概要
アーサー王ことアルトリア・ペンドラゴンの宝具の一つ。別名『ロンの槍』。
聖槍は本来、世界の表裏(現実と幻想)を繋ぎ止める「光の柱」そのものであり、万一これが解かれれば現実は世界から剥がれ落ちるという。
神代と幻想の最後に立った「王」であるが故、彼女はこの絶大な力を秘めた聖槍を所有する。また真名解放によって、聖槍は最果てにて輝く光の力の一端を放つことになる。
真名解放を行うためには合計十三の拘束のうち半数までを解除する必要がある。この性質は「世界を救う星の聖剣」と同等のモノとされる。
俗説ではこの槍はかの救世主を刺したロンギヌスの槍と同一視する動きもあるが、伝承から判断すれば辻褄が合わず、信憑性は低いとされている。
『Fate/Zero』アニメ版時点ではスピアータイプのデザインだった一方で、『Fate/Grand Order』以降の作品ではランスタイプのデザインが主流になっていく。
各作品にて
Garden of Avalon
卑王ヴォーティガーンとの決戦で使用。聖剣も使えなくなった窮地で解放し勝利を収める。
また、カムランの戦いで叛逆の騎士モードレッドにトドメを刺したのもこの槍である。
Fate/Grand Order
ランサーとして現界したアルトリア・ペンドラゴンの宝具。
突き立て、喰らえ、十三の牙!
- ランク:A++→EX
- 種別:対城宝具
- レンジ:1~99
- 最大捕捉:1000人
オルタ時は槍から竜巻状の衝撃波を放つ。
とあるドラマCDでモードレッドから「波動砲」と言われている。
実際には疑似展開状態に近いもので、『風王鉄槌』を聖槍のパワーで増幅させ極大出力で発射したものに近いらしい。
ゲーム内では、種類はBusterで、効果は【敵全体に強力な防御力無視攻撃&中確率で1ターン宝具封印&5ターン呪い付与<オーバーチャージで効果UP>】。
幕間の物語をクリアすると、ランクがEXに上がり威力と呪いのダメージが増加する。
敵側に掛けられたバフを無視して大ダメージを狙える上に、反撃に宝具を使われる危険を回避しつつ、呪いで地味に継続したダメージが狙える意地の悪い能力となっている。
最果てより光を放て……其は空を裂き、地を繋ぐ! 嵐の錨!
- ランク:A++
- 種別:対城宝具
通常時は、天空へと駆け昇り、そこから突撃して攻撃する。
突撃時に聖槍のエネルギーが衝角を形成し、その莫大なエネルギーを以て相手を敵陣諸共に吹き飛ばす。
またエネルギー弾道砲としての使用も可能で、その際には集落一つを灰燼に帰し、巨大なクレーターを形成するほどの破壊力を生みだす。
ゲーム内では、種類はBusterで、効果は【自身に無敵貫通状態を付与(1ターン)&敵全体に強力な攻撃&自身のNPをリチャージ<オーバーチャージで効果UP>】。
似た効果の「鶴翼三連」等と同様に無敵貫通付与が先行するため、後続の攻撃も含めて回避・無敵状態を無視して攻撃できる。
こちらは妨害性能は無く、「約束された勝利の剣」と同様に実直な力押しの運用となる。
以下は宝具とは別にストーリーで使用された例である。
レディ・ライネスの事件簿
特異点パッチワーク・ロンドンにおいて、ムネーモシュネーが時計塔として偽装していたフェイク・ロンゴミニアドが登場。
ロンゴミニアドを模した外観に、内部は閉鎖空間であり、特異点を繋ぎ止めていた鎖でもある。
復刻イベントの追加シナリオ『偽典の帰還』では、制御していたムネーモシュネーの撃破により暴走をはじめロンゴミニアドの力を持ってしまい特異点内を自らを維持するリソースと認識するものへと変貌。
カルデアのマスターとヘファイスティオンも次々生み出されたエネミーに苦戦するほどだった。
星間都市山脈 オリュンポス
終盤において、使用者は不明だが、機神たちの本拠地であるオリュンピア・ドドーナに対し、嵐の壁を飛び越えてその一撃を加えるも、キリシュタリアの惑星轟によって防がれている。
妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ
前述のオリュンポスに対しての使用者はモルガンであることが判明。
彼女の居城である罪都キャメロットでは大穴から這い上がるであろう存在に向けて十二本も向けられている。
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿
- ランク:A+(本来はA++だがグレイが扱いきれないためランクダウン)
- 種別:対城宝具
- レンジ:1~99
- 最大捕捉:100人
ロード・エルメロイⅡ世の助手・グレイが所持している。
ただし、彼女が所持しているのは本体ではなく「影(または一部)」であり、普段は現代において神秘性を失わせないために魔術礼装「アッド」によって封印している。
影と言ってもその威力は絶大。
発動には大源(マナ)が大量に必要。グレイ自身もこの槍を振るうために作られた(正確に言えばそれを目指す一族の生まれだったがグレイが当てはまってしまった)ところもある。
一定値の魔力がたまることにより、第二段階限定解除が行われる。この状態でも力は発揮可能。
が、この状態はアッドの封印が解除されても十三拘束がされている状態で本来の力では無い。
それでも、神霊級の魔術行使に届かんばかりの暴威の固まりである。
そして事件簿五巻にて、とある人物の”槍には祈りが詰まっている。十三のカタチに凝縮された祈りだ”と言う言葉や、グレイの決意を聞いたアッドにより、新たな第二段階限定解除が行われた。
『十三拘束解放(シール・サーティーン)――円卓議決開始(ディシジョン・スタート)!』
アッドの封印の他にも槍本体にもかかっている十三拘束を解放する解除が発動。
複数の誇りと使命を成し遂げられるであろう事態のみ、本来の聖槍は解放される。
完全解放のために必要な議決は七つであるが、今回は五つだけだった。
「是は、生きるための戦いである」 ――承認、ケイ。
「是は、己よりも巨大な者との戦いである」 ――承認、ベディヴィエール。
「是は、人道に背かぬ戦いである」 ――承認、ガヘリス。
「是は、真実との戦いである」 ――承認、アグラヴェイン。
「是は、精霊との戦いではない」 ――承認、ランスロット
この五つが承認され「第三段階限定解除を開始」が発動。
槍の力が発動、絶大な威力を叩き出した。
また、コラボイベントより参戦した『Fate/Grand Order』でも彼女の宝具として抜擢されている。
ゲーム上では、カードの種類はBusterで、効果は【敵全体に強力な攻撃&敵全体のQuick攻撃耐性をダウン(3T)&敵全体のBuster攻撃耐性をダウン(3T)<オーバーチャージで各効果UP>】。
イベント復刻時に追加された強化クエストをクリアすることで基礎威力の向上と、ダメージ前に無敵貫通付与とダメージ後にNP10%リチャージが追加される。
その他、『肉体』のアーサー王であるグレイに対する『精神』のアーサー王こと骸王もまた、最果てにて輝ける槍を使用する。
同じ時代・同じ場所に二振りの聖槍があることになるが、これは彼女達の持つそれは本体の影であり、「影ならば複数あっても問題ない」という理屈によるものである。
ロード・エルメロイⅡ世の冒険
前作ロード・エルメロイⅡ世の事件簿より三年後の世界。こちらでもグレイの切り札として「アッド」と共に作中に登場する。
日本を舞台にした三巻の終盤にて、グレイ自身の成長と願い、そして事件の根幹に纏わる人物からのとある影響により「伝承にすら吟われていない新の機能である、世界を繋ぎ止める柱」としての新たな能力『最果てにて礎なる夢の塔(ロンゴミニアド・ミュトス)』を発現させる。
こちらは水晶の円環のような姿をしており、「世界にそれを繋ぎ止める錨」としての機能に特化した『光の柱』を放つ回避不可能のレーザー兵器であるが、攻撃力らしきものは皆無であり作中では「相手の能力を封印し人としての姿に繋ぎ止める」為に使用された。
ただし能力の詳細は勿論、グレイ自身にも「何故自分がこれを使えると思ったのか、そしてこれを使えたのか」さえ分かっておらず全容は謎に包まれている。
蒼銀のフラグメンツ
この世界のアーサー王も生前この槍を使用してモードレッドを誅したと語られているが、現時点ではサーヴァントの宝具として使用された事はない。
余談
なお、アーサー王の聖槍は「光の柱」の影に過ぎず、この光の柱はブリテン以外にも世界各地にあるものであるという。奇しくも、各神話体系には国造りに関する槍の伝承が確認されており、Fateシリーズにおいてはローマ神話の国造りの槍、日本神話の国造りの槍が確認されている。また、国造りの槍と言えるか微妙な範囲ではあるが、北欧神話におけるオリジナルのグングニルも北欧神話の世界を構成する巨大樹ユグドラシルから作られたものとする説話もある。西遊記に登場する如意棒もまた、「海の重り」として使われていた過去があり、型月世界では関連性が指摘されている。
更に異星からの侵略者の使用した兵器である「空想樹」はテクスチャを貼り付ける「柱」という意味では「光の柱」に近い性質を持っており、ファンからは関連性が指摘されている。
関連動画
関連タグ
Fate/staynight Fate/GrandOrder ロード・エルメロイⅡ世の事件簿
セイバー(Fate/staynight) アルトリア・ペンドラゴン(ランサー) アルトリア・オルタ(ランサー) グレイ(ロード・エルメロイⅡ世の事件簿)
プロトセイバー:聖剣に同じ十三拘束が設定されている。
謎のヒロインXX:サーヴァントユニバースにおける聖槍としてロンゴミニアドLRを持つ。
ロムルス: 同じく各国の世界観のベースとなる槍を所持しているという共通点がある。
ルキウス・ロンギヌス、パーシヴァル:俗説にて同一視されるロンギヌスの槍を持つサーヴァント。