ローマとは浪漫であり――神代より卒業し、人として人を愛す心を得た、人間的なるもの、その全ての象徴である。
ローマ(プロフィール)
真名 | ロムルス |
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クラス | ランサー |
性別 | 男性(ローマ) |
身長 | 190cm |
体重 | 140kg |
出典 | 史実、ローマ神話 |
地域 | 欧州 |
属性 | 混沌・中庸・星 |
好きなもの | ローマ |
嫌いなもの | ローマでなき者は存在しない |
設定担当 | 桜井光 |
ILLUST | こやまひろかず |
CV | 置鮎龍太郎 |
ローマ!(概要)
『Fate/Grand Order』に登場するランサークラスのサーヴァント。レアリティは☆3。
第1部2章『永続狂気帝国 セプテム』にて敵サーヴァントとして登場。
黒幕によって召喚されて“ローマの破壊”を唆されるも、世界(ローマ)を心魂より愛する彼には馬耳東風だった。そのため、やむなく黒幕の方が折れて「新国家『ローマ連合帝国』による旧ローマ帝国の蹂躙」に計画を変更することになり、その神輿として黒幕に担がれることとなった。
彼自身は神輿として担がれたことも重々理解しており、現皇帝ネロと敵対することとなっても、まるで“我が子を試す父”のように立ち塞がり、彼女のローマ帝国への愛が本物であるか否か見極めようとした。倒された際にはネロのローマへの愛を認めながら、その精神を鼓舞しつつ消滅した。
『FGO』屈指の出落ちサーヴァントで、その独特の雄々しい立ち姿(Y字ポーズ)に多くのマスターが腹筋にBusterチェインをくらうことになった。その立ち様はまさにローマ。
どこぞの魔物に似ていると言われることもある。
……Y字ポーズというか頭込みでピースマークに見えなくもない。
ローマ……(真名)
ローマ建国の神祖であり、軍神マルスの子にして伝説のローマ王、『ロムルス』。
アルバ王家の血筋を引きながらも、大叔父アムリウスの強欲により祖父ヌミトルは王位を追われ、その娘であり母シルウェアは神殿の巫女として封じられてしまう。
だが母はその心身の美しさでマルスの心を射止め、ロムルスとレムスの双子を授かる。
2人は誕生からすぐさま大叔父に抹殺されそうになるが、殺害を命じられた兵士がこれを躊躇し、最終的に密かに川に流される。その後、マルスの遣わした牝狼によって川から拾い上げられ、その乳を飲んで飢えを凌ぎ、しばらくしてから羊飼いの夫婦に拾われて育てられる。
成人後、羊飼いのリーダーとして信望されたロムルスは、近隣のアルバ人との諍いの中で自分たちがアルバの王族であることを知る。自らの強欲で親族を圧した不義のアムリウスを打倒せんと誓った兄弟は、武器を集めて輩を引き連れ、アムリウスの宮殿を襲撃する。
かくして悪しき王は討たれ、兄弟は祖父に王位を返還すると建国の夢を抱いて去っていった。
弟レムスとはかつては強い絆を結んでいた。
しかし、建国の折りに、パラティヌスとアウェンティヌスのどちらを首都とするかで対立し、その仲は険悪になっていく。最後は弟の挑発に激怒し、感情に任せてレムスを殺してしまう。
ロムルスは悔やんでも悔やみ切れず、レムスの行った挑発になぞらえ、国境の堀を超える者に死を願ったという。英霊となってなお、この後悔だけは拭い難いと語っている。
その後レギオン(軍団)や元老院の創設、周辺国家の制圧を進め、ローマを強大な国へと押し上げた。だがある日、降りしきる雨の中にロムルスは忽然と姿を消した。暗殺されたとも、神々が彼の使命の終焉を見極めて神の座に召し上げたとも――Fate時空ではアルトリアランサーの絆イベントにて、「生きながら神になった」と語っている節があるため、後者の説を採用している模様。
死後、彼はローマ建国の父として崇拝され、「神祖」として神殿に祭られることとなった。
ローマ!(人物像)
一人称は常に「私(ローマ)」。
生まれながらに超人であるため、余裕と落ち着きがある。その人間性は世界に君臨するローマそのもの。ネロ、カエサル、カリギュラといったローマの英霊たちを「我が子」と呼び、愛する。
ローマとは世界であり、すなわち世界とはローマに他ならない。ならば人類史とはローマの歴史にも等しい。なればこそ、神祖は人類史のために戦うマスターを庇護し続ける。
尊大で威圧に満ちた風格の持ち主だが、その精神性はどこまでも深い父性に満ちており、相対する者の矛盾を見極め、その過ちを正し、より良い未来へ導かんとする崇高な精神を宿している。
口を開けば「ローマ」と言い、全てをローマに関連付けるのが玉にキズだが、彼にとって世界はローマであり、ローマとは即ち自身であるため、自身に関わろうとする一切を受け止める器の大きさを有しているとも言える。その父なる精神は紛れもなくローマ。
また後に冠位への適性があると語られ、第2部5章ではグランドランサーの姿も見せている。
ローマ!!(能力)
全てにおいてCランク以上の高いステータスを誇り、ギルガメッシュやカルナ同様「トップサーヴァント」に名を連ねている。
これに加えて本来は「神性」のクラススキルも持ち合わせているのだが、「皇帝特権」を得るにあたって敢えてそちらを封印し、一人のローマ人として顕現する道を選んでいる。
ローマ(ステータス)
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | B | A | A | C | B | A++ |
ローマ(保有スキル)
対魔力(B) | ランサーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。Bランクでは、詠唱が三節以下の魔術を無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以っても、傷付けるのは難しい。 |
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神性(×) | 神霊適正を持つかどうか。本来は高ランクで保有するのだが、一ローマ人として現界する為に敢えて同スキルを封印。代わりに『皇帝特権』を獲得している。 |
天性の肉体(C) | 生まれながらに生物として完全な肉体を持つ事を表したスキル。このスキルの所有者は、常に筋力がランクアップしているものとして扱われる。更に、鍛えなくても筋肉ムキムキな上に、どれだけカロリーを摂取しても体型が変わらない。 |
浪漫の風(B+) | 「天性の肉体(C)」が変化したスキル。詳細不明。 |
皇帝特権(EX) | 本来持ち得ないスキルも、本人が主張する事で短期間だけ獲得出来る。該当するスキルは『騎乗』『剣術』『芸術』『カリスマ』『軍略』等。Aランク以上の場合、肉体面での負荷(『神性』など)すら獲得する。本スキルを有するにあたり、ロムルスは本来有していた高ランクの『神性』スキルを自ら封印している。 |
七つの丘(A) | 自ら「我が子」と認めた者達に、ローマ神祖としての加護を与える。七つの丘とは『ローマ七丘』、即ちローマの礎となった七つの丘を指す。パラティヌスの丘に城壁を築き、その地が後のローマの中心部となったと伝えられている。 |
ローマ!!!(宝具)
すべては我が槍に通ずる(マグナ・ウォルイッセ・マグヌム)
- ランク:A++
- 種別:対軍宝具
- レンジ:1~99
- 最大捕捉:900人
「いざ、ローマへ!」
「すべて、すべて、我が槍(やり)にこそ通ず――『すべては我が槍に通ずる(マグナ・ウォルイッセ・マグヌム)』!!」
国造りの槍。母シルウィアが処女懐胎によりロムルスを生み落とす以前に見た夢に登場する、ローマそのものを象徴する大樹と結び付けられて伝えられる。
一度、真名を解放して地面に突き立てると、槍は大樹として拡大・変容し「帝都ローマの過去・現在・未来の姿」を造成、怒涛の奔流で対象を押し流す。質量兵器ローマ。
詳細は該当記事を参照。
すべては我が愛に通ずる(モレス・ネチェサーリエ)
- ランク:B
- 種別:結界宝具
- レンジ:1~40
- 最大捕捉:100人
愛する弟レムスを自らの手で誅した逸話を具現化させた、血塗られた愛の城壁。
空間を分断する城壁を出現させることで壁の内側を守る、結界宝具。城壁の出現は地面から瞬時に湧き上がるため、出現位置の調整次第ではギロチンのように対象を切断することも可能。
「モレス・ネチェサーリエ」は塩野流の独特な読み方で"moles necessarie"は古典ラテン語では「モーレース・ネケッサーリエ」と読む。「必要な大事業」程度の意味で、塩野七生『ローマ人の物語 第10巻』にてローマ人はインフラを「モーレス・ネチェサーリエ」と呼んでいたとの形で紹介されている。製作者はこの普通使用しない読み方とともにここから採用したのだろう。
ローマ!!!!(ゲーム上での性能)
初期から実装されているレアリティは☆3レアのランサーで、ステータスは同格のランサーと比較してHPが低い分、攻撃力で勝る。
カードバランスは《Quick:2/Arts:1/Buster:2》と、ランサーの定形。
スキルは、HPを回復しつつ3ターンの間自身の攻撃弱体耐性を上げる「天性の肉体(C)」とHP回復に加えてランダムで攻撃力・防御力アップが付く「皇帝特権(EX)」、強化クエストクリアで習得する味方単体に1ターンの間ガッツ(自動復活)とBuster性能UPを付与する「七つの丘(A)」。
体力回復スキルを2つも持つ事から最大HPの割に耐久力が高く、ランダム性がネックだが「皇帝特権(EX)」でステータスも上げられると、ただのネタキャラと侮りがたい強さを秘めている。
「七つの丘(A)」は最大HPが低い自身に使うのも悪くないが、耐久力に難のあるバーサーカーやアーラシュの宝具による自爆を防ぐために使うのも効果的。
宝具『すべては我が槍に通ずる』は、種別はBusterで、効果は【敵全体に強力な攻撃+3ターンの間味方全体の攻撃力UP〈オーバーチャージで効果UP〉】。
威力はLv5(MAX)まで到達すればランクA++級だけに、☆3ながら中々のパワーとなる。
副次効果で攻撃力が上がるため、宝具連鎖の先鋒として発動させ、後続の宝具の威力を上げたり、バトル終盤でおもむろにぶっぱして雑魚散らしとステータスUPを両立したりと、応用次第で戦術の幅が大きく向上する。ただ攻撃するだけに終わらない、これぞローマ。
実は希少な「星」属性及び「特別な星の力」の持ち主であり、これにより高ランクアーチャーである金ピカとミスターすっとんきょうの宝具が持つ特攻効果の対象から外れている。そのため、しっかり育てればクラス相性も相まってこの2人にとってのまさかの天敵と化す。
欠点はArts1枚ゆえにNPチャージが不得手な事。NP効率自体は悪くないため、パーティメンバーで上手く補強すれば宝具開放も難しくはない。概念礼装は、初期NPとHP回復量を同時に増やせる「カルデアの顕学」と特に相性が良い。生存力に特化させるならば、「メイド・イン・ハロウィン」も効果的である。また、『4周年記念強化クエスト』にて、「天性の肉体(C)」が「浪漫の風(B+)」へランクアップ。HP回復量が増加する共にNP+20%の効果が追加されるという、長所を伸ばし短所を補う良強化が入っている。
基礎ステータスが不安ならば、「聖杯転臨」で補強するのも手だろう。
聖杯は希少品ゆえ使うには愛が問われるが、その愛を以てローマはさらに育ちゆく!!
ローマ、ローマ……!(関連人物)
生前
レムス
双子の弟。共に協力して国を取り返した。
諍いの末に決闘で死なせてしまったことが心残りとなっている。
異母姉妹。これはロムルスの父親であるローマ神話の軍神マルスとヒッポリュテとペンテシレイアの父親であるギリシャ神話の戦神アレスが同一視されている事に由来している。
今のところ言及はない。
Fate/Grand Order
第2部5章後半で登場した自身の若かりし頃の姿かつ、ローマ三柱神の一角、クィリヌス神となった逸話が昇華した姿。二人が揃うと余計にローマ感が増す。
歴代皇帝の中でもその在り方を気に入っており、「実に良きローマ皇帝」と称賛している。
ネロの方も生前・死後共に神祖である彼を大いに尊敬している。それだけに、第1部2章では敵の名目上の首魁が彼であると判明した際には大きく動揺していた。
ローマ連合帝国の参謀にして宮廷魔術師。
ロムルスを召喚して首魁に担ごうとするも、その規格外さに持て余してしまうことに……
契約したマスター。
彼/彼女のことももれなくローマと認めている。
彼/彼女からは神祖と呼ばれ、後光に目を潰されそうになっている。
人の身のまま神域に達したランサーの後輩格で、彼女の絆イベントに登場。
自身の在り方に頑なな拘りを見せる彼女に対し、とんでもなくローマな方法で諭してしまう。
「問おう。(マスター)よ、アルトリア・ペンドラゴンを好きと言えぇぇぇぇい!!」
同じく彼の絆イベントにて登場。
そして上記の彼女と同じく自身の在り方に頑なな拘りを見せる彼に、業を煮やしたオジマンディアスに頼んで物理的説得させるため連れてきてもらった(そのためバトルイベントでしれっと登場するので全マスターを驚かせた)。当人が割と話が分かる方だったため、こちらも上記する彼女よりは穏やかな方だがローマすぎる方法である事には変わらない。
終局特異点にて、彼女の『涙の星、軍神の剣』を見て、「我が父(マルス)の剣」と言っている。しかも「久しぶりに見た」と言っている事から、前に同じ光景を見たという事実が判明している。
ローマ!!!!!!!(余談)
イタリアのプロサッカークラブのASローマのエンブレムには、ロムルスの姿が描かれている。
そもそも同チームのエンブレムはローマ建国神話が由来となったデザインの為。
また、彼の宝具『すべては我が槍に通ずる(マグナ・ウォルイッセ・マグヌム)』が国造りや樹木に関係した槍という点から、ロンゴミニアドや空想樹と共通点を持つが関係性は不明。
しかし、地球上にテクスチャを張っているロンゴミニアドのオリジナル「聖槍」が作り出した影は世界各地に点在するとする設定がある他、ロムルス自体はアーサー王関連の幕間に度々登場しているので関係性がゼロとも言い切れない。