするも、そこには見たこともない壁がそびえ立ち、街を隔離していた。そこには逃げてきた大勢の大人の姿があり、パニックを起こしつつも、皆で協力して助かろうと必死になっていたのだが、そこに加わろうとした少女を先の東洋人の留学生が止める。しばらくすると周囲の壁の反対側から黒い壁がせり上がってきて―――その黒い壁が動き出し、間に居た人々を圧殺した。
その様子を見ていた少女は同じくその様子を観察していた奇怪な影を城壁の上に見た。東洋人と共に逃げながら、少女は様々なモノを見た。
・茨のようなモノで巻かれ、真っ赤な花を咲かせる人間のオブジェ。
・巨大な虫のような姿に変えられてしまった人々。それを眺めながら愛を説く怪物。
・逃(い)きる事を諦めた人だけを襲う美しい鳩(とり)の群れ。
気が狂いそうになりながら逃げた少女は教会に逃げ込む。そこで父親と再会するも、喜びもつかの間、避難所になっていた礼拝堂は50以上の人間が息を潜めていたのだが、そこになんとあのパン屋の一人娘があられもない格好で現れ、逃げてきた全員をオモチャにし始める。
「どの方法が一番鮮度を保てるのか試したい」という理由で一人ずつ折りたたんで殺すパン屋の娘。床がへこみできた大穴はさながら血のプールとなった。これは誰かを待っており、その暇つぶしなのだと少女は考えていた。父親も目の前で肉塊にされ、そんな絶望的な時間が3日ほどたった頃、まだ生き残っていた東洋人の彼が一緒に逃げることを提案。ヤツが居ない間に死体を積み上げ、自分と少女を外に連れ出した。しかしそこには大量の怪物がおり、しかも少女はさっきまで一緒に居た東洋人の彼に突き飛ばされおとりにされる。この極限下なら仕方がないと少女が諦めた矢先、彼は余計な大声を出したせいで先に食べられてしまう。
それを見届けながら、少女は世界に変革が起きていること、この儀式のために自分の町は使われたのだと悟った。しかし儀式は白い化身の襲来により、失敗に終わる―――。
参加した祖
左から順に以下のメンバーではないかとファンの間で考察されている。
・ヴァン=フェムと魔城の六人姉妹
・Lululily A. Pa……
余談
首謀者はロアだが、祖達が少ないながらも一堂に会するイベントであり、その様は人間からすれば絶望以外の何者でもなく、あらためて二十七祖及び吸血鬼の恐ろしさを味わわせてくれる月姫リメイクの代表的なイベントの一つである。
また、前述の描写は遠野志貴がかつてのノエルの視点から見せられた光景であるが、その直後のシエルの回想では『あの儀式はほとんど成功していた。アルクェイドはわたしの手に落ち、あと少しで彼女を丸呑みできるところだった。なのに、呼ばれもしないのに現れた七人目※が、あっさり天秤をひっくり返した。』ともあり、アルクェイドとは別の何者かの登場がきっかけとなって儀式が失敗した可能性が示唆されている。
※:発売当初は六人目とされていたが、2024年6月30日以降のアップデートによって修正された。